Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)

newfs コマンドの構文、オプション、引数

newfs コマンドは、ファイルシステムの作成に使用する mkfs コマンドの簡便バージョンです。

構文は次のとおりです。


/usr/sbin/newfs [-NTv] [mkfs_options] raw_device

次の表に、newfs コマンドのオプションと引数を示します。

表 214 newfs コマンドのオプションと引数

オプション 

説明 

-N

ファイルシステムの作成に使用されるファイルシステムパラメータが表示されるが、実際には作成されない。このオプションでは、既存のファイルシステムの作成に使用されたパラメータは表示されない。 

-T

ファイルシステムのサイズが最終的に 1T バイトを超えることが可能となるように、ファイルシステムのパラメータが設定される。このオプションを指定すると、fragsizebsize と同じ値に設定され、-i オプションによる指定がなければ、nbpi は 1M バイトに設定される。-f オプションまたは -i オプションを使って指定された fragsize 値または nbpi 値がこのオプションの値と矛盾した場合、指定された fragsize 値または nbpi 値は無視される。

-v

mkfs コマンドに渡されるパラメータが表示される。

mkfs-options

後続のオプション (-a apc から -t ntrack まで) を使用して mkfs コマンドのパラメータが設定される。各オプションは、空白で区切る。

-a apc

不良ブロックを配置するために予約される 1 ディスクシリンダの代替セクター数 (SCSI デバイスのみ)。デフォルトは 0 (ゼロ)。 

このオプションは、EFI ラベルのディスクには適用されず、無視される。 

-b bsize

ファイルシステムの論理ブロックサイズ。4096 バイトまたは 8192 バイト。デフォルトは 8192 バイト。sun4u アーキテクチャでは、4096 バイトのブロックサイズはサポートされない。 

-c cgsize

1 シリンダグループあたりのシリンダ数。値の範囲は 16 から 256 まで。デフォルト値を計算するには、ファイルシステム内のセクター数を 1G バイト内のセクター数で割り、 その結果に 32 を掛ける。デフォルト値は、常に 16 から 256 までの値。 

デフォルト値以外の値を使用したい場合は mkfs コマンドを直接使用する。

このオプションは、EFI ラベルのディスクには適用されず、無視される。 

-C maxcontig

特定のファイルに属し、連続して割り当てられる論理ブロックの最大数。デフォルトは次のようにして計算される。 

maxcontig = ディスクドライブの最大転送サイズ / ディスクブロックサイズ

ディスクドライブの最大転送サイズが不明である場合、maxcontig のデフォルト値は次のようにして計算される。

maxphysufs_maxmaxphys (通常は 1M バイト) よりも小さい場合、maxcontigmaxphys と同じ値に設定される。そうでない場合、maxcontigufs_maxmaxphys と同じ値に設定される。

maxcontig には任意の正の整数を設定できる。

実際の値は、指定された値とハードウェアがサポートする値の、いずれか小さいほうになる。 

このパラメータを後で変更するには、tunefs コマンドを使用する。詳細については、tunefs(1M) のマニュアルページを参照。

-d gap

回転待ち。このオプションはもう使用しません。入力値に関わらず、値は常に 0 に設定されます。 

-f fragsize

ファイルに割り当て可能な最小のディスク容量 (バイト数)。bsizefragsize で割った数は、2 の累乗でなければならない。

ここで、bsize / fragsize は 1、2、4、8 のいずれかである。

つまり、fragsize に指定できるのは、論理ブロックサイズが 4096 の場合は 512、1024、2048、4096 のいずれか、論理ブロックサイズが 8192 の場合は 1024、2048、4096、8192 のいずれかである。デフォルト値は 1024。

1T バイトを超えるファイルシステム、または -T オプションを指定して作成されたファイルシステムの場合、fragsize は強制的にブロックサイズ (bsize) と同じ値に設定される。

-i nbpi

i ノード 1 個当たりのバイト数。この値はファイルシステム内における i ノードの密度を表す。この値でファイルシステムの合計サイズを割ると、作成すべき i ノードの個数が得られる。 

この値は、ファイルシステム内のファイルの予想平均サイズに応じたものにする必要がある。必要とされる i ノードが少ない場合は大きな値を指定し、 作成すべき i ノードが多い場合は小さな値を指定する。 

詳細については、「i ノード数 (ファイルの数)」を参照。

-m free

ファイルシステムで管理される空きディスク領域の最小許容率 (0% から 99%)。一般のユーザーはこの領域を使用できない。ファイルシステムがこのしきい値に達した場合、スーパーユーザーだけがファイルシステムへの書き込みを続行できる。 

デフォルトの予約分は、((64M バイト/パーティションサイズ) * 100) で算出した値はもっとも近い整数に切り捨てられ、ディスク容量の 1% から 10% の範囲に制限される。 

このパラメータは、ファイルシステムを作成した後で、tunefs コマンドを使用して変更できる。

-n nrpos

シリンダグループを分割するさまざまな回転位置の数。デフォルトは 8。 

このオプションは、EFI ラベルのディスクには適用されず、無視される。 

-o opt

最適化のタイプ ( spacetime のいずれか)。ブロックの割り当てにかかる時間を最小化する (time) か、領域の断片化を最小化する (space) ように、ファイルシステムに指示できる。デフォルトは time

-r rpm

1 分当たりのディスクの回転数。この設定はドライバまたはデバイスに固有である。 

このパラメータは、mkfs コマンドに渡される前に 1 秒当たりの回転数に変換される。

このオプションは、EFI ラベルのディスクには適用されず、無視される。 

-s size

ファイルシステムのセクター数。デフォルトでは、パーティション全体が使用される。 

-t ntrack

ディスク上の 1 シリンダあたりのトラック数。デフォルトはディスクラベルから取得される。 

このオプションは、EFI ラベルのディスクには適用されず、無視される。 

raw_device

/dev ディレクトリ内に格納された raw 特殊デバイスデバイス名 (/dev/rdsk/c0t0d0s6 など)。ここで指定されたデバイス上に、ファイルシステムが作成される。この引数は必須。


例 211 newfs コマンドのオプションと引数

次の例は、-N オプションを使用して、バックアップスーパーブロックなどのファイルシステム情報を表示する方法を示しています。


# newfs -N /dev/rdsk/c0t0d0s0
/dev/rdsk/c0t0d0s0:  37260 sectors in 115 cylinders of 9 tracks, 36 sectors
        19.1MB in 8 cyl groups (16 c/g, 2.65MB/g, 1216 i/g)
superblock backups (for fsck -b #) at:
 32, 5264, 10496, 15728, 20960, 26192, 31424, 36656,
#