Solaris 9 9/04 インストールガイド

第 36 章 Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)

この章では、Solaris Live Upgrade を使用して非アクティブブート環境のアップグレードとアクティブ化を行う方法について説明します。また、アクティブ化によって発生した問題を解決する方法についても説明します。この章の内容は次のとおりです。

Solaris Live Upgrade は、メニューを介して使用することもコマンド行インタフェースで使用することもできます。以下の説明では、両方のインタフェースについて手順を説明しています。これらの手順では、Solaris Live Upgrade の使用に関する詳しい説明は省略しています。コマンドの詳細については、第 39 章「Solaris Live Upgrade (コマンドリファレンス)」 を参照してください。また、コマンド行インタフェースのオプションの詳細については、各マニュアルページを参照してください。

作業マップ: ブート環境のアップグレード

表 36–1 作業マップ: Solaris Live Upgrade によるアップグレード

作業  

説明 

参照先 

ブート環境のアップグレードまたはフラッシュアーカイブのインストール 

  • オペレーティング環境イメージを使用して非アクティブブート環境をアップグレードします。

  • 非アクティブブート環境へフラッシュアーカイブをインストールします。

非アクティブブート環境のアクティブ化 

変更を有効にし、非アクティブブート環境をアクティブに切り替えます。 

ブート環境のアクティブ化

(任意) アクティブ化で問題が発生した場合のフォールバック 

問題が発生する場合は元のブート環境をアクティブに戻します。 

問題の解決: 元のブート環境へのフォールバック (コマンド行インタフェース)

ブート環境のアップグレード

「Upgrade」メニューまたは luupgrade コマンドを使用してブート環境をアップグレードします。この節では、以下の場所に置かれているファイルを使用して非アクティブブート環境をアップグレードする手順について説明します。

アップグレードのガイドライン

最新のオペレーティング環境へアップグレードする間、アクティブブート環境への影響はありません。新しいファイルは非アクティブブート環境のクリティカルファイルシステムとマージされますが、共有可能ファイルシステムは変更されません。

アップグレードを行う代わりに、フラッシュアーカイブを作成して、非アクティブブート環境にアーカイブをインストールできます。それらの新しいファイルは非アクティブブート環境のクリティカルファイルシステムを上書きしますが、共有可能ファイルシステムは変更されません。ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストールを参照してください。

物理ディスクスライス、Solaris ボリュームマネージャのボリューム、および Veritas Volume Manager のボリュームがどのような組み合わせで含まれているブート環境もアップグレードできます。ルート(/) ファイルシステム用のスライスは、RAID–1 ボリューム (ミラー) に含まれている単一スライスの連結でなければなりません。ミラー化されたファイルシステムを持つブート環境の作成手順については、RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境の作成 (コマンド行インタフェース)を参照してください。

Solaris Live Upgrade によるパッケージの追加と削除


注意 – 注意 –

Solaris Live Upgrade でパッケージやパッチのアップグレードや追加、削除を行うためには、パッケージやパッチが SVR4 パッケージ化ガイドラインに準拠していなければなりません。サンのパッケージはこのガイドラインに準拠していますが、サードパーティベンダーのパッケージがこれに準拠しているとは限りません。パッケージがガイドラインに準拠していないと、パッケージ追加ソフトウェアに問題が発生したり、場合によっては、アクティブなブート環境が変更されたりすることがあります。


Solaris Live Upgrade によるパッケージの追加や削除については、次の項目を参照してください。

ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (キャラクタインタフェース)

この手順でアップグレードを行う場合は、1 つの CD、DVD、または結合されたインストールイメージを使用する必要があります。複数の CD が必要なインストールでは、 複数の CD を使用してオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)を参照してください。

  1. Solaris Live Upgrade のメインメニューから「Upgrade」を選択します。

    「Upgrade」メニューが表示されます。

  2. 新しいブート環境の名前を入力します。

  3. Solaris インストールイメージが置かれている場所のパスを入力します。

    インストールメディアの種類 

    説明 

    ネットワークファイルシステム 

    インストールイメージが置かれているネットワークファイルシステムのパスを指定します。 

    ローカルファイル 

    インストールイメージが置かれているローカルファイルシステムのパスを指定します。 

    ローカルテープ 

    インストールイメージが置かれているローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定します。 

    ローカルデバイス、DVD、または CD 

    ローカルデバイスと、インストールイメージのパスを指定します。 

    • DVD または 1 つの CD を使用する場合は、次の例のように、そのディスクへのパスを入力します。


      Package Media: /cdrom/Solaris_9/s0
      
    • 1 つに結合されたイメージがネットワーク上に存在する場合は、次の例のようにそのネットワークファイルシステムのパスを入力します。


      Package Media: /net/installmachine/export/Solaris_9/os_image
      
  4. F3 を押してアップグレードします。

  5. アップグレードが完了すると、メインメニューが表示されます。

ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)

