Solaris 9 4/04 ご使用にあたって

第 1 章 インストールに関する注意事項とバグ情報

この章では、Solaris 9 4/04 オペレーティングシステムのインストールに関連した問題を説明します。

日本語環境をインストールする前に知っておく必要がある情報

必要なディスク容量

Solaris 9 4/04 の日本語環境と DOCUMENTATION CD をインストールする場合に必要なディスク容量について説明します。

Solaris 9 4/04 CD のソフトウェア容量

次の表に、Solaris 9 4/04 SOFTWARE 1 of 2 CD、Solaris 9 4/04 SOFTWARE 2 of 2 CD、Solaris 9 4/04 LANGUAGES CD に含まれている日本語ロケール (jaja_JP.PCKja_JP.UTF-8) のパッケージをインストールするために必要なディスク容量を示します。Solaris 9 より、ファイルシステムの自動配置でデフォルトとして選択される領域は、ルート (/) とスワップ (swap) だけになりました。記載されている値は、このデフォルトのファイルシステムでインストールする場合に必要なルートファイルシステムの推奨値 (括弧内は最小値) で、スワップ領域に必要な容量は含まれていません。

なお、Solaris suninstall プログラムで「ソフトウェアの選択」画面に実際に表示される各ソフトウェアグループの値は、スワップ領域を含んだ値です。この値は、インストールするシステムのディスクやメモリーのサイズによって異なります。

表 1–1 Solaris 9 4/04 (SPARC 版) のソフトウェア容量 (単位: M バイト)

ソフトウェアグループ 

ルート (/) ファイルシステムのサイズ

全体ディストリビューション と OEM サポート 

2367 (2012) 

全体ディストリビューション 

2328 (1979) 

開発者システムサポート 

1780 (1513) 

エンドユーザーシステムサポート 

1235 (1050) 

コアシステムサポート 

233 (198) 


注 –

この表に記載されている値は、sun4u アーキテクチャのシステムにソフトウェアをデフォルトでインストールする場合に必要な容量で、64 ビット (sparc v9) サポートパッケージの容量を含んでいます。64 ビットパッケージをインストールしない場合や、sun4u 以外のアーキテクチャにインストールする場合には、この表の値よりも推奨値で 60M 〜 250M バイト、最小値で 50M 〜 220M バイトほど少ない容量で済みます。


表 1–2 Solaris 9 4/04 (x86 版) のソフトウェア容量 (単位: M バイト)

ソフトウェアグループ 

ルート (/) ファイルシステムのサイズ

全体ディストリビューション と OEM サポート 

2010 (1709) 

全体ディストリビューション 

2010 (1709) 

開発者システムサポート 

1499 (1275) 

エンドユーザーシステムサポート 

1035 (880) 

コアシステムサポート 

150 (127) 

Solaris DOCUMENTATION CD のソフトウェア容量

次の表に、アジア言語版の DOCUMENTATION 2 of 2 CD に含まれている、英語および日本語のドキュメントパッケージとその容量を示します (その他のアジア言語のパッケージは省略)。これらのパッケージのうち * 印がついているパッケージは、デフォルトで /opt にインストールされます。

表 1–3 Solaris 9 4/04 DOCUMENTATION 2 of 2 CD のソフトウェア容量 (単位 : M バイト)

パッケージ 

コレクション名 

必要な容量の概算値 

SUNWaadm *

Solaris 9 4/04 System Administrator Collection (HTML 版) 

29 

SUNWdev *

Solaris 9 4/04 Software Developer Collection (HTML 版) 

20 

SUNWids *

iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) (HTML 版) 

SUNWsdocs *

Documentation Navigation for Solaris 9 

SUNWjaadm *

Solaris 9 4/04 System Administrator Collection - Japanese (HTML 版) 

28 

SUNWjabe *

Solaris 9 User Collection - Japanese (HTML 版) 

15 

SUNWjaman *

Solaris 9 4/04 Reference Manual Collection - Japanese (HTML 版)1

15 

SUNWjdad *

Solaris 9 Common Desktop Environment Developer Collection - Japanese (HTML 版) 

SUNWjdev *

Solaris 9 4/04 Software Developer Collection - Japanese (HTML 版)1

14 

SUNWjids*

iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (HTML 版) 

SUNWjinab *

Solaris 9 4/04 Release and Installation Collection - Japanese (HTML 版) 

SUNWwnabj *

Solaris 9 4/04 About What's New Collection - Japanese (HTML 版) 

SUNWjasdc *

Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (HTML 版)1

SUNWjqdoc *

Sun ONE Message Queue 3.0.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (HTML 版) 

SUNWjgndoc *

GNOME 2.0 Desktop 4/04 Collection - Japanese (HTML 版) 

SUNWpaadm

Solaris 9 4/04 System Administrator Collection (PDF 版) 

26 

SUNWpdev

Solaris 9 4/04 Software Developer Collection (PDF 版) 

20 

SUNWpids

iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) (PDF 版) 

SUNWpjaadm

Solaris 9 4/04 System Administrator Collection - Japanese (PDF 版) 

29 

SUNWpjabe

Solaris 9 User Collection - Japanese (PDF 版) 

15 

SUNWpjaman

Solaris 9 4/04 Reference Manual Collection - Japanese (PDF 版)1

16 

SUNWpjdad

Solaris 9 Common Desktop Environment Developer Collection - Japanese (PDF 版) 

10 

SUNWpjdev

Solaris 9 4/04 Software Developer Collection - Japanese (PDF 版)1

18 

SUNWpjids

iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (PDF 版) 

