Solaris 9 Maintenance Update 4 ご使用にあたって

第 2 章 Solaris 9 MU4 のインストール

この章では、Solaris 9 MU4 をインストールする方法について説明します。カスタム JumpStartTM インストールの一環として Solaris 9 MU4 をインストールする場合は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。

インストール時間について

Solaris 9 MU4 のインストール時間は、次の項目によって異なります。


注 –

-d オプションを無効にして MU4 をインストールする場合、インストール時間は短縮されます。ただし、MU のインストール時にこのオプションを使用すると、MU4 が提供するパッチはバックアウトできなくなります。


インストール要件

MU4 は、Solaris 9 オペレーティング環境を実行しているシステム上にのみインストールできます。

ファイルシステムごとに必要なディスク容量は次の条件によって異なります。

install_mu スクリプトは、ディスク容量を算出します。このスクリプトは、ファイルシステムごとに必要なディスク容量を報告します。該当する場合は、バックアウトのディスク容量も報告します。ディスク容量の計算には数分かかります。

install_mu スクリプトは、1 つまたは複数のファイルシステムに容量が足りないと判断した場合、それ以上処理しません。パッチのインストールに必要なディスク容量はほぼ正確に計算されます。しかし、バックアウトデータに必要なディスク容量は予測値です。実際に必要なディスク容量よりも多く報告されることがあります。

次の条件の両方に当てはまる場合には、install_mu スクリプトに -f オプションを付けて実行します。

Solaris 9 MU4 のインストール

Solaris 9 MU4 をインストールするには、install_mu を実行するシステムで、Solaris 9 オペレーティング環境がすでに稼働していなければなりません。


注 –

Solaris 9 MU4 では、再配置可能なルートおよびサービス領域はサポートされません。


MU4 はシステムライブラリにパッチを適用するため、MU4 をインストールする前にシステムをシングルユーザーモードでリブートするのが最善の方法です。マルチユーザーシステムでは、個々のシステムが不安定にならないようにしてください。パッチを当てていないバージョンのライブラリにマップしているプロセスが存在しないことを確認してください。このようなプロセスが存在すると、あとで古いライブラリの別のセクションにマップしようとする可能性があります。

シングルユーザーモードでは、ネットワークサービスは使用できません。 シングルユーザーモードでシステムをブートする前に、まず MU4 イメージをネットワークからローカルシステムにコピーしておく必要があります。

次のどちらかに当てはまる場合、マルチユーザーモードで NFS を使用して MU4 をインストールすることになります。

この場合、システムをできるだけ静かな状態にしておく必要があります。ユーザーがすべてログアウトし、実行されているジョブがない状態にしてください。

シングルユーザーまたはマルチユーザーのどちらのモードで MU4 をインストールした場合でも、インストール後、システムをリブートする必要があります。exit コマンドは使用しないでください。exit コマンドを使用すると、システムは init 3 の状態になり、システムがリブートされるまでどのユーザーもログインできなくなります。root ユーザーがログアウトしてしまい、ほかに root ユーザーが 1 人もログインしていない場合は、システムをリブートする必要があります。詳細は、第 4 章「既知の問題」を参照してください。


注 –

必ずオペレーティングシステムのバックアップをとってから、次の手順に進んでください。


Solaris 9 MU4 をインストールするには、次の手順に従います。

  1. 重要なユーザープロセスまたは重要なシステムプロセスが実行されていないことを確認します。


    注 –

    powerd プロセスが動作している場合は、そのプロセスを kill する必要があります。


  2. 現在のセッションを終了します。

    CDE ログイン画面が表示されます。

  3. 「オプション」ボタンをクリックして、「コマンド行ログイン」を選択します。

    ログインプロンプトが表示されます。

  4. ログイン名として root と入力し、root のパスワードを入力します。


    login: root
    password: root password
    
  5. システムをシングルユーザーモードでリブートします。root のシェルプロンプトで、次のコマンドを入力します。


    # reboot -- -s
    
  6. root パスワードを入力します。

    次のメッセージが表示され、システムがシステム保守モードになります。


    Entering System Maintenance Mode
     
    Sun Microsystems Inc. SunOS 5.9 Generic May 2002
    # 
  7. install_mu スクリプトを実行します。MU4 イメージのローカルコピーから実行するには、次のコマンドを入力します。


    # cd local–directory
    # ./install_mu options
    

    次の表に、コマンド行で使用できるオプションを示します。

    表 2–1 install_mu スクリプトのコマンド行オプション

    オプション 

    説明 

    -d

    パッチをバックアップしない。この引数を使うとソフトウェアのインストール時間が短縮される。ただし、個々のパッチをバックアウトできなくなる。-B オプションと組み合わせて使うことはできない

    -p patchdir

    すべてのパッチが含まれているディレクトリを指定する 

    -q

    install_mu の処理状況を示すドットの表示を無効にする

    -B backoutdir

    指定したディレクトリにバックアウトデータを保存する。-d オプションと組み合わせて使うことはできない

    -f

    十分なディスク容量があるかどうかをチェックせずに、パッチセットをインストールする。このオプションを使用すると時間が短縮される。ただしこのオプションは、十分な容量があることがわかっている場合にだけ使用する 

  8. インストールが完了したときに、次のメッセージが表示されることを確認してください。


    install_mu completed at date–time.
  9. 次のコマンドを入力してシステムをリブートします。


    # sync ; reboot
    

    ログインプロンプトが表示されます。


    注 –

    ライブラリの衝突を防ぐために、MU4 をインストールしたあとは必ずシステムをリブートしてください。


  10. ログイン名とパスワードを入力します。


    login: login
    password: password
    

Solaris 9 MU のバージョンの確認

Solaris 9 MU のバージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。


# cat /etc/release

MU がシステムに適用したパッチを確認するには、次のコマンドを実行します。


# showrev -p


注 –

Solaris 9 MU4 を適用した場合の showrev -p 出力と Solaris 9 8/03 オペレーティング環境をインストールした場合の showrev -p 出力を比較すると、MU4 インストールでは次のパッチが適用されていないことがわかります。