この節では、GNOME デスクトップの CPU 使用率を減らすための設定について説明します。
一部のウィンドウフレームテーマは、ウィンドウフレームを描くのにイメージファイルを読み込みます。ほかのテーマは、単純なテクニックを使用してウィンドウフレームを描きます。
デフォルトのテーマは、Crux です。 Crux は、イメージファイルを読み込むため、CPU リソースに制限がある場合には、システム上で遅くなることがあります。CPU 使用率を減らすには、以下のいずれかのウィンドウフレームテーマを使用します。
Atlanta
Esco
以下のウィンドウフレームテーマも、Crux よりは CPU リソースの使用率が少なくなります。
AgingGorilla
Bright
Metabox
Metabox は、HighContrastInverse などの反転表示デスクトップテーマとは正しく動作しません。反転表示デスクトップテーマには、 Atlanta を使用します。
ウィンドウフレームテーマを変更するには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type string --set /apps/metacity/general/theme theme_name
Atlanta を使用する場合は、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type string --set /apps/metacity/general/theme Atlanta
または、「アプリケーション」-> 「デスクトップ設定」-> 「テーマ」を選択して、該当するテーマを選択します。
Metacity テーマビューア
を使用して、ウィンドウフレームテーマのパフォーマンスを測定したり、テーマをプレビューできます。Metacity テーマビューア
を起動するには、次のコマンドを使用します。
# metacity-theme-viewer theme_name
たとえば、Atlanta のパフォーマンスを測定し、Atlanta をプレビューするには、次のコマンドを実行します。
# metacity-theme-viewer Atlanta
メニュー上のいくつかの項目は、その項目の横にアイコンが表示されます。この機能をオフにするには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type bool --set /desktop/gnome/interface/menus_have_icons false
または、「アプリケーション」-> 「デスクトップ設定」-> 「メニューとツールバー」を選択して、「メニューにアイコンを表示」オプションを選択解除します。
Metacity ウィンドウマネージャには、ウィンドウの移動やサイズ変更を行うときに使用されるワイヤフレームモードがあります。ワイヤフレームモードがオンの場合、ウィンドウの移動やサイズ変更を行うと、ウィンドウの外枠のみが表示されます。移動またはサイズ変更中、ウィンドウの内容を更新する必要がないからです。ウィンドウの内容は、移動またはサイズ変更が終了すると表示されます。
ワイヤフレームモードをオンにするには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type bool --set /apps/metacity/sun_extensions/wireframe_move_resize true
デフォルトでは、GNOME デスクトップにログインすると、スプラッシュ画面が表示されます。ログインしている間は、スプラッシュ画面にアイコンが表示されています。スプラッシュ画面をオフにすると、ログインしている間の CPU 使用率を減らせます。
スプラッシュ画面をオフにするには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type bool --set /apps/gnome-session/options/show_splash_screen false
または、「アプリケーション」-> 「デスクトップ環境」-> 「拡張設定」-> 「セッション」を選択して、「ログイン時にスプラッシュ画面を表示する」オプションを選択解除します。
パネルを表示または非表示にするときに、動画形式でパネルを表示または非表示にすることができます。パネルアニメーションをオフにするには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type bool --set /apps/panel/global/enable_animations false
または、「アプリケーション」-> 「デスクトップ設定」-> 「拡張設定」-> 「パネル」を選択して、「アニメーション」オプションを選択解除します。
Nautilus
ファイルマネージャの一部の機能を変更して、パフォーマンスを改善できます。
ファイルマネージャには、パフォーマンスに関連する設定があります。各パフォーマンス設定は、3 つの値のうち 1 つを持ちます。以下の表は、3 つの値を説明しています。
値 |
説明 |
---|---|
always |
ローカルファイルと、別のファイルシステム上のファイルに対して、アクションを実行します |
local_only |
ローカルファイルに対してのみアクションを実行します。パフォーマンス設定を local_only セットすると、CPU 使用率は減少します |
never |
アクションを実行しません。パフォーマンス設定を never にセットすると、CPU 使用率とネットワークトラフィックは減少します |
以下の表は、ファイルマネージャのパフォーマンス設定を説明しています。パフォーマンスを上げるには、設定値を never に設定します。
ファイルマネージャには、サイド区画とツールバーをオフにできる設定が含まれています。サイド区画とツールバーをオフにすると、ファイルマネージャのパフォーマンスが改善します。
サイド区画をオフにするには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type bool --set /apps/nautilus/preferences/start_with_sidebar false
または、ファイルマネージャウィンドウで「編集」-> 「設定」を選択します。次に、「ウィンドウ」を選択して、「サイド区画を表示する」オプションを選択解除します。次回ファイルマネージャウィンドウを開くと、ウィンドウにサイド区画は表示されません。
ツールバーをオフにするには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type bool --set /apps/nautilus/preferences/start_with_toolbar false
または、ファイルマネージャウィンドウで「編集」-> 「設定」を選択します。次に、「ウィンドウ」を選択して、「ツールバーを表示する」オプションを選択解除します。次回ファイルマネージャウィンドウを開くと、ウィンドウにツールバーは表示されません。
ロケーションバーもオフに設定できます。Ctrl + L キーボードショートカットを使用して、ロケーションバーを必要に応じて表示できます。
ロケーションバーをオフにするには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type bool --set /apps/nautilus/preferences/start_with_location_bar false
または、ファイルマネージャウィンドウで「編集」-> 「設定」を選択します。次に、「ウィンドウ」を選択して、「ロケーションバーを表示する」オプションを選択解除します。次回ファイルマネージャウィンドウを開くと、ウィンドウにロケーションバーは表示されません。
ファイルマネージャには、Nautilus
を使用してデスクトップ背景を管理できる設定が含まれています。デスクトップ背景を無効にすることで、パフォーマンスを改善できます。デスクトップ背景を無効にした場合、次の操作を行えません。
「デスクトップの背景」メニューの使用
ファイルマネージャを使用してデスクトップ背景のパターンまたは色の変更
「ホーム」オブジェクトと「ごみ箱」オブジェクトの使用。「ホーム」オブジェクトと「ごみ箱」オブジェクトはデスクトップ上に表示されません。
デスクトップ背景を無効にするには、次のコマンドを実行します。
# gconftool-2 --type bool --set /apps/nautilus/preferences/show_desktop false
または、ファイルマネージャウィンドウで「編集」-> 「設定」を選択します。その後、「デスクトップとごみ箱」を選択して、「デスクトップの描画に Nautilus を使用する」オプションを選択解除します。
mediaLib
™ ライブラリは、共通のマルチメディア操作を高速化する関数の集まりです。mediaLib
ライブラリがシステムにインストールされている場合、GNOME デスクトップはこのライブラリを使用します。GNOME デスクトップのパフォーマンス (特に Nautilus
) は、mediaLib
ライブラリがインストールされていると大幅に向上します。GNOME デスクトップでは、mediaLib
version 2.0 以降が必要です。
mediaLib
ライブラリの取得方法とインストール方法については、mediaLib
の Web サイトを参照してください。 http://www.sun.com/processors/vis/mlib.html