Solaris 9 インストールガイド

x86: カスタム JumpStart インストールの実行

x86: 作業マップ: カスタム JumpStart インストールのためのシステムの設定

カスタム JumpStart インストールの際に、JumpStart プログラムはインストール対象のシステムを rules.ok ファイル内のルールに対応付けます。この際、最初から順にルールが読み取られ、インストール中のシステムがルールに定義されたすべてのシステム属性に一致するかどうか検査されます。システムがルールと一致すると同時に、JumpStart プログラムによる rules.ok ファイルの読み取りが停止して、一致したルールのプロファイルに基づいてシステムのインストールが開始されます。

表 26–2 x86: 作業マップ: カスタム JumpStart インストールのためのシステムの設定

作業 

説明 

参照先 

既存のオペレーティングシステムとユーザーデータを保存する必要があるかを決定する 

システムにディスク全体を使用している既存のオペレーティングシステムがある場合は、そのシステムと Solaris 9 ソフトウェアを共存させるために既存のオペレーティングシステムを保存する必要があります。この決定により、システムのプロファイル内の fdisk(1M) キーワードをどのように指定するかが決まります。

x86: fdisk プロファイルキーワード

システムがサポートされているかを確認する 

ハードウェアのマニュアルで、Solaris 9 環境におけるシステムサポートを確認します。 

ハードウェアのマニュアル 

Solaris ソフトウェアをインストールするための十分なディスク容量がシステムにあるかを確認する 

Solaris ソフトウェアのインストールに求められる十分な容量があるかを確認します。 

第 5 章「ディスク容量およびスワップ容量の割り当てに関する指針」

(省略可能) システム構成情報を事前設定する 

sysidcfg ファイルまたはネームサービスを使用してシステムのインストール情報をあらかじめ設定できます。システム情報をあらかじめ設定すると、インストール時に情報入力を求めるプロンプトは表示されません。

第 7 章「システム構成情報の事前設定」

カスタム JumpStart インストールするようにシステムを準備する 

rules ファイルとプロファイルファイルを作成して検証します。

第 23 章「カスタム JumpStart インストールの準備」

(省略可能) カスタム JumpStart のオプション機能を準備する 

begin スクリプト、finish スクリプトなどの機能を使用する場合は、それらのスクリプトまたはファイルの準備を行います。

第 24 章「カスタム JumpStart オプション機能の使用」第 25 章「カスタムルールおよびプローブキーワードの作成」

(省略可能) ネットワーク上でインストールするためのシステムを設定する 

リモートの Solaris 9 DVD (x86 版) または Solaris 9 SOFTWARE CD (x86 版) イメージをインストールする場合は、インストールサーバーまたはブートサーバーからシステムをブートしてインストールするように、システムを設定する必要があります。

第 12 章「CD メディアを使用してネットワークからインストールするための準備」

インストールまたはアップグレードを行う 

システムをブートしてインストールまたはアップグレードを開始します。 

x86: カスタム JumpStart プログラムを使用してインストールまたはアップグレードする方法

x86: カスタム JumpStart プログラムを使用してインストールまたはアップグレードする方法

  1. システムがネットワークに接続されている場合は、Ethernet コネクタまたはそれに類似したネットワークアダプタがシステムに装着されていることを確認します。

  2. tip(1) ラインで接続されているシステムをインストールする場合は、ウィンドウ表示が横 80 桁、縦 24 行以上あることを確認します。

    tip ウィンドウの現在の大きさを調べるには、stty(1) コマンドを使用します。

  3. プロファイルフロッピーディスクを使用する場合は、システムのフロッピーディスクドライブにそのフロッピーディスクを挿入します。


    注 –

    プロファイルフロッピーディスクには、プロファイル情報に加え、Solaris 9 Device Configuration Assistant のコピーが入っています。PXE ネットワークブートを利用してネットワークを介してシステムをブートする場合は、フロッピーディスクからではなくネットワークからシステムがブートするようにシステムを構成する必要があります。


  4. システムの DVD-ROM または CD-ROM ドライブを使用して Solaris 9 ソフトウェアをインストールする場合は、ドライブに Solaris 9 DVD (x86 版) または Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD (x86 版) を挿入します。

