Solaris 9 12/03 インストールガイド

識別セクションのキーワード

以下の表に、識別セクションで使用されるキーワードと、これらに定義可能な値を示します。

各セクションでは、表 20–3 に示したキーワードがセクションの区切りに使用されます。

表 20–3 識別セクションのキーワード: 一般的なキーワード

キーワード 

値の定義 

値 

必須 

section_begin

section_end

これらのキーワードは、アーカイブ内のセクションの区切りに使用されます。使用は、識別セクションに限定されません。これらのキーワードの詳細は、一般的なキーワードを参照してください。

テキスト 

必須 

以下のキーワードは、識別セクションで使用され、アーカイブファイルセクションの内容を説明します。

表 20–4 識別セクションのキーワード: アーカイブファイルセクションの内容

キーワード 

値の定義 

値 

必須 

archive_id (省略可能)

このキーワードは、アーカイブの内容を独自の方法で説明します。この値は、インストールソフトウェアにより、アーカイブインストール時のアーカイブの内容確認にのみ使用されます。キーワードが存在しない場合、整合性チェックは行われません。 

たとえば、archive_id キーワードを FlAsH-ARcHive-2.0 に設定できます。

テキスト 

省略可能 

files_archived_method

このキーワードは、ファイルセクションで使用されるアーカイブ方法を記述します。 

  • このキーワードが存在する場合、値は cpio になります。

  • このキーワードが存在しない場合、ファイルセクションは、ASCII ヘッダーをもつ CPIO フォーマットと見なされます。このフォーマットは、cpio -c オプションです。

files_compressed_method が存在する場合、そこで指定された圧縮方法がこの files_archived_method キーワードで指定されたアーカイブ方法で作成されるアーカイブファイルに適用されます。

テキスト 

省略可能 

files_archived_size

このキーワード値は、アーカイブファイルセクションのサイズをバイトで表現した値です。 

数値 

省略可能 

 

files_compress_method

このキーワードは、ファイルセクションで使用される圧縮アルゴリズムを示します。 

  • キーワードが存在する場合、次のいずれかの値を指定できます。

    • none – アーカイブファイルセクションは圧縮されません。

    • compress – アーカイブファイルセクションは、compress コマンドを使用して圧縮されます。

  • このキーワードが存在しない場合、アーカイブファイルセクションは非圧縮と判断されます。

このキーワードで指定された圧縮方法は、files_archived_method キーワードで指定されたアーカイブ方法で作成されるアーカイブファイルに適用されます。

テキスト 

省略可能 

files_unarchived_size

このキーワードは、抽出されたアーカイブの累積サイズをバイトで定義します。この値は、ファイルシステムのサイズ検証に使用されます。 

数値 

省略可能 

以下のキーワードは、アーカイブ全体に関する情報を提供します。通常、これらのキーワードは、アーカイブの選択および管理を支援する目的で使用されます。これらのキーワードはすべてオプションであり、各アーカイブの識別を容易にするために使用されます。これらのキーワードは、flar create コマンドのオプションの中で使用されます。具体例は、例 18–12 を参照してください。

表 20–5 識別セクションのキーワード: ユーザーによるアーカイブの記述

キーワード 

値の定義 

値 

必須 

creation_date

このキーワード値は、アーカイブの作成時刻を表すタイムスタンプのテキストです。 

  • flar create コマンドに -i オプションを使用して、日付を作成できます。

  • flar create コマンドを使用して作成日付を指定しない場合、デフォルトの日付がグリニッジ標準時 (GMT) で設定されます。

  • 値は、ISO-8601 に準拠し、時間指示子なしの完全基本カレンダ形式で指定する必要があります (ISO-8601,§5.4.1(a))。書式は、CCYYMMDDhhmmss です。たとえば、20000131221409 は、2000 年 1 月 31 日、22 時 14 分 09 秒 を示します。

テキスト 

省略可能 

creation_master

このキーワード値には、アーカイブの作成に使用したマスターシステムの名前を指定します。flar create -m オプションを使用して、この値を指定できます。値を指定しない場合、uname -n コマンドから値が取得されます。

テキスト 

省略可能 

content_name

このキーワードにより、アーカイブが識別されます。この値は、flar create -n オプションから生成されます。この値を作成する際、以下のガイドラインに従ってください。

  • 256 文字を超える長さの記述名を指定することはできません。

  • 説明には、アーカイブの機能および目的を記述する必要があります。

テキスト 

必須 

content_type

このキーワード値により、アーカイブのカテゴリが指定されます。値の生成には、flar create -T オプションを使用します。

テキスト 

省略可能 

content_description

このキーワード値は、アーカイブの内容を示します。このキーワードの値の長さに制限はありません。この値の生成には、 flar create -E オプションを使用します。

テキスト 

省略可能 

content_author

このキーワード値は、アーカイブの作成者を示します。この値の作成には、flar create-a オプションを使用します。作成者のフルネームと電子メールアドレスを含めることをお勧めします。

テキスト 

省略可能 

content_architectures

このキーワード値は、アーカイブがサポートするカーネルアーキテクチャのリストで、コンマで区切られています。 

  • このキーワードが存在する場合、インストールソフトウェアは、アーカイブがサポートするアーキテクチャのリストを参照して、クローンシステムのカーネルアーキテクチャを検証します。アーカイブがクローンシステムのカーネルアーキテクチャをサポートしていない場合、インストールは失敗します。

  • キーワードが存在しない場合、インストールソフトウェアはクローンシステムのアーキテクチャを検証しません。

テキストのリスト 

省略可能 

以下のキーワードも、アーカイブ全体の説明に使われます。デフォルトでは、値は、フラッシュアーカイブの作成時に uname で指定されます。ルートディレクトリが / ではないフラッシュアーカイブを作成すると、アーカイブソフトウェアにより、これらのキーワードに対して文字列 UNKNOWN が挿入されます。例外は、creation_nodecreation_release、および creation_os_name キーワードです。

これらのキーワードの値は設定方法に関係なく、上書きできません。

表 20–6 識別セクションのキーワード: ソフトウェアによるアーカイブの記述

キーワード 

値 

creation_node

uname -n から返される値

creation_hardware_class

uname -m から返される値

creation_platform

uname -i から返される値

creation_processor

uname -p から返される値

creation_release

uname -r から返される値

creation_os_name

uname -s から返される値

creation_os_version

uname -v から返される値