スライス上に構築された既存のファイルシステムから RAID 1 ボリュームを作成する場合は、そのスライスだけを一次 RAID 0 ボリューム (サブミラー) に含めるようにします。 ルートなど、システムにとって重要なファイルシステムをミラー化する場合は、すべてのサブミラーが単一のスライスで構成されていなければなりません。
サブミラーのスライスは、異なるディスクとコントローラに配置します。 同じミラーの 2 つまたはそれ以上のサブミラーのスライスを同じディスクに置くと、データの保護機能が大幅に低下します。 同じように、サブミラーは、別個のコントローラに配置します。これは、コントローラやそのケーブルでは、ディスクよりも障害が発生する確率が高いためです。 これにより、ミラーの性能も向上します。
1 つのミラーでは、同じタイプのディスクとコントローラを使用します。 特に、古いタイプの SCSI 記憶装置では、ディスクやコントローラの性能がモデルやブランドによって大幅に異なることがあります。 性能レベルが異なるデバイスが同じミラーに混在していると、性能が大幅に低下することがあります。
同じサイズのサブミラーを使用します。 サイズが異なるサブミラーを使用すると、ディスク領域がむだになります。
直接マウントできるのはミラーデバイスだけです。 オフライン状態のサブミラーを読み取り専用でマウントする場合を除き、サブミラーを直接マウントしてはなりません。 また、サブミラーの一部であるスライスをマウントしてはなりません。 データが壊され、システムが異常を起こすおそれがあります。
ミラー化によって読み取り性能が向上することはありますが、書き込み性能は常に低下します。 ミラー化によって読み取り性能が向上するのは、スレッド化された入出力や非同期の入出力の場合だけです。 シングルスレッドによるボリュームの読み取りでは、性能の向上は得られません。
ミラーの読み取りオプションの設定を変えてみると、性能が向上することがあります。 たとえば、デフォルトの読み取りモードでは、各ディスクが巡回的に 1 つずつ読み取られます。 このモードがデフォルトになっている理由は、UFS マルチユーザー、マルチプロセスアクティビティーでは、通常、これがもっとも効率的であるためです。
場合によっては、geometric 読み取りオプションを使用すると、ヘッドの移動とアクセス時間が最小になり、性能が向上することがあります。 このオプションがもっとも効果的に機能するのは、各ディスクにスライスが 1 つしかない場合、同時に 1 つのプロセスだけがスライス/ファイルシステムを使用する場合、入出力パターンに高い順次性があるか、すべてのアクセスが読み取りの場合だけです。
ミラーオプションを変更する方法については、「RAID 1 ボリュームオプションを変更するには」を参照してください。
swap -l コマンドを使ってすべての swap デバイスを確認します。 swap として指定されたスライスは、他のスライスとは別個にミラー化しなければなりません。
ミラーには、構成が同じサブミラーだけを使用します。 たとえば、ディスクラベルのないサブミラーでミラーを作成すると、ラベルがあるサブミラーをミラーに追加できなくなります。
ミラー化されたファイルシステムで、最初に接続したサブミラーがシリンダ 0 から始まらない場合、追加接続するすべてのサブミラーも、シリンダ 0 から始まらないようにする必要があります。最初のサブミラーがシリンダ 0 から始まらないミラーに、シリンダ 0 から始まるサブミラーを接続しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。
can't attach labeled submirror to an unlabeled mirror |
1 つのミラー内で使用するサブミラーは、全部シリンダ 0 から始まるか、どれもシリンダ 0 から始まらないかのどちらかにする必要があります。
開始シリンダは、すべてのサブミラーで同じにする必要はありませんが、すべてのサブミラーにシリンダ 0 が含まれるか、すべてのサブミラーにシリンダ 0 が含まれないかのどちらかでなければなりません。