Solaris 9 4/04 オペレーティング環境の概要

インストールの機能拡張

Solaris 9 リリースに含まれるインストールの機能拡張は、次のとおりです。

Solaris Live Upgrade 2.0


注 –

Solaris Live Upgrade 2.0 は、Solaris 9 オペレーティング環境で利用できます。 ここでの説明は、バージョン 2.0 を対象としています。

Solaris Live Update 2.1 は、Solaris 9 8/03 Update リリースから利用できるようになりました。 Solaris Live Update 2.1 については、Solaris Live Upgrade 2.1を参照してください。


Solaris Live Upgrade を利用してオペレーティングシステムをアップグレードすると、従来アップグレードのために費やしていたサービス停止時間を大幅に短縮できます。 Solaris Live Upgrade は、現在使用中のブート環境をコピーして、元のブート環境を実行した状態のまま、コピー先のブート環境をアップグレードできます。 これらの処理の後、システムをリブートすると、コピーしたブート環境がアクティブなブート環境になります。 障害が発生した場合は、リブートするだけで元のブート環境に切り換えることができます。 このため、通常のテストや評価作業に伴って実働環境を停止する必要がなくなります。

Solaris Live Upgrade は、ブート環境をアップグレードするだけでなく、アクティブでないブート環境にフラッシュアーカイブをインストールできます。 システムをリブートすると、アクティブでないブート環境にインストールされている構成がアクティブになります。

Solaris 9 リリースでは、コマンド行インタフェースのみに適用されるいくつかの Live Upgrade 機能が拡張されています。 この機能拡張は、以下の点に影響します。

Solaris Live Upgrade の詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』の「Solaris Live Upgrade (トピック)」を参照してください。


注 –

Solaris 9 Update リリースでは、次の名称が変更されています。

Solaris フラッシュ (旧名称は Web Start Flash)


フラッシュインストール機能

フラッシュ (Flash) インストール機能を利用することにより、1 台のマシン上の Solaris オペレーティング環境のアーカイブを作成できます。 その後、そのアーカイブを複数のマシンに複製できます。

詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』の「フラッシュインストール機能 (トピック)」を参照してください。


注 –

Solaris 9 Update リリースでは、次の名称が変更されています。

Solaris フラッシュ (旧名称は Web Start Flash)


FTP を使用したフラッシュアーカイブ取得

フラッシュプログラムは、FTP を使ってフラッシュアーカイブを取得できるように更新されました。 アーカイブをインストールする際は、FTP サーバー上のアーカイブの位置を指定することができます。

FTP サーバーからのアーカイブの取得方法については、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。


注 –

Solaris 9 Update リリースでは、次の名称が変更されています。

Solaris フラッシュ (旧名称は Web Start Flash)


最小のインストール

コアソフトウェアグループまたはメタクラスタ内で一部の機能を構成しているファイルは、より論理的に編成された個別のパッケージに移されました。 これらのパッケージは、Solaris ソフトウェアのインストール時に Solaris オペレーティング環境から任意に除くことができます。 インストールのあとで、pkgrm コマンドを使用してこれらのパッケージを削除することも可能です。 詳細は、pkgrm(1M) のマニュアルページを参照してください。

以下の機能を構成するファイルは、新しいパッケージまたは既存のパッケージに移されました。

x86: PXE ネットワークブート

x86 の Pre-boot eXecution Environment (PXE) を使用すると、Device Configuration Assistant (デバイス構成補助) フロッピーディスクを使用せずに、Solaris x86 システムをネットワークから直接ブートできます。 この機能を使用するには、x86 システムが PXE をサポートしている必要があります。 PXE を使用可能にするには、PXE をサポートしているシステムの BIOS 設定ツールまたはネットワークアダプタの構成設定ツールを使って設定してください。 PXE をサポートしていないシステムでは、Solaris Device Configuration Assistant フロッピーディスクを使用してください。

詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。

長いパッケージ名

pkgmk ユーティリティを使用して、名前の長さが 32 文字までのパッケージを作成できるようになりました。 pkgmk(1)pkgadd(1M) のマニュアルページを参照してください。

