Solaris 9 4/03 ご使用にあたって

第 2 章 インストールに関する注意事項とバグ情報

この章では、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境のインストールに関連した問題を説明します。

この章には、Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD に含まれている Installation Kiosk、および Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION CD に含まれている『Solaris 9 4/03 ご使用にあたって』の発行後に見つかった、以下のインストール時のバグに関する説明が追記されています。

日本語環境をインストールする前に知っておく必要がある情報

必要なディスク容量

Solaris 9 4/03 の日本語環境と DOCUMENTATION CD をインストールする場合に必要なディスク容量について説明します。

Solaris 9 4/03 CD のソフトウェア容量

次の表に、Solaris 9 4/03 SOFTWARE 1 of 2 CD、Solaris 9 4/03 SOFTWARE 2 of 2 CD、Solaris 9 4/03 LANGUAGES CD に含まれている日本語ロケール (jaja_JP.PCKja_JP.UTF-8) のパッケージをインストールするために必要なディスク容量を示します。Solaris 9 より、ファイルシステムの自動配置でデフォルトとして選択される領域は、ルート (/) とスワップ (swap) だけになりました。記載されている値は、このデフォルトのファイルシステムでインストールする場合に必要なルートファイルシステムの推奨値 (括弧内は最小値) で、スワップ領域に必要な容量は含まれていません。

なお、Solaris suninstall プログラムで「ソフトウェアの選択」画面に実際に表示される各ソフトウェアグループの値は、スワップ領域を含んだ値です。この値は、インストールするシステムのディスクやメモリーのサイズによって異なります。

表 2–1 Solaris 9 4/03 (SPARC 版) のソフトウェア容量 (単位: M バイト)
 ソフトウェアグループルート (/) ファイルシステムのサイズ
 全体ディストリビューション と OEM サポート 2097 (1783)
 全体ディストリビューション 2057 (1749)
 開発者システムサポート 1723 (1464)
 エンドユーザーシステムサポート 1192 (1013)


注 –

この表に記載されている値は、Sun4U アーキテクチャのシステムにソフトウェアをデフォルトでインストールする場合に必要な容量で、64 ビット (sparc v9) サポートパッケージの容量を含んでいます。64 ビットパッケージをインストールしない場合や、Sun4U 以外のアーキテクチャにインストールする場合には、この表の値よりも推奨値で 100M 〜 180M バイト、最小値で 90M 〜 150M バイトほど少ない容量で済みます。


表 2–2 Solaris 9 4/03 (x86 版) のソフトウェア容量 (単位: M バイト)
 ソフトウェアグループルート (/) ファイルシステムのサイズ
 全体ディストリビューション と OEM サポート 1654 (1406)
 全体ディストリビューション 1654 (1406)
 開発者システムサポート 1450 (1233)
 エンドユーザーシステムサポート 994 (845)

Solaris DOCUMENTATION CD のソフトウェア容量

次の表に、アジア言語版の DOCUMENTATION 2 of 2 CD に含まれている、英語および日本語のドキュメントパッケージとその容量を示します (その他のアジア言語のパッケージは省略)。これらのパッケージのうち * 印がついているパッケージは、デフォルトで /opt にインストールされます。

表 2–3 Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION 2 of 2 CD のソフトウェア容量 (単位 : M バイト)
 パッケージ コレクション名 必要な容量の概算値
SUNWaadm * Solaris 9 4/03 System Administrator Collection (HTML 版) 29
SUNWdev * Solaris 9 4/03 Software Developer Collection (HTML 版) 20
SUNWids * iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) (HTML 版) 8
SUNWsdocs * Documentation Navigation for Solaris 9 1
SUNWjaadm * Solaris 9 4/03 System Administrator Collection - Japanese (HTML 版) 28
SUNWjabe * Solaris 9 User Collection - Japanese (HTML 版) 15
SUNWjaman *Solaris 9 4/03 Reference Manual Collection - Japanese (HTML 版)1 15
SUNWjdad * Solaris 9 Common Desktop Environment Developer Collection - Japanese (HTML 版) 9
SUNWjdev *Solaris 9 4/03 Software Developer Collection - Japanese (HTML 版)1 14
SUNWjids* iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (HTML 版) 8
SUNWjinab * Solaris 9 4/03 Release and Installation Collection - Japanese (HTML 版) 4
SUNWwnabj * Solaris 9 4/03 About What's New Collection - Japanese (HTML 版) 1
SUNWjasdc *Sun ONE Application Server 7 Collection (Solaris Edition) - Japanese (HTML 版)1 3
SUNWjqdoc * Sun ONE Message Queue 3.0.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (HTML 版) 3
SUNWpaadm  Solaris 9 4/03 System Administrator Collection (PDF 版) 26
SUNWpdev  Solaris 9 4/03 Software Developer Collection (PDF 版) 20
SUNWpids iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) (PDF 版) 8
SUNWpjaadm Solaris 9 4/03 System Administrator Collection - Japanese (PDF 版) 29
SUNWpjabe Solaris 9 User Collection - Japanese (PDF 版) 15
SUNWpjamanSolaris 9 4/03 Reference Manual Collection - Japanese (PDF 版)1 16
SUNWpjdad Solaris 9 Common Desktop Environment Developer Collection - Japanese (PDF 版) 10
SUNWpjdevSolaris 9 4/03 Software Developer Collection - Japanese (PDF 版)1 18
SUNWpjids iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (PDF 版) 12
SUNWpjinab Solaris 9 4/03 Release and Installation Collection - Japanese (PDF 版) 5
SUNWpwnabj Solaris 9 4/03 About What's New Collection - Japanese (PDF 版) 2
SUNWpjqdoc Sun ONE Message Queue 3.0.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (PDF 版) 5
SUNWpjasdcSun ONE Application Server 7 Collection (Solaris Edition) - Japanese (PDF 版)1 4

