Solaris のシステム管理 (基本編)

format のメニューとコマンドの説明

format のメインメニューは次のようになっています。


FORMAT MENU:
        disk       - select a disk
        type       - select (define) a disk type
        partition  - select (define) a partition table
        current    - describe the current disk
        format     - format and analyze the disk
        repair     - repair a defective sector
        label      - write label to the disk
        analyze    - surface analysis
        defect     - defect list management
        backup     - search for backup labels
        verify     - read and display labels
        save       - save new disk/partition definitions
        inquiry    - show vendor, product and revision
        volname    - set 8-character volume name
        quit
format> 

次の表に、format のメインメニュー項目を示します。

表 36–1 format のメインメニュー項目の説明

項目 

コマンド / メニュー 

説明 

disk

コマンド 

システムのドライブをすべて表示する。後の操作で使用するディスクを選択することもできる。このディスクは、「現在のディスク」と呼ばれる。 

type

コマンド 

現在のディスクのメーカーとモデルを表示する。認識されているドライブタイプのリストも表示する。SCSI-2 対応ディスクドライブの場合は Auto configure オプションを選択する。

partition

メニュー 

スライスの作成および変更を行う。詳細は、partition メニューを参照。

current

コマンド 

現在のディスクに関する次の情報を表示する。  

  • デバイス名とデバイスタイプ

  • シリンダ数、代替シリンダ数、ヘッド数、セクター数

  • 物理デバイス名

format

コマンド 

次のいずれかの情報源をこの順番に使用して、現在のディスクをフォーマットする。 

  1. format.dat ファイル内の情報

  2. 自動構成プロセスからの情報

  3. format.dat エントリが見つからない場合、プロンプトに入力した情報

このコマンドは、IDE ディスクには適用できない。IDE ディスクは、あらかじめ製造元でフォーマットされる。 

fdisk

メニュー 

x86 プラットフォームのみ: fdisk プログラムを実行し、Solaris fdisk パーティションを作成する。

repair

コマンド 

現在のディスク上で特定のブロックを修復する。 

label

コマンド 

現在のディスクに新しいラベルを書き込む。 

analyze

メニュー 

読み取り、書き込み、比較テストを実行する。詳細は、analyze メニューを参照。

defect

メニュー 

欠陥リストを検索して出力する。詳細は、defect メニューを参照。この機能は、IDE ディスクには適用できない。IDE ディスクは、自動欠陥管理を行う。

backup

コマンド 

VTOC – バックアップラベルを検索

EFI – サポートされない

verify

コマンド 

現在のディスクに関する次の情報を出力する。  

  • デバイス名とデバイスタイプ

  • シリンダ数、代替シリンダ数、ヘッド数、セクター数

  • パーティションテーブル

save

コマンド 

VTOC – 新しいディスク情報およびパーティション情報を保存

EFI – 適用できない

inquiry

コマンド 

現在のドライブのベンダ、製品名、リビジョンレベルが出力される (SCSI ディスクのみ)。 

volname

コマンド 

新しい 8 文字のボリューム名を使用してディスクラベルを作成する。 

quit

コマンド 

format メニューを終了する。

partition メニュー

partition メニューは次のようになっています。


format> partition
PARTITION MENU:
        0      - change `0' partition
        1      - change `1' partition
        2      - change `2' partition
        3      - change `3' partition
        4      - change `4' partition
        5      - change `5' partition
        6      - change `6' partition
        7      - change `7' partition
        select - select a predefined table
        modify - modify a predefined partition table
        name   - name the current table
        print  - display the current table
        label  - write partition map and label to the disk
        quit
partition> 

次の表に、partition メニューの項目を示します。

表 36–2 partition メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

change ` n' partition

新しいスライスに次の情報を設定する。 

  • 識別タグ

  • アクセス権フラグ

  • 開始シリンダ

  • サイズ

select

事前定義されたスライステーブルを選択する。 

modify

スライステーブル内のすべてのスライスを変更可能にする。個々のスライスに対して change `x' partition コマンドを実行するよりも、このコマンドが使用されることが多い。

name

現在のスライステーブルの名前を指定する。 

print

現在のスライステーブルを表示する。 

label

スライスマップとラベルを現在のディスクに書き込む。 

quit

partition メニューを終了する。

x86: fdisk メニュー

x86 システム上でのみ、次のような fdisk メニューが表示されます。


format> fdisk
             Total disk size is 1855 cylinders
             Cylinder size is 553 (512 byte) blocks
                                           Cylinders
      Partition   Status    Type      Start   End   Length    %
      =========   ======    ========  =====   ===   ======   ===
          1                 DOS-BIG       0   370     371     20
          2       Active    SOLARIS     370  1851    1482     80

