Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

ipc トークン

ipc トークンには、特定のIPC オブジェクトを識別するために呼び出し元に使用される System V IPC メッセージ、セマフォ、または共有メモリーハンドルが含まれています。次の 3 つのフィールドがあります。

praudit コマンドでは、ipc トークンは次のように表示されます。


IPC,msg,3

注 –

IPC オブジェクト識別子は、コンテキストに依存しない Solaris 監査トークンに準拠していません。IPC オブジェクトを一意に識別するグローバルな「名前」はありません。代わりに、IPC オブジェクトはハンドルで識別されます。これらのハンドルは、IPC オブジェクトの動作中にのみ有効です。しかし IPC オブジェクトの識別は問題となりません。System V の IPC メカニズムはあまり使用されず、すべてのメカニズムが同じ監査クラスを共有するからです。


次の表は、IPC オブジェクトの形式フィールドに指定できる値の一覧です。値は /usr/include/bsm/audit.h ファイル内で定義されます。

表 23–7 IPC オブジェクトの形式フィールドの値

名前 

値 

説明 

AU_IPC_MSG

IPC メッセージオブジェクト 

AU_IPC_SEM

IPC セマフォオブジェクト  

AU_IPC_SHM

IPC 共有メモリーオブジェクト 

次の図に ipc トークンの形式を示します。

図 23–16 ipc トークンの形式

この図については、前の本文中で説明しています。