Solaris 9 4/04 ご使用にあたって

システム管理に関するバグ情報

Solaris システムのシステム管理作業を実行する際に発生するバグの情報および注意事項について説明します。

Solaris 7 の OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4394587)

Solaris 7 のディスクレスクライアントを構成する場合、OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 106978-10 および 107456-01 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと、ディスクレスクライアント追加時に設定したクライアントのパスワードが、正しく反映されない場合があります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『『Solaris のシステム管理 (基本編)』』を参照してください。

Solaris 8、6/00、10/00 の OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4384092)

Solaris 8、Solaris 8 6/00、Solaris 8 10/00 のディスクレスクライアントを日本語環境で構成する場合は、OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 110416-02 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと日本語入力システム ATOK12 が正しく動作せず、 CDE 上でアプリケーションが正しく起動できないなどの問題が発生することがあります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『『Solaris のシステム管理 (基本編)』』を参照してください。

Solaris 2.6 3/98 または 5/98 の Sun4U OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4150243、4388885)

Solaris 2.6 3/98 または 5/98 の Sun4U ディスクレスクライアントを構成する場合は、 OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 105654-03 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと Sun4U ディスクレスクライアントがブート中にハングアップすることがあります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『『Solaris のシステム管理 (基本編)』』を参照してください。

スーパーユーザー特権を持たずに cfgadm -l コマンドを実行すると、USB デバイスが一覧表示されない (バグ ID: 4999109)

通常、cfgadm -l コマンドを実行すると、USB デバイスを含め、システム上で動的に再構成可能なハードウェアがすべて一覧表示されます。Solaris 9 4/04 ソフトウェアをインストールしたあとでは、cfgadm -l コマンドを実行しても、USB デバイスの一覧が正確には表示されない可能性があります。または、pkgadd コマンドを使用して SUNWusb パッケージを追加した場合も、USB デバイスが正確には表示されない可能性があります。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

x86: 新しいフレームワークを読み込んだ後にのみ、Universal Serial Bus Architecture モジュラーデバッガが自動的に構成されない (バグ ID: 4982529)

Universal Serial Bus Architecture (USBA) モジュラーデバッガ (mdb) コマンドは、いくつかの x86 システム上では自動的に構成されないことがあります。

回避方法: USBA の mdb コマンドにアクセスするには、mdb を開始した後で次のコマンドを実行して usba mdb モジュールを手動で読み込みます。


> ::load usba

usba mdb モジュールを読み込んだ後で、次のコマンドを実行すると、すべての USB コマンドのリストを取得できます。


> ::dcmds ! grep usb

Solaris 9 4/04 ソフトウェアで 4G バイトを超える DVD の読み取りおよび書き込みを行うと問題が発生する (バグ ID: 4908624、4987026)

Solaris 9 4/04 ソフトウェアで 4G バイトを超える DVD の読み取りおよび書き込みを行うと、問題が発生します。


注 –

この問題は、32 ビット SPARC プラットフォームと x86 プラットフォームの両方で発生します。この問題は、データが 4G バイト以下の DVD の場合、または 64 ビット SPARC プラットフォームの場合には発生しません。


4G バイトごとに同じデータが繰り返されるように見えます。4G バイトを超える DVD はマウントして読み取ることは可能ですが、ファイルによっては破壊されたように見えたり、アクセスできなかったりする可能性があります。さらに、4G バイトを超えるオフセットへの書き込みは、 DVD 上の既存のデータの破壊を引き起こす可能性もあります。

回避方法: ありません。

マウントされた記憶装置の名前がマウントされているほかの記憶装置、または新しいブート環境に使用される記憶装置のサブセットである場合、lucreate コマンドが失敗する (バグ ID: 4912890)

新しいブート環境を作成するのに lucreate コマンドを使用すると、次の場合にコマンドが失敗します。

次のエラーメッセージが表示されます。このメッセージの情報は誤りです。


The file system creation utility /usr/lib/fs/ufsufs/mkfs is not available.

Unable to create all required file systems for boot-environment.