この手順でアップグレードを行う場合は、1 つの CD、DVD、または結合されたインストールイメージを使用する必要があります。複数の CD が必要なインストールでは、 複数の CD を使用してオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)を参照してください。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のように入力して、アップグレードするブート環境とインストールソフトウェアのパスを指定します。


    # luupgrade -u -n BE_name -s os_image_path 
    
    -u

    ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードします。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。


    例 36–1 ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)

    この例では、second_disk ブート環境をアップグレードします。


    # luupgrade -u -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/Solaris_9/OS_image 
    

複数の CD を使用してオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)

オペレーティングシステムイメージが 複数の CD に入っている場合は、このアップグレード方法を使用してください。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のように入力して、アップグレードするブート環境とインストールソフトウェアのパスを指定します。


    # luupgrade -u -n BE_name -s os_image_path 
    
    -u

    ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードします。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。

  3. 1 枚目の CD のインストーラ処理が完了したら、2 枚目の CD を挿入します。

  4. この手順は前述のものと同じですが、-u オプションではなく -i オプションを使用します。メニューまたはテキストモードで、2 枚目の CD 上のインストーラを実行するように選択してください。

    • 次のコマンドは、メニューを使用して 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。


      # luupgrade -i -n BE_name -s os_image_path 
      
    • 次のコマンドは、テキストモードで 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。ユーザーに入力を求めるプロンプトは表示されません。


      # luupgrade -i -n BE_name -s os_image_path -O '-nodisplay -noconsole'
      
    -i

    指定されたメディア上のインストールプログラムを探し、そのプログラムを実行します。インストーラプログラムは、-s で指定します。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。

    -O '-nodisplay -noconsole'

    (任意) テキストモードで 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。ユーザーに入力を求めるプロンプトは表示されません。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。ブート環境のアクティブ化を参照してください。


    例 36–2 SPARC: 複数の CD によりオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)

    この例では、second_disk ブート環境をアップグレードします。インストールイメージは、 Solaris SOFTWARE 1 of 2 と Solaris SOFTWARE 2 of 2 CD に入っています。-u オプションでは、CD セットのすべてのパッケージを格納するだけの領域があるかどうかを判定します。-O オプションと -nodisplay および -noconsole オプションを指定すると、2 枚目の CD の読み取りの後にキャラクタユーザーインタフェースは表示されません。したがって、入力情報のプロンプトは表示されません。このインタフェースを表示する場合は、これらのオプションを省略します。

    Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD を挿入し、次のように入力します。


    # luupgrade -u -n second_disk -s /dev/cdrom/cdrom0/s0 
    

    Solaris SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入し、次のように入力します。


    # luupgrade -i -n second_disk -s /dev/cdrom/cdrom0 -O '-nodisplay \
    -noconsole'
    


    注 –

    ほかの CD がある場合は、luupgrade コマンドに - i オプションを指定してそれらの CD をインストールします。


Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成する

ここでは、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルの作成方法について説明します。luupgrade コマンドに -j オプションを指定してこのプロファイルを使用し、非アクティブブート環境をアップグレードできます。

このプロファイルの使用方法については、次の 2 つのセクションを参照してください。

  1. テキストエディタを使用してテキストファイルを作成します。

    ファイルにわかりやすい名前を付けます。プロファイルの名前は、システムに Solaris ソフトウェアをインストールするためにそのプロファイルをどのように使用するかを示すものにしてください。たとえば、このプロファイルに upgrade_Solaris_9 という名前を付けます。

  2. プロファイルにプロファイルキーワードと値を追加します。

    Solaris Live Upgrade プロファイルで使用できるのは、次の表に示されたアップグレードキーワードだけです。

    • upgrade または flash_installInstall_type キーワード値を使ったインストールについては、表 36–2 を参照してください。

    • flash_updateInstall_type キーワード値を使ったインストールについては、表 36–3 を参照してください。

    表 36–2 Solaris Live Upgrade プロファイルのキーワードと説明

    キーワード 

    説明 

    (必須) Install_type

    システムの既存の Solaris 環境をアップグレードするか、システムにフラッシュアーカイブをインストールするかを定義します。このキーワードには、次の値を使用します。 

    • アップグレードの場合は、upgrade

    • フラッシュインストールの場合は、flash_install

    • フラッシュ差分インストールの場合は、flash_update

    (フラッシュアーカイブの場合は必須) archive_location

    指定された位置からフラッシュアーカイブを取得します。このキーワードで使用可能な値のリストについては、archive_location プロファイルキーワード を参照してください。

