Solaris のシステム管理 (基本編)

バックアップタイプの選択

ufsdump コマンドを使用すると、完全バックアップまたは増分バックアップを実行できます。fssnap コマンドを使用すると、ファイルシステムの一時イメージを作成できます。次の表に、各バックアップタイプの手順の違いを示します。

表 46–4 バックアップタイプの相違点

バックアップのタイプ 

結果 

長所 

短所 

完全 (フル) 

ファイルシステムやディレクトリ全体をコピーする。

すべてのデータが 1 カ所に格納される。 

大量のバックアップテープが必要であり、書き込みに時間がかかる。ドライブはテープ上でファイルが入っている位置に順番に移動しなければならないので、個々のファイルの検索時間が長くなる。複数のテープを検索しなければならない場合もある。 

スナップショット 

ファイルシステムの一時イメージを作成する。 

システムはマルチユーザモードで動作可能。 

スナップショットの作成中は、システムのパフォーマンスが低下する可能性がある。 

増分 

指定されたファイルシステム内で、前回のバックアップ以降に変更されたファイルのみをコピーする。

ファイルシステム内の小さな変化を簡単に検索できる。 

どの増分テープにファイルが入っているかを探すのに時間がかかることがある。最後の完全バックアップに戻らなければならない場合もある。