標準シェルを使用すると、ユーザーはファイルを開く、コマンドを実行するなどの操作を行うことができます。制限付きシェルは、/usr/lib/rsh コマンドで呼び出されます。制限付きシェルを使用すると、ユーザーによるディレクトリの変更やコマンドの実行を制限できます。制限付きシェルは、リモートシェル (/usr/sbin/rsh) ではありません。標準のシェルと異なる点は次のとおりです。
ユーザーはホームディレクトリ内に限定されるため、 cd コマンドを使用してディレクトリを変更できない。したがって、システムファイルを閲覧することはできない。
ユーザーは PATH 変数を変更できないため、システム管理者によって設定された PATH のコマンドしか使用できない。さらに、完全なパス名を使ってコマンドやスクリプトを実行することもできない。
ユーザーは > または >> を使用して出力をリダイレクトできない。
制限付きシェルでは、ユーザーが使用できるシステムファイルを制限できます。このシェルは、特定のタスクを実行するユーザーのために限られた環境を作成します。ただし、制限付きシェルは完全に安全なわけではありません。このシェルの目的は、あくまでも、経験の少ないユーザーが誤ってシステムファイルを損傷するのを防止することです。
制限付きシェルについては、rsh(1M) のマニュアルページを参照してください。
制限付きシェルよりさらにセキュリティを強化したシェルが Secure Shell、すなわち ssh コマンドです。Secure Shell を使用すると、セキュリティ保護されていないネットワーク上のリモートホストに、安全にアクセスすることができます。Secure Shell 上の使用方法については、第 12 章「Solaris Secure Shell の管理 (参照)」を参照してください。