GNOME 2.0 問題の解決方法 (Solaris 版)

9.4 アジア言語ロケールで発生する問題

次の問題は、アジア言語ロケールで発生します。

9.4.1 デスクトップのデフォルトフォントの設定が小さすぎるか、または設定されていない

問題  

以下に例を示します。 バグ ID 4805328: この問題は、中国語を含む、いくつかのロケールで発生します。 

今のところ、各ロケールの GNOME デスクトップにはデフォルトフォントの設定はできません。 その結果、ロケールを切り替えると、デスクトップのデフォルトフォントの設定が小さすぎるか、または設定されていない状態になります。 

解決方法  

デスクトップのデフォルトのフォントを変更するには、次の手順を実行します。  

  • 端末を開いて、次のコマンドを実行します。

    gnome-font-properties

  • フォントの設定ダイアログを使用して、適切なフォントサイズに変更します。 たとえば、中国語ロケールでは、アプリケーション用フォントとデスクトップ用フォントを「Sans 13」に設定します。

9.4.2 一部のフォントが中国語ロケールで表示されない

問題  

バグ ID 4821955: この問題は、繁体字中国語ロケールで発生します。 

ボールドなどのフォントの文字が表示されません。 その結果、Yelp ウィンドウでいくつかの文字が表示できません。  

解決方法  

/etc/locale ディレクトリにある pangox.alias ファイルを変更する必要があります。(locale は、zh_TW.EUC、zh_TW.BIG5、zh_TW.UTF-8、zh_HK.BIG5HK、zh_HK.UTF-8 のいずれかです。} 次の手順を実行します。

  1. root としてログインします。

  2. 目的のロケール用の pangox.alias ファイルが置かれているディレクトリに移動します。 たとえば、zh_TW.BIG5 ロケールでは、次のコマンドを実行します。

    cd /etc/pango/zh_TW.BIG5

  3. 次のコマンドを実行します。

    cat pangox.alias | tr [A-Z] [a-z] > /tmp/pango

  4. 次のコマンドを実行します。

    mv /tmp/pango pangox.alias

  5. /etc/pango/sparcv9/pango ディレクトリが使用しているシステム上に存在する場合、 上記の /etc/pango と同様に、このディレクトリのロケールのディレクトリにある pangox.alias ファイルを変更します。

9.4.3 GGV で PostScript ファイルが正しく表示できない

問題  

この問題は、日本語を含むアジアロケールで発生します。  

日本語 PostScript フォントファイル名を使用しているファイルが文字化けしてしまいます。 

解決方法  

次の手順を実行します。  

  1. root としてログインします。

  2. 次のコマンドを実行します。 cd /

  3. 次のコマンドを実行します。 mkdir /Resource

  4. ロケールによって、次のいずれかのコマンドを実行します。

    中国語簡体字

    ln -s /usr/openwin/lib/locale/zh/X11/Resource/CMap /Resource/CMap

    中国語繁体字

    ln -s /usr/openwin/lib/locale/zh_TW/X11/Resource/CMap /Resource/CMap

    日本語

    ln -s /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/Resource/CMap /Resource/CMap

