Solaris のシステム管理 (基本編)

第 8 章 ディスクレスクライアントの管理 (手順)

ここでは、Solaris 環境でディスクレスクライアントを管理する方法について説明します。

ディスクレスクライアントの管理手順については、ディスクレスクライアントの管理 (作業マップ)を参照してください。

ディスクレスクライアント管理の概要については、第 7 章「サーバーとクライアントサポートの管理 (概要)」を参照してください。

Solstice AdminSuiteTM ソフトウェアを使ってクライアントを管理する方法については、『Solstice AdminSuite 2.3 管理者ガイド』を参照してください。

ディスクレスクライアントの管理 (作業マップ)

次の表にディスクレスクライアントの管理に必要な手順を示します。

作業 

説明 

参照先 

1. (省略可能) 既存のディスクレスクライアントサポートを削除する 

Solstice AdminSuite 製品と一緒に追加されたディスクレスクライアントが存在する場合、Solaris リリースをインストールする前に admhostdel コマンドおよび admhostmod コマンドを使って、ディスクレスクライアントサポートおよび OS サービスを削除する

Solstice AdminSuite 2.3 管理者ガイド

2. (省略可能) Solaris 管理コンソールロギングを有効にしてディスクレスクライアントのエラーメッセージを表示する 

コンソールのメインウィンドウからログビューアを選択し、 ディスクレスクライアントのエラーメッセージを表示する 

Solaris 管理コンソールを起動する

3. ディスクレスクライアントを追加する準備をする 

サポートされているリリースを確認し、各ディスクレスクライアントの「プラットフォーム」、「メディアパス」、および「クラスタ」(またはソフトウェアグループ) を識別する 

ディスクレスクライアントの追加の準備

4. 必要な OS サービスを OS サーバーに追加する 

smosservice コマンドを使用してサポートしたいディスクレスクライアントの OS サービスを追加する。サポートする各ディスクレスクライアントプラットフォームのプラットフォームおよびメディアパスを識別する必要がある

ディスクレスクライアントサポートの OS サービスの追加方法

5. ディスクレスクライアントを追加する 

smdiskless コマンドを使用してすべての必須情報を指定し、ディスクレスクライアントサポートを追加する

ディスクレスクライアントの追加方法

6. ディスクレスクライアントを起動する 

ディスクレスクライアントを起動して、ディスクレスクライアントサポートが正常に追加されたことを確認する 

ディスクレスクライアントの起動方法

7. (省略可能) ディスクレスクライアントサポートを削除する 

必要がなくなった場合には、ディスクレスクライアントのサポートを削除する 

ディスクレスクライアントサポートの削除方法

8. (省略可能) ディスクレスクライアントの OS サービスを削除する 

必要がなくなった場合には、ディスクレスクライアントの OS サービスを削除する 

ディスクレスクライアントの OS サービスを削除する方法

9. (省略可能) OS サービスにパッチを適用する 

ディスクレスクライアント OS サービスのパッチを追加、削除、リスト表示、または同期化する 

ディスクレスクライアントの OS パッチの追加方法

ディスクレスクライアントの管理

ここでは、ディスクレスクライアントの管理に必要な手順について説明します。

ディスクレスクライアントを管理する場合には、次の点に注意してください。

各ディスクレスクライアントについてプラットフォーム、メディアパス、およびクラスタを決定したら、OS サービスを追加する準備ができたことになります。追加する各 OS サービスについて、次のディレクトリが作成され移植されます。

追加する各ディスクレスクライアントについて、次のデフォルトのディレクトリが OS サーバー上に作成されます。


注 –

-x オプションを使うと、ルート、/swap、および /dump ディレクトリのデフォルト位置を変更することができます。ただし、/export ファイルシステムの下にはこれらのディレクトリを作成しないでください。


ディスクレスクライアントの追加の準備

サポートしているリリースが、OS サービスに指定されたシステム上で実行されていることを確認します。さらに、OS サーバーリリースとディスクレスクライアントリリースの組み合わせがサポートされていることも確認します。

smosservice add コマンドを使用して OS サービスを追加する場合は、サポートしたい各ディスクレスクライアントプラットフォームの「プラットフォーム」、「メディアパス」、および「クラスタ」(またはソフトウェアグループ)を指定する必要があります。

