Solaris 9 4/03 オペレーティング環境の概要

ソフトウェア開発者向けの新機能

開発ツールの機能拡張

説明 

リリース 

スタック検査 API

スタック検査 API は、スタック検査コンパイラとの高度なやりとりのために用意されたものです。スタック検査コンパイラは、ForteTM 7.0 に付属しています。スタック検査 API は、スタック検査対応のコンパイル済みアプリケーションで使用します。このようなアプリケーションには、固有のスタックを管理したり、そのオーバーフローを検出したりする機能があります。

固有のスレッドライブラリを管理する開発者は、setustack インタフェースを使って、ライブラリの消費者がスタック検査対応のコンパイルを実行できるようにする必要があります。

これについては、stack_getbounds(3C)stack_setbounds(3C)stack_inbounds(3C)、および stack_violation(3C) のマニュアルページを参照してください。

4/03 

libumem によるメモリー割り当て

libumem は、ユーザーモード (非カーネルモード) のメモリー割り当てライブラリです。libumem では、メモリーリークやメモリーの使用に関するその他の問題をデバッグできます。

この機能は、malloc() などの標準アプリケーションバイナリインタフェース (ABI) アロケータと同様の方法で使用します。ユーザーモードのアプリケーションが、メモリーに対して任意のバイト数を要求すると、割り当てられたメモリーのアドレスのポインタが返されます。

詳細は、libumem(3LIB) のマニュアルページを参照してください。

4/03 

SPARC: Sun ONE Application Server の統合

Solaris 9 12/02 Update リリースには、Sun ONE Application Server 7, Platform Edition (旧名称は iPlanet Application Server) が統合されています。ネットワークの機能拡張を参照してください。

12/02 

SPARC: Sun ONE Message Queue

Solaris 9 12/02 Update リリースでは、JMS メッセージングアプリケーションをサポートしています。これらのアプリケーションは、JMS プロバイダである Sun ONE Message Queue をベースにしています。ネットワークの機能拡張を参照してください。

12/02 

crypt() 関数の拡張

この Solaris リリースには、crypt() 関数の新しい拡張と、新しい crypt_gensalt() 関数が含まれています。これらの拡張により、管理者はユーザーの UNIX® ログインパスワードをわからなくするためのアルゴリズムを変更できます。

モジュールには、MD5 向けと Blowfish 向けがあります。MD5 のモジュールは、crypt_sunmd5crypt_bsdmd5 に入っています。Blowfish のモジュールは crypt_bsdbf に入っています。

開発者は、パスワードをあいまいにするどちらのアルゴリズムに対しても、新しいモジュールを作成することができます。アプリケーション開発者は、crypt() 関数に渡す salt 文字列を手動で生成する代わりに、crypt_gensalt() 関数を使う必要があります。

どちらのアルゴリズム用のモジュールも crypt.conf(4) ファイルに記述します。module_path フィールドには、以下の必要な関数を実行するための共有ライブラリオブジェクトへのパスを指定します。

  • crypt_gensalt_impl() – salt 文字列を生成します。

  • crypt_genhash_impl() – 暗号化されたパスワードを生成します。

詳細は、crypt(3C) および policy.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

12/02 

madvise() 関数の新しいフラグ

madvise() 関数を使うことにより、ユーザーが定義したメモリー領域へのカーネルのアクセスを最適化します。この Solaris リリースでは、madvise() 関数用に 3 つの新しいフラグが用意されています。

  • MADV_ACCESS_LWP – 指定した軽量プロセス (LWP) に資源割り当ての優先度を設定します。

  • MADV_ACCESS_MANY – マシン全体で集中的に使用するアドレス範囲を指定します。

  • MADV_ACCESS_DEFAULT – アドレス範囲のアクセスパターンをシステムのデフォルト値にリセットします。

madvise () 関数の詳細は、madvise(3C) のマニュアルページを参照してください。

12/02 

リンカーとライブラリの更新

この Solaris リリースには、新しいリンクエディタ機能として、文字列テーブル圧縮、参照されないセクションの削除、および参照されない独立の検出機能があります。新しい機能の完全なリストは、『リンカーとライブラリ』の「リンカーとライブラリの新機能および更新された機能」を参照してください。

12/02 

Smartcard ミドルウェア API

Solaris Smartcard フレームワークでは、低レベルのミドルウェア API を提供しています。 これらの API により、スマートカードリーダーを使用してスマートカードとの間でデータを交換することが可能になります。 この API は、Sun BladeTM や Sun RayTM システムなどのプラットフォームで使用できます。Java 言語または C 言語で記述されたアプリケーションで、これらのインタフェースを使用できます。

詳細は、libsmartcard(3LIB) のマニュアルページおよび /usr/share/javadoc/smartcard の JavaDocs を参照してください。

9/02 

ソフトウェア開発者用マニュアルの変更

説明 

リリース 

新しい『Solaris WBEM 開発ガイド

新しい『Solaris WBEM 開発ガイド』は、Solaris 9 リリースの『Solaris WBEM SDK 開発ガイド』および『Solaris WBEM Services の管理』の 2 冊を統合した内容です。この変更により、WBEM の開発および配布に関わるタスクを順番に参照できるようになりました。その他の変更点は次のとおりです。

  • SNMP に関する章が削除されました。

  • 付録「Solaris スキーマ」に、WBEMServices.mof および Solaris_DMGT.1.0.mof の 2 つの MOF ファイルが追加されました。Solaris_VM1.0.mof ファイルが Solaris_VM2.0.mof ファイルに更新されました。これは、MOF ファイル内に記述されていた 2 つのプロバイダが Solaris_DMGT.1.0.mof ファイルに移動したためです。

  • 「CIM オブジェクトマネージャの使用 (手順)」の章で、以前の Solaris リリースからのアップグレード手順が変更されました。具体的には、「以前の WBEM リリースで使用されていた古い書式の CIM Object Manager のデータを変換する」という記述が削除され、代わりに、「mofcomp コマンドを使ってすべての MOF ファイルを再コンパイルする」という記述が追加されています。

  • Solaris WBEM SDK 開発ガイド』および『Solaris WBEM Services の管理』の冒頭の「はじめに」の章が 1 つにまとめられました。

4/03 

Solaris 9 4/03 リリースの新規マニュアルおよび改訂マニュアル

Solaris 9 4/03 Update リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。  

Solaris 9 4/03 Update リリースで追加された新しいマニュアルは次のとおりです。  

4/03 

Solaris 9 12/02 リリースの新規マニュアルおよび改訂マニュアル

Solaris 9 12/02 Update リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。  

Solaris 9 12/02 Update リリースで追加された新しいマニュアルは次のとおりです。  

    Sun ONE Application Server 7 入門ガイド』 – 開発ツールの機能拡張の項の「Sun ONE Application Server の統合」を参照してください。


    Sun ONE Message Queue 3.0.1 開発者ガイド』 – 開発ツールの機能拡張の項の「Sun ONE Message Queue」を参照してください。


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