Solaris 9 9/05 ご使用にあたって

システム管理に関するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースにおけるシステム管理に関するバグ情報について説明します。

Solaris 7 の OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4394587)

Solaris 7 のディスクレスクライアントを構成する場合、OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 106978-10 および 107456-01 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと、ディスクレスクライアント追加時に設定したクライアントのパスワードが、正しく反映されない場合があります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

Solaris 8、6/00、10/00 の OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4384092)

Solaris 8、Solaris 8 6/00、Solaris 8 10/00 のディスクレスクライアントを日本語環境で構成する場合は、OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 110416-02 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと日本語入力システム ATOK12 が正しく動作せず、 CDE 上でアプリケーションが正しく起動できないなどの問題が発生することがあります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

Solaris 2.6 3/98 または 5/98 の Sun4U OS サービスにはパッチが必要 (バグ ID: 4150243、4388885)

Solaris 2.6 3/98 または 5/98 の Sun4U ディスクレスクライアントを構成する場合は、 OS サービスを追加した後、OS サービスにパッチ 105654-03 を適用する必要があります。

このパッチを適用しないと Sun4U ディスクレスクライアントがブート中にハングアップすることがあります。

パッチを OS サービスに追加する方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

SPARC: 保存停止・復元再開サイクル中にパニックが発生すると、システムがハングアップすることがある (5062026)

保存停止・復元再開 (cpr) サイクル中にパニックが発生すると、システムがハングアップすることがあります。この問題は、XVR-1000 グラフィックスアクセラレータをインストールした Sun BladeTM 2000 ワークステーションで多く発生します。まれに、ほかの SPARC ベースのシステムでも、パニックが発生したときに同様なハングアップが発生することがあります。パニックが発生した時、コアダンプは保存されず、コンソールにプロンプトが表示されなくなります。この問題は、カーネルデバッガ (kadb) をアクティブにしていると発生しやすくなります。

回避方法: システムを使用できる状態に復元するには、手作業でシステムをリブートしてください。

SPARC: キーボードシーケンスを使用してシステムを停止すると、システムがパニックすることがある (5061679)

Stop-A や L1-A などのキーボードシーケンスを使用してシステムを停止しようとすると、システムがパニックすることがあります。この場合、次のようなエラーメッセージが表示されます。


panic[cpu2]/thread=2a100337d40: pcisch2 (pci@9,700000): 
consistent dma sync timeout

回避方法: OpenBootTM PROM に入るときには、キーボードシーケンスを使用しないでください。

x86: 新しいフレームワークを読み込んだ後にのみ、Universal Serial Bus Architecture モジュラーデバッガが自動的に構成されない (バグ ID: 4982529)

Universal Serial Bus Architecture (USBA) モジュラーデバッガ (mdb) コマンドは、いくつかの x86 システム上では自動的に構成されないことがあります。

回避方法: USBA の mdb コマンドにアクセスするには、mdb を開始した後で次のコマンドを実行して usba mdb モジュールを手動で読み込みます。


> ::load usba

usba mdb モジュールを読み込んだ後で、次のコマンドを実行すると、すべての USB コマンドのリストを取得できます。


> ::dcmds ! grep usb

Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD を使用している場合、ロケール管理ツールがロケールのインストールに失敗する (4967742)

Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD を使用して必要なパッケージをインストールしている場合、ロケール管理ツール (localeadm) は新しいロケールの設定に失敗します。この失敗は、Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD からパッケージをインストールしているときに発生します。このツールは 1 of 2 CD を自動的に排出しません。結果として、次の CD を挿入できず、インストールを継続できません。

回避方法: 自分のロケール用のパッケージをインストールする場合には、Solaris DVD またはネットワークインストールイメージを使用してください。どちらも利用できない場合は、次の手順を実行してください。

  1. インストールしているロケールを設定するために必要な Solaris パッケージの一覧を取得します。

    % localeadm -v -q option

    option は、設定しているロケールの名前です。たとえば、西ヨーロッパロケールの場合は「weu」を入力します。

    パッケージの一覧は、次のインストール CD で見つかった順に表示されます

    • Solaris SOFTWARE 1 of 2 CD

    • Solaris SOFTWARE 2 of 2 CD

    • Languages CD

  2. 一覧に表示されたパッケージを、それぞれの CD から自分のマシンまたはネットワーク上のディレクトリにコピーします。これらのパッケージへの各 CD における正確なパスを知るには、find コマンドを使用します。