  1. サポートされる Solaris リリースの組み合わせが、対象の OS サーバーおよびディスクレスクライアントで実行されているかどうか確認します。

    詳細については、OS サーバーおよびディスクレスクライアントのサポート情報を参照してください。

  2. 次の形式で使用されるディスクレスクライアントプラットフォームを識別します。

    instruction_set.machine_class .Solaris_version

    たとえば、次のようになります。

    sparc.sun4u.Solaris_9

    以下に、利用できるプラットフォームのオプションを示します。

    instruction_set

    machine_class

    Solaris_version

    sparc 

    sun4d*、sun4c*、sun4m*、および sun4u 

    Solaris_9、Solaris_8、Solaris_2.7、および Solaris_2.6  

    i386 

    i86pc 

    Solaris_9、Solaris_8、Solaris_2.7、および Solaris_2.6  

    * sun4c アーキテクチャは、Solaris 8 または Solaris 9 リリースではサポートされていません。sun4d アーキテクチャは、Solaris 9 リリースではサポートされていません。

  3. メディアパスを特定します。これは、ディスクレスクライアントにインストールしたいオぺレーティングシステムを含むディスクイメージのフルパスです。

    Solaris オペレーティング環境は、複数の CD で配布されます。ただし、smosservice コマンドでは、複数の CD から OS を読み込むことはできません。ユーザーは、次の操作を行うために Solaris Software CD (および付属する Languages CD) にあるスクリプトを実行する必要があります。

    • サーバー上にインストールイメージを作成します。インストールサーバーのセットアップについての情報は、『Solaris 9 インストールガイド』を参照してください。

    • 次のいずれかのスクリプトを使用して、必要な OS サービスを CD イメージから読み込みます。

      • Solaris 9 Software 1 of 2 CD 用 – /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_9/Tools/setup_install_server

      • Solaris 9 Software 2 of 2 CD 用 – /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_9/Tools/add_to_install_server

      • Solaris 9 Languages CD 用 – /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_9/Tools/add_to_install_server

      たとえば、ローカルに接続された CD-ROM デバイス上の Solaris 9 Software 1 of 2 CD (SPARC Platform Edition) から setup_install_server スクリプトを使用する場合は、構文が次のようになります。


      # mkdir /export/install/sparc_9
      # cd /cd_mount_point/Solaris_9/Tools
      # ./setup_install_server /export/install/sparc_9
      
    • ディスクに Solaris CD イメージをインストールした後、ディスクイメージのパスを指定してください。たとえば、次のようになります。


      /net/export/install/sparc_9
  4. OS サービスを追加するときに SUNWCXall クラスタを特定します。

    同じシステム (SPARC または x86) 上で同じオペレーティング環境を実行するディスクレスクライアントには、「同じクラスタ」を使用しなければなりません。

    たとえば、次のディスクレスクライアントについて考えてみましょう。

    • sparc.sun4m.Solaris_9

    • sparc.sun4u.Solaris_9

    sun4u および sun4m システムでは SUNWCXall クラスタを要求するため、これらのディスクレスクライアントをセットアップするには、各ディスクレスクライアントに SUNWCXall クラスタを指定する必要があります。また同じシステムで同じオペレーティング環境 (ここでは Solaris_9) を実行するディスクレスクライアントでは同じクラスタを使用する必要があります。


    注 –

    sun4u システム、または 8 ビットの高速カラーメモリーフレームバッファー (cgsix) が搭載されたシステムを使用している場合には、クラスタに必ず SUNWCXall を指定してください。


ディスクレスクライアントサポートの OS サービスの追加方法

ディスクレスクライアントの OS サービスをサーバーに追加するには、次の手順を実行します。

  1. サーバーでスーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    詳細については、スーパーユーザー (ルート) になるか役割を引き受ける方法を参照してください。

