フラッシュのキーワードは、カスタム JumpStart のキーワードと類似しています。どちらのキーワードも、インストール要素を定義します。各キーワードは、フラッシュソフトウェアによるクローンシステムへのソフトウェアのインストール方法の一部分を制御するコマンドです。
以下のガイドラインに従って、キーワードおよび値の書式を指定します。
キーワードと値は 1 つの等号で区切られ、1 行に 1 つのキーワードと 1 つの値を指定します。
キーワードは、大文字と小文字を区別しません。
個々の行の長さに制限はありません。
フラッシュアーカイブの各セクションは、section_begin と section_end キーワードで定義されます。たとえば、アーカイブファイルセクションには、値の異なる section_begin キーワードが含まれます。ユーザー定義アーカイブセクションは、section_begin と section_end キーワードで区切られます。各キーワードには、そのセクションに適した値が指定されます。section_begin と section_end キーワードの値を以下の表に示します。
表 20–2 section_begin と section_end キーワードの値
アーカイブのセクション |
section_begin と section_end キーワードの値 |
---|---|
Cookie セクション |
cookie — このセクションは、section_begin と section_end キーワードで区切られません。 |
識別セクション |
identification |
ユーザー定義セクション |
section_name。section_name キーワードの一例は、X-user_section_1 です。 |
アーカイブファイルセクション |
archive |
以下の表に、識別セクションで使用されるキーワードと、これらに定義可能な値を示します。
各セクションでは、表 20–3 に示したキーワードがセクションの区切りに使用されます。
表 20–3 識別セクションのキーワード: 一般的なキーワード
キーワード |
値の定義 |
値 |
必須 |
---|---|---|---|
section_begin section_end |
これらのキーワードは、アーカイブ内のセクションの区切りに使用されます。使用は、識別セクションに限定されません。これらのキーワードの詳細は、一般的なキーワードを参照してください。 |
テキスト |
必須 |
以下のキーワードは、識別セクションで使用され、アーカイブファイルセクションの内容を説明します。
表 20–4 識別セクションのキーワード: アーカイブファイルセクションの内容
以下のキーワードは、アーカイブ全体に関する情報を提供します。通常、これらのキーワードは、アーカイブの選択および管理を支援する目的で使用されます。これらのキーワードはすべてオプションであり、各アーカイブの識別を容易にするために使用されます。これらのキーワードは、flar create コマンドのオプションの中で使用されます。具体例は、例 18–12 を参照してください。
表 20–5 識別セクションのキーワード: ユーザーによるアーカイブの記述
以下のキーワードも、アーカイブ全体の説明に使われます。デフォルトでは、値は、フラッシュアーカイブの作成時に uname で指定されます。ルートディレクトリが / ではないフラッシュアーカイブを作成すると、アーカイブソフトウェアにより、これらのキーワードに対して文字列 UNKNOWN が挿入されます。例外は、creation_node、creation_release、および creation_os_name キーワードです。
creation_node では、ソフトウェアは nodename ファイルの内容を使用します。
creation_release および creation_os_name では、ソフトウェアは root ディレクトリの /var/sadm/system/admin/INST_RELEASE の内容を使用しようとします。ソフトウェアがこのファイルの読み込みに失敗した場合、値 UNKNOWN が割り当てられます。
これらのキーワードの値は設定方法に関係なく、上書きできません。
表 20–6 識別セクションのキーワード: ソフトウェアによるアーカイブの記述
キーワード |
値 |
---|---|
creation_node |
uname -n から返される値 |
creation_hardware_class |
uname -m から返される値 |
creation_platform |
uname -i から返される値 |
creation_processor |
uname -p から返される値 |
creation_release |
uname -r から返される値 |
creation_os_name |
uname -s から返される値 |
creation_os_version |
uname -v から返される値 |
フラッシュアーカイブで定義されるキーワードに加えて、他のキーワードを定義できます。フラッシュアーカイブはユーザー定義のキーワードを無視しますが、識別セクションを処理しユーザー定義のキーワードを使用するスクリプトまたはプログラムを提供できます。ユーザー定義キーワードを作成する際、以下の書式に従います。
キーワード名を X で始めます。
改行、等号、NULL 文字以外の任意の文字を使用してキーワードを作成します。
ユーザー定義キーワードの命名規則には、定義済みのキーワードに対して使用される、下線で区切る記述方法を推奨します。他によく使われる命名規則としては、Java パッケージの命名に類似したフェデレーテッド規則があります。
たとえば、X-department はユーザー定義のキーワードとして有効です。
オプションを使用して、識別セクションにユーザー定義キーワードを含める具体例は、例 18–12 を参照してください。