注 1: 一部のみの翻訳となりますので、全情報を参照する場合は、対応する英語のコレクションをご覧ください。


注 –

* 印のついていない PDF 版のパッケージはデフォルトではインストールされません。これらのパッケージをインストールする場合には次の手順を実行してください。

  1. DOCUMENTATION 2 of 2 CD のインストーラを起動する。

  2. 「インストール形式の選択」画面で、「カスタム」を選択する。

  3. 「コンポーネントの選択」画面で、パッケージを選択し、インストールを実行する。


次の表は、英語 + ヨーロッパ言語版の DOCUMENTATION 1 of 2 CD にのみ含まれており、日本語に翻訳されていないマニュアルを含む英語のドキュメントパッケージです。

それらのマニュアルをインストールする場合には、次の手順を実行してください。

  1. DOCUMENTATION 1 of 2 CD のインストーラを起動する。

  2. 「インストール形式の選択」画面で、「カスタム」を選択する。

  3. 「コンポーネントの選択」画面で、該当するパッケージを選択し、インストールを実行する。

パッケージはデフォルトで /opt にインストールされます。

表 2–4 Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION 1 of 2 CD のソフトウェア容量 (単位 : M バイト)
 パッケージ コレクション名 必要な容量の概算値
 [英語]  
SUNWaman  Solaris 9 4/03 Reference Manual Collection (HTML 版) 54
SUNWpaman Solaris 9 4/03 Rerference Manauall Collection (PDF 版) 29
SUNWakcs KCMS Collection (HTML 版) 3
SUNWpakcs KCMS Collection (PDF 版) 4
SUNWadoc Sun ONE Application Server 7 Collection (Solaris Edition) (HTML 版) 14
SUNWpadoc Sun ONE Application Server 7 Collection (Solaris Edition) (PDF 版) 20
SUNWaref Sun ONE Application Server 7 Reference Manual Collection (HTML 版) 2
SUNWparef Sun ONE Application Server 7 Reference Manual Collection (PDF 版) 1

日本語環境の選択

Solaris 9 4/03 のインストール中に行うことができる、日本語環境の選択について説明します。日本語環境の選択では、「デフォルトロケール」「インストールするロケール」の 2 つを選択します。インストール手順の詳細は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。

Solaris 9 4/03 は、次に示すように 3 種類の文字エンコーディングに対応した 4 つの日本語ロケールをサポートしています。

デフォルトロケールの選択

インストール後のシステムのデフォルトロケールを選択します (具体的には、 /etc/default/init ファイル内に LANG 環境変数が定義されます)。

日本語環境をインストールする場合に、システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールを選択しなければならないわけではありませんが、日本語ロケールを選択することをお勧めします。システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていると、たとえば、システムログイン時の LANG の設定を、ユーザーごとに環境設定ファイルで定義しなくても済むようになります。また、dtlogin の言語設定で、デフォルトで日本語ロケールが設定されます。

インストール前に、このデフォルトロケールをあらかじめ設定しておくことも可能です。この事前設定をしておくと、GUI インストール時にもロケール設定画面が表示されません。この設定は、カスタム JumpStart による自動インストールの場合など、意図的にロケール設定画面を表示させたくない場合に有効です。 [デフォルトロケールの事前設定を行う方法には、「ネームサービスに事前に定義しておく方法」と「sysidcfg ファイルを使用する方法」の 2 通りがあります。 詳細は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。]

インストールするロケールの選択

インストールしたいロケールを選択すると、ロケールに依存するソフトウェアパッケージがインストールされます。日本語環境をインストールするには、必ず日本語パッケージをインストールする必要があります。


注 –

Solaris 9 から、インストールするロケールとして、日本語ロケールを 1 つだけ選択した場合でも、すべての日本語ロケールがインストールされるようになりました。たとえば、ja ロケールのみを選択した場合でも、jaja_JP.eucJPja_JP.PCK、および ja_JP.UTF-8 ロケールがインストールされます。


Solaris 9 4/03 ソフトウェアをインストールする前に知っておく必要がある注意事項

SPARC: Solaris 9 4/03 DVD からのブート

Solaris 9 4/03 オペレーティング環境は DVD でも提供されています。DVD からインストールまたはアップグレードを行うには、Solaris 9 4/03 DVD を DVD-ROM ドライブに挿入して、ok プロンプトで次のコマンドを入力し、システムをブートします。


ok boot cdrom

x86: Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD のパーティションに関する問題

Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD の Solaris Web Start 3.0 プログラムがシステムで Solaris の fdisk パーティションを検出できない場合は、root ディスクに fdisk パーティションを作成する必要があります。


注意 – 注意 –

現行の fdisk パーティションサイズを変更すると、パーティション内のデータはすべて自動的に削除されます。Solaris の fdisk パーティションを作成する前に、データをバックアップしてください。


Solaris Web Start 3.0 プログラムでインストールを実行するためには、次の 2 つの fdisk パーティションが必要になります。


注 –

Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD に同梱されているインストールプログラムは、x86 ブートパーティションを作成し、Solaris の fdisk パーティションを 10M バイトだけ削除します。この削除により、既存の fdisk パーティションが変更されることはありません。

このパーティションは手動で作成しないでください。

また、Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD を使用して Solaris 2.6 または 7 リリースから Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードすることはできません。詳細については、アップグレードに関する注意事項とバグ情報を参照してください。


x86: 起動ディスクのデフォルトパーティションレイアウトの変更

Solaris 9 4/03 オペレーティング環境では、起動ディスクに対するデフォルトのパーティションレイアウト方式が変更されました。Solaris Web Start および suninstall プログラムを使用してSunTM LX50 システムをインストールする際にこの新しい方式を使用すると、既存の Service パーティションが保持されます。

新しいデフォルトの設定には次のパーティションが含まれています。

デフォルトのレイアウトを使用するには、Solaris Web Start または suninstall プログラムから起動ディスクのレイアウト選択を要求されたときに「デフォルト」を選択します。


注 –

Service パーティションが作成されていないシステムに Solaris 9 4/03 オペレーティング環境 (x86 版) をインストールすると、Solaris Web Start および suninstall プログラムはデフォルトでは新しい Service パーティションを作成しません。システムに Service パーティションを作成するには、x86: Service パーティションがないシステムでは、デフォルトで Service パーティションが作成されないを参照してください。


また、fdisk コマンドユーティリティを使用して、手動でディスクパーティションレイアウトを作成することもできます。次の場合、起動ディスクのパーティションを手動で編集します。


