GNOME 2.0 問題の解決方法 (Solaris 版)

第 5 章 特定のアプリケーションで発生する問題

この章では、特定のアプリケーションで発生する問題とその回避方法について説明します。

5.1 タイトルの動的設定オプションが機能しない

問題  

バグ ID 4855527: 端末

「プロファイル編集」 ウィンドウ、「タイトルとコマンド」 タブ、「タイトルの動的設定」ドロップダウンメニューのメニュー項目が機能しません。 端末ウィンドウは、次の bash シェル環境変数を使って、動的設定タイトルおよびシェルプロンプトを設定します。

PROMPT_COMMAND=$'echo -ne "\\033]0;${USER}@${HOSTNAME}: ${PWD}\\007"' PS1=$'[\\u@\\h \\W]\\$ ' USER=`id -un`

Linux では、/etc/bashrc を使って必要な環境変数を設定できますが、このコマンドは Solaris オペレーティング環境では無効です。 このため、Solaris オペレーティング環境では、動的設定タイトルおよびシェルプロンプトが機能しません。

解決方法  

回避方法として、シェルの種類に応じたスクリプトを実行して、必要な環境変数を設定します。 

bash シェル: 

bashrc 内に次の内容を設定します。

case $TERM in
         xterm*)
             PS1="\[\033]0;\u@\h: \w\007\]bash\\$ "
             ;;
         *)
             PS1="bash\\$ "
             ;;
     esac

(or)

USER=`/usr/xpg4/bin/id -un`
export USER

PROMPT_COMMAND='echo -ne "\033]0;${USER}@${HOSTNAME}: ${PWD}\007"'

ksh シェル: 

~.profile ファイルに次の情報を追加します。

mycd () {
cd "${@}"; echo "\033]0;${USER}@${HOSTNAME}: ${PWD}\007\c"
}
alias cd=mycd

csh シェル: 

cshrc に次の内容を設定します。

switch ($TERM)
         case "xterm*":
             set host=`hostname`
             alias cd 'cd \!*; echo -n "^[]0;${user}@${host}:
${cwd}^Gcsh% "'
             breaksw
         default:
             set prompt='csh% '
             breaksw
     endsw

プロンプトの文字列に含まれる「^[」と「^G」は、ESC キーと BEL キーを 1 文字で表しています。 これらの文字は、それぞれ Ctrl+v+ESC、 Ctrl+v+g のようにして入力します。

5.2 ScrollKeeper オプションについての補足説明

問題  

ScrollKeeper

scrollkeeper-rebuilddb のマニュアルページには、-o オプションと -p オプションの情報が不足しています。

解決方法  

ScrollKeeper データベースの標準設定では、-o オプションと -p オプションを使用する必要はありません。 これらのオプションは次の条件下でのみ必須となります。

  • ScrollKeeper データベースを標準以外の場所にインストールする必要がある場合。 たとえば、ディスクレスクライアントを設定する場合などが考えられます。

    この場合は、-p path オプションを使って、ScrollKeeper データベースの場所を指定します。なお、path には空のディレクトリを指定してください。 空でないディレクトリを指定すると、scrollkeeper-rebuilddb コマンドが途中で終了します。

  • 標準以外の場所から OMF ファイルを読み取る必要がある場合。 OMF ファイルの標準の場所は、/etc/scrollkeeper.conf ファイルに指定されています。

    新しい場所を指定するには、-o path オプションを指定します。 /usr/share/omf のように完全パス名を指定してください。 /usr/shareのようにパス名の一部だけを指定すると、scrollkeeper-rebuilddb コマンドの実行に時間がかかります。

次に、ディスクレスクライアント用に ScrollKeeper データベースを設定する場合の -o オプションと -p オプションの使用例を示します。


# scrollkeeper-rebuilddb \
-p /export/root/clone/Solaris_9/\
sun4u/var/gnome/lib/scrollkeeper \
-o /export/exec/Solaris_9_sparc.all/\
usr/share/omf

5.3 ヘルプページの目次に項目が 1 つもない

問題  

バグ ID 4875223  

GNOME ヘルプブラウザの最初のページに目次がありません。

解決方法  

これは ScrollKeeper の問題です。 回避方法については、1.6 ScrollKeeper がインストール後に正しく動作しないを参照してください。