Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)

ファイルシステムの状態はどのように記録されるか

fsck コマンドは、スーパーブロックに格納された状態フラグを使用して、ファイルシステムの状態を記録します。また、このフラグを使用して、ファイルシステムの整合性をチェックする必要があるか判断します。 このフラグは、ブート時に /sbin/rcS スクリプトによって使用されるか、fsck -m コマンドによって使用されます。fsck -m コマンドの結果を無視する場合は、状態フラグの設定に関係なく、すべてのファイルシステムをチェックできます。

スーパーブロックについては、「スーパーブロック」を参照してください。

次の表に状態フラグの値とその説明を示します。

表 201 ファイルシステムの状態フラグの値

状態フラグの値 

説明 

FSACTIVE

このファイルシステムがマウント済みであり、メモリー内のデータが変更されたことを示す。この状態フラグを持つマウント済みファイルシステムでは、システムの電源が切断されると、ユーザーデータまたはメタデータが失われる。 

FSBAD

このファイルシステムに不整合なファイルシステムデータが含まれていることを示す。 

FSCLEAN

このファイルシステムが正常にマウント解除されており、破損していないことを示す。 

FSLOG

このファイルシステムのロギングが有効になっていることを示す。このフラグが設定されたファイルシステムは、マウントされている場合も、マウント解除されている場合もある。ロギングが有効になっているファイルシステムに設定できるフラグは、FSLOGFSBAD のいずれかだけである。ロギングが無効になっているファイルシステムに設定できるのは、FSACTIVEFSSTABLEFSCLEAN のいずれかである。

FSSTABLE

このファイルシステムがマウント済みであり、アイドル状態であることを示す。この状態フラグを持つマウント済みファイルシステムでは、システムの電源が切断されても、ユーザーデータやメタデータが失われることはない。 

次の表に、fsck コマンドを使用して、初期状態に基づいて状態フラグを変更する方法を示します。

表 202 fsck による状態フラグの変更内容

初期状態 : fsck の実行前

 

fsck の実行後

 

 

 

エラーなし 

すべてのエラーを修正済み 

 

エラーが未修正 

不明 

FSSTABLE

FSSTABLE

不明 

FSACTIVE

FSSTABLE

FSSTABLE

FSACTIVE

FSSTABLE

FSSTABLE

FSSTABLE

FSACTIVE

FSCLEAN

FSCLEAN

FSSTABLE

FSACTIVE

FSBAD

FSSTABLE

FSSTABLE

FSBAD

FSLOG

FSLOG

FSLOG

FSLOG