12 

SUNWpjinab

Solaris 9 4/04 Release and Installation Collection - Japanese (PDF 版) 

SUNWpwnabj

Solaris 9 4/04 About What's New Collection - Japanese (PDF 版) 

SUNWpjqdoc

Sun ONE Message Queue 3.0.1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (PDF 版) 

SUNWpjasdc

Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) - Japanese (PDF 版)1

SUNWpjgndoc

GNOME 2.0 Desktop 4/04 Collection - Japanese (PDF 版) 

注 1: 一部のみの翻訳となりますので、全情報を参照する場合は、対応する英語のコレクションをご覧ください。


注 –

* 印のついていない PDF 版のパッケージはデフォルトではインストールされません。これらのパッケージをインストールする場合には次の手順を実行してください。

  1. DOCUMENTATION 2 of 2 CD のインストーラを起動する。

  2. 「インストール形式の選択」画面で、「カスタム」を選択する。

  3. 「コンポーネントの選択」画面で、パッケージを選択し、インストールを実行する。


次の表は、英語 + ヨーロッパ言語版の DOCUMENTATION 1 of 2 CD にのみ含まれており、日本語に翻訳されていないマニュアルを含む英語のドキュメントパッケージです。

それらのマニュアルをインストールする場合には、次の手順を実行してください。

  1. DOCUMENTATION 1 of 2 CD のインストーラを起動する。

  2. 「インストール形式の選択」画面で、「カスタム」を選択する。

  3. 「コンポーネントの選択」画面で、該当するパッケージを選択し、インストールを実行する。

パッケージはデフォルトで /opt にインストールされます。

表 1–4 Solaris 9 4/04 DOCUMENTATION 1 of 2 CD のソフトウェア容量 (単位 : M バイト)

パッケージ 

コレクション名 

必要な容量の概算値 

[英語] 

   

SUNWaman

Solaris 9 4/04 Reference Manual Collection (HTML 版) 

54 

SUNWpaman

Solaris 9 4/04 Rerference Manauall Collection (PDF 版) 

29 

SUNWakcs

KCMS Collection (HTML 版) 

SUNWpakcs

KCMS Collection (PDF 版) 

SUNWadoc

Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) (HTML 版) 

14 

SUNWpadoc

Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) (PDF 版) 

20 

SUNWaref

Sun ONE Application Server 7 Reference Manual Collection (HTML 版) 

SUNWparef

Sun ONE Application Server 7 Reference Manual Collection (PDF 版) 

SUNWgndoc

GNOME 2.0 Desktop 4/04 Collection (HTML 版) 

SUNWpgndoc

GNOME 2.0 Desktop 4/04 Collection (PDF 版) 

日本語環境の選択

Solaris 9 4/04 のインストール中に行うことができる、日本語環境の選択について説明します。日本語環境の選択では、「デフォルトロケール」「インストールするロケール」の 2 つを選択します。インストール手順の詳細は、『『Solaris 9 4/04 インストールガイド』』を参照してください。

Solaris 9 4/04 は、次に示すように 3 種類の文字エンコーディングに対応した 4 つの日本語ロケールをサポートしています。

デフォルトロケールの選択

インストール後のシステムのデフォルトロケールを選択します (具体的には、 /etc/default/init ファイル内に LANG 環境変数が定義されます)。

日本語環境をインストールする場合に、システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールを選択しなければならないわけではありませんが、日本語ロケールを選択することをお勧めします。システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていると、たとえば、システムログイン時の LANG の設定を、ユーザーごとに環境設定ファイルで定義しなくても済むようになります。また、dtlogin の言語設定で、デフォルトで日本語ロケールが設定されます。

インストール前に、このデフォルトロケールをあらかじめ設定しておくことも可能です。この事前設定をしておくと、GUI インストール時にもロケール設定画面が表示されません。この設定は、カスタム JumpStart による自動インストールの場合など、意図的にロケール設定画面を表示させたくない場合に有効です。 [デフォルトロケールの事前設定を行う方法には、「ネームサービスに事前に定義しておく方法」と「sysidcfg ファイルを使用する方法」の 2 通りがあります。 詳細は、『『Solaris 9 4/04 インストールガイド』』を参照してください。 ]

インストールするロケールの選択

インストールしたいロケールを選択すると、ロケールに依存するソフトウェアパッケージがインストールされます。日本語環境をインストールするには、必ず日本語パッケージをインストールする必要があります。


注 –

インストールするロケールとして、日本語ロケールを 1 つだけ選択した場合でも、ほかの日本語ロケールのパッケージもインストールされます。たとえば、ja ロケールのみを選択した場合でも、ja_JP.eucJPja_JP.PCK、および ja_JP.UTF-8 ロケールのパッケージもインストールされます。ただし、日本語 BCP パッケージをインストールするには、ja ロケールを選択する必要があります。


Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールする前に知っておく必要がある注意事項

Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールする前に知っておく必要がある注意事項について説明します。

x86: 特定の ATA ハードディスクドライブを搭載したシステムが、Solaris 9 ソフトウェアのインストール後にリブートするとハングアップする

特定の ATA ハードディスクドライブを搭載したシステムに Solaris 9 ソフトウェアをインストールした場合、システムがハングアップします。インストールが完了した後でソフトリブートをしようとすると、システムがハングアップします。

この問題は、システムが搭載する ATA ディスクドライブが、T13 の ATA/ATAPI-6 仕様のデフォルト状態に戻す機能を、Ultra DMA モードに関して実装している場合に 発生します。