注 –

システム上にアップグレード対象の Solaris オペレーティング環境がすでにインストールされているが x86 ブートパーティションがない場合、Solaris INSTALLATION CD によるアップグレードは実行できません。x86 ブートパーティションが作成されていないシステムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードするには、Solaris 9 4/03 SOFTWARE 1 of 2 CD に同梱されている suninstall プログラムを使用してください。


SPARC: デフォルトの Solaris JumpStart プロファイルは小容量ディスクに複数のロケールをインストールしない可能性がある

Solaris 9 4/03 メディアのデフォルトの Solaris JumpStartTM プロファイルを使用して、ディスク容量の小さいシステムに複数のロケールをインストールすると、インストールが失敗することがあります。この問題は、次の状況で発生する可能性があります。

x86: Service パーティションがないシステムでは、デフォルトで Service パーティションが作成されない

Service パーティションが存在しないシステムに Solaris 9 4/03 オペレーティング環境をインストールすると、インストールプログラムはデフォルトでは Service パーティションを作成しません。Service パーティションを Solaris パーティションと同じディスクに作成するには、Service パーティション を作成しなおしてから、オペレーティング環境をインストールする必要があります。

Solaris 8 2/02 オペレーティング環境を Sun LX50 システムにインストールする場合、インストールプログラムが Service パーティションを保存しない可能性があります。fdisk ブートパーティションのレイアウトを手動で編集して Service パーティションを保存しないと、インストールプログラムはインストール時に Service パーティションを削除します。


注 –

Solaris 8 2/02 オペレーティング環境をインストールしたときに Service パーティションを明示的に保存しないと、Service パーティションを作成しなおして、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードできません。その場合、ソフトウェアを最初からインストールしなおす必要があります。


回避方法: Solaris パーティションを含むディスク上に Service パーティションがある場合は、次のいずれかを実行してください。

x86: Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ブート用フロッピーディスクが使用できない

Solaris 9 4/03 リリースでは、Solaris 9 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) はブート用フロッピーディスクとして配布されていません。Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) をブートするには、次のいずれかの方法を選択してください。

詳細は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。

x86: Solaris 9 オペレーティング環境へアップグレードする前に、DPT PM2144UW コントローラの BIOS を最新のものに更新する必要がある

Solaris 9 4/03 オペレーティング環境には、サイズの大きいパーティションをインストールするための新しい機能が追加されています。DPT PM2144UW コントローラの BIOS は、LBA (論理ブロックアドレス指定、Logical Block Addressing) をサポートしていなければなりません。最新の BIOS は、LBA アクセスを完全にサポートしています。LBA をサポートするために、ほかの DPT コントローラモデルも更新しなくてはならない場合があります。

回避方法 : Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードする前に、 DPT PM2144UW コントローラの BIOS が最新のバージョンであることを確認してください。

システムに DPT コントローラがインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。

  1. 次のコマンドを実行します。

    prtconf -D

  2. 名前 dpt が表示されたら、カードの構成ユーティリティを起動して、機種や BIOS のバージョンに関する情報を取得します。

  3. BIOS をフラッシュするか、最新の BIOS EPROM をインストールして、DPT PM2144UW コントローラをアップグレードします。すべての DPT コントローラの最新の BIOS イメージについては、http://www.dpt.com を参照してください。

これで、システムをアップグレードできます。

x86: BIOS バージョン GG.06.13 の Hewlett-Packard (HP) Vectra XU シリー ズのシステムをアップグレードできない

Solaris 9 4/03 オペレーティング環境には、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。このことは他の HP Vectra システムにも影響します。

このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。

回避方法 : 最新の BIOS バージョン GG.06.13 の HP Vectra XU シリーズシステムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードしないでください。Solaris 9 4/03 オペレーティング環境では、これらのシステムはサポートされていません。

ブートフロッピーディスクまたはブート CD を使用すれば、ブートにハードディスクコードを使用しないので、システムをブートすることができます。ブート可能デバイスとして、ネットワークまたは CD-ROM ドライブではなくハードディスクを選択してください。

Solaris 9 4/03 ソフトウェアをインストールする前に知っておく必要があるバグ

x86: Service パーティションの保存、および Solaris パーティションの作成を選択すると、suninstall が終了する (バグ ID: 4832216)

suninstall インストールプログラムを使用して、既存の Service パーティションを持つシステムに Solaris 9 4/03 オペレーティング環境 (x86 版) をインストールしようとすると、インストールプログラムが終了する可能性があります。この問題は、下記の状況で発生します。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

x86: 3Com 3c905C ネットワークインタフェースカードを使用すると、インストールに失敗することがある (バグ ID: 4791458)

3Com 3c905C ネットワークインタフェースカードを使ってネットワークインストールを実行すると、次のエラーメッセージが表示されることがあります。


elxl%d: no active connection found; please connect

このエラーメッセージが表示された場合、インストールがハングアップする可能性があります。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

ネットワークインストールの詳しい手順については、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。

x86: PXE ネットワークブートが Sun LX50 Systems で正常に実行されない (バグ ID: 4725108)

PXE (Preboot Execution Environment) ネットワークブートを使用して、SunTM LX50 システムに Solaris 9 4/03 オペレーティング環境をインストールすると、ネットワークブートに失敗することがあります。その場合、次のメッセージが表示されます。


error: Assertion failure: - "rp->flags & RESF_ALT", "ur.c" line 80

The root filesystem is not mounted and the configuration assistant
has exited prematurely. Booting is unlikely to succeed. 
CTL-ALT-DEL may be used to reset the machine.

