Solaris 9 9/05 リリースにアップグレードする場合の注意事項について説明します。
Solaris Live Upgrade を正しく操作するためには、使用する OS バージョンに特定のパッチリビジョンのセットをインストールする必要があります。
Live Upgrade をインストールする、または実行する前に、特定のパッチリビジョンのセットをインストールする必要があります。http://sunsolve.sun.comを参照して、最新のパッチリストを使用しているかどうか確認してください。さらに詳しい情報は、SunSolve の Web サイトで、info Doc 72099 を参照してください。
Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 リリースを実行している場合、 Solaris Live Upgrade インストールプログラムを実行できない可能性があります。これらのリリースには、JavaTM 2 実行環境を実行するのに必要なパッチセットが含まれていません。
これにより発生する失敗で一番多いのは、Java の例外エラーです。 次のメッセージが表示される場合があります。
InvocationTargetException in ArchiveReader constructornull java.lang.reflect.InvocationTargetException at install.instantiateArchiveReader(Compiled Code) at install.<init>(Compiled Code) at install.main(Compiled Code) |
Solaris Live Upgrade インストールプログラムを実行してパッケージをインストールするためには、Java 2 実行環境の推奨パッチクラスタが必要です。
回避方法: 次の回避方法を完了してください。
pkgadd コマンドを使用して、Solaris Live Upgrade パッケージをインストールします。
詳細な手順については、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』の第 35 章「Solaris Live Upgrade によるブート環境の作成 (作業)」の「Solaris Live Upgrade によるブート環境の作成」を参照してください。
Java 2 実行環境の推奨パッチクラスタをインストールします。パッチクラスタは、http://sunsolve.sun.comで入手できます。 その後、 Solaris Live Upgrade インストールプログラムを使用してパッケージをインストールできます。
使用している Solaris 8 システムが、 Storage Area Network (SAN) に接続されている場合、Solaris 9 9/05 リリースにアップグレードする前にサポートエンジニアに確認してください。SUNWsan がインストールされている Solaris 8 システムを、Solaris 9 9/05 リリースにアップグレードするには特別な手順が必要なことがあります。システムに SUNWsan パッケージがインストールされているかどうかを確認するには、端末ウィンドウで次のコマンドを入力します。
# pkginfo SUNWsan |
SUNWsan パッケージがインストールされていると、次の情報が表示されます。
system SUNWsan SAN Foundation Kit |
Solaris 8 から、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。このため、Solaris suninstallプログラムを使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 9 9/05 へアップグレードすると、既存システムのインストール時に明示的にインストールしなかったロケールが「地域の選択」画面で自動的に選択されます。これは、既存システムのインストール時に明示的に指定していないロケールのソフトウェアが、暗黙のうちにインストールされていたためです。
既存システムのインストール時にインストールするロケールとして明示的に指定しなかったロケールが含まれている地域を、「地域の選択」画面で選択解除することができます。余分なロケールをそのまま選択解除せずにアップグレードを行なっても問題はありません。アップグレードしたシステムには、アップグレード前と同じレベルのロケール環境がサポートされます。ただし、既存のシステムに明示的にインストールしたロケールは、「地域の選択」画面で削除することはできません。
Solaris 9 9/05 INSTALLATION CD (x86 版) を使用して、Solaris 2.6 ソフトウェアまたは Solaris 7 ソフトウェアを実行する x86 システムを Solaris 9 9/05 リリースへアップグレードすることはできません。アップグレードができないのは、x86 ブートパーティションに関する制限事項のためです。
回避方法:x86 システムでは、Solaris 9 9/05 SOFTWARE 1 of 2 CD (x86 版) を使用して、Solaris 2.6 または Solaris 7 ソフトウェアから Solaris 9 9/05 リリースへのアップグレードを行なってください。
Solaris 管理コンソール (Management Console) 2.1 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris Management Console 1.0、1.0.1、1.0.2 ソフトウェアと互換性がありません。Solaris Management ConsoleTM 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 9 9/05リリースおよびその互換バージョンにアップグレードしたい場合は、 Solaris Management Console ソフトウェアをアンインストールする必要があります。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris Management Console ソフトウェアが終了することがあります。
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
アップグレードする前に /usr/bin/prodreg コマンドを実行して、Solaris Management Console ソフトウェアのフルアンインストールを行います。