このようなディスクドライブは、ソフトウェアのリセット後、この動作を無効にしないかぎり、Ultra DMA モードから Multiword DMA モードに戻ります。 この動作を無効にするには、SET FEATURES / Disable reverting to power-on to defaults コマンドを使用します。

この問題は、システム内の BIOS および ATA ハードディスクドライブの種類によって、次のいずれかの状態で発生する可能性があります。

回避方法: この問題を解決するには、次の手順を実行してください。

  1. ブート時にシステムがハングアップする場合は、電源を切った後で再度電源を入れ、システムの電源を再投入します。システムは正常にブートします。

  2. システムがブートした後で、システムにログインし、スーパーユーザーになります。

  3. テキストエディタを使用して、/platform/i86pc/kernel/drv/ata.conf ファイルを編集します。

    次の行を追加します。


    ata-revert-to-defaults=0;

ハングアップすることなく、システムがリブートします。

x86: Solaris 9 4/04 INSTALLATION CD のパーティションに関する問題

Solaris 9 4/04 INSTALLATION CD の Solaris Web Start 3.0 プログラムがシステムで Solaris の fdisk パーティションを検出できない場合は、root ディスクに fdisk パーティションを作成する必要があります。


注意 – 注意 –

現行の fdisk パーティションサイズを変更すると、パーティション内のデータはすべて自動的に削除されます。Solaris の fdisk パーティションを作成する前に、データをバックアップしてください。


Solaris Web Start 3.0 プログラムでインストールを実行するためには、次の 2 つの fdisk パーティションが必要になります。


注 –

Solaris 9 4/04 INSTALLATION CD に同梱されているインストールプログラムは、x86 ブートパーティションを作成し、Solaris の fdisk パーティションを 10M バイトだけ削除します。この削除により、既存の fdisk パーティションが変更されることはありません。

このパーティションは手動で作成しないでください。

また、Solaris 9 4/04 INSTALLATION CD を使用して Solaris 2.6 または 7 リリースから Solaris 9 4/04 ソフトウェアにアップグレードすることはできません。詳細については、「アップグレードに関する注意事項」を参照してください。


x86: 起動ディスクのデフォルトパーティションレイアウトの変更

Solaris 9 4/04 リリースでは、起動ディスクに対するデフォルトのパーティションレイアウト方式が変更されました。Solaris Web Start および suninstall プログラムを使用してSun LX50 システムをインストールする際にこの新しい方式を使用すると、既存の Service パーティションが保持されます。

新しいデフォルトの設定には次のパーティションが含まれています。

デフォルトのレイアウトを使用するには、Solaris Web Start または suninstall プログラムから起動ディスクのレイアウト選択を要求されたときに「デフォルト」を選択します。


注 –

Service パーティションが作成されていないシステムに Solaris 9 4/04 ソフトウェア (x86 版) をインストールすると、Solaris Web Start および suninstall プログラムはデフォルトでは新しい Service パーティションを作成しません。システムに Service パーティションを作成するには、「x86: Service パーティションがないシステムでは、デフォルトで Service パーティションが作成されない」を参照してください。


また、fdisk コマンドユーティリティを使用して、手動でディスクパーティションレイアウトを作成することもできます。次の場合、起動ディスクのパーティションを手動で編集します。


注 –

システム上にアップグレード対象の Solaris ソフトウェアがすでにインストールされているが x86 ブートパーティションがない場合、Solaris INSTALLATION CD によるアップグレードは実行できません。x86 ブートパーティションが作成されていないシステムを Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードするには、Solaris 9 4/04 SOFTWARE 1 of 2 CD に同梱されている suninstall プログラムを使用してください。


SPARC: デフォルトの Solaris JumpStart プロファイルは小容量ディスクに複数のロケールをインストールしない可能性がある

Solaris 9 4/04 メディアのデフォルトの Solaris JumpStartTM プロファイルを使用して、ディスク容量の小さいシステムに複数のロケールをインストールすると、インストールが失敗することがあります。この問題は、次の状況で発生する可能性があります。

x86: Service パーティションがないシステムでは、デフォルトで Service パーティションが作成されない

Service パーティションが存在しないシステムに Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールすると、インストールプログラムはデフォルトでは Service パーティションを作成しません。Service パーティションを Solaris パーティションと同じディスクに作成するには、Service パーティション を作成しなおしてから、ソフトウェアをインストールする必要があります。

Solaris 8 2/02 ソフトウェアを Sun LX50 システムにインストールする場合、インストールプログラムが Service パーティションを保存しない可能性があります。fdisk ブートパーティションのレイアウトを手動で編集して Service パーティションを保存しないと、インストールプログラムはインストール時に Service パーティションを削除します。


注 –

Solaris 8 2/02 ソフトウェアをインストールしたときに Service パーティションを明示的に保存しないと、Service パーティションを作成しなおして、Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードできません。その場合、ソフトウェアを最初からインストールしなおす必要があります。


回避方法: Solaris パーティションを含むディスク上に Service パーティションがある場合は、次のいずれかを実行してください。

x86: Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ブート用フロッピーディスクが使用できない

Solaris 9 4/04 リリースでは、Solaris 9 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) はブート用フロッピーディスクとして配布されていません。Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) をブートするには、次のいずれかの方法を選択してください。

詳細は、『『Solaris 9 4/04 インストールガイド』』を参照してください。

x86: BIOS バージョン GG.06.13 の Hewlett-Packard (HP) Vectra XU シリー ズのシステムをアップグレードできない

Solaris 9 4/04 ソフトウェアには、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。このことは他の HP Vectra システムにも影響します。

このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。

回避方法 : 最新の BIOS バージョン GG.06.13 の HP Vectra XU シリーズシステムを Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードしないでください。Solaris 9 4/04 リリースでは、これらのシステムはサポートされていません。

ブートフロッピーディスクまたはブート CD を使用すれば、ブートにハードディスクコードを使用しないので、システムをブートすることができます。ブート可能デバイスとして、ネットワークまたは CD-ROM ドライブではなくハードディスクを選択してください。

Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールする前に知っておく必要があるバグ

Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールする前に知っておく必要があるバグについて説明します。

SPARC: Sun Fire サーバーおよび Netra サーバーではインストール前にファームウェアをアップグレードしなければならない (バグ ID: 4747307、 4799331)

特定の Sun Fire サーバーおよび NetraTMサーバーに Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールするには、最初にサーバー上のファームウェアを更新する必要があります。Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールする前にファームウェアを更新しないと、サーバーでパニックが起こります。この問題は、次のサーバーで発生します。

この問題が発生すると、次のエラーメッセージが表示されます。


panic[cpu0]/thread=140a000: BAD TRAP: type=34 rp=147e9e0
       addr=5586ee326973add3 mmu_fsr=0

ok プロンプトが表示されます。

回避方法: 適切なファームウェアのパッチを適用してファームウェアを更新してください。

ファームウェア更新パッチは、SunSolveSM Web サイト http://sunsolve.sun.com で入手できます。必ず、パッチの最新のバージョンをダウンロードして適用してください。

Toshiba SD-M1401 DVD-ROM を持つシステムで Solaris DVD からのブートが失敗する (バグ ID: 4467424)

システムに、ファームウェアリビジョン 1007 の Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブが含まれていると、Solaris 9 4/04 DVD からのブートが失敗します。

回避方法 : パッチ 111649-03 以降を適用して Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブのファームウェアを更新します。パッチ 111649-03 またはそれ以降のバージョンのパッチは、SunSolve の Web サイト http://sunsolve.sun.com でダウンロードできます。

Solaris 2.6 および Solaris 7 ソフトウェアを実行している場合は、Solaris 9 4/04 DVD 上のデータにアクセスできない (バグ ID: 4511090)

Solaris 2.6 ソフトウェアまたは Solaris 7 ソフトウェアを実行しているシステムでは、Solaris 9 4/04 DVD がボリューム管理によって正しくマウントされません。そのため、インストールサーバーを設定したり、Live Upgrade を実行したり、メディア上のデータにアクセスしたりできません。

回避方法 : 次のどちらかを実行してください。

Solaris Web Start 3.0 に関する注意事項とバグ情報

Solaris Web Start 3.0 を使用したインストールに関する情報と問題について説明します。この節に記載されている問題は、Solaris suninstall プログラムを使用するときには発生しません。

Solaris Web Start 3.0 を使用して英語の Solaris 9 4/04 ドキュメントをインストールする方法

Solaris 9 4/04 DOCUMENTATION 1 of 2 CD (英語版 + ヨーロッパ言語版) には、英語のドキュメントがすべて含まれています。アジア版の DOCUMENTATION 2 of 2 CD には、一部のアジア言語にだけ翻訳されている、またはまったく翻訳されていない、以下の英語ドキュメントが含まれています。

Solaris 9 4/04 Software Developer Collection 

Solaris 9 4/04 System Administrator Collection 

iPlanet Directory Server 5.1 Collection (Solaris Edition) 

DOCUMENTATION 2 of 2 CD に付属のインストーラでは、これらのドキュメントの HTML 版が、デフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、DOCUMENTATION 1 of 2 CD からインストールする必要があります。

Solaris 9 4/04 INSTALLATION CD から Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris ソフトウェアをインストールする場合、上記の英語版 HTML ドキュメントは DOCUMENTATION 2 of 2 CD からデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、Solaris Web Start 3.0 の「製品の選択」画面で「Solaris 9 Documemtation European」を選択して、DOCUMENTATION 1 of 2 CD からドキュメントをインストールしてください。

インストール全般に関する注意事項とバグ情報

Solaris 9 4/04 のインストール全般に関する注意事項とバグ情報を説明します。

インストールが失敗または中断した場合、Solaris Web Start インストールプログラムは代替ルート内のパッケージを一掃できないことがある (バグ ID: 4992264)

Solaris Web Start プログラムが代替ルートにパッケージをインストールしている最中に、インストールが失敗、またはインストールを手動で中断した場合、その時点までにインストールされたパッケージが削除されないことがあります。また、インストールプログラムは、製品が一部インストールされたまま残っているにもかかわらず、アンインストールが成功したと報告します。


注 –

Solaris Web Start プログラムは pkgadd コマンドを起動してパッケージをインストールします。インストールプログラムがソフトウェアを代替ルートにインストールしている場合、プログラムは -R 引数を使用して代替ルートを pkgadd コマンドに渡します。


インストールログには、いくつかのパッケージは正常にインストールされたと記載されますが、アンインストールする必要のあるパッケージについては記載がありません。

回避方法: システムをリブートしたあとで、pkgrm コマンドを使用してパッケージを手動で削除します。

SPARC: Solaris 9 4/04 Web Start インストールプログラムは、特定の場合のパネルを適切に表示しないことがある (バグ ID: 5002175)

Solaris Web Start インストールプログラムを使用して Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールすると、いくつかの情報および Sun SM Remote Services (SRS) Net Connect ソフトウェアの終了パネルが適切に表示されないことがあります。

