POSIX 非同期入出力は、aiocb 構造体を使用して行います。aiocb 制御ブロックは、各非同期入出力要求を識別し、すべての制御情報を持っています。制御ブロックを使用できる要求は一度に1 つだけです。その要求が完了すると、制御ブロックはまた使用できるようになります。
一般的な POSIX 非同期入出力操作は、aio_read(3RT) または aio_write(3RT) 呼び出しによって開始します。ポーリングまたはシグナルを使用すると、操作の完了を判断できます。操作の完了にシグナルを使用する場合は、各操作に一意のタグを付けることができます。このタグは生成されたシグナルの si_value 構成要素に戻されます。siginfo(3HEAD) のマニュアルページを参照してください。
aio_read(3RT) は、読み取り操作の開始のために非同期入出力制御ブロックを使用して呼び出します。
aio_write(3RT) は、書き込み操作の開始のために非同期入出力制御ブロックを指定して呼び出します。
aio_return(3RT) および aio_error(3RT) はそれぞれ、操作が完了していると判明したあとに、戻り値とエラー値を取得するために呼び出します。
aio_cancel(3RT) は、保留状態の操作を取り消すために非同期入出力制御ブロックを指定して呼び出します。aio_cancel は、制御ブロックによって要求が指定されている場合、指定された要求を取り消します。aio_cancel はまた、制御ブロックによって指定されたファイル記述子に対して保留されているすべての要求を取り消します。
aio_fsync(3RT) は、指定されたファイル上で保留されているすべての入出力操作に対する非同期的な fsync(3C) または fdatasync(3RT) 要求を待ち行列に入れます。
aio_suspend(3RT) は、1 つ以上の先行する非同期入出力要求が同期的に行われるかのように呼び出し側を一時停止します。