トランザクションボリュームを使用する場合は、「トランザクションボリューム用の要件」と 「トランザクションボリュームの指針」を参照してください。
トランザクションボリュームを使用する場合は、次の要件を考慮してください。
トランザクションボリュームを作成する前に、マスターデバイスおよびログデバイスとして使用するスライスまたはボリュームを特定します。
ルート (/) 以外の任意のファイルシステムをロギングできます。
データの冗長性を確保するためにログデバイスをミラー化します。
負荷の高いディスクにログを置かないようにします。
ログには少なくとも 1M バイトの記憶領域を割り当てます。 (ログが大きければ、それだけ多くのファイルシステムのトランザクションを格納できます。) 100M バイトのファイルシステムデータごとに、1M バイトのログ領域を割り当てます (ログ領域は最大でも 64M バイトまでにします)。 ログの最大領域は 1G バイトですが、ほとんどの場合、64M バイトを超えるログ領域が必要になることはなく、領域がむだになります。
同じトランザクションボリュームのログデバイスとマスターデバイスは、入出力負荷を均一にするために異なるドライブ (できれば異なるコントローラ) 上に配置するようにします。
トランザクションボリュームは、ログデバイスを共有できます。 ただし、負荷の高いファイルシステムには独自のログを用意します。 ログデバイスを共有した場合、ある種のエラーが発生すると、ログデバイスを共有するすべてのファイルシステムを fsck コマンドでチェックしなければならないことがあります。
トランザクションボリュームを設定したら、ログデバイスをファイルシステム間で共有できます。
ログ (ログデバイス) は通常、頻繁にアクセスされます。 最適な性能を得るために、ログを使用頻度の高いディスクに置かないようにします。 また、ログをディスクの中央に配置すると、ログにアクセスするときの平均シーク時間を最小にできます。
ログサイズが大きいほど、性能が向上します。 ログサイズが大きいほど、並列性 (1 秒間に実行されるファイルシステム操作の数) が高くなります。
ログデバイスのミラー化を強くお勧めします。 デバイスエラーによってログデバイスのデータが失われると、ファイルシステムの整合性が損なわれ、ユーザの介入がなければ、fsck では修復できなくなってしまうことがあります。 マスターデバイスとして RAID 1 ボリュームを使用する方法は、データの冗長性を確保する上で有効です。
一般的にロギングが必要なのは、大規模な UFS ファイルシステムと、データの更新頻度が高い UFS ファイルシステムです。 通常は、ほとんど読み取り操作だけが行われる小規模なファイルシステムをロギングする必要はありません。
ログデバイス用のスライスがない場合でも、トランザクションボリュームを構成できます。 これは、ログデバイス用のスライスが余分にないときに、エクスポートされたファイルシステムをロギングしたい場合に有用です。 ログデバイス用にスライスが使用可能になったら、トランザクションボリュームにログデバイスを追加するだけですみます。
システムに十分な数の使用可能なスライスがない場合や、ログデバイスを共有するファイルシステム上の主な操作が書き込みではなく読み取りである場合は、ファイルシステムの間でログデバイスを共有することを検討してください。
ログデバイスを共有するマスターデバイスの 1 つがエラー状態になると、ログデバイスは変更を転送できなくなります。 この問題が起こると、ログデバイスを共有するすべてのマスターデバイスがハードエラー状態になります。