インストールパネルのフレームおよび「取消し」ボタンは表示されますが、インストールパネルの内容が表示されません。


注 –

この問題は、Solaris オペレーションシステムリリースに含まれているほかのソフトウェア製品を Solaris Web Start でインストールしている場合にも発生することがあります。


回避方法: 次の手順に従ってください。

  1. 空のインストールパネルが表示されたら、「取消し」ボタンをクリックして、SRS Net Connect インストールを省略します。

  2. Solaris 9 4/04 ソフトウェアのインストールが完了したあとで、SRS Net Connect ソフトウェアを Solaris DVD または SOFTWARE 2 of 2 CD から手動でインストールします。

最初に Solaris 9 4/04 ソフトウェアインストールを完了したあとで SRS Net Connect ソフトウェアをインストールすると、すべてのパネルが正しく表示されます。

x86: 3Com 3C905C ネットワークカードを使用すると、PXE ブートが失敗する (バグ ID: 4847803)

3Com 3C905C ネットワークカードを使用して Solaris ソフトウェアをインストールする場合に Preboot Execution Environment (PXE) を使用すると、システムがハングアップしてブートが失敗する可能性があります。

回避方法: 3Com 3C905C ネットワークカードといっしょに 3Com Managed Boot Agent (MBA) バージョン 4.11 を使用します。または別の種類のネットワークカードを使用してください。

SPARC: インストールまたはアップグレード後、複数のインタフェースを持つシステムがすべてのインタフェースを使用可能と認識する (バグ ID: 4640568)

複数のネットワークインタフェースを持つシステムに Solaris 9 4/04 リリースをインストールまたはアップグレードした場合、システムはすべてのシステムインタフェースが使用可能であると認識します。つまり、ネットワークに接続されていない、あるいは使用する予定のないインタフェースが ifconfig -a コマンドの出力に表示されます。さらに、同じイーサネットアドレスを持つインタフェースに同じ IP アドレスが割り当てられることがあります。その場合、次のエラーメッセージが表示されます。


ifconfig: setifflags: SIOCSLIFFLAGS: qfe3: Cannot assign requested address

この問題は、local-mac-address PROM 変数が false に設定されているシステム上でも発生します。この問題が発生するのは、すべてのインタフェースが同じ IP アドレスで構成されるためです。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

スワップ不足によって Solaris Web Start 2.x インストールが失敗する (バグ ID: 4166394)

同梱されている CD を、その CD に含まれている Solaris Web Start 2.x (installer) を使用して日本語ロケール (日本語表示) でインストールしているときに、スワップ容量の不足のためインストールが失敗することがあります。この場合、コンソールにエラーメッセージが表示されますが、エラーメッセージは次のように文字化けしています。


RunCmd Error:java.io.IOException: ???????????????????? 

回避方法 : 同梱されている CD に含まれている Solaris Web Start 2.x は、実行時におよそ 50M バイトのメモリーを消費します。Solaris Web Start 2.x を使用してインストールする場合は、swap -s コマンドなどで空きスワップ容量を確認し、不足している場合は、メモリーの消費量が多いアプリケーションを終了するか、スワップファイルを作成してスワップ領域を追加してください。詳細は、swap(1M) のマニュアルページを参照してください。

[日本語環境のみ] デフォルトロケールに関係なくインストールログが EUC テキストファイルで生成される

選択したデフォルトロケールに関係なく、install_logupgrade_log などの Solaris のインストールログファイルは、EUC (ja ロケール) テキストとして生成されます。

回避方法 : コードコンバータで変換して参照するか、テキストエディタなどの GUI ツールを ja ロケールで起動して参照してください。

[日本語環境のみ] 日本語キーボード入力

日本語タイプ 5 キーボードは OpenBoot PROM のバージョンによっては、モニターレベルでタイプ 4 キーボードとして動作します。そのため、モニターレベルでは、キーボード上の印字と実際の入力が一部異なります。次の表を参照してください。その他の注意事項は、U.S. タイプ 5 キーボードと同じです。『Sun タイプ 5 キーボードプロダクトノート』を参照してください。

表 1–5 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字

日本語タイプ 5 キーボード上の印字 

実際の入力文字 

“ 

Shift-0 

¥ 

“ 

LF 

LF 

Solaris 9 4/04 SOFTWARE 1 of 2 CD からのインストールに関する注意事項とバグ情報

Solaris 9 4/04 SOFTWARE 1 of 2 CD からインストールする場合の注意事項と問題について説明します。

ファイルシステムの作成時に警告メッセージが出力されることがある (バグ ID: 4189127)

インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力される可能性があります。


Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last
cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated.  

または


Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated  

この警告メッセージは、作成中のファイルシステムのサイズと使用しているディスク上の容量が等しくない場合に表示されます。この場合、ディスク上に、作成中のファイルシステムには取り込まれない未使用の領域ができます。この未使用のディスク領域は、他のファイルシステムに割り当てることはできません。

回避方法 : 警告メッセージは無視してください。警告メッセージが表示されても問題は発生しません。

[日本語環境のみ] CD からのインストールで「コアシステムサポート」をインストールする場合の注意事項

CD からのインストールにおいて、ソフトウェアグループとして「コアシステムサポート」を選択した場合、インストールするロケールとして日本語ロケールを選択しても、LANGUAGES CD に含まれる日本語パッケージはインストールされません。これは、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了し、システムがリブートした後、コアシステムの環境で LANGUAGES CD のインストールを起動できないためです。

回避方法 : インストール終了後、次のように pkgadd(1M) コマンドを使用して LANGUAGES CD に含まれる必要な日本語パッケージをインストールしてください。