    (省略可能) cluster (クラスタの追加または削除)

    システムにインストールされるソフトウェアグループに対してクラスタを追加するか、または削除するかを指定します。 このキーワードで使用可能な値のリストについては、cluster プロファイルキーワード (ソフトウェアグループの追加) を参照してください。

    (省略可能) geo

    システムにインストールする地域ロケールか、あるいはシステムのアップグレード時に追加する地域ロケールを指定します。このキーワードで使用可能な値のリストについては、geo プロファイルキーワード を参照してください。

    (省略可能) isa_bits

    64 ビットの Solaris 9 パッケージと 32 ビットの Solaris 9 パッケージのどちらをインストールするかを指定します。このキーワードで使用可能な値のリストについては、isa_bits プロファイルキーワード を参照してください。

    (省略可能) local_customization

    クローンシステムに フラッシュアーカイブをインストールする前に、カスタムスクリプトを作成して、クローンシステム上のローカル構成を保存できます。local_customization キーワードは、これらのスクリプトの格納先ディレクトリを示します。この値は、クローンシステム上のスクリプトへのパスです。配置前および配置後スクリプトの詳細は、カスタムスクリプトの作成を参照してください。

    (省略可能) locale

    インストールまたはアップグレード時に追加するロケールパッケージを指定します。このキーワードで使用可能な値のリストについては、locale プロファイルキーワード を参照してください。

    (省略可能) package

    システムにインストールされるソフトウェアグループに対してパッケージを追加するか、または削除するかを指定します。このキーワードで使用可能な値のリストについては、package プロファイルキーワード を参照してください。

    表 36–3 差分アーカイブを作成するための Solaris Live Upgrade プロファイルキーワードと説明

    キーワード 

    説明 

    (必須) Install_type

    システムにフラッシュアーカイブをインストールすることを指定します。差分アーカイブを表す値は flash_update です。

    (必須) archive_location

    指定された位置からフラッシュアーカイブを取得します。このキーワードで使用可能な値のリストについては、archive_location プロファイルキーワード を参照してください。

    (省略可能) forced_deployment

    ソフトウェアで想定されているものとは異なるクローンシステムに、フラッシュ差分アーカイブを強制的にインストールします。forced_deployment を使用すると、クローンシステムをソフトウェアが想定している状態にするために、新規ファイルがすべて削除されます。ファイルを削除して良いかどうか判断できない場合には、デフォルトを使用してください。デフォルトでは、新規ファイルが削除されそうになると、インストールが停止します。

    (省略可能) local_customization

    クローンシステムに フラッシュアーカイブをインストールする前に、カスタムスクリプトを作成して、クローンシステム上のローカル構成を保存できます。local_customization キーワードは、これらのスクリプトの格納先ディレクトリを示します。この値は、クローンシステム上のスクリプトへのパスです。配置前および配置後スクリプトの詳細は、カスタムスクリプトの作成を参照してください。

    (省略可能) no_content_check

    フラッシュ差分アーカイブを使用してクローンシステムをインストールする場合、no_content_check キーワードを使用してファイルごとの検証を省略できます。ファイルごとの検証により、クローンシステムがマスターシステムの複製であることが保証されます。クローンシステムが元のマスターシステムの複製であることが確実である場合を除き、このキーワードの使用は避けてください。

    (省略可能) no_master_check

    フラッシュ差分アーカイブを使用してクローンシステムをインストールする場合、no_master_check キーワードを使用してファイルの検証を省略できます。クローンシステムのファイルの検証は行われません。この検証により、クローンシステムが元のマスターシステムから構築されていることが保証されます。クローンシステムが元のマスターシステムの複製であることが確実である場合を除き、このキーワードの使用は避けてください。

  3. プロファイルをローカルシステムのディレクトリに保存します。

  4. プロファイルの所有者が root で、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

  5. (省略可能) プロファイルをテストします。

    プロファイルのテスト方法については、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルをテストするを参照してください。


例 36–3 Solaris Live Upgrade プロファイルの作成

この例では、プロファイルはアップグレードパラメータを提供します。このプロファイルでは、Solaris Live Upgrade の luupgrade コマンドに -u および -j オプションを指定して、非アクティブなブート環境をアップグレードします。このプロファイルでは、パッケージおよびクラスタを追加します。地域ロケールおよび追加ロケールも、プロファイルに追加されます。プロファイルにロケールを追加する場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
  install_type             upgrade
  package                  SUNWxwman add
  cluster                  SUNWCacc add
  geo                      C_Europe
  locale                   zh_TW
  locale                   zh_TW.BIG5
  locale                   zh_TW.UTF-8
  locale                   zh_HK.UTF-8
  locale                   zh_HK.BIG5HK
  locale                   zh
  locale                   zh_CN.GB18030
  locale                   zh_CN.GBK
  locale                   zh_CN.UTF-8