Cannot make file systems for boot-environment

回避方法: そのファイルシステムがすでに使用されているほかの記憶装置のサブセットとなるようなデバイス名を持つ記憶装置で、ファイルシステムが使用されていないことを確認します。

マウントされているファイルシステムに判別があいまいな名前が存在する場合は、 Solaris ボリューム管理が使用する既存のメタデバイスの名前を変更してください。

次の回避方法では、d10d100 を一例として使用します。ほかにデバイス名の判別があいまいな例として、d20d200d377d37 などがあります。ここで、d20d200 と、d377d37 と判別されます。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. metarename コマンドを使用して、あいまいなメタデバイス名の 1 つを変更します。


    # metarename d10 d300 
    

    メタデバイスの名前が d10 から d300 に変更されます。


注 –

d10 のファイルシステムは、metarename コマンドを使用する前にマウント解除する必要があります。

ファイルシステムがマウント解除されている間に、/etc/vfstab ファイルを編集します。また、名前を変更するメタデバイスの名前が記載された適切な構成ファイルを編集します。変更前のメタデバイス名の参照はすべて新しいデバイス名に変更する必要があります。

ファイルシステム上のデータにプロセスがアクセスしている場合は、システムをシングルユーザーモードにしてから、ファイルシステムをマウント解除してください。変更を行なった後でシステムをリブートします。


/etc/named.conf ファイルが存在する場合、Solaris 管理コンソールからユーザーアカウントまたはグループツールで処理を実行しようとすると失敗する (バグ ID: 4777931)

DNS (Domain Name Service) サーバーとして機能するシステム上のユーザーアカウントまたはグループツールで Solaris 管理コンソールから処理を実行すると、エラーが発生します。このエラーは、 DNS システム上に /etc/named.conf ファイルが存在していると、エラーが発生します。

具体的には、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) または Solaris 管理コンソールのコマンド行インタフェース smuser および smgroup の使用時に次のエラーが発生します。

ユーザーアカウントツールの場合は、Solaris 管理コンソールの新しいダイアログボックスが開くか、次のエラーメッセージとともに smuser コマンドが終了します。


"ユーザーまたは役割を表示しようとしましたが、予期しないエラーのために
失敗しました。
        原因となったエラー: CIM_ERR_FAILED"

グループツールの場合は、Solaris 管理コンソールの新しいダイアログボックスが開くか、次のエラーメッセージとともに smgroup コマンドが終了します。


"グループ名を読み取ろうとしましたが、予期しない CIM エラーによって
        失敗しました: CIM_ERR_FAILED"

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

詳細は、smuser(1M) および smgroup(1M) のマニュアルページを参照してください。

x86: BIOS のブート時に F4 キーを押すと Service パーティションのブートに失敗する (バグ ID: 4782757)

これは、Solaris 9 4/04 (x86 版) ソフトウェアがインストールされた、Service パーティションを保持する Sun LX50 のブート時に発生します。F4 ファンクションキーを押すことで Service パーティションのブートを選択できますが、オプションを選択すると画面が空白になります。システムは Service パーティションのブートに失敗します。

回避方法: BIOS ブート画面の表示時に、F4 キーを押さないでください。タイムアウト後に「Current Disk Partition Information」画面が表示されます。type=DIAGNOSTIC に対応する「Part#」列の番号を選択します。続いて Return キーを押します。Service パーティションがブートします。

UltraSPARC II CP イベントメッセージは、作成されるときと作成されないときがある (バグ ID: 4732403)

UltraSPARC II ベースのシステム上で動作する Solaris 9 4/04 リリースでは、 いくつかの訂正不可能なメモリーエラーメッセージを伴う CP イベントメッセージが、常に作成されるわけではありません。このようなシステムの例には、次のものがあります。

つまり、障害のあった CPU を識別するのに必要な情報が常に得られるわけではありません。

回避方法 : 最新の情報については、 SunSolveSM の Web サイト http://sunsolve.sun.com を確認してください。

Solaris WBEM Services 2.5 デーモンは com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースプロバイダを検出できない (バグ ID:4619576)