# cd /cdrom/sol_9_404_lang_sparc/components/Japanese/sparc/Packages
# pkgadd -d . SUNWjfpre SUNWjfpue SUNWjos SUNWjws2

LANGUAGES CD のイメージを含むインストールサーバーを使用して Solaris suninstall プログラムによるインストールを行う場合や、Solaris Web Start 3.0 でインストールする場合は、この問題は起こりません。

アップグレードに関する注意事項

Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードする場合の注意事項について説明します。

Solaris Live Upgrade を実行するには、追加パッチが必要

Solaris Live Upgrade を正しく操作するためには、使用する OS バージョンに特定のパッチリビジョンのセットをインストールする必要があります。

Live Upgrade をインストールする、または実行する前に、特定のパッチリビジョンのセットをインストールする必要があります。 http://sunsolve.sun.com を参照して、最新のパッチリストを使用しているかどうか確認してください。 さらに詳しい情報は、SunSolve の Web サイトで、info Doc 72099 を参照してください。

Solaris Live Upgrade パッケージをインストールするときの制限

Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 リリースを実行している場合、 Solaris Live Upgrade インストールプログラムを実行できない可能性があります。 これらのリリースには、JavaTM 2 実行環境を実行するのに必要なパッチセットが含まれていません。

これにより発生する失敗で一番多いのは、Java の例外エラーです。 次のメッセージが表示される場合があります。


InvocationTargetException in ArchiveReader constructornull
          java.lang.reflect.InvocationTargetException
                 at install.instantiateArchiveReader(Compiled Code)
                 at install.<init>(Compiled Code)
                 at install.main(Compiled Code)

Solaris Live Upgrade インストールプログラムを実行してパッケージをインストールするためには、Java 2 実行環境の推奨パッチクラスタが必要です。

回避方法: 次の回避方法を完了してください。 

Solaris 9 4/04 ソフトウェアに、SUNWsan がインストールされていると Storage Area Network (SAN) にアクセスできない

使用している Solaris 8 システムが、 Storage Area Network (SAN) に接続されている場合、Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードする前にサポートエンジニアに確認してください。SUNWsan がインストールされている Solaris 8 システムを、Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードするには特別な手順が必要なことがあります。システムに SUNWsan パッケージがインストールされているかどうかを確認するには、端末ウィンドウで次のコマンドを入力します。


# pkginfo SUNWsan

SUNWsan パッケージがインストールされていると、次の情報が表示されます。


	system      SUNWsan       SAN Foundation Kit

Solaris suninstallプログラムによるアップグレードでのロケール選択

Solaris 8 から、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。このため、Solaris suninstallプログラムを使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 9 4/04 へアップグレードすると、既存システムのインストール時に明示的にインストールしなかったロケールが「地域の選択」画面で自動的に選択されます。これは、既存システムのインストール時に明示的に指定していないロケールのソフトウェアが、暗黙のうちにインストールされていたためです。

既存システムのインストール時にインストールするロケールとして明示的に指定しなかったロケールが含まれている地域を、「地域の選択」画面で選択解除することができます。余分なロケールをそのまま選択解除せずにアップグレードを行なっても問題はありません。アップグレードしたシステムには、アップグレード前と同じレベルのロケール環境がサポートされます。ただし、既存のシステムに明示的にインストールしたロケールは、「地域の選択」画面で削除することはできません。

x86: Solaris 9 4/04 INSTALLATION CD (x86 版) を使用して Solaris 2.6 ソフトウェアまたは Solaris 7 ソフトウェアを実行する x86 システムをアップグレードできない

Solaris 9 4/04 INSTALLATION CD (x86 版) を使用して、Solaris 2.6 ソフトウェアまたは Solaris 7 ソフトウェアを実行する x86 システムを Solaris 9 4/04 リリースへアップグレードすることはできません。アップグレードができないのは、x86 ブートパーティションに関する制限事項のためです。

回避方法: x86 システムでは、Solaris 9 4/04 SOFTWARE 1 of 2 CD (x86 版) を使用して、Solaris 2.6 または Solaris 7 ソフトウェアから Solaris 9 4/04 リリースへのアップグレードを行なってください。

旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェアは Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアと互換性がない

Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris Management Console 1.0、1.0.1、1.0.2 ソフトウェアと互換性がありません。Solaris Management ConsoleTM 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 9 4/04 リリースおよびその互換バージョンにアップグレードしたい場合は、 Solaris Management Console ソフトウェアをアンインストールする必要があります。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris Management Console ソフトウェアが終了することがあります。

回避方法 : 次のいずれかを実行してください。

アップグレード時に発生するバグ情報

Solaris 9 4/04 リリースへのアップグレード時に発生するバグ情報について説明します。

Solaris フラッシュ差分アーカイブのインストール時に更新が失敗する (バグ ID: 4997302)

Solaris フラッシュアーカイブをインストールするとファイルが新規として現れ、更新が失敗します。Solaris フラッシュソフトウェアはクローンシステム上のファイルはマスターシステムの正確な複製であるかどうか検証します。reboot_processing スクリプトはリブート時に削除されません。その結果、このファイルはフラッシュソフトウェアによって新規ファイルとして認識されます。

次のエラーメッセージが表示されます。


New files detected:  /etc/init.d/flash_reboot_processing

回避方法: この問題が発生しないようにするには、次いずれかの回避方法を選択します。

詳細については、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。

Solaris Live Upgrade の使用時にインストールプログラムが表示するテキストに関する問題 (バグ ID: 4736488)