Failover to boot interpreter - type ctrl-d to resume boot

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

Toshiba SD-M1401 DVD-ROM を持つシステムで Solaris DVD からのブートが失敗する (バグ ID: 4467424)

システムに、ファームウェアリビジョン 1007 の Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブが含まれていると、Solaris 9 4/03 DVD からのブートが失敗します。

回避方法 : パッチ 111649-03 以降を適用して Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブのファームウェアを更新します。パッチ 111649-03 は、Solaris 9 4/03 Supplement CD の次のディレクトリにあります。


DVD_Firmware/Patches

パッチのインストール方法については、上記のディレクトリにある README ファイルを参照してください。パッチをインストールする前に、README ファイルに記載されている注意事項や警告内容のすべてに目を通して、その内容に従って作業してください。

Solaris 2.6 および Solaris 7 オペレーティング環境で、Solaris 9 4/03 DVD 上のデータにアクセスできない (バグ ID: 4511090)

Solaris 2.6 オペレーティング環境または Solaris 7 オペレーティング環境を実行しているシステムでは、Solaris 9 4/03 DVD がボリューム管理によって正しくマウントされません。そのため、インストールサーバーを設定したり、Live Upgrade を実行したり、メディア上のデータにアクセスしたりできません。

回避方法 : 次のどちらかを実行してください。

Solaris Web Start 3.0 に関する注意事項とバグ情報

Solaris Web Start 3.0 を使用したインストールに関する情報と問題について説明します。この節に記載されている問題は、Solaris suninstall プログラムを使用するときには発生しません。

Solaris Web Start 3.0 を使用して英語の Solaris 9 4/03 ドキュメントをインストールする方法

Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION 1 of 2 CD (英語版 + ヨーロッパ言語版) には、英語のドキュメントがすべて含まれています。アジア版の DOCUMENTATION 2 of 2 CD には、一部のアジア言語にだけ翻訳されている、またはまったく翻訳されていない、以下の英語ドキュメントが含まれています。

 Solaris 9 4/03 Software Developer Collection
 Solaris 9 4/03 System Administrator Collection
 iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition)

DOCUMENTATION 2 of 2 CD に付属のインストーラでは、これらのドキュメントの HTML 版が、デフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、DOCUMENTATION 1 of 2 CD からインストールする必要があります。

Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD から Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris オペレーティング環境をインストールする場合、上記の英語版 HTML ドキュメントは DOCUMENTATION 2 of 2 CD からデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、Solaris Web Start 3.0 の「製品の選択」画面で「Solaris 9 Documemtation European」を選択して、DOCUMENTATION 1 of 2 CD からドキュメントをインストールしてください。

Solaris 9 4/03 SOFTWARE 1 of 2 CD からのインストールに関する注意事項とバグ情報

Solaris 9 4/03 SOFTWARE 1 of 2 CD からインストールする場合の注意事項と問題について説明します。

ファイルシステムの作成時に警告メッセージが出力されることがある (バグ ID: 4189127)

インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力される可能性があります。


Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last
cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated.  

または


Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated  

この警告メッセージは、作成中のファイルシステムのサイズと使用しているディスク上の容量が等しくない場合に表示されます。この場合、ディスク上に、作成中のファイルシステムには取り込まれない未使用の領域ができます。この未使用のディスク領域は、他のファイルシステムに割り当てることはできません。

回避方法 : 警告メッセージは無視してください。警告メッセージが表示されても問題は発生しません。

[日本語環境のみ] CD からのインストールで「コアシステムサポート」をインストールする場合の注意事項

CD からのインストールにおいて、ソフトウェアグループとして「コアシステムサポート」を選択した場合、インストールするロケールとして日本語ロケールを選択しても、LANGUAGES CD に含まれる日本語パッケージはインストールされません。これは、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了し、システムがリブートした後、コアシステムの環境で LANGUAGES CD のインストールを起動できないためです。

回避方法 : インストール終了後、次のように pkgadd(1M) コマンドを使用して LANGUAGES CD に含まれる必要な日本語パッケージをインストールしてください。


# cd /cdrom/sol_9_403_lang_sparc/components/Japanese/sparc/Packages
# pkgadd -d . SUNWjfpre SUNWjfpue SUNWjos SUNWjws2

LANGUAGES CD のイメージを含むインストールサーバーを使用して Solaris suninstall プログラムによるインストールを行う場合や、Solaris Web Start 3.0 でインストールする場合は、この問題は起こりません。

インストール時またアップグレード時に発生するバグ情報

Solaris WBEM プロバイダパッケージ SUNWwbpro をインストールすると、無効なエラーメッセージが表示される (バグ ID: 4824518)

Solaris 4/03 オペレーティング環境をインストールする場合、次のエラーメッセージが /var/sadm/system/logs/install_log ファイルに記録されます。


/tmp/Solaris_Application.mof: No such file or directory

Solaris 4/03 オペレーティング環境をアップグレードする場合、同じエラーメッセージが /var/sadm/system/logs/upgrade_log ファイルに記録されます。

このメッセージは、Solaris WBEM プロバイダパッケージ (SUNWwbpro) のインストール時に表示されます。

回避方法: このエラーメッセージは無視してください。パッケージのインストールに影響はありません。このエラーメッセージは、インストールプログラムが、存在しない一時ファイルを削除しようとするために記録されます。

アップグレードに関する注意事項とバグ情報

旧リリースの Solaris がインストールされているシステムを、Solaris 9 4/03 にアップグレードする場合の注意事項とバグについて説明します。

Solaris 9 4/03 オペレーティング環境に、SUNWsan がインストールされていると Storage Area Network (SAN) にアクセスできない

使用している Solaris 8 システムが、 Storage Area Network (SAN) に接続されている場合、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードする前にサポートエンジニアに確認してください。SUNWsan がインストールされている Solaris 8 システムを、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードするには特別な手順が必要なことがあります。システムに SUNWsan パッケージがインストールされているかどうかを確認するには、端末ウィンドウで次のコマンドを入力します。


# pkginfo SUNWsan

SUNWsan パッケージがインストールされていると、次の情報が表示されます。


	system      SUNWsan       SAN Foundation Kit

Solaris suninstallプログラムによるアップグレードでのロケール選択

Solaris 8 から、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。このため、Solaris suninstallプログラムを使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 9 4/03 へアップグレードすると、既存システムのインストール時に明示的にインストールしなかったロケールが「地域の選択」画面で自動的に選択されます。これは、既存システムのインストール時に明示的に指定していないロケールのソフトウェアが、暗黙のうちにインストールされていたためです。