例 36–4 差分アーカイブをインストールするための Solaris Live Upgrade プロファイルの作成

次のプロファイルの例は、Solaris Live Upgrade でクローンシステムに差分アーカイブをインストールするためのものです。差分アーカイブで指定されているファイルだけが、追加、削除、または変更されます。フラッシュアーカイブは、NFS サーバーから取得されます。イメージは元のマスターシステムから構築されたものなので、クローンシステムのイメージの妥当性検査は行われません。このプロファイルは、Solaris Live Upgrade の luupgrade コマンドの -u オプションと -j オプション で使用します。

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
 install_type              flash_update
 archive_location          nfs installserver:/export/solaris/flasharchive/solarisarchive
 no_master_check

luupgrade コマンドによる差分アーカイブのインストールについては、プロファイルを使用したフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)を参照してください。


Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルをテストする

プロファイルを作成したら、luupgrade コマンドを使用してプロファイルをテストします。luupgrade が生成するインストール出力を調べることによって、意図したとおりにプロファイルが動作するかを簡単に調べることができます。

  1. プロファイルをテストする


    # luupgrade -u -n BE_name -D -s os_image_path -j profile_path
    
    -u

    ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードします。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -D

    luupgrade コマンドは、選択されたブート環境のディスク構成を使用して、-j オプションと共に渡されたプロファイルオプションをテストします。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -j profile_path

    アップグレード用に構成されたプロファイルのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。


例 36–5 Solaris Live Upgrade を使用したプロファイルのテスト

次の例では、プロファイル名は flash_profile です。このプロファイルは u1b08 という名前の非アクティブブート環境でのテストに成功します。


# luupgrade -u -n u1b08 -D -s /net/installsvr/export/u1/combined.u1wos \
 -j /var/tmp/flash_profile
Validating the contents of the media /net/installsvr/export/u1/combined.u1wos.
The media is a standard Solaris media.
The media contains an operating system upgrade image.
The media contains Solaris version 9.
Locating upgrade profile template to use.
Locating the operating system upgrade program.
Checking for existence of previously scheduled Live Upgrade requests.
Creating upgrade profile for BE u1b08.
Determining packages to install or upgrade for BE u1b08.
Simulating the operating system upgrade of the BE u1b08.
The operating system upgrade simulation is complete.
INFORMATION: var/sadm/system/data/upgrade_cleanup contains a log of the
upgrade operation.
INFORMATION: var/sadm/system/data/upgrade_cleanup contains a log of
cleanup operations required.
The Solaris upgrade of the boot environment u1b08 is complete.

これで、プロファイルを使用して非アクティブブート環境をアップグレードできます。

プロファイルを使用して Solaris Live Upgrade でアップグレードする (コマンド行インタフェース)

ここでは、プロファイルを使用したオペレーティング環境のアップグレード方法を、手順を追って説明します。

プロファイルを使用してフラッシュアーカイブをインストールする場合は、プロファイルを使用したフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)を参照してください。

プロファイルにロケールを追加した場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. プロファイルを作成します。

    Solaris Live Upgrade プロファイルで使用可能なアップグレードキーワードのリストについては、表 36–2 を参照してください。

  3. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -u -n BE_name -s os_image_path -j profile_path
    
    -u

    ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードします。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -j profile_path

    プロファイルへのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。プロファイル作成についての詳細は、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成するを参照してください。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


    例 36–6 カスタム JumpStart プロファイルを使用したブート環境のアップグレード (コマンド行インタフェース)

    この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。-j オプションを使用して、プロファイルにアクセスします。このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。プロファイルを作成する場合は、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成するを参照してください。


    # luupgrade -u -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \
    -j /var/tmp/profile 
    

ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストール

この節では、以下の場所に格納されているフラッシュアーカイブを、Solaris Live Upgrade を使用してインストールする手順を説明します。


注 –

アーカイブ記憶域に関連するパスの構文例については、archive_location プロファイルキーワード を参照してください。


フラッシュアーカイブをインストールすると、新しいブート環境上に存在する共有ファイル以外のすべてのファイルが上書きされます。

フラッシュのインストール機能を使用するには、マスターシステムをインストールし、フラッシュアーカイブを作成しておく必要があります。フラッシュの詳細は、第 19 章「フラッシュインストール機能 (トピック)」を参照してください。フラッシュアーカイブを作成するには、次の手順を参照してください。

ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストール (キャラクタインタフェース)

