Solaris ボリュームマネージャの管理

構成計画の指針

記憶装置管理の構成を計画するときは、どのようなアプリケーションにも性能可用性ハードウェアコストの間にトレードオフがあることを考慮する必要があります。 最適な構成を見つけるためには、さまざまな要素の組み合わせを試してみる必要があります。

この節では、次のタイプのボリュームを使用するための指針を示します。

記憶方式の選択

特定の記憶方式を実装する前に、どのような記憶デバイスを使用するかを決める必要があります。 この一連の指針では、記憶デバイスを選択する上で必要なさまざまな記憶方式を比較します。 Solaris ボリュームマネージャで実装されている個々の記憶方式には、その方式固有の指針が適用されます。 詳細は、個々のボリュームタイプに関する章を参照してください。


下記の記憶方式は排他的なものではありません。 つまり、これらのボリュームを組み合わせて使用することによって、複数の目的を達成することができます。 たとえば、まず、RAID 1 ボリュームを作成して冗長性を確保します。 次に、RAID 1 ボリューム上にソフトパーティションを作成して、独立したファイルシステムの数を増やすことができます。


表 21 記憶方式の選択

要件 

RAID 0 (連結方式) 

RAID 0 (ストライプ方式) 

RAID 1 (ミラー) 

RAID 5 

ソフトパーティション 

データの冗長性 

不可 

不可 

可能 

可能 

不可 

読み取り性能の改善 

不可 

可能 

使用するデバイスによって異なる 

可能 

不可  

書き込み性能の改善 

不可 

可能 

不可 

不可 

不可 

デバイス当たり 8 個以上のスライスの作成 

不可 

不可 

不可 

不可 

可能 

使用可能な記憶装置の増加 

可能 

可能 

不可 

可能 

不可 

表 22 冗長性の最適化

 

RAID 1 (ミラー) 

RAID 5 

書き込み操作 

高速 

低速 

ランダム読み込み 

高速 

低速 

ハードウェアコスト 

高い 

少ない 


Solaris ボリュームマネージャを使用して冗長性を備えたデバイスをサポートする方法については、これらの一般的な記憶方式のほかにも、「ホットスペア集合 」を参照してください。