Solaris DVD からのインストール

Solaris オペレーティング環境と付属ソフトウェアを、Solaris DVD からインストールできるようになりました。 この DVD を使用すると、SolarisTM Web Start またはカスタム JumpStart のどちらでもインストールできます。 Solaris DVD には、Solaris ソフトウェア、ExtraValue ソフトウェア、およびマニュアルが含まれています。

詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。

Solaris Web Start プログラムでの sysidcfg ファイルの使用

Solaris Web Start プログラムが変更され、インストール時またはアップグレード時に sysidcfg ファイルを使用してシステム情報を構成できるようになりました。 システムの構成情報を含む sysidcfg ファイルを作成してください。 このファイルを適切な場所に配置すると、Solaris Web Start プログラムは、インストール中にシステム情報の入力を求めるプロンプトを表示しません。

詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。

Solaris Web Start プログラムの機能拡張

Solaris Web Start プログラムが更新され、Solaris のインストール時またはアップグレード時に以下の機能を実行できるようになりました。

詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。

タイムゾーンの選択肢の追加

Solaris 9 オペレーティング環境で使用できるタイムゾーンの数は、劇的に増加しました。 タイムゾーンは、Solaris オペレーティング環境をインストールする際に、地理的な地域ごとに選択することができます。 大陸と国の一覧にあるタイムゾーンが大幅に増えました。

詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。

Solaris Web Start Wizards SDK 3.0.1

Solaris Web Start WizardsTM SDK は、ネイティブ Solaris、Java、および Java 以外のアプリケーションのインストール、設定、管理を簡単にします。 Solaris Web Start Wizards ソフトウェアを使用すると、開発者は Solaris 版のアプリケーションと Microsoft Windows 版のアプリケーションの両方をパッケージ化できます。 このインストールウィザードは、プラットフォーム固有の処理を管理します。

Web Start Wizards SDK 3.0.1 は現在 Solaris 9 リリースに付属しています。 SDK 3.0.1 は、Solaris Web Start プログラムを使用してインストールできます。

カスタム JumpStart インストール用の新しいブートオプション

カスタム JumpStart インストールの実行時に使用する boot コマンドに新しいオプションが追加されました。

boot コマンドで、インストールに使用する構成ファイルの場所が指定できるようになりました。 HTTP サーバー、NFS サーバー、ローカルメディア上のファイルへのパスを指定できます。 ファイルパスが不明な場合は、インストールプログラムがパスの入力を求めるプロンプトを表示するように設定することができます。 このプロンプトは、マシンがブートしてネットワークに接続された後で表示されます。

nowin オプションを指定すると、X プログラムを使用しないでカスタム JumpStart インストールを起動できます。 カスタム JumpStart インストールを実行するのに、X プログラムを使用する必要はありません。 nowin オプションを指定して、インストールの時間を短縮できます。

新しいオプションの使用方法については、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストール (トピック)」を参照してください。

ミラーのアップグレード

Solaris 9 リリースは、Solaris ボリュームマネージャ (旧 Solstice DiskSuite) によって作成されたルートミラーとメタデバイスのオペレーティング環境のアップグレードをサポートします。 Solaris ボリュームマネージャによって作成されたメタデバイスを持つシステムをアップグレードする場合、システムの vfstab を編集する必要はなくなりました。 ルートミラーは検出され、ミラー上のオペレーティング環境がアップグレードされます。 このプロセスは、メタデバイスを使用しない通常のアップグレードの場合と同様です。

システム識別ユーティリティによるデフォルトルーティング

インストール時に、システム識別ユーティリティがデフォルトルーターの決定を自動的に試みるようになりました。

インストールの詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。

システム識別ユーティリティによる構成

システム識別ユーティリティによって、システムの識別時に、システムを LDAP クライアントとして構成することができます。 Solaris の以前のリリースでは、システムを NIS、NIS+、または DNS クライアントとしてのみ構成できました。

インストールの詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。

パッチアナライザ

Solaris Web Start プログラムを使用して Solaris Update リリースにアップグレードする場合、パッチアナライザを利用できます。 パッチアナライザはシステムを解析します。 この解析により、Solaris Update リリースにアップグレードする場合に、削除またはダウングレードされるパッチが検出されます。 Solaris 9 リリースにアップグレードする場合、パッチアナライザを使用する必要はありません。

インストールの詳細は、『Solaris 9 4/04 インストールガイド』を参照してください。