  1. Solaris Live Upgrade のメインメニューから「Flash」を選択します。

    「Flash an Inactive Boot Environment」メニューが表示されます。

  2. フラッシュアーカイブをインストールするブート環境の名前と、インストールメディアの場所を入力します。


    Name of Boot Environment: Solaris_9
    Package media: /net/install-svr/export/Solaris_9/latest
    
  3. アーカイブを追加するために F1 を押します。

    「Archive Selection」サブメニューが表示されます。


    Location            - Retrieval Method
    <No Archives added> - Select ADD to add archives

    このメニューでは、アーカイブのリストを作成できます。アーカイブの追加または削除を行うには、次の手順を実行します。

    1. アーカイブをリストに追加する場合は F1 を押します。

      「Select Retrieval Method」サブメニューが表示されます。


      HTTP
      NFS
      Local File
      Local Tape
      Local Device
    2. 「Select Retrieval Method」メニューで、フラッシュアーカイブの場所を選択します。

      選択された媒体 

      プロンプト 

      HTTP 

      フラッシュアーカイブのアクセスに必要となる URL 情報とプロキシ情報を指定します。 

      NFS 

      フラッシュアーカイブが置かれているネットワークファイルシステムのパスを指定します。アーカイブのファイル名も指定できます。 

      ローカルファイル 

      フラッシュアーカイブが置かれているローカルファイルシステムのパスを指定します。 

      ローカルテープ 

      フラッシュアーカイブが置かれているローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定します。 

      ローカルデバイス 

      フラッシュアーカイブが置かれているローカルデバイス、パス、ファイルシステムの種類を指定します。 

      次のような「Retrieval」サブメニューが表示されます。表示は選択されたメディアによって異なります。


      NFS Location: 
    3. 次の例のように、アーカイブのパスを入力します。


      NFS Location: host:/path/to archive.flar
      
    4. F3 を押してリストにアーカイブを追加します。

    5. (省略可能) アーカイブをリストから削除する場合は F2 を押します。

    6. インストールしたいアーカイブがリストに含まれた時点で F6 を押して終了します。

  4. F3 を押して 1 つまたは複数のアーカイブをインストールします。

    フラッシュアーカイブがブート環境にインストールされます。ブート環境上のファイルは、共有可能ファイルを除きすべて上書きされます。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。ブート環境のアクティブ化 (キャラクタインタフェース)を参照してください。

ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -a archive
    
    -f

    オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからインストールすることを示します。

    -n BE_name

    アーカイブを使用してインストールするブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -a archive

    フラッシュアーカイブへのパス (ローカルファイルシステムでそのアーカイブが利用できる場合)。-s オプションと -a オプションを使用して指定するオペレーティングシステムイメージのバージョンは、同じでなければなりません。


    例 36–7 ブート環境へフラッシュアーカイブをインストールする (コマンド行インタフェース)

    この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。アーカイブはローカルシステムに存在します。-s および -a オプションで指定するオペレーティングシステムバージョンは、どちらも Solaris 9 リリースです。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。


    # luupgrade -f -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/Solaris_9/OS_image \
    -a /net/server/archive/Solaris_9 
    

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


プロファイルを使用したフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

ここでは、プロファイルを使用してフラッシュアーカイブまたは差分アーカイブをインストールする手順を説明します。

プロファイルにロケールを追加した場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. プロファイルを作成します。

    Solaris Live Upgrade プロファイルで使用可能なキーワードのリストについては、表 36–2を参照してください。

  3. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -j profile_path
    
    -f

    オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからインストールすることを示します。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -j profile_path

    フラッシュインストール用に構成されたプロファイルへのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


    例 36–8 プロファイルを使用してブート環境にフラッシュアーカイブをインストールする (コマンド行インタフェース)

    この例では、インストールするアーカイブの場所をプロファイルで指定しています。

    # profile keywords         profile values
    # ----------------         -------------------
     install_type              flash_install
     archive_location          nfs installserver:/export/solaris/flasharchive/solarisarchive
     

    プロファイルを作成した後、luupgrade コマンドを実行してアーカイブをインストールできます。-j オプションを使用して、プロファイルにアクセスします。


    # luupgrade -f -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \
    -j /var/tmp/profile 
    

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。プロファイルを作成する場合は、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成するを参照してください。


プロファイルキーワードを使用したフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

ここでは、プロファイルファイルではなく、archive_location キーワードをコマンド行で使用して、フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。プロファイルファイルを使用せずに、アーカイブを取得できます。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -J 'profile'
    
    -f

    オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからアップグレードすることを示します。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -J 'profile'

    archive_location プロファイルキーワードを指定します。キーワードの値については、archive_location プロファイルキーワード を参照してください。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


    例 36–9 プロファイルキーワードを使用したフラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

    この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。-J オプションと archive_location キーワードを使用して、アーカイブを取得します。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。