既存システムのインストール時にインストールするロケールとして明示的に指定しなかったロケールが含まれている地域を、「地域の選択」画面で選択解除することができます。余分なロケールをそのまま選択解除せずにアップグレードを行なっても問題はありません。アップグレードしたシステムには、アップグレード前と同じレベルのロケール環境がサポートされます。ただし、既存のシステムに明示的にインストールしたロケールは、「地域の選択」画面で削除することはできません。

x86: Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD (x86 版) を使用して x86 システムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードできない

x86 ブートパーティションに関する制限事項のために、Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD (x86 版) を使用して、Solaris 2.6 または Solaris 7 の x86 システムを Solaris 9 へアップグレードすることはできません。x86 システムでは、Solaris 9 4/03 SOFTWARE 1 of 2 CD (x86 版) を使用して、Solaris 2.6 または Solaris 7 から Solaris 9 4/03 へのアップグレードを行なってください。

旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェアは Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアと互換性がない

Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris Management Console 1.0、1.0.1、1.0.2 ソフトウェアと互換性がありません。Solaris Management ConsoleTM 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 9 4/03 オペレーティング環境およびその互換バージョンにアップグレードしたい場合は、 Solaris Management Console ソフトウェアをアンインストールする必要があります。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris Management Console ソフトウェアが終了することがあります。

回避方法 : 次のいずれかを実行してください。

アップグレード時に発生するバグ情報

アップグレード時に、SUNWceudt パッケージをインストールできない (バグ ID: 4826785)

Solaris 9、Solaris 9 9/02、または Solaris 9 12/02 オペレーティング環境から Solaris 9 4/03 リリースにアップグレードする場合、pkgchk コマンドに -n オプションを使用すると、次のエラーメッセージが表示されます。


ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/datatypes.dt
pathname does not exist
ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/develop.dt
pathname does not exist
ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/dtfile.dt
pathname does not exist
ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/dtmail.dt
pathname does not exist
ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/dtpad.dt
pathname does not exist
ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/print.dt
pathname does not exist
ERROR: /usr/dt/appconfig/types/cs_CZ.ISO8859-2/uxstd.dt
pathname does not exist 

回避方法: Solaris 9 4/03 DVD または Solaris 9 4/03 Software 1 of 2 CD を使用して、SUNWceudt パッケージを追加し直します。次の手順に従います。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. SUNWceudt パッケージを削除します。


    # pkgrm SUNWceudt
    
  3. 製品ディレクトリに移動します。


    # cd path_to_Solaris_9/Product
    
  4. SUNWceudt パッケージを追加し直します。


    # pkgadd   -d `pwd` SUNWceudt
    

アップグレード後、パッチ 114711-01 または 114712-01 に同梱された VDiskMgr.jar ファイルを手動で登録しなくてはらない

アップグレード以前にシステムにパッチ 114711-01 (SPARC 版) または 114712-01 (x86 版) を適用していた場合、 Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードした後で、これらのパッチに同梱された VDiskMgr.jar ファイルを手動で登録する必要があります。パッチに同梱された VDiskMgr.jar ファイルを手動で登録しないと、既存の VDiskMgr.jar ファイルがシステムに残ります。また、パッチがその問題を完全には解決しません。

システムにこれらのパッチがインストールされているかを調べるには、次のいずれかのコマンドを入力します。

回避方法: Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードした後で、指定された 2 つのパッチに同梱された VDiskMgr.jar ファイルを手動で登録します。次の手順に従います。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 既存の VDiskMgr.jar ファイルを、パッチに同梱された .jar ファイルで置き換えます。


     # /usr/sadm/bin/smcregister tool -n \
    com.sun.admin.diskmgr/VDiskMgr.jar \
    /usr/sadm/lib/diskmgr/VDiskMgr.jar \
    /usr/sadm/lib/dismgr/VDiskMgr_classlist.txt \
    /usr/sadm/lib/diskmgr/VDiskMgrInfo.xml > /dev/null 2>$1
    
  3. ツールボックスにある既存の VDiskMgr を、パッチに同梱された VDiskMgr ツールで置き換えます。


    # /usr/sadm/bin/smcregister toolbox add -f tool \
    com.sun.admin.diskmgr.client.VDiskMgr \
    -F "/Storage/" >/dev/null 2>&1
    
  4. WBEM サーバーを停止します。


    # /etc/init.d/init.wbem stop
    
  5. WBEM サーバーを再起動します。


    # /etc/init.d/init.wbem start
    

SPARC: Managed Object Format (MOF) ファイルに依存する Solaris 管理コンソールアプリケーションは、アップグレード後に失敗する可能性がある (バグ ID: 4825349)

Solaris 9 オペレーティング環境から Solaris 9 9/02、Solaris 9 12/02、または Solaris 9 4/03 リリースにアップグレードすると、既存の Managed Object Format (MOF) ファイルは再登録されません。アップグレード時に、以前の /var/sadm/wbem/logr ディレクトリは /var/sadm/wbem/logru3 ディレクトリとして保存されます。登録されている MOF ファイルはアップグレード後に再登録されません。その結果、MOF ファイルに依存する Solaris 管理コンソールアプリケーションが失敗することがあります。

コンソールの「マウント」ツールおよび「ディスク」ツールを使用すると、次のエラーメッセージが表示されます。


CIM_ERR_NOT_FOUND

回避方法: 不足する MOF ファイルを手動で登録します。MOF ファイルは /var/sadm/wbem/logru3 ディレクトリにあります。次の手順を完了してください。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. MOF ファイルを手動で登録します。


     # /usr/sadm/bin/mofreg -r tag mof-file
    

    ここで、tag/var/sadm/wbem/logru3/unregDir/ ディレクトリにあるディレクトリ名で、mof–file は、tag ディレクトリにある MOF ファイル名です。

    たとえば、次のようにします。


    # /usr/sadm/bin/mofreg -r svm \
    /var/sadm/wbem/logru3/unregDir/svm/svm/Solaris_Vm1.0.mof
    
  3. WBEM サーバーを停止します。


    # /etc/init.d/init.wbem stop
    
  4. WBEM サーバーを再起動します。


    # /etc/init.d/init.wbem start
    

Solaris Live Upgrade の使用時にインストールプログラムが表示するテキストに関する問題 (バグ ID: 4736488)