  2. Solaris 管理コンソールサーバーが実行中であり、システムでディスクレスクライアントツールが使用できることを確認します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice list -H starbug:898 --
    Loading Tool: com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug:
    898
    Login to starbug as user root was successful.
    Download of com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug:898 
    was successful.
    Platform
    --------------------------------------------------------------------------
  3. OS サービスを追加します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice add -H hostname:898 -- -o hostname 
    -x mediapath=path -x platform=instruction-set.machine-class.Solaris-version 
    -x cluster=cluster-name -x locale=locale-name
    

    add

    指定された OS サービスを追加する 

    -H hostname:898

    接続するホスト名とポートを指定する。ポートを指定しない場合は、デフォルトポート 898 に接続される 

    --

    これ以降のサブコマンド引数が始まることを示す 

    -x mediapath=path

    Solaris イメージのフルパスを指定する 

    -x

    platform=instruction-set.machine-class.Solaris-version

    追加する命令アーキテクチャ、マシンクラス、および Solaris バージョンを指定する 

    -x cluster=cluster-name

    インストールする Solaris クラスタを指定する 

    -x locale=locale-name

    インストールするロケールを指定する 


    注 –

    サーバーのスピードおよび選択した OS サービスの構成により、インストールプロセスには 45 分ほどかかることがあります。


    詳細については、smosservice(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. (省略可能) ほかの OS サービスを追加します。

  5. OS サービスを追加し終わったら、OS サービスがインストールされているかどうか確認します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice list -H hostname:898 --
    

例 — ディスクレスクライアントサポートの OS サービスを追加する

この例では、サーバー starbug に Solaris 8 OS サービスを追加する方法を示します。サーバー starbug では Solaris 9 リリースを実行しています。


# /usr/sadm/bin/smosservice add -H starbug:898 -- -o starbug 
-x mediapath=/net/install/export/sparc_8 -x platform=sparc.sun4u.Solaris_8 
-x cluster=SUNWCXall -x locale=en_US
Authenticating as user: root

Type /? for help, pressing enter accepts the default denoted by [ ]
Please enter a string value for: password :: xxx
Loading Tool: com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug:898
Login to starbug as user root was successful.
Download of com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug:898 
was successful.

ディスクレスクライアントの追加方法

OS サービスを追加した後に、ディスクレスクライアントを追加するには、次の手順を実行します。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    詳細については、スーパーユーザー (ルート) になるか役割を引き受ける方法を参照してください。

  2. ディスクレスクライアントを追加します。


    # /usr/sadm/bin/smdiskless add -- -i ip-address -e ethernet-address 
    -n client-name -x os=instruction-set.machine-class.Solaris-version 
    -x root=/export/root/client-name -x swap=/export/swap/client-name 
    -x swapsize=size -x tz=timezone -x locale=locale-name
    

    add

    指定したディスクレスクライアントを追加する 

    --

    これ以降、サブコマンド引数が始まることを示す 

    -i ip-address

    ディスクレスクライアントの IP アドレスを指定する 

    -e ethernet-address

    ディスクレスクライアントの Ethernet アドレスを識別する 

    -n client-name

    ディスクレスクライアントの名前を指定する 

    -x os=instruction-set.machine-class.Solaris-version

    ディスクレスクライアントの命令アーキテクチャ、マシンクラス、OS、および Solaris バージョンを指定する 

    -x root=root=/export/root/client-name

    ディスクレスクライアントのルートディレクトリを指定する 

    -x swap=root=/export/root/client-name

    ディスクレスクライアントのスワップファイルを指定する 

    -x swapsize=size

    スワップファイルのサイズをメガバイト (MB) で指定する。デフォルトは 24 (MB) 

    -x tz=timezone

    ディスクレスクライアントの時間帯を指定する 

    -x locale= locale-name

    ディスクレスクライアントをインストールするロケールを指定する 

    詳細については、smdiskless(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. (省略可能) smdiskless add コマンドを続けて使用して、各ディスクレスクライアントを追加します。

  4. ディスクレスクライアントがインストールされたことを確認します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice list -H hostname:898 --
    

例 — ディスクレスクライアントを追加する

この例では、サーバー starbug から Solaris 8 クライアント holoship を追加する方法を示します。


# /usr/sadm/bin/smdiskless add -- -i 172.20.27.103 -e 8:0:20:92:4e:f3 
-n holoship -x os=sparc.sun4u.Solaris_8 -x root=/export/root/holoship 
-x swap=/export/swap/holoship -x swapsize=128 -x tz=US/Mountain 
-x locale=en_US