Solaris Live Upgrade で luupgrade(1M) コマンドに -i オプションを指定して、アクティブでないブート環境をアップグレードした場合、言語によってはインストールプログラムが表示するテキストが判読不能になります。これは、現在のブート環境にはあるが古いリリースには存在しないフォントを、インストールプログラムが要求した場合に発生します。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

SPARC: アップグレードの際に、SUNWjxcft パッケージの削除でエラーが記録される (バグ ID: 4525236)

Solaris 8 ソフトウェアから Solaris 9 またはそれ以降のリリースへのアップグレードの際、SUNWjxcft パッケージが削除されるときに、次のようなエラーメッセージが upgrade_log ファイルに記録されます。


Removing package SUNWjxcft:
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias

Removal of <SUNWjxcft> was successful

回避方法: このエラーメッセージは無視してください。アップグレード後の環境で問題は発生しません。

Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードすると既存の Secure Shell デーモン (sshd) が使用できなくなることがある (バグ ID: 4626093)

/etc/init.d/sshd デーモンから他社の Secure Shell (OpenSSH など) を実行しているシステムの場合、Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードすると、既存の Secure Shell デーモンが使用できなくなります。アップグレード時に、Solaris 9 4/04 のソフトウェアが、Solaris 9 4/04 の sshd/etc/init.d/sshd の内容を上書きし、既存の sshd が失われます。

回避方法 : 次のいずれかを実行してください。

/export ディレクトリが満杯に近いシステムのアップグレードが失敗する (バグ ID: 4409601)

/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生し、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされている場合によく発生します。または、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合にも発生します。次のエラーメッセージが表示されます。


WARNING: Insufficient space for the upgrade.

回避方法 : アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。

ディスクレスサーバーおよびディスクレスクライアントのアップグレード (バグ ID: 4363078)

現在のシステムが、Solstice AdminSuiteTM 2.3 の Diskless Client ツールによってインストールされたディスクレスクライアントをサポートしている場合、2 つの手順を実行する必要があります。

  1. 既存のディスクレスクライアントのうち、サーバーと同じ Solaris バージョンで同じアーキテクチャのものをすべて削除します。

  2. Solaris 9 4/04 リリースをインストールするか、または Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードします。

具体的な手順については、『『Solaris のシステム管理 (基本編)』』 を参照してください。

ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。


スライス <xxxxxxxx> 上の Solaris のバージョン (version-number) が
アップグレードできません。ディスク上にインストールされたソフトウェア構成に
未知の問題があります。

このエラーメッセージの version-number は、現在、システムで稼働している Solaris のバージョンを表します。<xxxxxxxx> は、このバージョンの Solaris ソフトウェアを実行しているスライスです。

アップグレード後に発生するバグ情報

Solaris 9 4/04 リリースへのアップグレード後に発生するバグ情報について説明します。

SPARC: アップグレード後にパッチを削除すると WBEM リポジトリが破壊されることがある (バグ ID: 4820614)

次のような手順で操作した場合、WBEM リポジトリの Common Information Model (CIM) データベースが破壊される可能性があります。

WBEM リポジトリが破壊された場合、Solaris 管理コンソールのログビューアに次のエラーメッセージが表示されます。


CIM_ERR_FAILED:
/usr/sadm/lib/wbem/../../../../var/sadm/wbem/logr/
preReg/PATCH113829install/Solaris_Application.mof,18,ERR_SEM,
ERR_EXC_SET_CLASS,CIM_ERR_FAILED:Other Exception:
java.io.StreamCorruptedException: invalid stream header

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

アップグレードを行うと、システムのデフォルトロケールが正しく設定されない (バグ ID: 4233535)

Solaris 9 4/04 へのアップグレードを行うと、アップグレード時に設定したデフォルトロケールがシステムのデフォルトロケールに正しく設定されない場合があります。

Solaris 9 4/04 SOFTWARE 1 of 2 CD を使用したアップグレードの場合、SOFTWARE 1 of 2 CD の インストールの終了後、自動ブートしたシステムが英語環境で起動し、SOFTWARE 2 of 2 CD および LANGUAGES CD のインストール画面が英語で表示されることがあります。

回避方法 : アップグレード終了後、システムのデフォルトロケールを /etc/default/init ファイルの LANG 環境変数に設定してください。

日本語フォントディレクトリに、古いフォント設定ファイルが残ってしまう (バグ ID: 4677463)

Solaris 8 および Solaris 8 アップデートリリースから Solaris 9 4/04 へアップグレードを行うと、古いフォント設定ファイル (ファイル末尾に :8 が付く) が残ります。

回避方法 : 古いフォント設定ファイルは削除してください。


# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale:8
# rm /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias:8

64 ビット Solaris に関する注意事項とバグ情報

64 ビット Solaris をインストールする場合の、注意事項とバグ情報について説明します。

SPARC: 一部の Sun UltraSPARC システム (sun4u) では、ブート Flash PROM をアップデートする必要がある


注 –

システムがすでに 64 ビット対応のファームウェアを実行している場合、Flash PROM のアップデートは不要です。


UltraSPARCTM システム上で 64 ビット Solaris ソフトウェアを実行する場合、システムの Flash PROM ファームウェアのアップデートが必要な場合があります。 Solaris 9 4/04 インストールプログラムには、64 ビットサポートを追加する選択肢があります。UltraSPARC システムにインストールする場合は、この 64 ビットサポートがデフォルトで選択されます。64 ビットシステムは、200MHz 以上の CPU 速度を持つ場合のみ、デフォルトで 64 ビットでブートします。


注 –

Sun システムまたは UltraSPARC システムで 32 ビット Solaris ソフトウェアを実行する場合は、Flash PROM のアップデートは不要です。


