Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

named.conf ファイル

BIND 構成ファイル /etc/named.conf は、サーバーをマスターサーバー、スレーブサーバー、またはキャッシュ専用サーバーとして設定します。 また、サーバーが権限を持つゾーンを指定し、どのデータファイルから初期データを取得するかを指定します。

/etc/named.conf ファイルには、次の機能を実装する文が含まれています。

構成ファイルは、サーバーの起動スクリプト /etc/init.d/inetsvc によってデーモンが起動されるとき、in.named によって読み取られます。 構成ファイルにより、他のサーバー (マスター、スレーブまたはキャッシュ専用サーバー) として設定されるか、あるいは初期データを取得する構成ファイルが示されます。

named.conf

named.conf ファイルは、いくつかの文とコメントで構成されています。 文はセミコロンで終わります。 一部の文は、文のブロックを含むことができます。 ブロック内の各文もセミコロンで終わります。

named.conf ファイルは、以下の文をサポートします。

表 5–4 named.conf

文 

説明 

aclアクセス制御に使用する、IP アドレスの一致リストを名前を付けて定義する。 アドレスの一致リストは、1 つ以上の IP アドレス (ドット形式の 10 進表記) または IP 接頭辞 (ドット形式の 10 進表記の後にスラッシュとネットマスクのビット数が付く) を示す。 名前を付けたIP アドレスの一致リストは、他の場所で使用する前に acl 文で定義されている必要がある。前方参照は不可。
includeinclude 文がある箇所にインクルードファイルを挿入する。 include を使用することで、管理しやすいまとまりに構成情報を分割することができる
key特定のネームサーバーでの認証と承認に使用される鍵の ID を指定する。 server 文を参照
logging サーバーが記録するログ情報と、ログメッセージの送り先を指定する
options グローバルなサーバー構成のオプションを制御して、他の文に対するデフォルト値を設定する
server 遠隔ネームサーバーに関して、指定された構成オプションを設定する。 すべてのサーバーに対してではなく、サーバーごとに選択的にオプションを適用する
zone ゾーンを定義する。 すべてのゾーンに対してではなく、ゾーンごとに選択的にオプションを適用する


例 5–13 マスターサーバー用マスター構成ファイルの例


options {
         directory "/var/named";
         datasize 2098;
         forward only;
         forwarders {
                  99.11.33.44;
         };
         recursion no;
         transfers-in 10;
         transfers-per-ns 2;
         allow-transfer {
                  127.0.1.1/24;
         };
};

logging {
         category queries { default_syslog; };
};

include "/var/named/abcZones.conf"

// here are the names of the master files
zone "cities.zn" {
         type master;
         file "db.cities.zn";
};

zone "0.0.127.in-addr.arpa." {
         type master;
         file "db.127.cities.zn";
};

zone "168.192.in-addr.arpa" {
         type master;
         file "db.cities.zn.rev";
};

zone "sales.doc.com" {
         type slave;
         file "slave/db.sales.doc";
         masters {
                  192.168.1.151;
         };
};

zone "168.192.in-addr.arpa" {
         type slave;
         file "slave/db.sales.doc.rev";
         masters {
                  192.168.1.151;
         };
};