Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

idsconfig を使用した Sun ONE Directory Server の構成

サーバーのインストール用チェックリストの作成

サーバーのインストール処理時に定義する重要な変数を使用して、以下に示すようなチェックリストを作成してから、idsconfig を起動してください。 記入用のチェックリスト で提供されるチェックリストを使用できます。


注 –

以下の情報は、以降の LDAP 関連の章に示されるすべての例の基礎になります。 サンプルのドメインは、全国規模で店舗を展開する部品会社である Example, Inc. のものです。 例の中では、その West Coast Division (ドメインは west.example.com) を対象に説明します。


表 15–1 サーバーで定義する変数

変数 

サンプルネットワークの定義 

インストールしたディレクトリサーバーインスタンスのポート番号 (デフォルト = 389) 

default

サーバー名  

myserver (完全指定ドメイン名 ipdserver.west.example.com または 192.168.0.0)

複製サーバー (IP 番号: ポート番号) 

192.168.0.1 [ipdrep.west.example.com 用]

ディレクリマネージャ [dn: cn=directory manager]

default

サービスされるドメイン名  

west.example.com

クライアント要求の処理がタイムアウトするまでの時間 (秒) 

–1

各検索要求で返されるエントリの最大数 

–1


注 –

defaultServerList または preferredServerList の定義でホスト名を使用する場合、ホストの検索に LDAP を使用してはなりません。 これは、/etc/nsswitch.confhosts 行に ldap を含めることはできないことを意味します。


表 15–2 クライアントプロファイルで定義する変数

変数 

サンプルネットワークの定義 

プロファイル名 

WestUserProfile

サーバーリスト (デフォルトはローカルサブネット) 

west.example.com または 192.168.0.0

優先されるサーバーリスト (優先順に記載) 

none

検索範囲 (検索するディレクトリツリーレベルの数、 「One」 (デフォルト) または「Sub」)

one (デフォルト)

サーバーへのアクセスに使用する資格。 デフォルトは anonymous

proxy

参照に従うか (メインサーバーが使用できない場合の別のサーバーへのポインタ)。デフォルトは no

Y

検索時にサーバーが情報を返すまでの待機時間の制限 (デフォルトは 30) 

default

サーバーとの通信時のバインド時間の制限 (デフォルトは 10 秒)。 デフォルトは秒 

2

認証方式。 デフォルトは none

simple


注 –

クライアントプロファイルはドメインごとに定義されます。 指定されたドメインで、1 つ以上のプロファイルを定義する必要があります。


属性インデックス

idsconfig が作成する次の属性リストにより、 パフォーマンスが向上します。

membernisnetgroup

pres,eq,sub

nisnetgrouptriple

pres,eq,sub

memberuid

pres,eq

uidNumber

pres,eq

gidNumber

pres,eq

ipHostNumber

pres,eq

ipNetworkNumber

pres,eq

ipProtocolNumber

pres,eq

oncRpcNumber

pres,eq

スキーマ定義

idsconfig(1M) により、必要なスキーマ定義が自動的に追加されます。 LDAP 管理に精通しているユーザー以外、サーバースキーマを手動で変更してはなりません。 LDAP ネームサービスの使用するスキーマ拡張リストについては、第 18 章「LDAP の一般的なリファレンス 」を参照してください。

インデックス表示の使用

インデックス表示は、Sun ONE Directory Server の機能で、仮想リスト表示とも呼ばれます。 クライアントは、インデックス表示を使用して、エントリのグループや番号の記載された長いリストを表示して選択を実行できます。 このため、各クライアントの検索処理時間を短縮できます。 インデックス表示により最適化かつ事前定義された検索パラメータが提供されるため、Solaris LDAP ネームクライアントは、さまざまなサービスから特定の情報により素早くアクセスできるようになります。 インデックス表示を作成しない場合、サーバーが検索時間を制限するために、クライアントが指定されたタイプのエントリすべてを取得できない場合があります。また、エントリの番号を確認できない場合もあります。

インデックスはディレクトリサーバー上に構成されるため、プロキシユーザーはこれらのインデックスに読み取りアクセス権限を保持します。

Sun ONE Directory Server 上でインデックス表示を構成する前に、これらのインデックスの使用に関連したパフォーマンスのコストを検討してください。 詳細については、ご使用のバージョンの Sun ONE Directory Server の『管理者ガイド』を参照してください。

次の例では、-n オプションでエントリをインデックス化するデータベースの名前を示し、-s オプションでディレクトリサーバーのインスタンスを示します。


注 –

idsconfig により、デフォルト VLV インデックスがすべて作成されます。


directoryserver -s ipdserver vlvindex -n userRoot -T getgrent
directoryserver -s ipdserver vlvindex -n userRoot -T gethostent
directoryserver -s ipdserver vlvindex -n userRoot -T getnetent
directoryserver -s ipdserver vlvindex -n userRoot -T getpwent
directoryserver -s ipdserver vlvindex -n userRoot -T getrpcent
directoryserver -s ipdserver vlvindex -n userRoot -T getspent