    # luupgrade -f -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \
    -J 'archive_location http://example.com/myflash.flar' 
    

ブート環境のアクティブ化

ブート環境をアクティブにすると、次のシステムリブートでブート可能になります。新しいアクティブブート環境で何か問題が発生する場合は、元のブート環境にすぐに戻すことができます。詳細は、問題の解決: 元のブート環境へのフォールバック (コマンド行インタフェース) を参照してください。

ブート環境を正常にアクティブにするためには、そのブート環境が以下の条件を満たしている必要があります。


注 –

スワップを再構成する場合は、非アクティブブート環境をブートする前に実行してください。デフォルトでは、すべてのブート環境が同じスワップデバイスを共有します。スワップを再構成する場合は、「新しいブート環境を作成する」、手順 9、または ブート環境を作成しスワップを再構成する (コマンド行インタフェース)を参照してください。


x86: (省略可能) アクティブ化の前にブート用フロッピーディスクを更新する

システムのブートに Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) (x86 版) フロッピーディスクを使用しない場合は、この手順は省略できます。Device Configuration Assistant を使用してブートする場合は、ブート用フロッピーディスクを更新する必要があります。この手順では、既存のフロッピーディスクを上書きするか、あるいは新しいフロッピーディスクに書き込むことにより、使用中のリリースと一致するようにブート用フロッピーディスクを更新します。

  1. Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) (x86 版) フロッピーディスクを挿入します。これは、上書きされる既存のフロッピーディスクまたは新しいフロッピーディスクのいずれかです。

  2. このリリース用の最新のイメージに、ブートフロッピーディスクを更新します。

  3. ブートフロッピーディスクを取り出します。

  4. 次のコマンドを入力します。


    volcheck
    
  5. このフロッピーディスクに新しいブート環境の boot/solaris/bootenv.rc ファイルをコピーします。


    cp /a/boot/solaris/bootenv.rc /floppy/floppy0/solaris/bootenv.rc
    
  6. フロッピーディスク上の入力デバイスと出力デバイスをチェックして、それらが正しいことを確認します。正しくない場合はそれらを更新してください。

    このようにして、新しいブート環境をアクティブにする準備が整います。

ブート環境のアクティブ化 (キャラクタインタフェース)

新しく作成したブート環境で初めてブートする時に、Solaris Live Upgrade は新しいブート環境と以前のアクティブブート環境の同期をとります。ここでいう「同期」とは、前にアクティブであったブート環境にあるクリティカルなシステムファイルやディレクトリを、ブートされているブート環境にコピーすることです。Solaris Live Upgrade では、強制的に同期を行うようにプロンプトで指定しない限り、2 回目以降のブート時には同期は行われません。

同期の詳細については、ブート環境間でのファイルの同期を参照してください。

  1. Solaris Live Upgrade のメインメニューで「Activate」を選択します。

  2. アクティブにするブート環境の名前を入力します。


    Name of Boot Environment: Solaris_9
    Do you want to force a Live Upgrade sync operations: no
    
  3. ファイルの同期を実行することも、実行せずに処理を続けることもできます。

    • Return キーを押して継続します。

      ブート環境の最初のブートでは、ファイルの同期が自動的に行われます。

    • ファイルの同期を実行できますが、この機能は慎重に使用してください。同期するファイルに、それぞれのブート環境のオペレーティングシステムが対応していなければなりません。ファイルの同期を実行する場合は、次のように入力します。


      Do you want to force a Live Upgrade sync operations: yes
      

      注意 – 注意 –

      以前のアクティブブート環境で発生した変更にユーザーが気付いていない場合や、それらの変更を制御できない場合もあるため、同期を使用する際には十分注意してください。たとえば、現在のブート環境で Solaris 9 ソフトウェアを実行していて、強制的な同期処理を行った後、Solaris 7 リリースにブート環境を戻したとします。この場合、Solaris 7 リリースのファイルは変更されることがあります。ファイルはオペレーティング環境のリリースに依存しているため、Solaris 7 リリースのブートは失敗する可能性があります。Solaris 9 のファイルと Solaris 7 のファイルは互換性があるとは限らないからです。


  4. F3 を押して、アクティブ化の処理を開始します。

  5. Return キーを押して継続します。

    新しいブート環境は、次のリブート時にアクティブになります。

  6. 非アクティブブート環境をリブートしてアクティブにします。


    # init 6
    

ブート環境をアクティブにする (コマンド行インタフェース)

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のように入力して、ブート環境をアクティブにします。


    # /usr/sbin/luactivate  BE_name
    
    BE_name

    アクティブにするブート環境の名前を指定します。

  3. リブートします。


    # init 6
    

    注意 – 注意 –

    リブートには initshutdown コマンドを使用してください。reboothaltuadmin コマンドを使用すると、ブート環境の切り替えは行われません。最後にアクティブであったブート環境が再びブートされます。



