この章では、Solaris ボリュームマネージャのソフトパーティションに関連する作業について説明します。 これらの作業に関連する概念については、第12章「ソフトパーティション (概要)」を参照してください。
次の表に、Solaris ボリュームマネージャのソフトパーティションを管理するのに必要な作業を示します。
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
ソフトパーティションの作成 |
Solaris ボリュームマネージャの GUI か metainit コマンドを使用して、ソフトパーティションを作成します。 | |
ソフトパーティションの状態チェック |
Solaris ボリュームマネージャの GUI か metastat コマンドを使用して、ソフトパーティションの状態をチェックします。 | |
ソフトパーティションの拡張 |
Solaris ボリュームマネージャの GUI か metattach コマンドを使用して、ソフトパーティションを拡張します。 | |
ソフトパーティションの削除 |
Solaris ボリュームマネージャの GUI か metaclear コマンドを使用して、ソフトパーティションを削除します。 |
「ソフトパーティション構成の指針 」を確認します。
次のどちらかの方法でソフトパーティションを作成します。
Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開きます。 「アクション (Action)」、「ボリュームを作成 (Create Volume)」の順に選択し、ウィザードの指示に従います。 詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
次の形式の metainit コマンドを使用して、ソフトパーティションを作成します。
metainit [-s set] soft-partition -p [-e] component size |
-s には、使用するディスクセットを指定します。 -s を指定しないと、ローカル (デフォルト) のディスクセットが使用されます。
-e を指定すると、ディスク全体がフォーマットし直されます。 フォーマットによって、ディスクのほとんどの部分を占めるスライス 0 と、状態データベースの複製を格納する 4M バイト以上のスライス 7 が設定されます。
soft-partition はソフトパーティションの名前です。 その形式は dnnn で、nnn は 0 から 8192 の数字です。
component は、ソフトパーティションの作成に使用するディスク、スライス、または (論理) ボリュームです。 ソフトパーティションのヘッダーがコンポーネントの先頭部分に書き込まれるため、コンポーネントにあるデータはすべて破壊されます。
size には、ソフトパーティションのサイズを数字と次のいずれかの単位で指定します。
M または m (メガバイト)
G または g (ギガバイト)
T または t (テラバイト)
B または b (ブロック数 (セクター数))
詳細は、次の例と metainit(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metainit d20 -p c1t3d0s2 4g |
この例では、d20 という名前の 4G バイトのソフトパーティションを c1t3d0s2 に作成します。
この例では、ディスク c1t2d0 のパーティションを再分割し、スライス 0 に新しいソフトパーティションを作成します。ディスクのデータはすべて破壊されます。使用するコマンドは次のとおりです。
metainit d7 -p -e c1t2d0 1G |
ソフトパーティションの保守は、他の論理ボリュームの保守と同じです。 次の各項でこの手順を説明します。
「ソフトパーティション構成の指針 」を確認します。
次のどちらかの方法でソフトパーティションの状態をチェックします。
Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開きます。 監視するソフトパーティションを選択し、「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択して、画面の指示に従います。 詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
次の形式の metastat コマンドを使って既存の構成を表示します。
metastat soft-partition |
soft-partition はチェックしたいパーティションの名前です。
この例では、ソフトパーティション d1 の状態をチェックします。このパーティションは 2 つのエクステントから構成され、RAID 1 ボリューム d100 上に作成されています。
# metastat d1 d1: soft partition component: d100 state: OKAY size: 42674285 blocks Extent Start Block Block Count 0 10234 40674285 1 89377263 2000000 d100: Mirror Submirror 0: d10 State: OKAY Read option: roundrobin (default) Write option: parallel (default) Size: 426742857 blocks d10: Submirror of d100 State: OKAY Hot spare pool: hsp002 Size: 426742857 blocks Stripe 0: (interlace: 32 blocks) Device Start Block Dbase State Hot Spare c3t3d0s0 0 No Okay |
ソフトパーティション上にほかの論理ボリュームが構築されていない場合は、そのソフトパーティションに領域を追加できます。 空き領域を見つけ、パーティションの拡張に使用します。 既存のデータは移動されません。
ソフトパーティションを使用して別のボリュームを作成している場合 (RAID 0 ボリュームのコンポーネントの場合など)、そのソフトパーティションは拡張できません。 ソフトパーティションを収容するデバイスの領域を増やすことが目的であれば、通常、収容デバイスに他のボリュームを連結することによって目的を達成できます。 詳細については、「記憶領域の拡張」を参照してください。
「ソフトパーティション構成の指針 」を確認します。
次のどちらかの方法でソフトパーティションを拡張します。
Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開きます。 拡張するソフトパーティションを選択し、「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択して、画面の指示に従います。 詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
次の形式の metattach コマンドを使用して、ソフトパーティションに領域を追加します。
metattach [-s disk-set] soft-partition size |
disk-set は、ソフトパーティションが含まれているディスクセットの名前です。
soft-partition は、既存のソフトパーティションの名前です。
size は追加する領域のサイズです。
この例では、ソフトパーティションに領域を追加してから、そのソフトパーティションにあるファイルシステムを拡張します。ソフトパーティションはオンラインでマウントされたままです。
# mount /dev/md/dsk/d20 /home2 # metattach d20 10g # growfs -M /home2 /dev/md/rdsk/d20 |
「ソフトパーティション構成の指針 」を確認します。
次のどちらかの方法でソフトパーティションを削除します。
Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ボリューム (Volumes)」ノードを開きます。 拡張するソフトパーティションを選択し、「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択して、画面の指示に従います。 詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
次のいずれかの形式の metaclear コマンドを使ってソフトパーティションを削除します。
metaclear [-s disk-set] component metaclear [-s disk-set] -r soft-partition metaclear [-s disk-set] -p component |
ここで使用されているオプション、変数は次のとおりです。
disk-set は、ソフトパーティションが含まれているディスクセットの名前です。
soft-partition は、削除するソフトパーティションの名前です。
r は、論理ボリュームを繰り返し削除することを意味します。ただし、他のボリュームに使用されているボリュームは削除されません。
p は、指定したコンポーネント上のソフトパーティションを削除することを意味します。ただし、開かれているソフトパーティションは除きます。
component は、削除するソフトパーティションがあるコンポーネントです。
この例では、c1t4d2s0 にあるすべてのソフトパーティションを削除します。
# metaclear -p c1t4d2s0 |