この例では、サーバー starbug から Solaris 7 クライアント inquisitor を追加する方法を示します。


# /usr/sadm/bin/smdiskless add -- -i 172.20.27.102 -e 8:0:20:1f:31:be
-n inquisitor -x os=sparc.sun4u.Solaris_2.7 -x root=/export/root/inquisitor 
-x swap=/export/swap/inquisitor -x swapsize=64 -x tz=US/Mountain

ディスクレスクライアントの起動方法

  1. OS サーバーの次の必要条件を確認します。

    • ディスクレスクライアントおよび OS サービスの追加に使用するネームサービスがサーバーの /etc/nsswitch.conf ファイルのプライマリ名に一致していることを確認します。

      一致しない場合は、ディスクレスクライアントが起動しません。

    • rpc.bootparamd デーモンが実行中かどうか確認します。実行していない場合には、それを起動してください。

  2. ディスクレスクライアントを起動します。


    ok boot net
    

ディスクレスクライアントサポートの削除方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    詳細については、スーパーユーザー (ルート) になるか役割を引き受ける方法を参照してください。

  2. ディスクレスクライアントサポートを削除します。


    # /usr/sadm/bin/smdiskless delete -- -o hostname:898 -n client-name
    
  3. ディスクレスクライアントサポートが削除されたことを確認します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice list -H hostname:898 --
    

例 — ディスクレスクライアントサポートを削除する

この例では、OS サーバー starbug からディスクレスクライアント holoship を削除する方法を示します。


# /usr/sadm/bin/smdiskless delete -- -o starbug -n holoship
Authenticating as user: root

Type /? for help, pressing enter accepts the default denoted by [ ]
Please enter a string value for: password :: 
Starting SMC server version 2.0.0.
endpoint created: :898
SMC server is ready.
Loading Tool: com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug
Login to starbug as user root was successful.
Download of com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug
was successful.

ディスクレスクライアントの OS サービスを削除する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    詳細については、スーパーユーザー (ルート) になるか役割を引き受ける方法を参照してください。

  2. ディスクレスクライアントの OS サービスを削除します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice delete -H hostname:898 -- 
    -x rmplatform=instruction-set.machine-class.Solaris-version
    
  3. OS サービスが削除されたことを確認します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice list -H hostname:898 --
    

例 — ディスクレスクライアントの OS サービスを削除する

次の例では、サーバー starbug からディスクレスクライアント OS サービス (sparc.all.Solaris_9) を削除する方法を示します。


# /usr/sadm/bin/smosservice delete -H starbug:898 -- 
-x rmplatform=sparc.all.Solaris_9
Authenticating as user: root
Type /? for help, pressing enter accepts the default denoted by [ ]
Please enter a string value for: password :: 
Loading Tool: com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug:898
Login to starbug as user root was successful.
Download of com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug:898
was successful.

ディスクレスクライアント OS サービスにパッチを適用する

smosservice patch コマンドを使うと次の操作を実行できます。


注 –

推奨 OS パッチを定期的にインストールして、OS サーバーを最新の状態に保ってください。


パッチのダウンロード方法については、署名のない Solaris パッチのダウンロード方法を参照してください。

ディスクレスクライアントの OS パッチの表示

ディスクレスクライアントのパッチは、パッチのタイプに応じて、異なるディレクトリにロギングされます。

OS およびアーキテクチャによりスプールされたすべてのパッチを表示するには、-P オプションを指定した smosservice コマンドを使用します。

ディスクレスクライアントの OS パッチの追加方法

  1. サーバーでスーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    詳細については、スーパーユーザー (ルート) になるか役割を引き受ける方法を参照してください。

  2. ディスクレスクライアントシステムにログインし、シャットダウンします。


    # init 0
    
  3. パッチをスプールディレクトリに追加します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice patch -- -a /var/patches/patch-ID-revision
    Authenticating as user: root
    
    Type /? for help, pressing <enter> accepts the default denoted by [ ]
    Please enter a string value for: password :: 
    Loading Tool: com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug
    Login to starbug as user root was successful.
    Download of com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug 
    was successful.

    追加するパッチが別のパッチに依存する場合は、次のメッセージが表示され、パッチを追加できません。


    The patch patch-ID-revision could not be added 
    because it is dependent on other patches which have not yet been spooled. 
    You must add all required patches to the spool first.

