Solaris 9 9/04 オペレーティング環境の概要

システム管理ツール

Solaris 9 リリースに含まれるシステム管理の機能拡張は、次のとおりです。

Solaris ボリュームマネージャ

Solaris ボリュームマネージャは、ストレージ管理ツールを備えています。このツールを使用すると、RAID-0、RAID-1、RAID-5 のボリューム、トランザクション (ロギング) デバイス、およびソフトパーティションの作成と管理が行えます。Solaris ボリュームマネージャは、Solstice DiskSuiteTM のすべての機能を備えています。また、Solaris ボリュームマネージャでは以下の機能も利用できます。

Solaris 9 リリースは、Solaris DiskSuite (SDS) を実行する既存のシステムを Solaris ボリュームマネージャにアップグレードする機能を、シームレスにサポートしています。このアップグレードにより、構成に影響を与えたり、構成が変更されたりすることはありません。ミラー化されたルートファイルシステムのアップグレードは、すべて自動的に行われます。

詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。

統一された diff 形式

diff コマンドと sccs-sccsdiff コマンドが更新され、GNU スタイルの統一された diff 形式がサポートされるようになりました。この形式では、コンテキスト行が差分リストに 1 回だけ出力されます。

これらのコマンドの詳細は、diff(1) および sccs-sccsdiff(1) のマニュアルページを参照してください。

汎用ログローテーション機能

Solaris 9 リリースでは、汎用ログローテーション機能を使用できます。システム管理者は、この機能を使用してシステムおよびアプリケーションのログファイルを保守し、ローテーションを実行できます。詳細は、logadm(1M) および logadm.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

Solaris 管理コンソール

Solaris 管理コンソール 2.1 は GUI ベースの「傘型アプリケーション」で、各種の管理ツールの起動ポイントとして機能します。Solaris 管理コンソールは、以下のツールを含むデフォルトのツールボックスとともに使用することで、完全に機能するようになります。

デフォルトのツールボックスから、ツールを追加または削除できます。コンソールのツールボックスエディタでは、新しいツールボックスを作成して別のツールセットを管理できます。

ディスクレスクライアントも管理できますが、コマンド行インタフェースからのみ可能です。

詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理コンソール (概要)」を参照してください。

Patch Manager

Patch Manager は、Solaris 9 オペレーティング環境および互換性のあるリリース用に作成されたパッチを管理します。インストール済みのパッチとそのプロパティの表示ができます。1 つ以上のシステムへパッチを同時に追加できます。パッチの削除、システムのパッチ要件の分析、および SunSolve オンラインサービスからのパッチのダウンロードを実行できます。

新しい smpatch コマンドを使用して、1 台または複数のマシンへのパッチのインストール、パッチ要件の分析、および必要なパッチのダウンロードを行います。

詳細は、smpatch(1M) のマニュアルページを参照してください。

Solaris WBEM サービス 2.5

Solaris WBEM サービス 2.5 は、Sun Microsystems の Web-Based Enterprise Management (WBEM) の実装です。WBEM は、管理およびインターネット関連のテクノロジです。このテクノロジは、企業のコンピューティング環境の管理方法を統一することを目的としています。Solaris WBEM サービスは、Solaris 9 リリースではバージョン 2.5 に更新されました。

詳細は、「Web-Based Enterprise Management ツール」を参照してください。

HTTP ポート 5988 で待機する CIM オブジェクトマネージャ (CIM Object Manager)

CIM オブジェクトマネージャは、RMI (リモートメソッド呼び出し) 接続を RMI ポート 5987 で待機します。また、CIM オブジェクトマネージャは XML および HTTP 接続を HTTP ポート 5988 で待機します。Solaris 8 リリースおよび Solaris 8 Update リリースでは、CIM オブジェクトマネージャは XML および HTTP 接続をデフォルトの HTTP ポート 80 で待機していました。

詳細は、新しい『Solaris WBEM 開発ガイド』を参照してください。このマニュアルは、『Solaris WBEM Services の管理』と『Solaris WBEM SDK 開発ガイド』に代わるマニュアルです。

WBEM 用 SNMP アダプタ

WBEM 用 SNMP アダプタは、システム管理者が使用することが意図されています。これにより Simple Network Management Protocol (SNMP) 管理アプリケーションは、Solaris WBEM サービスが提供するシステム管理情報にアクセスすることができます。

WBEM 用 SNMP アダプタは、SolsticeTM Enterprise Agent (SEA) Master Agent と共に使用されます。SNMP アダプタにより、SNMP 要求は同等の WBEM Common Information Model (CIM) プロパティまたはインスタンスにマッピングされます。

また、WBEM 用 SNMP アダプタは、CIM オブジェクトマネージャからの応答を SNMP 応答に再び対応付けて、それを管理アプリケーションに返します。

マッピングファイルには、対応するオブジェクト識別子 (OID)、クラス名、プロパティ名、Abstract Syntax Notation One (ASN.1) タイプが含まれます。

WBEM の詳細は、新しい『Solaris WBEM 開発ガイド』を参照してください。このマニュアルは、『Solaris WBEM Services の管理』と『Solaris WBEM SDK 開発ガイド』に代わるマニュアルです。

Solaris Product Registry 3.0

Solaris Product Registry 3.0 には、次の新しい機能が含まれています。

詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

Solaris Web Start プログラム内のソフトウェアグループの変更

Solaris Web Start で、Solaris ソフトウェアグループの選択を変更できるようになりました。ソフトウェアパッケージの追加または削除ができます。

詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

システム管理用フリーウェアツール

GNU grep 2.4.2GNU tar 1.13 の詳細は、「フリーウェアの機能拡張」を参照してください。GNU grep 2.4.2 はパターンマッチングツールです。GNU tar 1.13 はアーカイバです。