例 36–10 ブート環境をアクティブにする (コマンド行インタフェース)

この例では、次のリブート時に second_disk ブート環境がアクティブになります。


# /usr/sbin/luactivate second_disk
# init 6

ブート環境をアクティブにしてファイルを同期させる (コマンド行インタフェース)

新しく作成したブート環境で初めてブートする時に、Solaris Live Upgrade は新しいブート環境と以前のアクティブブート環境の同期をとります。ここでいう「同期」とは、前にアクティブであったブート環境にあるシステムファイルやディレクトリを、ブートされているブート環境にコピーすることです。Solaris Live Upgrade では、強制的に同期を行うように luactivate コマンドの -s オプションで指定しない限り、2 回目以降のブート時には同期は行われません。

同期の詳細については、ブート環境間でのファイルの同期を参照してください。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のように入力して、ブート環境をアクティブにします。


    # /usr/sbin/luactivate  -s BE_name
    
    -s

    最後にアクティブであったブート環境と新しいブート環境のファイルを同期します。ブート環境の最初のアクティブ化ではファイル間の同期が行われますが、それ以降のアクティブ化では -s オプションを指定しない限りファイルの同期は行われません。


    注意 – 注意 –

    以前のアクティブブート環境で発生した変更にユーザーが気付いていない場合や、それらの変更を制御できない場合もあるため、このオプションを使用する際には十分注意してください。たとえば、現在のブート環境で Solaris 9 ソフトウェアを実行していて、強制的な同期処理を行った後、Solaris 7 リリースにブート環境を戻したとします。この場合、Solaris 7 リリースのファイルは変更されることがあります。ファイルはオペレーティング環境のリリースに依存しているため、Solaris 7 リリースのブートは失敗する可能性があります。Solaris 9 のファイルと Solaris 7 のファイルは互換性があるとは限らないからです。


    BE_name

    アクティブにするブート環境の名前を指定します。

  3. リブートします。


    # init 6
    

例 36–11 ブート環境をアクティブにする (コマンド行インタフェース)

この例では、次のリブート時に second_disk ブート環境がアクティブになり、ファイルの同期がとられます。


# /usr/sbin/luactivate -s second_disk
# init 6

問題の解決: 元のブート環境へのフォールバック (コマンド行インタフェース)

アップグレードの後に障害が検出されたり、アップグレードされたコンポーネントにアプリケーションが対応できない場合は、次の手順のどれか (プラットフォームによって異なる) を使って元のブート環境にフォールバックする必要があります。SPARC ベースシステムの場合は、最初の手順として luactivate を実行して元のブート環境に戻します。この処理が失敗した場合は、2 つ目の手順によって DVD-ROM、CD-ROM、またはネットイメージからブートしてください。x86 ベースシステムの場合は、root (/) ファイルシステムが同じ物理ディスクにマウントされているか、別の物理ディスクにマウントされているかに基づいて手順を選択します。

新しいブート環境の作成に成功した場合のフォールバック

新しいブート環境のアクティブ化に成功したが、その結果に満足できない場合は、この手順を使用します。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # /usr/sbin/luactivate BE_name
    
    BE_name

    アクティブにするブート環境の名前を指定します。

  3. リブートします。


    # init 6
    

    前の稼働ブート環境がアクティブブート環境になります。

SPARC: ブート環境のアクティブ化に失敗した場合のフォールバック

  1. OK プロンプトで、Solaris DVD、Solaris INSTALLATION CD、ネットワーク、またはローカルディスクからマシンをシングルユーザーモードで起動します。


    OK boot cdrom -s 
    

    または、


    OK boot net -s
    

    または、


    OK boot device_name -s
    
    device_name

    システムをブートするデバイスの名前を指定します (たとえば、 /dev/dsk/c0t0d0s0)。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # /sbin/luactivate BE_name
    
    BE_name

    アクティブにするブート環境の名前を指定します。

  3. プロンプトに対して、次のコマンドを入力します。


    Do you want to fallback to activate boot environment <disk name> 
    (yes or no)? yes
    

    フォールバックによるアクティブ化が正常に行われたことを示すメッセージが表示されます。

  4. リブートします。


    # init 6
    

    前の稼働ブート環境がアクティブブート環境になります。

SPARC: DVD、CD、またはネットワークインストールイメージを使って元のブート環境にフォールバックする

DVD、CD、またはネットワークインストールイメージからブートする場合は、この手順を使用します。この場合、以前のアクティブブート環境からルート (/) スライスをマウントする必要があります。その後で、ブート環境の切り替えを行う luactivate コマンドを実行してください。リブートすると、1 つ前のアクティブブート環境が再び起動されます。