次の表に、UltraSPARC (sun4uTM) システムと必要な最小限のファームウェアバージョンを示します。システムタイプは、uname -i コマンドを実行して確認できます。実行中のファームウェアバージョンは、prtconf -V コマンドを実行して確認できます。

表 1–6 UltraSPARC システム上で 64 ビット Solaris ソフトウェアを実行するために必要なファームウェアバージョン

システムタイプ (uname -i で出力される)

必要最小限のファームウェアバージョン (prtconf -V で出力される)

SUNW,Ultra-1-Engine 

3.10.0 

SUNW,Ultra-1 

3.11.1 

SUNW,Ultra-2 

3.11.2 

SUNW,Ultra-4 

3.7.107 

SUNW,Ultra-Enterprise 

3.2.16 


注 –

この表に記載されていないシステムでは、Flash PROM をアップデートする必要はありません。


Solaris CD を使用して Flash PROM をアップデートする方法については、Solaris 9 on Sun Hardware Collection のマニュアルをご覧ください。 このコレクション中のマニュアルは、 http://docs.sun.com で参照できます。

DOCUMENTATION CD に関する注意事項

Solaris 9 4/04 リリースの DOCUMENTATION CD に関する注意事項について説明します。

Solaris 2.6、7、および 8 ソフトウェアが稼働している文書サーバーに 9 文字より長い名前のドキュメントパッケージをインストールできない

翻訳された PDF 形式の文書コレクションの中には、パッケージ名が 9 文字を超えるものがあります。Solaris 7 または 8 ソフトウェアが稼働しているサーバーに、このような PDF コレクションをインストールする場合は、先にパッチを 2 つインストールしておく必要があります。


注 –

このリリースの時点では、Solaris 2.6 サーバー用のパッチはありません。


回避方法 : 各パッチのインストール手順については、DOCUMENTATION CD の 最上位ディレクトリ (DVD の場合は最上位ディレクトリにある 1of2_Doc_CD/ ディレクトリまたは 2of2_Doc_CD/ ディレクトリ) にある index.html ファイルの 「システムにドキュメントパッケージをインストールする」を参照してください。

DOCUMENTATION CD のインストールに関するバグ情報

Solaris 9 4/04 リリースの DOCUMENTATION CD のインストールに関するバグ情報について説明します。

Solaris 9 4/04 DOCUMENTATION CD の uninstaller ユーティリティの Uninstall が適切に機能しない (バグ ID: 4675797)

Solaris 9 Product Registry から立ち上げる Solaris 9 4/04 DOCUMENTATION CD の uninstaller で「全体」を選択した場合、uninstaller はデフォルトでインストールされるマニュアルパッケージしか削除しません。

回避方法: uninstaller のアンインストール形式の選択で「部分」を選択して、アンインストールしたいパッケージを選択します。

コマンド行インタフェースモードでは DOCUMENTATION CD の確認画面が表示されない (バグ ID: 4520352)

-nodisplay オプションを指定して Solaris 9 4/04 DOCUMENTATION CD のインストールプログラムを使用すると、確認画面が正しく表示されないことがあります。

回避方法 : Solaris 9 4/04 DOCUMENTATION CD のインストールプログラムを使用するときに、-nodisplay オプションを指定しないでください。Solaris 9 4/04 DOCUMENTATION CD をインストールするときには、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) モードを使用してください。

インストール時のローカライズに関する注意事項

Solaris 9 4/04 ソフトウェアのインストール時のローカライズに関する注意事項について説明します。

選択したロケール以外のロケールもインストールされることがある

Solaris 9 4/04 リリースでは、インストールするロケールを選択した場合、関連するほかのロケールもインストールされることがあります。 これは、すべての完全ロケール (メッセージが翻訳されている) とアジアおよび日本語の部分ロケールが、言語単位でパッケージ化し直されたためです。ほかの部分ロケールは従来通りに地理上の分類 (中央ヨーロッパなど) に基づいて、パッケージ化されてインストールされます。

インストール時のローカライズに関するバグ情報

Solaris 9 4/04 リリースのインストール時のローカライズに関するバグ情報について説明します。

Solaris Live Upgrade を使用すると、LANGUAGE CD からデフォルトですべての言語がインストールされる (バグ ID: 4898832)

Solaris 9 4/04 リリースをインストールするのに複数の CD を使用する Solaris Live Upgrade で行うと、LANGUAGE CD からデフォルトですべての言語がインストールされます。

インストール後、インストール時に選択したロケール以外のロケールでシステムにログインすると、判読できない文字が表示される可能性があります。

回避方法: インストール時に、カスタムインストールオプションを選択します。LANGUAGE CD インストール時にインストールする必要のない言語のチェックをすべて解除します。

タイ語、ロシア語、ポーランド語、カタロニア語を完全にサポートする Solaris 8 ソフトウェアを実行しているシステムをアップグレードすると、無効なパッケージがシステムに残る (バグ ID: 4650059)

Solaris 8 Language Supplement CD がインストールされている Solaris 8 ソフトウェアを実行しているシステムを Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードする場合、いくつかの無効なパッケージがあります。タイ語、ロシア語、ポーランド語、およびカタロニア語のロケールパッケージがシステムに残ります。これらのロケールパッケージでは ARCH=sparcall が設定されているので、Solaris 9 4/04 リリースへのアップグレード時に削除されません。

回避方法: Solaris 9 4/04 リリースにアップグレードする前に、Solaris Product Registry アプリケーションを使用して Solaris 8 Languages Supplement CD パッケージを削除してください。