Solaris Live Upgrade で luupgrade(1M) コマンドに -i オプションを指定して、アクティブでないブート環境をアップグレードした場合、言語によってはインストールプログラムが表示するテキストが判読不能になります。これは、現在のブート環境にはあるが古いリリースには存在しないフォントを、インストールプログラムが要求した場合に発生します。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

SPARC: パッチリストファイルを指定したときに、luupgrade コマンドがパッチを追加できない (バグ ID: 4679511)

-s オプション付きで luupgrade コマンドを使用し、ディレクトリとパッチリストファイルを指定してパッチを追加する場合、パッチが追加されません。このとき、たとえば次のようなメッセージが表示されます。


/usr/sbin/luupgrade [52]:		3 patch-list-file: bad number			

上記のメッセージで、patch-list-file は、パッチを追加するために luupgrade コマンドに指定したパッチリストファイルです。

回避方法: パッチリストファイルを指定してパッチを追加するには、次の手順を実行します。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. パッチを当てたいブート環境をマウントします。


    # lumount boot-envir-name mount-point
    

  3. ブート環境にパッチを追加します。


    # /usr/sbin/patchadd -R mount-point -M  patch-path patch-list-file-name
    

    上記のコマンドで、patch-path には、追加するパッチの入ったディレクトリのパス名を指定します。patch-list-file-name には、追加するパッチのリストの入ったファイルを指定します。

  4. ブート環境をアンマウントします。


    # luumount boot-envir-name
    

SPARC: アップグレードの際に、SUNWjxcft パッケージの削除でエラーが記録される (バグ ID: 4525236)

Solaris 8 オペレーティング環境から Solaris 9 またはそれ以降のオペレーティング環境へのアップグレードの際、SUNWjxcft パッケージが削除されるときに、次のようなエラーメッセージが upgrade_log ファイルに記録されます。


Removing package SUNWjxcft:
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias

Removal of <SUNWjxcft> was successful

回避方法: このエラーメッセージは無視してください。アップグレード後の環境で問題は発生しません。

Solaris 8 オペレーティング環境からアップグレードすると、冗長な Kerberos プライバシ機構が作成される (バグ ID: 4672740)

Solaris 9 4/03 オペレーティング環境では、Kerberos Version 5 グローバル機構はプライバシサポートを含んでおり、Kerberos ドメスティック機構は必要ありません。Kerberos ドメスティック機構 (/usr/lib/gss/do/mech_krb.so.1 にある) を Solaris 8 システムにインストールしている場合、Kerberos ドメスティック機構を削除してからシステムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードしてください。

回避方法: Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードする前に、次の手順に従ってください。

  1. 次のコマンドを入力して、Kerberos ドメスティック機構がシステムにインストールされているかどうかを確認します。


    % pkginfo | fgrep ' SUNWk5'
    
    • このコマンドの出力に SUNWk5 で始まるパッケージ名が含まれる場合、Kerberos ドメスティック機構はシステムにインストールされています。手順 2 に進んでください。

    • このコマンドの出力に SUNWk5 で始まるパッケージ名が含まれていない場合、Kerberos ドメスティック機構はインストールされていません。残りの手順を省略します。システムをアップグレードしてください。

  2. 次のコマンドを入力して、/etc/nfssec.conf/etc/gss/qop ファイルをバックアップします。


    % tar -cf /var/tmp/krb_config_files.tar /etc/nfssec.conf /etc/gss/qop
    
  3. 次のコマンドを入力して、ファイルがバックアップされていることを確認します。


    % tar -tf /var/tmp/krb_config_files.tar
    
  4. 手順 1 の出力に含まれていた各パッケージを削除します。


    % pkgrm package-name package-name package-name
    
  5. Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードします。

    アップグレードプログラムは Kerberos グローバル機構コードを更新して、Kerberos プライバシサポートを有効にします。

  6. テキストエディタで、/etc/gss/mech ファイルの次の行を変更します。

    • 次の行のコメントを解除します。


      kerberos_v5     1.2.840.113554.1.2.2    gl/mech_krb5.so gl_kmech_krb5
      

      必要であれば、上記行を /etc/gss/mech ファイルに追加します。

    • 次の行を削除します。


      kerberos_v5     1.2.840.113554.1.2.2    do/mech_krb5.so do_kmech_krb5
      
    • 次のコマンドを入力して、/etc/nfssec.conf ファイルと /etc/gss/qop ファイルを復元します。


      % tar -xf /var/tmp/krb_config_files.tar
      

Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードすると既存の Secure Shell デーモン (sshd) が使用できなくなることがある (バグ ID: 4626093)

/etc/init.d/sshd デーモンから他社の Secure Shell (OpenSSH など) を実行しているシステムの場合、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードすると、既存の Secure Shell デーモンが使用できなくなります。アップグレード時に、Solaris 9 4/03 のアップグレードソフトウェアが、Solaris 9 4/03 の sshd/etc/init.d/sshd の内容を上書きし、既存の sshd が失われます。

回避方法 : 次のいずれかを実行してください。

/export が満杯に近いシステムのアップグレードが失敗する (バグ ID: 4409601)

/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生し、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされているか、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合によく発生します。次のエラーメッセージが表示されます。


WARNING: Insufficient space for the upgrade.