  5. システムのブート方法を決定します。

    • Solaris 9 DVD または Solaris 9 INSTALLATION CD からブートする場合は、そのディスクを挿入します。この場合、システムの BIOS が DVD または CD からのブートをサポートしている必要があります。

    • ネットワークからブートする場合は、PXE (Preboot Execution Environment) ネットワークブートを使用してください。システムは PXE をサポートするものでなければなりません。システムの BIOS 設定ツールまたはネットワークアダプタの構成設定ツールを使用して、PXE が使用できるようにシステムを設定します。

    • フロッピーディスクからブートする – 手順 3 でドライブに挿入したプロファイルフロッピーディスクを使用するか、あるいはシステムのフロッピーディスクドライブに Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) (x86 版) を挿入します。


      x86 のみ –

      次の方法で、Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ソフトウェアをフロッピーディスクにコピーできます。


  6. システムの電源が入っていない場合は、電源を入れます。システムの電源が入っている場合は、システムをリブートします。

    Device Configuration Assistant プログラムがシステムのデバイスを調べます。

  7. 「Boot Solaris 」画面が表示されたら、システムをブートするデバイス (「DVD」、「CD」、「Net」、または「Disk」) を選択します。

  8. プロンプトで、次のどちらかを実行します。


    Select the type of installation you want to perform:
     
             1 Solaris Interactive
             2 Custom JumpStart
     
    Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key.
     
    If you enter anything else, or if you wait for 30 seconds,
    an interactive installation will be started.

    カスタム JumpStart 方式を選択するには、次のどちらかを行います。


    注 –

    30 秒以内に「2」またはブートコマンドを入力しないと、Solaris 9 対話式インストールプログラムが開始されます。コマンド行に任意のキーを入力することによって、このタイマーを止めることができます。


    • 2 を入力し、Enter キーを押します。

    • カスタム JumpStart 構成ファイルの場所を指定するには、次のコマンドを入力します。


      b install [[url:ask]] [[dhcp]] [[nowin]]

      url

      カスタム JumpStart ファイルの場所を指定します。以下にあるファイルを URL で指定できます。 

      • ローカルハードディスク


        file://jumpstart_dir_path/compressed_config_file
        
      • ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー


        nfs://server_name:IP_address/jumpstart_dir_path/compressed_config _file
        
      • HTTP サーバー


        http://server_name:IP_address/jumpstart_dir_path/
        compressed_config_file&proxy_info
        

      sysidcfg ファイルを圧縮構成ファイルに含めた場合は、次の例に示すようにそのファイルを含むサーバーの IP アドレスを指定する必要があります。


      http://131.141.2.32/jumpstart/config.tar

      圧縮構成ファイルをファイアウォールで防御された HTTP サーバー上の圧縮構成ファイルに保存した場合は、ブート時に proxy 指示子を使用する必要があります (ファイルが配置されたサーバーの IP アドレスを指定する必要はない)。プロキシサーバーの IP アドレスは次のように指定します。 


      http://www.shadow.com/jumpstart/
      config.tar&proxy=131.141.6.151

      ask 

      システムが起動し、ネットワークへの接続が完了すると、インストールプログラムから圧縮構成ファイルの場所を入力するプロンプトが表示されます。 

      Return キーを押してこのプロンプトへの入力を行わないと、インストールプログラムはネットワークパラメータを対話的に構成し、圧縮構成ファイルの場所を尋ねるプロンプトを表示します。Return キーを押してこのプロンプトへの入力を行わないと、Solaris suninstall プログラムが開始されます。

      dhcp 

      DHCP サーバーからシステムのブートに必要なネットワークインストール情報を取得します。 

      dhcp を指定しないと、/etc/bootparams ファイル、またはネームサービスの bootparams データベースが使用されます。

      nowin 

      X Window を起動しません。カスタム JumpStart インストールの実行には、X Window は必要ありません。このため、このオプションを指定すると、インストール時間を短縮できます。 

  9. sysidcfg でシステム情報の事前構成を行わなかった場合は、プロンプトが表示された時点でシステム構成についての質問に答えます。

  10. 画面の指示に従って、ソフトウェアをインストールします。

    JumpStart プログラムが Solaris ソフトウェアのインストールを終了すると、システムが自動的にリブートします。

    インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、次のディレクトリに作成されます。

    • /var/sadm/system/logs

    • /var/sadm/install/logs