Solaris のシステム管理 (基本編)

ufsdump コマンドのオプションと引数

この節では、ufsdump コマンドのオプションと引数について詳しく説明します。ufsdump コマンドの構文を、次に示します。


/usr/sbin/ufsdump options arguments filenames 

options

1 文字のオプション名からなる 1 つの文字列。 

arguments

オプションの引数を指定する。複数の文字列も指定可。オプション文字とそれに関連する引数は、同じ順序で並べる必要がある。 

filenames

バックアップするファイルを指定する。これらの引数は、空白で区切り、常に最後に指定する。 

ufsdump のデフォルトオプション

オプションを指定せずに ufsdump コマンドを実行する場合は、次の構文を使用します。


# ufsdump filenames

ufsdump コマンドでは、デフォルトで次のオプションと引数が使用されます。


ufsdump 9uf /dev/rmt/0 filenames

これらのオプションでは、デフォルトのテープドライブ上にその推奨密度でレベル 9 の増分バックアップが作成されます。

ufsdump コマンドのオプション

次の表に、ufsdump コマンドのオプションを示します。

表 50–1 ufsdump コマンドのオプション

オプション 

説明 

0–9

ダンプレベル。レベル 0 は、filenames で指定したファイルシステムの完全バックアップ用。レベル 1 〜 9 は、最後の下位バックアップ以降に変更があったファイルの増分バックアップ用。

a archive-file

アーカイブファイル。バックアップ用の内容一覧を格納 (アーカイブ) するファイルを指定する。このファイルは、ufsrestore コマンドでしか認識できない。このコマンドは、指定された内容一覧を使用して、復元すべきファイルがバックアップファイル内にあるかどうかと、もしあればどのメディアボリュームに入っているかを判断する。

b factor

ブロック係数。1 処理ごとにテープに書き込まれる 512 バイトのブロック数を指定する。 

c

カートリッジ。バックアップメディアとしてカートリッジテープを指定する。メディアの終わりの検出を適用するときは、このオプションでブロックサイズを 126 に設定する。 

d bpi

テープ密度。テープの密度を指定する。このオプションは、ufsdump コマンドでメディアの終わりを検出できない場合にのみ使用する。

D

フロッピーディスク。バックアップメディアとしてフロッピーディスクを指定する。 

f dump-file

ダンプファイル。デフォルトデバイスではなく dump-file で指定したコピー先にファイルを書き込む。ファイルを user@system:device として指定すると、ufsdump コマンドは指定されたユーザーとしてリモートシステム上で実行しようとする。ローカルシステム上でこのコマンドを実行してリモートシステムにアクセスするため、指定されたユーザーはリモートシステム上に /.rhosts ファイルを保持する必要がある。

l

自動ロード。このオプションは、オートロード (スタックローダ) テープドライブがある場合に使用する。テープの終わりに達すると、このオプションはドライブをオフラインにして、テープドライブの準備ができるまで 2 分間待つ。2 分以内にドライブの準備ができると、自動ロードを続行する。2 分経過してもドライブの準備ができていない場合、オペレータに別のテープをロードするように促すプロンプトが表示される。 

n

通知。介入が必要になると、sys グループのユーザー全員の端末にメッセージを送る。

o

オフライン。テープやフロッピーディスクの処理が終わると、ドライブをオフラインにして巻き戻し (テープの場合)、可能であればメディアをはずす。たとえば、フロッピーディスクを取り出したり、8mm の自動ロードテープをはずしたりする。 

s size

サイズ。バックアップメディアのサイズを指定する。テープの場合はフィート数を指定する。フロッピーディスクの場合は 1024 バイトのブロック数を指定する。このオプションは、ufsdump コマンドでメディアの終わりを検出できない場合にのみ使用する。

S

サイズ。バックアップのサイズを予想する。バックアップを実際に実行せずに必要な容量を判断する。バックアップの予想バイト数を示す数値を 1 つ出力する。 

t tracks

トラック数。1/4 インチカートリッジテープのトラック数を指定する。このオプションは、ufsdump コマンドでメディアの終わりを検出できない場合にのみ使用する。

u

アップデート。ダンプレコードをアップデートする。ファイルシステムの完全バックアップを実行する場合には、/etc/dumpdates ファイルにエントリを追加する。エントリは、ファイルシステムのディスクスライスのデバイス名、ダンプレベル (0 〜 9)、および日付を示す。u オプションを使用しないときや、個々のファイルかディレクトリのバックアップを作成するときは、レコードは書き込まれない。バックアップのレコードがすでに同じレベルに存在する場合は、それが置き換えられる。

v

検査。各テープまたはフロッピーディスクへの書き込み後に、ソースファイルシステムと対照してメディアの内容を検査する。不整合が検出されると、オペレータに新しいメディアのマウントを促すプロンプトを表示してプロセスを繰り返す。ファイルシステム内で操作が実行されると、ufsdump コマンドが不整合を報告するため、このオプションはマウント解除されたファイルシステムにのみ使用する必要がある。

w

警告。/etc/dumpdates ファイルに表示されるファイルシステムのうち、特定の日にバックアップされていないファイルシステムを表示する。このオプションを使用すると、他のすべてのオプションは無視される。

W

強調表示付きの警告。/etc/dumpdates 内のすべてのファイルシステムを表示し、特定の日にバックアップされていないファイルシステムを強調表示する。このオプションを使用すると、他のすべてのオプションは無視される。


注 –

/etc/vfstab ファイルには、ファイルシステムのバックアップ頻度に関する情報は含まれません。