  3. localeadm コマンドを再実行して、これらのパッケージをインストールします。ソースディレクトリは、前の手順でパッケージをコピーしたディレクトリです。

x86: BIOS のブート時に F4 キーを押すと Service パーティションのブートに失敗する (バグ ID: 4782757、5051157)

これは、Solaris 9 9/05 (x86 版) ソフトウェアがインストールされた、Service パーティションを保持する Sun LX50 のブート時に発生します。F4 ファンクションキーを押すことで Service パーティションのブートを選択できますが、オプションを選択すると画面が空白になります。システムは Service パーティションのブートに失敗します。

回避方法: BIOS ブート画面の表示時に、F4 キーを押さないでください。タイムアウト後に「Current Disk Partition Information」画面が表示されます。type=DIAGNOSTIC に対応する「Part#」列の番号を選択します。続いて Return キーを押します。Service パーティションがブートします。

Solaris WBEM Services 2.5 デーモンは com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースプロバイダを検出できない (バグ ID:4619576)

Solaris WBEM Services 2.5 デーモンは、com.sun.wbem.provider インタフェースまたは com.sun.wbem.provider20 インタフェースに書き込まれたプロバイダを検出できません。これらのインタフェースに書き込まれたプロバイダ用に Solaris_ProviderPath インスタンスを作成した場合でも、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンはプロバイダを検出しません。

回避方法: デーモンがこのようなプロバイダを検出できるようにするには、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンをいったん停止してから再起動します。


# /etc/init.d/init.wbem stop

# /etc/init.d/init.wbem start

注 –

javax API を使用してプロバイダを作成した場合は、Solaris WBEM Services 2.5 デーモンを停止してから再起動する必要はありません。Solaris WBEM Services 2.5 デーモンが javax プロバイダを動的に認識します。


XML/HTTP トランスポートプロトコル環境では com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースメソッド呼び出しが失敗することがある (バグ ID: 4497393、4497399、4497406、4497411)

javax アプリケーションプログラミングインタフェースではなく、com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースを使用して WBEM ソフトウェアを開発する場合、全面的にサポートされるのは、Common Information Model (CIM) リモートメソッド呼び出し (RMI) だけです。XML/HTTP など、他のプロトコルについては、com.sun アプリケーションプログラミングインタフェースで完全に機能するという保証はありません。

次の表に、RMI では正常に実行され、XML/HTTP では失敗する呼び出しの例を示します。

メソッド呼び出し 

エラーメッセージ 

CIMClient.close()

NullPointerException

CIMClient.execQuery()

CIM_ERR_QUERY_LANGUAGE_NOT_SUPPORTED

CIMClient.getInstance()

CIM_ERR_FAILED

CIMClient.invokeMethod()

XMLERROR: ClassCastException

Solaris 管理コンソール (Management Console) の Mounts and Shares ツールでファイルシステムのマウント属性を変更できない (バグ ID: 4466829)

Solaris 管理コンソール (Management Console) の Mounts and Shares ツールでは、ルート (/)、/usr/var などのシステムに必須なファイルシステム上のマウントオプションを変更できません。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

[日本語環境のみ] Sun ONE Directory Server (旧 iPlanet Directory Server) の Sun ONE Console で GUI 上のレイアウトの問題がある (バグ ID: 4644430)

Sun ONE Console の「証明書の管理」ダイアログ等でボタンが重なって表示されたり、欠けて表示されたりという問題が発生する場合があります。

回避方法 : ウィンドウの幅を広げることでこの問題を回避できます。

admintool を使用してユーザーを作成する場合の注意事項

admintool 上でログインシェルを sh または ksh に指定してユーザーを作成した場合、ホームディレクトリに自動生成される .profile には以下の 1 行が記述されています。

stty istrip

この行は、入力文字を 7 ビットにストリップすることを意味していますので、このままの設定ではそのユーザーが端末上で日本語入力を行うと、文字が化けてしまいます。

回避方法: 上記の 1 行をコメントにするか、もしくは削除してください。