この付録では、Solaris ボリュームマネージャのファイルについて説明します。これらのファイルは、参照目的で使用してください。 この章の内容は次のとおりです。
この節では、Solaris ボリュームマネージャが正常に動作するのに必要なファイルについて説明します。 いくつかの特別な構成変更を行う場合を除き、これらのファイルを使用したり、変更したりする必要はありません。
このファイルを編集しないでください。 このファイルを変更すると、Solaris ボリュームマネージャ構成を破壊することがあります。
/etc/lvm/mddb.cf ファイルには、状態データベースの複製の格納場所が記録されています。 状態データベースの複製の格納場所が変わると、Solaris ボリュームマネージャは、すべての状態データベースの格納場所が記録されている mddb.cf ファイルにエントリを作成します。 詳細については、mddb.cf(4) のマニュアルページを参照してください。
/etc/lvm/md.cf ファイルには、自動的に生成された、デフォルト (名前のない、またはローカルの) ディスクセットの構成情報が格納されています。 Solaris ボリュームマネージャ構成が変更されると、Solaris ボリュームマネージャは md.cf ファイルを自動的に更新します (使用中のホットスペアの情報を除く)。 詳細については、md.cf(4) のマニュアルページを参照してください。
このファイルを編集しないでください。 このファイルを変更すると、Solaris ボリュームマネージャ構成が破壊されたり、復元できなくなることがあります。
状態データベースに保持されている情報が失われた場合でも、その後でボリュームが変更されたり、作成されたりしていなければ、md.cf ファイルを使ってこの構成を復元できます。 「構成ファイルを使って Solaris ボリュームマネージャを初期化するには」を参照してください。
md.conf 構成ファイルは、Solaris ボリュームマネージャによって起動時に読み取られます。 ユーザーは、このファイルの 2 つのフィールド nmd と md_nsets を編集できます。前者のフィールドには、この構成でサポートされているボリューム (メタデバイス) の数が、後者のフィールドにはディスクセットの数がそれぞれ指定されています。 nmd のデフォルト値は 128 で、最大数は 8192 です。md_nsets のデフォルト値は 4 で、最大数は 32 です。md_nsets にはデフォルト (名前のない、またはローカルの) ディスクセットが 1 つ含まれているため、名前の付いたディスクセットの合計数は常に md_nsets 値から 1 を引いた数です。
nmd と md_nsets には、できるだけ小さい値を指定してください。 これは、デバイスを実際に作成するかどうかには関係なく、nmd と md_nsets の値によって決まるデバイス数のメモリ構造が自動的に作成されるためです。 最適な性能を維持するためには、実際に使用するボリュームの数よりもわずかに大きい値を nmd と md_nsets に指定するようにします。
md.conf 構成ファイルを変更した後は、再構成リブートを行って、変更を有効にする必要があります。
このファイルは、システムの起動時に Solaris ボリュームマネージャを構成、および起動するために使用されます。また、管理者は、このファイルを使ってデーモンの起動や停止を制御できます。
このファイルは、システムの起動時に Solaris ボリュームマネージャ構成をチェックし、必要であればミラーの再同期処理を開始し、アクティブな監視デーモンを起動します。 (詳細については、mdmonitord(1M) を参照してください)。
/etc/lvm/md.tab ファイルには、Solaris ボリュームマネージャの構成情報が格納されています。この情報を使えば、Solaris ボリュームマネージャ構成を再構築することができます。 Solaris ボリュームマネージャは、このファイルをコマンド行ユーティリティ metainit、metadb、 metahs への入力として使用することによって構成を再構築できます。 このファイルには、通常、ボリュームやディスクセット、ホットスペア集合のエントリが含まれています。 このファイルを作成する方法については (metastat -p > /etc/lvm/md.tab コマンドを使用)、「構成ファイルを作成するには」を参照してください。
/etc/lvm/md.tab ファイルの構成情報と、実際に使用中のボリュームやホットスペア、状態データベースの複製が異なる場合があります。 このファイルは、意図する構成を手動で保存するためのものです。 Solaris ボリュームマネージャ構成を変更したら、このファイルを作成し直し、バックアップコピーを保管しておいてください。
このファイルを作成または更新したら、metainit や metahs、metadb コマンドを使って、このファイルに指定したボリュームや、ホットスペア集合、状態データベースの複製をアクティブにすることができます。
/etc/lvm/md.tab ファイルの各行には、1 つの ボリュームの完全な構成エンティティの情報を、 metainit、metadb、metahs コマンドの構文に基づいて指定します。
metainit -an を使って、md.tab 内にあるすべてのボリュームの初期化をシミュレートすると、md.tab で定義されている別のボリュームに依存するボリュームについてのエラーメッセージが表示されることがあります。 これは、metainit -an の実行中に作成されるはずのボリュームの状態を、Solaris ボリュームマネージャが保持しないためです。つまり、構成が存在する場合、各行は既存の構成に基づいて評価されます。 したがって、metainit -an が失敗するように見える場合でも、-n オプションを指定しなければ成功する可能性があります。
その上で metainit コマンドに -a オプションを指定すれば、/etc/lvm/md.tab ファイルに指定されているすべてのボリュームをアクティブにできます。あるいは、このファイルの特定のエントリに対応するボリュームを指定すれば、そのボリュームをアクティブにできます。
Solaris ボリュームマネージャが /etc/lvm/md.tab ファイルに構成情報を書き込んだり、格納したりすることはありません。 Solaris ボリュームマネージャコンポーネントを再作成するためには、ユーザーがこのファイルを編集し、metainit や、metahs、metadb コマンドを実行する必要があります。
詳細は、md.tab(4) のマニュアルページを参照してください。