Solaris UFS ファイルシステムは階層構造になっており、ルートディレクトリ (/) から始まり、下位に多数のディレクトリが形成されています。Solaris のインストールプロセスは、デフォルトのディレクトリセットをインストールし、一連の規則を適用して類似するタイプのファイルをグループ化します。次の表に、デフォルトの Solaris ファイルシステムの概要を示します。
表 152 デフォルトの Solaris ファイルシステム
ファイルシステムまたはディレクトリ |
ファイルシステムのタイプ |
説明 |
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UFS |
階層ファイルツリーの最上位。ルートディレクトリには、カーネル、デバイスドライバ、システムのブートに使用されるプログラムなど、システム処理に欠かせないディレクトリとファイルが入っている。また、ローカルとリモートのファイルシステムをファイルツリーに接続できるマウントポイントディレクトリも入っている。 |
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UFS |
他のユーザーと共有できるシステムファイルとディレクトリ。特定のタイプのシステム上でのみ実行できるファイルは、/usr ファイルシステムに入っている (SPARC 実行可能ファイルなど)。どのタイプのシステム上でも使用できるファイル (マニュアルページなど) は、/usr/share ディレクトリに入っている。 |
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NFS、UFS |
ユーザーのホームディレクトリのマウントポイント。ホームディレクトリには、そのユーザーの作業ファイルが格納される。デフォルトでは、/home ディレクトリは自動マウントされるファイルシステムである。スタンドアロンシステムでは、/home ディレクトリはローカルディスクスライス上の UFS ファイルシステムの場合がある。 |
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UFS |
ローカルシステムの使用中に変化または拡大する可能性のあるシステムファイルとディレクトリ。これには、システムログ、vi と ex のバックアップファイル、および uucp ファイルが含まれる。 |
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NFS、UFS |
オプションの Sun 以外のソフトウェア製品のマウントポイント。一部のシステムでは、/opt ディレクトリはローカルディスクスライス上の UFS ファイルシステムの場合がある。 |
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TMPFS |
システムがブートされるか、/tmp ファイルシステムがマウント解除されるたびに消去される一時ファイル。 |
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PROCFS |
アクティブなプロセスの番号別リスト。 |
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/etc/mnttab |
MNTFS | |
/var/run |
TMPFS |
システムのブート後に不要になる一時ファイルを格納するためのファイルシステム。 |
システムを動作させるには、ルート (/) と /usr のファイルシステムが必要です。/usr ファイルシステムに置かれているもっとも基本的なコマンドの一部 (mount など) は、システムのブート時や、システムがシングルユーザーモードで実行しており、/usr ファイルシステムがマウントされていない場合でも使用できるように、ルート (/) ファイルシステムにも置かれています。ルート (/) と /usr ファイルシステムのデフォルトディレクトリの詳細については、第21章「UFS ファイルシステム (参照情報)」を参照してください。