Solaris 9 9/05 リリースへのアップグレード前に Solaris Management Console ソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 をアンインストールしていなかった場合は、Solaris Management Console ソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 のすべてのパッケージを削除する必要があります。パッケージの削除には prodreg コマンドではなく、pkgrm コマンドを使用します。必ず、手順に記載された順番どおりに削除してください。以下の手順に従います。
スーパーユーザーになります。
次のコマンドを実行します。
# pkginfo |grep "Solaris Management Console" # pkginfo |grep "Solaris Management Applications" # pkginfo |grep "Solaris Diskless Client Management Application" |
上記の出力結果で、 パッケージ名の説明文の先頭に「Solaris Management Console 2.1」という文字列がない場合、そのパッケージは Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアのパッケージです。
pkgrm を使用して、Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
説明文に「Solaris Management Console 2.1」という文字列が含まれているパッケージは削除しないでください。たとえば、SUNWmc.2 は Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアのパッケージです。
pkginfo の出力に、複数のバージョンの Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアパッケージが含まれている場合は、pkgrm を使用して、すべてのバージョンを削除してください。このとき、パッケージ名の末尾に番号が付いていないものを先に削除します。その後で、末尾に番号が付いているものを削除してください。たとえば、pkginfo の出力に SUNWmcman と SUNWmcman.2 が含まれている場合、最初に SUNWmcman を削除して、次に SUNWmcman.2 を削除します。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWmcman # pkgrm SUNWmcapp # pkgrm SUNWmcsvr # pkgrm SUNWmcsvu # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmcsws |
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# rm -rf /var/sadm/pkg/SUNWmcapp |
これで Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアが正しく機能するようになります。将来 Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアの保守を行う際は、または、Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアが正しく機能しない場合は、Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアをいったん削除します。次の手順で再インストールしてください。
pkgrm を使用して、Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
SUNWmc と SUNWmc.2 のように、ある Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアパッケージに対して複数のインスタンスがシステム上に存在する場合は、最初に SUNWmc を削除して、次に SUNWmc.2 を削除してください。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWjadcl # pkgrm SUNWjrmui # pkgrm SUNWjlvmg # pkgrm SUNWjmga # pkgrm SUNWjsmc # pkgrm SUNWpmgr # pkgrm SUNWrmui # pkgrm SUNWlvmg # pkgrm SUNWlvma # pkgrm SUNWlvmr # pkgrm SUNWdclnt # pkgrm SUNWmga # pkgrm SUNWmgapp # pkgrm SUNWmcdev # pkgrm SUNWmcex # pkgrm SUNWwbmc # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmccom |
Solaris 9 9/05 SOFTWARE 1 of 2 CD を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_9_904_sparc/s0/Solaris_9/Product # pkgadd -d . SUNWmgapp |
CD を取り出して、Solaris 9 9/05 SOFTWARE 2 of 2 CD を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_9_904_sparc_2/s0/Solaris_9/Product # pkgadd -d . SUNWmccom SUNWmcc SUNWmc SUNWwbmc SUNWmcex SUNWmcdev SUNWmga SUNWdclnt |
CD を取り出して、Solaris 9 4/04 LANGUAGES CD を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_9_904_lang_sparc/s0/components/Japanese/sparc/Packages # pkgadd -d . SUNWjsmc SUNWjmga SUMWjadcl SUNWjlvmg SUNWjrmui |
これによって、すべての旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェアが削除され、Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアが正しく機能するようになります。