回避方法 : アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。

ディスクレスサーバーおよびディスクレスクライアントのアップグレード (バグ ID: 4363078)

現在のシステムが、Solstice AdminSuiteTM 2.3 の Diskless Client ツールによってインストールされたディスクレスクライアントをサポートしている場合、2 つの手順を実行する必要があります。まず、既存のディスクレスクライアントのうち、サーバーと同じ Solaris バージョンで同じアーキテクチャのものをすべて削除します。そのあとで、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境をインストールするか、または Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードします。具体的な手順については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』 を参照してください。

ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 9 4/03 をインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。


スライス <xxxxxxxx> 上の Solaris のバージョン (version-number) が
アップグレードできません。ディスク上にインストールされたソフトウェア構成に
未知の問題があります。

このエラー メッセージの version-number は、現在、システムで稼働している Solaris のバージョンを表します。<xxxxxxxx> は、このバージョンの Solaris オペレーティング環境を実行しているスライスです。

アップグレード後に発生するバグ情報

SPARC: アップグレード後にパッチを削除すると WBEM リポジトリが破壊されることがある (バグ ID: 4820614)

次のような手順で操作した場合、WBEM リポジトリの CIM データベースが破壊される可能性があります。

WBEM リポジトリが破壊された場合、Solaris 管理コンソールのログビューアに次のエラーメッセージが表示されます。


CIM_ERR_FAILED:
/usr/sadm/lib/wbem/../../../../var/sadm/wbem/logr/
preReg/PATCH113829install/Solaris_Application.mof,18,ERR_SEM,
ERR_EXC_SET_CLASS,CIM_ERR_FAILED:Other Exception:
java.io.StreamCorruptedException: invalid stream header

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

アップグレードを行うと、システムのデフォルトロケールが正しく設定されない (バグ ID: 4233535)

Solaris 9 4/03 へのアップグレードを行うと、アップグレード時に設定したデフォルトロケールがシステムのデフォルトロケールに正しく設定されない場合があります。

Solaris 9 4/03 SOFTWARE 1 of 2 CD を使用したアップグレードの場合、SOFTWARE 1 of 2 CD の インストールの終了後、自動ブートしたシステムが英語環境で起動し、SOFTWARE 2 of 2 CD および LANGUAGES CD のインストール画面が英語で表示されることがあります。

回避方法 : アップグレード終了後、システムのデフォルトロケールを /etc/default/init ファイルの LANG 環境変数に設定してください。

日本語フォントディレクトリに、古いフォント設定ファイルが残ってしまう (バグ ID: 4677463)

Solaris 8 および Solaris 8 アップデートリリースから Solaris 9 4/03 へアップグレードを行うと、古いフォント設定ファイル (ファイル末尾に :8 が付く) が残ります。

回避方法 : 古いフォント設定ファイルは削除してください。


# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias:8

インストール全般に関する注意事項とバグ情報

Solaris 9 4/03 のインストール全般に関する注意事項とバグ情報を説明します。

SPARC: インストールまたはアップグレード後、複数のインタフェースを持つシステムがすべてのインタフェースを使用可能と認識する (バグ ID: 4640568)

複数のネットワークインタフェースを持つシステムに Solaris 9 4/03 オペレーティング環境をインストールまたはアップグレードした場合、システムはすべてのシステムインタフェースが使用可能であると認識します。つまり、ネットワークにプラグインされていない 、あるいは使用する予定のないインタフェースが ifconfig -a コマンドの出力に表示されます。さらに、同じイーサネットアドレスを持つインタフェースに同じ IP アドレスが割り当てられることがあります。その場合、次のエラーメッセージが表示されます。


ifconfig: setifflags: SIOCSLIFFLAGS: qfe3: Cannot assign requested address

この問題は、local-mac-address PROM 変数が false に設定されているシステム上でも発生します。この問題が発生するのは、すべてのインタフェースが同じ IP アドレスで構成されるためです。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

スワップ不足によって Solaris Web Start 2.x インストールが失敗する (バグ ID: 4166394)

同梱されている CD を、その CD に含まれている Solaris Web Start 2.x (installer) を使用して日本語ロケール (日本語表示) でインストールしているときに、スワップ容量の不足のためインストールが失敗することがあります。この場合、コンソールにエラーメッセージが表示されますが、エラーメッセージは次のように文字化けしています。


RunCmd Error:java.io.IOException: ???????????????????? 

回避方法 : 同梱されている CD に含まれている Solaris Web Start 2.x は、実行時におよそ 50M バイトのメモリーを消費します。Solaris Web Start 2.x を使用してインストールする場合は、swap -s コマンドなどで空きスワップ容量を確認し、不足している場合は、メモリーの消費量が多いアプリケーションを終了するか、スワップファイルを作成してスワップ領域を追加してください。詳細は、swap(1M) のマニュアルページを参照してください。

[日本語環境のみ] デフォルトロケールに関係なくインストールログが EUC テキストファイルで生成される

選択したデフォルトロケールに関係なく、install_logupgrade_log などの Solaris のインストールログファイルは、EUC (ja ロケール) テキストとして生成されます。

回避方法 : コードコンバータで変換して参照するか、テキストエディタなどの GUI ツールを ja ロケールで起動して参照してください。

[日本語環境のみ] 日本語キーボード入力

日本語タイプ 5 キーボードは OpenBoot PROM のバージョンによっては、モニターレベルでタイプ 4 キーボードとして動作します。そのため、モニターレベルでは、キーボード上の印字と実際の入力が一部異なります。次の表を参照してください。その他の注意事項は、U.S. タイプ 5 キーボードと同じです。『Sun タイプ 5 キーボードプロダクトノート』を参照してください。

表 2–6 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字
 日本語タイプ 5 キーボード上の印字 実際の入力文字
 “ @
 & ^
 ' &
 ( *
 ) (
 Shift-0 )
 = _
 ~ +
 ^ =
 ¥ \
 @ [
 ` {
 [ ]
 { }
 + :
 : '
 * “
 ] `
 } ~
 _ LF
 \ LF

64 ビット Solaris に関する注意事項とバグ情報

64 ビット Solaris をインストールする場合の、注意事項とバグ情報について説明します。

SPARC: 一部の Sun UltraSPARC システム (Sun4U) では、ブート Flash PROM をアップデートする必要がある


注 –

システムがすでに 64 ビット対応のファームウェアを実行している場合、Flash PROM のアップデートは不要です。


UltraSPARC® システム上で 64 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する場合、Flash PROM ファームウェアのアップデートが必要な場合があります。 Solaris 9 4/03 インストールプログラムには、64 ビットサポートを追加する選択肢があります。UltraSPARC システムにインストールする場合は、この 64 ビットサポートがデフォルトで選択されます。64 ビットシステムは、200MHz 以上の CPU 速度を持つ場合のみ、デフォルトで 64 ビットでブートします。


注 –

Sun システムまたは UltraSPARC システムで 32 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する場合は、Flash PROM のアップデートは不要です。