Solaris WBEM Services 2.5 デーモンは、com.sun.wbem.provider インタフェースまたは com.sun.wbem.provider20 インタフェースに書き込まれたプロバイダを検出できません。これらのインタフェースに書き込まれたプロバイダ用に Solaris_ProviderPath インスタンスを作成した場合でも、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンはプロバイダを検出しません。

回避方法 : デーモンがこのようなプロバイダを検出できるようにするには、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンをいったん停止してから再起動します。


# /etc/init.d/init.wbem stop
 
# /etc/init.d/init.wbem start

注 –

javax API を使用してプロバイダを作成した場合は、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンを停止してから再起動する必要はありません。Solaris WBEM Services 2.5 デーモンが javax プロバイダを動的に認識します。


XML/HTTP トランスポートプロトコル環境では com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースメソッド呼び出しが失敗することがある (バグ ID: 4497393、4497399、4497406、4497411)

javax アプリケーションプログラミングインタフェースではなく、com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースを使用して WBEM ソフトウェアを開発する場合、全面的にサポートされるのは、Common Information Model (CIM) リモートメソッド呼び出し (RMI) だけです。XML/HTTP など、他のプロトコルについては、com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースで完全に機能するという保証はありません。

次の表に、RMI では正常に実行され、XML/HTTP では失敗する呼び出しの例を示します。

メソッド呼び出し 

エラーメッセージ 

CIMClient.close()

NullPointerException

CIMClient.execQuery()

CIM_ERR_QUERY_LANGUAGE_NOT_SUPPORTED

CIMClient.getInstance()

CIM_ERR_FAILED

CIMClient.invokeMethod()

XMLERROR: ClassCastException

Solaris 管理コンソール (Management Console) の Mounts and Shares ツールでファイルシステムのマウント属性を変更できない (バグ ID: 4466829)

Solaris 管理コンソール (Management Console) の Mounts and Shares ツールでは、ルート (/)、/usr/var などのシステムに必須なファイルシステム上のマウントオプションを変更できません。

回避方法 : 次のいずれかを実行してください。

WBEM でデータを追加しようとすると CIM_ERR_LOW_ON_MEMORY エラーが発生する (バグ ID: 4312409)

使用可能なメモリー容量が十分にない時に、次のエラーメッセージが表示されます。


CIM_ERR_LOW_ON_MEMORY

CIM オブジェクトマネージャ (Object Manager) のメモリー容量が十分にない場合、エントリを追加することができません。CIM オブジェクトマネージャのリポジトリをリセットする必要があります。

回避方法 : 次のようにして CIM オブジェクトマネージャのリポジトリをリセットしてください。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. CIM オブジェクトマネージャを停止します。


    # /etc/init.d/init.wbem stop
    
  3. JavaSpacesTM ログディレクトリを削除します。


    # /bin/rm -rf /var/sadm/wbem/log
    
  4. CIM オブジェクトマネージャを再起動します。


    # /etc/init.d/init.wbem start
    

注 –

CIM オブジェクトマネージャのリポジトリをリセットすると、データストアに格納されている独自の定義は失われます。定義が含まれている MOF ファイルを mofcomp コマンドを使用して再コンパイルする必要があります。次に例を示します。


# /usr/sadm/bin/mofcomp -u root -p root_password your_mof_file

[日本語環境のみ] Sun ONE Directory Server (旧 iPlanet Directory Server) の Sun ONE Console で GUI 上のレイアウトの問題がある (バグ ID: 4644430)

Sun ONE Console の「証明書の管理」ダイアログ等でボタンが重なって表示されたり、欠けて表示されたりという問題が発生する場合があります。

回避方法 : ウィンドウの幅を広げることでこの問題を回避できます。

admintool を使用してユーザーを作成する場合の注意事項

admintool 上でログインシェルを sh または ksh に指定してユーザーを作成した場合、ホームディレクトリに自動生成される .profile には以下の 1 行が記述されています。

stty istrip

この行は、入力文字を 7 ビットにストリップすることを意味していますので、このままの設定ではそのユーザーが端末上で日本語入力を行うと、文字が化けてしまいます。

回避方法 : 上記の 1 行をコメントにするか、もしくは削除してください。