WBEM リポジトリ CIM データベースは、次の条件が重なると壊れる可能性があります。
Solaris 9 オペレーティング環境が動作しているシステムに、Solaris 9 Update リリース用のパッチ 112945 のどれかのリビジョンを適用する。
その後、システムに適用したこのパッチを削除する。
WBEM リポジトリが壊れると、Solaris 管理コンソールのログビューアに次のエラーメッセージが表示されます。
CIM_ERR_FAILED: /usr/sadm/lib/wbem/../../../../var/sadm/wbem/logr/ preReg/PATCH113829install/Solaris_Application.mof,18,ERR_SEM, ERR_EXC_SET_CLASS,CIM_ERR_FAILED:Other Exception: java.io.StreamCorruptedException: invalid stream header |
回避方法: 次に示す回避方法のどれか 1 つを選択してください。
WBEM リポジトリが壊れないように防止するには、次の手順に従ってください。
スーパーユーザーになります。
パッチを適用する前に、WBEM リポジトリをバックアップします。
# cp -r /var/sadm/wbem/logr path/logr |
path には、バックアップ WBEM リポジトリのパスを指定します。
パッチをバックアウトしたあとで WBEM リポジトリが壊れた場合は、WBEM サーバーを停止します。
# /etc/init.d/init.wbem stop |
バックアップ WBEM リポジトリを復元します。
# cp -rf path/logr /var/sadm/wbem/logr |
WBEM サーバーを再起動します。
# /etc/init.d/init.wbem start |
新しい WBEM リポジトリを作成するには、次の手順に従ってください。
この回避方法では、壊れた WBEM リポジトリのデータは復元できません。インストール時にこのリポジトリに追加されたデータは、すべて失われます。
スーパーユーザーになります。
WBEM サーバーを停止します。
# /etc/init.d/init.wbem stop |
/logr ディレクトリからファイルを削除します。
# rm /var/sadm/wbem/logr/* |
/notFirstTime ディレクトリを削除します。
# rmdir /var/sadmm/wbem/logr/notFirstTime |
WBEM サーバーを起動します。
# /etc/init.d/init.wbem start |
独自の MOF が存在する場合は、それらを手動でコンパイルします。
# /usr/sadm/bin/mofcomp MOF-filename |
複数のパッケージアーキテクチャをサポートするパッチをインストールすると、次のようなエラーメッセージが /var/sadm/install_data/Maintenance_Update_log に表示されることがありますが、このエラーメッセージは致命的エラーを意味するものではありません。
Installing xxxxxx-yy (x of xx) See /var/sadm/patch/xxxxxx-yy log for details grep: can't open pdgabbrev.extension/pkginfo |
たとえば、パッチ 123456-01 にパッチパッケージ SUNWcar と SUNWcar.u が含まれていた場合、次のようなエラーメッセージが表示されます。
grep: can't open SUNWcar.u/pkginfo |
回避方法: このエラーメッセージは無視してください。このメッセージは、パッチのインストールには影響しません。これは、patchadd コマンドから remove_PATCH_PROPERTIES 関数へ、適当なパラメータが渡されなかったことを示します。
詳細は patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。
sh(1) と ksh(1) とのやりとりに問題があるため、 install_mu ユーティリティが特定のパッチを正常にインストールできないことがあります。この障害は、コマンド行または管理スクリプトから次のコマンドを使用して install_mu を起動すると発生します。
# /bin/sh ./install_mu options |
回避方法: install_mu は、コマンド行または管理用スクリプトから次のように実行してください。
# ./install_mu options |
/var/sadm/install_data ディレクトリの Maintenance_Update_log 内に、次に示すメッセージのどちらかが表示される可能性がありますが、これらのメッセージは問題のあるものではありません。
One or more patch packages included in XXXXXX-YY are not installed on this system. Patchadd is terminating. |
または
Installation of XXXXXX-YY failed: Attempting to patch a package that is not installed. |
これらのメッセージは、パッチ対象のパッケージがシステム上に見当たらないため、patchadd コマンドがそのパッチを適用しなかったことを示します。
あるアーキテクチャのパッチを別のアーキテクチャのシステムにインストールしようとすると、patchadd コマンドはそれを検知し、このメッセージを表示します。たとえば、sun4u パッチを sun4m システムにインストールしようとしたときなどです。
このメッセージは、1 つまたは複数のパッケージが見つからない場合にも表示されます。管理者がパッケージを削除した可能性や、もともとインストールされていなかった可能性が考えられます。 全体ディストリビューションよりも小さいクラスタをインストールした場合などにこのタイプのエラーが起きます。
回避方法: このエラーメッセージは無視してください。
シングルユーザーモードで MU をインストールする場合は、終了時に exit コマンドを使用しないでください。reboot コマンドを使用してください。reboot コマンドではなく exit コマンドを使用すると、次の問題が発生します。
システムが init 3 の状態になり、システムがリブートされるまでログインできない
システムがリブートされるまで、他のユーザーもログインできない
ユーザーやプロセスがログインしようとすると、pam_projects.so.1 モジュールがコアダンプする。次のメッセージが表示される
NOTICE: core_log: in.rshd[1479] core dumped: /var/crash/core.in.rshd.1479 |
プロセスが pam_projects.so.1 モジュールにアクセスしようとすると、システムコンソールに「load module」メッセージが表示される。次のようなメッセージが表示される
cron[1433]: load_modules: can not open module /usr/lib/security/pam_projects.so.1 |
これらのメッセージは、マルチユーザーモードで MU をインストールした場合にも表示されます。どちらの場合でも、システムをリブートすればメッセージは表示されなくなります。
回避方法: シングルユーザーモードで MU をインストールしたあと exit コマンドを使用してしまった場合は、システムをリブートしてください。
マルチユーザーモードで MU をインストールしたあと exit コマンドを使用してしまった場合で、root ユーザーが 1 人もログインしていないときにも、システムをリブートしてください。