  4. パッチがスプールされたことを確認します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice patch -- -P
    
  5. スプールされたパッチをディスクレスクライアントにプッシュします。


    # /usr/sadm/bin/smosservice patch -- -m -U
    Authenticating as user: root
    
    Type /? for help, pressing <enter> accepts the default denoted by [ ]
    Please enter a string value for: password :: 
    Loading Tool: com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug
    Login to starbug as user root was successful.
    Download of com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug 
    was successful.

    注 –

    パッチをディスクレスクライアントにプッシュおよび同期させるには、1 パッチあたり最大 90 分ほどかかることがあります。


  6. パッチがディスクレスクライアントに適用されたことを確認します。


    # /usr/sadm/bin/smosservice patch -- -P
    Authenticating as user: root
    
    Type /? for help, pressing <enter> accepts the default denoted by [ ]
    Please enter a string value for: password :: 
    Loading Tool: com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug
    Login to starbug as user root was successful.
    Download of com.sun.admin.osservermgr.cli.OsServerMgrCli from starbug 
    was successful.
    Patches In Spool Area
    Os Rel Arch   Patch Id  Synopsis
    -------------------------------------------------------------------------
    8      sparc  111879-01 SunOS 5.8: Solaris Product Registry patch SUNWwsr  
    
    Patches Applied To OS Services
    Os Service                              Patch
    -------------------------------------------------------------------------
    Solaris_8                               
    
    Patches Applied To Clone Areas
    Clone Area                              Patch
    -------------------------------------------------------------------------
    Solaris_8/sun4u          

例 — ディスクレスクライアントの OS パッチを追加する

この例では、Solaris 8 パッチ (111879-01) をサーバーのディスクレスクライアントの OS サービスに追加する方法を示します。


# /usr/sadm/bin/smosservice patch -- -a /var/patches/111879-01
Authenticating as user: root
.
.
.
# /usr/sadm/bin/smosservice patch -- -P
Patches In Spool Area
Os Rel Arch   Patch Id  Synopsis
----------------------------------------------------------------------------
8      sparc  111879-01 SunOS 5.8: Solaris Product Registry patch SUNWwsr   
.
.
.
# /usr/sadm/bin/smosservice patch -- -m -U
Authenticating as user: root
.
.
.
# /usr/sadm/bin/smosservice patch -- -P
Authenticating as user: root
.
.
.
Patches In Spool Area
Os Rel Arch   Patch Id  Synopsis
----------------------------------------------------------------------------
8      sparc  111879-01 SunOS 5.8: Solaris Product Registry patch SUNWwsr   

Patches Applied To OS Services
Os Service                              Patch
----------------------------------------------------------------------------
Solaris_8                               

Patches Applied To Clone Areas
Clone Area                              Patch
----------------------------------------------------------------------------
Solaris_8/sun4u     

ディスクレスクライアント問題の障害追跡

ここでは、ディスクレスクライアントの一般的な問題と解決策をリスト表示します。

問題
  • OS サーバーがクライアント RARP 要求に応答しない

  • OS サーバーがクライアントの bootparam 要求に応答しない

  • OS サーバーがディスクレスクライアントのルートファイルシステムをマウントできない

解決法

ファイル環境

  • OS サーバーの /etc/nsswitch.conf ファイルの hostsethers、および bootparams の最初のソースとして files が設定されていることを確認する。

  • クライアントの IP アドレスが /etc/inet/hosts ファイルに設定されていることを確認する。

  • クライアントの Ethernet アドレスが /etc/ethers ファイルに表示されていることを確認する。

  • /etc/bootparams ファイルにクライアントのルートおよびスワップ領域への次のパスが含まれていることを確認する。


    client root=os-server:/export/root/client swap=os-server:
    /export/swap/client 
    

    スワップのサイズは、ディスクレスクライアントの追加時に -x swapsize オプションを指定したかどうかによって異なる。ディスクレスクライアントの追加時に -x dump オプションを指定した場合は、次の行が表示される。


    dump=os-server:/export/dump/client dumpsize=24

    ダンプサイズも、ディスクレスクライアントの追加時に -x dumpsize オプションを指定したかどうかによって異なる。

  • OS サーバーの IP アドレスが /export/root/client/etc/inet/hosts ファイルに設定されているかどうか確認する。

ネームサービス環境

  • OS サーバーとクライアントの Ethernet アドレスおよび IP アドレスが正しくマップされていることを確認する。

  • /etc/bootparams ファイルに、次のようにクライアントのルートおよびスワップ領域へのパスが含まれていることを確認する。


    client root=os-server:/export/
    root/client swap=os-server:/export/
    swap/client swapsize=24