    韓国語

    ln -s /usr/openwin/lib/locale/ko/X11/Resource/CMap /Resource/CMap

9.4.4 Solaris オペレーティング環境によって日付の形式が異なる

問題  

この問題は、日本語ロケールで発生します。  

Solaris オペレーティング環境によって、日付の形式が異なります。 次のロケールでは、曜日の表示形式に '(' および ')' がありません。 

  • Solaris 8 オペレーティング環境: ja_JP.UTF-8

  • Solaris 9 オペレーティング環境: ja_JP.eucJP, ja_JP.UTF-8

解決方法  

この問題は、将来のリリースで解決します。 

9.4.5 テキストエディタ (gedit) や GTK2+ のアプリケーションでは、特殊記号および IBM/NEC 拡張が表示されない

問題  

バグ ID 4785550: この問題は、 gedit アプリケーションやその他の GTK2+ アプリケーションを日本語ロケールで使用したときに発生します。

特殊記号および IBM/NEC 拡張の一部が表示されません。 

解決方法  

既知の制限です。 

9.4.6 テキストエディタで JISX0212 部分の印刷ができない

問題  

この問題は、日本語ロケールで発生します。  

テキストエディタ (gedit) アプリケーションでは、JISX0212 部分のプレビューはできますが印刷ができません。

解決方法  

Solaris 8 オペレーティング環境: 既知の制限です。 

Solaris 9 オペレーティング環境: 次の手順を実行します。  

  • gedit アプリケーションを起動します。

  • 「編集」 -> 「設定」を選択します。

  • カテゴリパネルの印刷カテゴリから「フォント」を選択します。

  • 各項目を、次のいずれかのフォントに変更します。

    • HG-GothicB-Sun

    • HG-MinchoL-Sun

9.4.7 gedit のデフォルトフォントで日本語の文字を出力できない

問題  

バグ ID 4861491: この問題は日本語ロケールで発生します。 

gedit アプリケーションのデフォルトの印刷フォントを使用すると、印刷プレビューに日本語の文字が表示されません。また、プリンタでも出力されません。

解決方法  

次の手順を実行します。  

  • gedit アプリケーションを起動します。

  • 「編集」 -> 「設定」を選択します。

  • カテゴリパネルの印刷カテゴリから「フォント」を選択します。

  • 印刷項目ごとに、HG-GothicB-Sun フォントを指定します。

9.4.8 ISO-2022-JP エンコードファイルが開けない

問題  

バグ ID 4826184: この問題は、日本語ロケールで発生します。 

テキストエディタ (gedit) で、 ISO-2022–JP エンコードファイルが開けません。 

解決方法  

この問題は、将来のリリースで解決します。 

9.4.9 gedit で日本語が表示されない

問題  

以下に例を示します。 バグ ID 4785550: この問題は、日本語ロケールで発生します。 

テキストエディタ (gedit) で、デフォルトフォントが Courier のとき、日本語が表示されません。 

解決方法  

次の手順を実行します。  

  • gedit アプリケーションを起動します。

  • 「編集」 -> 「設定」を選択します。

  • 「フォントと色を選択」を選択します。

  • 「デフォルトテーマのフォントを使用」を指定します。

ただし、この場合でも Solaris 8 環境では、特殊記号および IBM/NEC 拡張が表示されない問題が残ります。 

9.4.10 端末ウィンドウ上の文字表示の問題

問題  

この問題は、日本語ロケールで発生します。  

端末ウィンドウの「プロファイルの設定」ダイアログで「他のアプリケーションと同じフォントを使用」が選択されていると、特殊記号および IBM/NEC 拡張が表示されません。 

解決方法  

次の手順を実行します。 

  • 端末ウィンドウを起動します。

  • 「編集」 -> 「現在のプロファイル」を選択します。

  • 「プロファイルの設定」ダイアログで、「他のアプリケーションと同じフォントを使用」の選択を解除します。

  • 「interface user」を指定します。

9.4.11 ファイルのコピーまたはリンク作成時のコアダンプ

問題  

バグ ID 4824884: この問題は日本語ロケールで発生します。 

Nautilus を使って別のロケールで作成したファイルのコピーまたはリンクを作成するとき、コアダンプが発生することがあります。  

解決方法  

ファイルを作成したロケールにログインし、ファイルのコピーまたはリンクを作成します。 

9.4.12 入力方法ウィンドウが繰り返しフラッシュする

問題  

バグ ID 4781611: この問題は、日本語ロケール ja_JP.UTF–8 ロケールで発生します。 

同じトップレベルアプリケーションウィンドウ上に複数の入力コンテキストがあるとき、入力方法ウィンドウが繰り返しフラッシュします。 

解決方法  

この問題は、将来のリリースで解決します。 

9.4.13 日本語ロケールでコアダンプする

問題  

バグ ID 4808468: この問題は、日本語ロケール ja_JP.UTF–8 ロケールで発生します。 

次のとき、アプリケーションがコアダンプします。  

  1. IM ステータスから、「Unicode 表から選択」 -> 「平仮名」を選択します。

  2. アプリケーションウィンドウを閉じます。

解決方法  

この問題は、将来のリリースで解決します。 

9.4.14 GTK2+ アプリケーションがフリーズする

問題  

バグ ID 4820426: この問題は、日本語ロケール ja_JP.UTF–8 ロケールで発生します。 

次のとき、GTK2+ アプリケーションがフリーズします。  

  1. 入力した文字の候補ウィンドウを表示します。

  2. スペースを押し続けます。

解決方法  

この問題は、将来のリリースで解決します。