  1. OK プロンプトで、Solaris DVD、Solaris INSTALLATION CD、ネットワーク、またはローカルディスクからマシンをシングルユーザーモードで起動します。


    OK boot cdrom -s 
    

    または、


    OK boot net -s
    

    または、


    OK boot device_name -s
    
    device_name

    オペレーティングシステムのコピーが格納されているディスクおよびスライスの名前を指定します (たとえば、 /dev/dsk/c0t0d0s0)。

  2. 必要に応じて、フォールバックブート環境のルート (/) が置かれているファイルシステムの完全性を確認します。


    # fsck device_name
    
    device_name

    フォールバックしたいブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  3. アクティブブート環境のルート (/) スライスをディレクトリ (/mnt など) にマウントします。


    # mount device_name /mnt
    
    device_name

    フォールバックしたいブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  4. アクティブブート環境のルート (/) スライスから、次のように入力します。


    # /mnt/sbin/luactivate
    

    前の稼働ブート環境がアクティブになり、結果が示されます。

  5. /mnt をマウント解除します。


    # umount  /mnt
    
  6. リブートします。


    # init 6
    

    前の稼働ブート環境がアクティブブート環境になります。

x86: 別のディスクに存在するブート環境をフォールバックする

新しいブート環境のブート中に障害に遭遇する場合があります。ブート環境のルート (/) ファイルシステムが別の物理ディスク上に存在する場合、次の手順を実行して元のブート環境にフォールバックします。

  1. システムをリブートし、該当する BIOS メニューに入ります。

    • ブートデバイスが SCSI の場合は、SCSI コントローラのマニュアルを参照して SCSI BIOS へ入る方法を確認してください。

    • ブートデバイスがシステム BIOS で管理されている場合は、システム BIOS のマニュアルを参照してシステム BIOS へ入る方法を確認してください。

  2. 該当する BIOS のマニュアルに従って、元のブート環境のブートデバイスに戻るようにブートデバイスを変更します。

  3. BIOS の変更を保存します。

  4. ブート処理を開始するために、BIOS メニューを閉じます。

  5. b -s と入力して、シングルユーザー状態でマシンをブートします。

  6. 次のコマンドを入力します。


    # /sbin/luactivate
    
  7. リブートします。


    # init 6
    

x86: 同じディスクに存在するブート環境をフォールバックする

ブート中に障害が発生する場合があります。ルート (/) ファイルシステムが同じ物理ディスク上に存在する場合、次の手順を実行して、元のブート環境にフォールバックします。この場合、以前のアクティブブート環境からルート (/) スライスをマウントする必要があります。その後で、ブート環境の切り替えを行う luactivate コマンドを実行してください。リブートすると、1 つ前のアクティブブート環境が再び起動されます。

  1. システムのブート方法を決定します。

    • Solaris DVD または Solaris INSTALLATION CD からブートする場合は、そのディスクを挿入します。この場合、システムの BIOS が DVD または CD からのブートをサポートしている必要があります。

    • ネットワークからブートする場合は、PXE (Preboot Execution Environment) ネットワークブートを使用してください。システムは PXE をサポートするものでなければなりません。システムの BIOS 設定ツールまたはネットワークアダプタの構成設定ツールを使用して、PXE を使用するようにシステムを設定します。

    • フロッピーディスクからブートする場合は、システムのフロッピーディスクドライブに Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) (x86 版) を挿入します。


      x86 のみ –

      付録 I 「x86: Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) またはネットワークからのブート準備 (作業)」 の手順に従って Solaris DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE 2 of 2 CD (x86 版) からフロッピーディスクへ Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ソフトウェアをコピーできます。


    画面の指示に従って進み、「Current Boot Parameters」メニューを表示します。

  2. b -s と入力して、シングルユーザー状態でマシンをブートします。

  3. 必要に応じて、フォールバックブート環境のルート (/) が置かれているファイルシステムの完全性を確認します。


    # fsck mount_ point
    
    mount_point

    信頼性のあるルートファイルシステム

  4. アクティブブート環境のルートスライスをディレクトリ (/mnt/sbin など) にマウントします。


    # mount device_name /mnt/sbin
    
    device_name

    フォールバックしたいブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  5. アクティブブート環境のルートスライスから、次のように入力します。


    # /mnt/sbin/luactivate
    

    前の稼働ブート環境がアクティブになり、結果が示されます。

  6. /mnt/sbin のマウントを解除します。


    # umount device_name /mnt/sbin
    
    device_name

    フォールバックしたいブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  7. リブートします。


    # init 6
    

    前の稼働ブート環境がアクティブブート環境になります。