    スワップのサイズは、ディスクレスクライアントの追加時に -x swapsize オプションを指定したかどうかによって異なる。ディスクレスクライアントの追加時に -x dump オプションを指定した場合は、次の行が表示される。


    dump=os-server:/export/dump/client dumpsize=24

    ダンプサイズも、ディスクレスクライアントの追加時に -x dumpsize オプションを指定したかどうかによって異なる。

問題

ディスクレスクライアントパニック

解決法
  • OS サーバーの Ethernet アドレスが IP アドレスに正しくマップされていることを確認する。システムをあるネットワークから別のネットワークに物理的に移動した場合、システムの新しい IP アドレスを再マップするのを忘れている可能性がある。

  • クライアントの RARP、TFTP、または bootparam 要求に応答する「同じサブネット」の別のサーバーのデータベースに、クライアントのホスト名、IP アドレス、および Ethernet アドレスが存在しないことを確認する。インストールサーバーから OS をインストールするために、しばしばテストシステムがセットアップされる。このような場合、インストールサーバーはクライアントの RARP または bootparam 要求に対して、正しくない IP アドレスを返す。この不正なアドレスにより、間違ったアーキテクチャのブートプログラムをダウンロードしたり、クライアントのルートファイルシステムのマウントが失敗したりしている可能性がある。

  • ディスクレスクライアントの TFTP 要求にインストールサーバー (または以前の OS サーバー) が応答しないことを確認する。このサーバーは不正なブートプログラムを転送している。ブートプログラムのアーキテクチャが異なる場合は、クライアントがただちにパニックになる。ブートプログラムが非 OS サーバーから読み込まれた場合、クライアントはそのルートパーティションを非 OS サーバー上に確保し、/usr パーティションを OS サーバー上に確保することがある。この状況では、ルートおよび /usr パーティションのアーキテクチャまたはバージョンが競合する場合、クライアントがパニックに陥る。

  • インストールサーバーと OS サーバーの両方を使用している場合は、/etc/dfs/dfstab ファイルに次のエントリがあることを確認する。


    share -F nfs -o -ro /export/exec/Solaris_version_instruction_set.all/usr
    

    ここで version=2.6 2.7、または 8、また instruction_set= sparc または i386

  • ディスクレスクライアントのルート、/swap パーティション、および /dump (指定されている場合) パーティションに共有エントリがあることを確認する。


    share -F nfs -o rw=client,root=client /export/root/client 
    share -F nfs -o rw=client,root=client /export/swap/client 
    share -F nfs -o rw=client,root=client /export/dump/client 
    
  • OS サーバーで次のコマンドを入力し、共有されているファイルを確認する。


    % share
    

    OS サーバーでは、ディスクレスクライアントを追加したときに指定した、/export/root/client および/export/swap/client_name (デフォルト)、またはルート、/swap パーティション、および /dump パーティションを共有する必要がある。

    次のエントリが /etc/dfs/dfstab ファイルにあるかを確認する。


    share -F nfs -o ro /export/exec/Solaris_version_instruction_set.all/usr
    share -F nfs -o rw=client,root=client /export/root/client
    share -F nfs -o rw=client,root=client /export/swap/client
    

問題

OS サーバーがディスクレスクライアントの RARP 要求に応答しない

解決法

クライアントの目的の OS サーバーから、次のクライアントの Ethernet アドレスを使って snoop コマンドを root として実行する。


# snoop xx:xx:xx:xx:xx:xx

問題

ブートプログラムをダウンロードしたが、プロセスの初期にパニックが発生した

解決法

snoop コマンドを使用して、対象の OS サーバーがクライアントの TFTP および NFS 要求に応答するかどうかを確認する。

問題
  • ディスクレスクライアントのハングアップ

  • ディスクレスクライアントの RARP 要求に対するサーバーの応答が不正である

解決法

OS サーバーで次のデーモンを再起動する。


# /usr/sbin/rpc.bootparamd
# /usr/sbin/in.rarpd -a