手順や参照情報のセクションに進む前に、以下の情報に目を通して format ユーティリティの概要とその使用法を確認してください。
format ユーティリティは、Solaris システム用にハードディスクドライブを用意するためのシステム管理ツールです。
次の表に、format ユーティリティの機能とその利点を示します。
表 105 format ユーティリティの機能と利点
format ユーティリティのオプションの詳細については、第14章「format ユーティリティ (参照情報)」を参照してください。
Solaris のインストール時に、Solaris インストールプログラムによってディスクがパーティションに分割され、ラベルが付けられます。次のような場合に、format ユーティリティを使用できます。
スライス情報を表示する
ディスクをスライスに分割する
既存のシステムにディスクドライブを追加する
ディスクドライブをフォーマットする
ディスクにラベルを付ける
ディスクドライブを修復する
ディスクのエラーを分析する
システム管理者が format ユーティリティを使用するのは、主にディスクをディスクスライスに分割するためです。これらの手順については、第12章「SPARC: ディスクの追加 (手順)」と第13章「x86: ディスクの追加 (手順)」を参照してください。
format ユーティリティの使用上のガイドラインについては、次の節を参照してください。
作業 |
注意事項 |
参照先 |
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ディスクをフォーマットする |
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システムディスクを交換する |
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「SPARC: システムディスクを接続してブートする方法」または「x86: システムディスクを接続してブートする方法」、システムをインストールし直さなければならない場合は『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照 |
ディスクをスライスに分割する |
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「SPARC: ディスクスライスとディスクラベルを作成する方法」または 「x86: ディスクスライスとディスクラベルを作成する方法」 |
既存のシステムにディスクを追加する |
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ディスクドライブを修復する |
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ほとんどの場合、ディスクはメーカーまたは再販業者によってフォーマットされています。このため、ドライブをインストールするときにフォーマットし直す必要はあり ません。ディスクがフォーマットされているかどうかを判別するには、format ユーティリティを使用します。詳細については、「ディスクがフォーマット済みかを調べる方法」を参照してください。
ディスクがフォーマットされていない場合、format ユーティリティを使用してフォーマットしてください。
ディスクのフォーマットでは、次の 2 つのステップが行われます。
ディスクメディアを使用できるようにする
表面解析に基づいてディスクの欠陥リストを作成する
フォーマットは、ディスク上のデータを上書きする、破壊的なプロセスです。このため、通常はメーカーや再販業者のみがディスクをフォーマットします。ディスクに欠陥があるために問題が再発していると思われる場合は、format ユーティリティを使用して表面解析を実行できますが、 データを破壊しないコマンドだけを使用するように注意してください。詳細については、「ディスクをフォーマットする方法」を参照してください。
データに利用できる合計ディスク容量のうち、ごくわずかな容量が欠陥情報とフォーマット情報の格納に使用されます。この容量はディスクのジオメトリによって異なり、使用年数がたち欠陥箇所が多くなるにつれて、少なくなります。
ディスクの種類とサイズに応じて、フォーマットは数分から数時間かかります。