SELECT ONE OF THE FOLLOWING:

     1.   Create a partition
     2.   Change Active (Boot from) partition
     3.   Delete a partition
     4.   Exit (Update disk configuration and exit)
     5.   Cancel (Exit without updating disk configuration)
Enter Selection: 

次の表に、fdisk メニューの項目を示します。

表 36–3 x86: fdisk メニュー項目の説明

メニュー項目 

説明 

Create a partition

fdisk パーティションを作成する。Solaris や DOS など、オペレーティングシステムごとに別々のパーティションを作成しなければならない。1 台のディスクの最大パーティション数は 4 である。fdisk のパーティションのサイズをパーセンテージで入力するように促すプロンプトが表示される。

Change Active partition

ブートに使用するパーティションを指定する。このメニュー項目により、第 1 段階のブートプログラムが第 2 段階のブートプログラムを検索する場所を指定する。 

Delete a partition

以前に作成したパーティションを削除する。このコマンドを実行すると、パーティション内のすべてのデータが失われる。 

Exit

新しいパーティションテーブルを書き込んで fdisk メニューを終了する。

Cancel

パーティションテーブルを変更せずに fdisk メニューを終了する。

analyze メニュー

analyze メニューは次のようになっています。


format> analyze

ANALYZE MENU:
    read     - read only test   (doesn't harm SunOS)
    refresh  - read then write  (doesn't harm data)
    test     - pattern testing  (doesn't harm data)
    write    - write then read      (corrupts data)
    compare  - write, read, compare (corrupts data)
    purge    - write, read, write   (corrupts data)
    verify   - write entire disk, then verify (corrupts data)
    print    - display data buffer
    setup    - set analysis parameters
    config   - show analysis parameters
    quit
analyze> 

次の表に、analyze メニューの項目を示します。

表 36–4 analyze メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

read

現在のディスクの各セクターを読み込む。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

refresh

データを損なわずに、現在のディスク上で読み取りおよび書き込みを実行する。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

test

データを損なわずに一連のパターンをディスクに書き込む。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

write

一連のパターンをディスクに書き込んでから、そのデータをディスクから読み込む。ディスク上の既存のデータは破壊される。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

compare

ディスクに一連のパターンを書き込み、そのデータを読み込み、書き込みバッファー内のデータと比較する。ディスク上の既存のデータは破壊される。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

purge

ディスク上のデータをすべて削除し、いかなる手段でも取り出せないようにする。ディスク全体 (またはディスクのセクション) に 3 種類のパターンを書き込むことにより、データを削除する。検査に合格すると16 進のビットパターンがディスク全体 (またはディスクのセクション) に上書きされる。 

デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

verify

1 度目にディスク全体の各ブロックに固有のデータを書き込む。2 度目にそのデータを読み込んで検査する。ディスク上の既存のデータは破壊される。デフォルトで欠陥ブロックを修復する。 

print

読み取り / 書き込みバッファー内のデータを表示する。 

setup

次の解析パラメータを指定する。 

Analyze entire disk? yes
Starting block number: ドライブによって異なる
Ending block number: ドライブによって異なる
Loop continuously? no
Number of passes: 2
	Repair defective blocks? yes
Stop after first error? no
Use random bit patterns? no
Number of blocks per transfer: 126 (0/n/nn)
Verify media after formatting? yes
Enable extended messages? no
Restore defect list? yes
Restore disk label? yes

太字はデフォルトを示す。 

config

現在の解析パラメータを表示する。 

quit

analyze メニューを終了する。

defect メニュー

defect メニューは次のようになっています。


format> defect

DEFECT MENU:
        primary  - extract manufacturer's defect list
        grown    - extract manufacturer's and repaired defects lists
        both     - extract both primary and grown defects lists
        print    - display working list
        dump     - dump working list to file
        quit
defect> 

次の表に、defect メニューの項目を示します。

表 36–5 defect メニュー項目の説明

サブコマンド 

説明 

primary

メーカーの欠陥リストをディスクドライブから読み込み、メモリー内の欠陥リストを更新する。 

grown

増分の欠陥リスト(分析により検出された欠陥)を読み込んで、メモリー内の欠陥リストを更新する。 

both

メーカーの欠陥リストと増分の欠陥リストを読み込んで、メモリー内の欠陥リストを更新する。 

print

メモリー内の欠陥リストを表示する。 

dump

メモリー内の欠陥リストをファイルに保存する。 

quit

defect メニューを終了する。