次の表に、UltraSPARC (Sun4UTM) システムと必要な最小限のファームウェアバージョンを示します。システムタイプは、uname -i コマンドを実行して確認できます。実行中のファームウェアバージョンは、prtconf -V コマンドを実行して確認できます。

表 2–7 UltraSPARC システム上で 64 ビット Solaris を実行するために必要なファームウェアバージョン

システムタイプ (uname -i で出力される)

必要最小限のファームウェアバージョン (prtconf -V で出力される)

SUNW,Ultra-1-Engine 

3.10.0 

SUNW,Ultra-1 

3.11.1 

SUNW,Ultra-2 

3.11.2 

SUNW,Ultra-4 

3.7.107 

SUNW,Ultra-Enterprise 

3.2.16 


注 –

この表に記載されていないシステムでは、Flash PROM をアップデートする必要はありません。


Solaris CD を使用して Flash PROM をアップデートする方法については、「Solaris 9 on Sun Hardware Collection」のマニュアルをご覧ください。 このコレクション中のマニュアルは、 http://docs.sun.com で参照することができます。

DOCUMENTATION CD に関する注意事項

Solaris 2.6、7、および 8 オペレーティング環境が稼働している文書サーバーに 9 文字より長い名前のドキュメントパッケージをインストールできない

翻訳された PDF 形式の文書コレクションの中には、パッケージ名が 9 文字を超えるものがあります。Solaris 7 または 8 オペレーティング環境が稼働しているサーバーに、このような PDF コレクションをインストールする場合は、先にパッチを 2 つインストールしておく必要があります。


注 –

このリリースの時点では、Solaris 2.6 サーバー用のパッチはありません。


回避方法 : 各パッチのインストール手順については、DOCUMENTATION CD の 最上位ディレクトリ (DVD の場合は最上位ディレクトリにある 1of2_Doc_CD/ ディレクトリまたは 2of2_Doc_CD/ ディレクトリ) にある index.html ファイルの 「システムにドキュメントパッケージをインストールする」を参照してください。

DOCUMENTATION CD のインストールに関するバグ情報

Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION CD の uninstaller ユーティリティの Uninstall が適切に機能しない (バグ ID: 4675797)

Solaris 9 Product Registry から立ち上げる Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION CD の uninstaller で「全体」を選択した場合、uninstaller はデフォルトでインストールされるマニュアルパッケージしか削除しません。

回避方法: uninstaller のアンインストール形式の選択で「部分」を選択して、アンインストールしたいパッケージを選択します。

特定のロケールで Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD が Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION 2 of 2 CD をインストールしない (バグ ID: 4859494)

特定のロケールでは Solaris 9 4/03 INSTALLATION CD を使用する場合、インストールプログラムは Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION 2 of 2 CD からパッケージをインストールするかどうかをたずねません。この問題は、EUC 以外の次のロケール選択で発生します。EUC ロケール (日本語環境なら ja ロケール) を選択することで問題は回避できます。

回避方法: 次のいずれかの回避方法を選択してください。

コマンド行インタフェースモードでは DOCUMENTATION CD の確認画面が表示されない (バグ ID: 4520352)

-nodisplay オプションを指定して Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION CD のインストールプログラムを使用すると、確認画面が正しく表示されないことがあります。

回避方法 : Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION CD のインストールプログラムを使用するときに、-nodisplay オプションを指定しないでください。Solaris 9 4/03 DOCUMENTATION CD をインストールするときには、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) モードを使用してください。

インストール時のローカライズに関する注意事項

選択したロケール以外のロケールもインストールされることがある

Solaris 9 4/03 では、インストールするロケールを選択した場合、関連するほかのロケールもインストールされることがあります。 これは、すべての完全ロケール (メッセージが翻訳されている) とアジアおよび日本語の部分ロケールが、言語単位でパッケージ化し直されたためです。ほかの部分ロケールは従来通りに地理上の分類 (中央ヨーロッパなど) に基づいて、パッケージ化されてインストールされます。

インストール時のローカライズに関するバグ情報

Solaris 9 Beta Refresh Chinese CDE フォントパッケージが Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードされない (バグ ID: 4653908)

簡体字中国語または繁体字中国語のロケールを含んだ Solaris 9 Beta Refresh オペレーティング環境を実行しているシステムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードする場合、簡体字中国語と繁体字中国語の CDE フォント各国語対応パッケージ (SUNWcdft または SUNWhdft) が適切な Solaris 9 4/03 パッケージにアップグレードされないため、アップグレードは正常に完了しません。次のエラーメッセージが表示されます。


Removing package SUNWcdft:
/a/var/sadm/pkg/SUNWcdft/install/postremove: 
  /a/usr/dt/config/xfonts/zh_CN.EUC: does not exist
/a/var/sadm/pkg/SUNWcdft/install/postremove: 
  /a/usr/dt/config/xfonts/zh_CN.GBK: does not exist
/a/var/sadm/pkg/SUNWcdft/install/postremove: 
  /a/usr/dt/config/xfonts/zh_CN.UTF-8: does not exist
pkgrm: ERROR: postremove script did not complete successfully

回避方法: Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードする前に、Solaris 9 Beta Refresh の postremove ファイルを適宜削除します。


# rm /var/sadm/pkg/SUNWcdft/install/postremove
# rm /var/sadm/pkg/SUNWhdft/install/postremove

タイ語、ロシア語、ポーランド語、カタロニア語を完全にサポートする Solaris 8 オペレーティング環境を実行しているシステムをアップグレードすると、無効なパッケージがシステムに残る (バグ ID: 4650059)

Solaris 8 Language Supplement CD がインストールされている Solaris 8 オペレーティング環境を実行しているシステムを Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードする場合、いくつかの無効なパッケージがあります。タイ語、ロシア語、ポーランド語、およびカタロニア語のロケールパッケージがシステムに残ります。これらのロケールパッケージでは ARCH=sparcall が設定されているので、Solaris 9 4/03 オペレーティング環境へのアップグレード時に削除されません。

回避方法: Solaris 9 4/03 オペレーティング環境にアップグレードする前に、Solaris Product Registry アプリケーションを使用して Solaris 8 Languages Supplement CD パッケージを削除してください。