Solaris のシステム管理 (基本編)

バックアップデバイス名

バックアップに使用するテープまたはフロッピーディスクドライブに論理デバイス名を与えて指定します。この名前は、「raw」デバイスファイルの格納されたサブディレクトリを指し、ドライブの論理ユニット番号が含まれます。テープドライブの命名規則に従い、物理デバイス名ではなく論理デバイス名を使用します。次の表に、この命名方式を示します。

表 52–2 バックアップデバイスの基本的なデバイス名

デバイスの種類 

名前 

テープ 

/dev/rmt/n

フロッピーディスク 

/vol/dev/rdiskette0/unlabeled

通常は、次の図に示す方法で、テープドライブデバイスを指定します。

図 52–1 テープドライブデバイス名

この図は、磁気テープデバイスのディレクトリ、ドライブ、密度の各値を含む論理テープデバイス名を示しています。

密度を指定しないと、テープドライブは通常その「推奨」密度で書き込みますが、これは一般にそのテープドライブでサポートされる最大密度です。ほとんどの SCSI ドライブはテープ上の密度やフォーマットを自動的に検出し、それに従って読み取りを実行します。ドライブでサポートされる密度を調べるには、/dev/rmt サブディレクトリを確認してください。このサブディレクトリには、各テープで異なる出力密度をサポートするためのテープデバイスファイルのセットが含まれます。

SCSI コントローラは、最大 7 台の SCSI テープドライブを持つことができます。

テープドライブの巻き戻しオプションを指定する

通常は、テープドライブを 0 から n までの論理デバイス番号で指定します。次の表に、「巻き戻し」または「巻き戻しなし」のオプションを付けてテープデバイス名を指定する方法を示します。

表 52–3 テープドライブの「巻き戻し」または「巻き戻しなし」オプション

ドライブおよび巻き戻し 

使用するオプション 

第 1 のドライブ、巻き戻し 

/dev/rmt/0

第 1 のドライブ、巻き戻しなし 

/dev/rmt/0n

第 2 のドライブ、巻き戻し 

/dev/rmt/1m

第 2 のドライブ、巻き戻しなし 

/dev/rmt/1n

テープドライブに別の密度を指定する

デフォルトでは、テープドライブはその「推奨」密度で書き込みますが、これは一般にそのテープドライブでサポートされる最大密度です。テープデバイスを指定しなければ、コマンドはデバイスでサポートされるデフォルト密度でドライブ番号 0 に書き込みます。

テープを特定の密度しかサポートされないテープドライブが付いたシステムに転送するには、目的の密度で書き込むデバイス名を指定します。次の表に、テープドライブに別の密度を指定する方法を示します。

表 52–4 テープドライブに別の密度を指定する

ドライブ、密度、巻き戻し 

使用するオプション 

第 1 のドライブ、低密度、巻き戻し 

/dev/rmt/0l

第 1 のドライブ、低密度、巻き戻しなし 

/dev/rmt/0ln

第 2 のドライブ、中密度、巻き戻し 

/dev/rmt/1m

第 2 のドライブ、中密度、巻き戻しなし 

/dev/rmt/1mn

ユニットおよび密度オプションについては、バックアップデバイス名を参照してください。