Solaris 9 9/05 ご使用にあたって

アップグレード時に発生するバグ情報

Solaris 9 9/05 リリースへのアップグレード時に発生するバグ情報について説明します。

Solaris Live Upgrade の使用時にインストールプログラムが表示するテキストに関する問題 (バグ ID: 4736488)

Solaris Live Upgrade で luupgrade(1M) コマンドに -i オプションを指定して、アクティブでないブート環境をアップグレードした場合、言語によってはインストールプログラムが表示するテキストが判読不能になります。これは、現在のブート環境にはあるが古いリリースには存在しないフォントを、インストールプログラムが要求した場合に発生します。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

SPARC: アップグレードの際に、SUNWjxcft パッケージの削除でエラーが記録される (バグ ID: 4525236)

Solaris 8 ソフトウェアから Solaris 9 またはそれ以降のリリースへのアップグレードの際、SUNWjxcft パッケージが削除されるときに、次のようなエラーメッセージが upgrade_log ファイルに記録されます。


Removing package SUNWjxcft:
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale
Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias
Removal of <SUNWjxcft> was successful

回避方法: このエラーメッセージは無視してください。アップグレード後の環境で問題は発生しません。

Solaris 9 9/05 リリースにアップグレードすると既存の Secure Shell デーモン (sshd) が使用できなくなることがある (バグ ID: 4626093)

/etc/init.d/sshd デーモンから他社の Secure Shell (OpenSSH など) を実行しているシステムの場合、Solaris 9 9/05 リリースにアップグレードすると、既存の Secure Shell デーモンが使用できなくなります。アップグレード時に、Solaris 9 9/05 のソフトウェアが、Solaris 9 9/05 の sshd/etc/init.d/sshd の内容を上書きし、既存の sshd が失われます。

回避方法: 次のいずれかを実行してください。

/export ディレクトリが満杯に近いシステムのアップグレードが失敗する (バグ ID: 4409601)

/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 9 9/05 リリースにアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生し、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされている場合によく発生します。または、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合にも発生します。次のエラーメッセージが表示されます。


WARNING: Insufficient space for the upgrade.

回避方法: アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。

ディスクレスサーバーおよびディスクレスクライアントのアップグレード (バグ ID: 4363078)

現在のシステムが、Solstice AdminSuiteTM 2.3 の Diskless Client ツールによってインストールされたディスクレスクライアントをサポートしている場合、2 つの手順を実行する必要があります。

  1. 既存のディスクレスクライアントのうち、サーバーと同じ Solaris バージョンで同じアーキテクチャのものをすべて削除します。

  2. Solaris 9 9/05リリースをインストールするか、または Solaris 9 9/05 リリースにアップグレードします。

具体的な手順については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 9 9/05ソフトウェアをインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。


スライス <xxxxxxxx> 上の Solaris のバージョン (version-number) が
アップグレードできません。ディスク上にインストールされたソフトウェア構成に
未知の問題があります。

このエラーメッセージの version-number は、現在、システムで稼働している Solaris のバージョンを表します。<xxxxxxxx> は、このバージョンの Solaris ソフトウェアを実行しているスライスです。