Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) の実行時に発生するバグの情報および注意事項について説明します。
Solaris 9 では、文字集合 JIS X 0212:1990 に対するフォントが、「HeiseiMin-W3H」から、「HG-GothicB-Sun」と「HG-MinchoL-Sun」に変更になりました (今までの平成明朝体も引き続きインストールされますが、利用するにはシステム側の変更が必要となります)。
また、文字集合 JIS X 0213:2000 に関しては UTF-8 ロケール上で利用可能ですが、UNICODE3.1 で定義された文字集合が対象となります (ただし、Java および DPS からの利用はできません)。
ログインサーバーが起動し、共通デスクトップ環境 (CDE) ログインサービスが起動したとき、次の UTF-8 ロケールが利用できません。
ar_SA.UTF-8
el_GR.UTF-8
nl_BE.UTF-8
nl_NL.UTF-8
pt_PT.UTF-8
回避方法: これらのロケールを使用するには、まず、これら以外の UTF-8 ロケールにログインします。その後、コマンド行で LC_ALL 変数を設定します。次に例を示します。
export LC_ALL=ar_SA.UTF-8
この回避方法は SPARC ベースのシステムだけに適用されます。これらのロケールは、x86 ベースのシステムでは利用できません。
CDE デスクトップ環境のリムーバブルメディア自動実行機能は、Solaris 9 9/05 ソフトウェアから一時的に削除されています。
回避方法: CD-ROM などのリムーバブルメディアの自動実行機能を使用するには、次のいずれかを実行する必要があります。
リムーバブルメディアのファイルシステムに移動し、最上位のディレクトリで volstart プログラムを実行します。
CD に記載されている指示に従って、CDE 以外の環境からリムーバブルメディアにアクセスします。
dtmail をコマンド行から起動した場合、FontList オプションが指定されていると、IMAP サーバーに接続した後で dtmail がクラッシュします。次の例を参照してください。
/usr/dt/bin/dtmail -xrm "Dtmail*FontList: -*-r-normal-*:" |
次のエラーメッセージが表示されます。
Segmentation Fault |
この問題は、C および ja ロケールの両方で発生します。
回避方法: dtmail をコマンド行から起動するときは、FontList オプションを指定しないでください。
Solaris 9 9/05 Unicode または UTF-8 ロケールで、行数の多い電子メールメッセージを読むと、CDE Mailer (dtmail) がハングアップしたようになり、メッセージがすぐには表示されません。
回避方法: 次のどちらかを実行してください。
132 桁が表示されるように、dtmail メールボックスウィンドウを拡大する。
次の手順で、Complex Text Layout 機能を使用不可にする。
スーパーユーザーになります。
使用システムのロケールディレクトリに切り替えます。
# cd /usr/lib/locale/locale-name |
上の例では、locale-name はシステムの Solaris 9 9/05 Unicode ロケール名または UTF-8 ロケール名です。
ロケールレイアウトエンジンのカテゴリ名を変更します。
# mv LO_LTYPE LO_LTYPE- |
パッチを適用する場合は、ロケールレイアウトエンジンのカテゴリ名を元の名前 (LO_LTYPE) に戻してから、ロケールレイアウトエンジンにパッチを適用してください。
デスクトップから最後のエントリを削除した後に、PDA デバイスに対して同期処理を実行すると、最後のエントリが PDA デバイスからデスクトップに復元されてしまいます。たとえば、カレンダの最後のアポイントメントやアドレス帳の最後のアドレスが、削除した後に復元されてしまいます。
回避方法: 同期処理を実行する前に、PDA デバイスから最後のエントリを手動で削除してください。
PDA と Solaris 共通デスクトップ環境の間で複数バイトのデータを交換すると、その両方の環境でデータが壊れることがある。
回避方法:SolarisTM PDASync を実行する前に、パソコン上で PDA のバックアップ機能を使用してデータのバックアップを取ります。誤って複数バイトのデータを交換したためにデータが壊れた場合は、バックアップからデータを復元してください。
Solaris PDA Sync で日本語などの複数バイト文字を扱えるようになりましたが、PDA デバイスではコードセット Shift_JIS、Solaris 環境では ja または ja_JP.eucJP ロケール (コードセット eucJP) のように、PDA デバイスと Solaris 環境で異なるコードセットを利用する環境でデータを交換すると、両方の環境において、交換した複数バイト文字データが壊れる可能性があります。
回避方法: PDA Sync を実行する前に必ず、PDA デバイスに付属しているバックアップ機能やバックアップユーティリティを使用して、PC などにデータの完全なバックアップをとってください。間違ってデータ交換をしてしまった場合には、バックアップデータからデータを復旧させてください。
不在返信メッセージを作成する場合、dtmail はその内容を (日本語のメールの場合) ISO-2022-JP エンコーディングではなく、dtmail を起動したエンコーディングで保存します。 このため、不在返信メールを受信した際に、メールの内容が文字化けすることがあります。
回避方法: 不在返信メッセージが保存されている .vacation.msg ファイルを、次のように入力して (日本語のメールの場合) ISO-2022-JP エンコーディングに変更し、保存し直します。
% /usr/bin/iconv -f org_locale -t ISO-2022-JP $HOME/.vacation.msg \ > $HOME/.vacation.msg_tmp % /usr/bin/cp $HOME/.vacation.msg_tmp $HOME/.vacation.msg |
上記の org_locale には、iconv で使用されるコードセット (dtmail で作成した .vacation.msg ファイルのエンコーディングに対応) を指定します。日本語環境では、次の 3 つのいずれかです。
eucJP (ja ロケールの場合) |
PCK (ja_JP.PCK ロケールの場合) |
UTF-8 (ja_JP.UTF-8 ロケールの場合) |
ボリュームマネージャのメッセージを表示するためのダイアログウィンドウは XViewTM アプリケーションなので、ja_JP.PCK ロケールおよび ja_JP.UTF-8 ロケールでは英語表示で起動されます。
ja ロケールで登録したカレンダは、ja_JP.PCK ロケールおよび ja_JP.UTF-8 ロケールで起動されたカレンダ・マネージャで見ることができません (ja_JP.PCK ロケールまたは ja_JP.UTF-8 ロケールで作成した場合も同様です)。
Solaris CDE 1.2 より前のメールプログラムで、オプションメニューの「移動メニューの設定」で登録したメールボックス名に日本語文字列が含まれている場合、Solaris CDE 1.2 以降のメールプログラムではそれらのメールボックス名が文字化けすることがあります。
回避方法: Solaris CDE 1.2 あるいは Solaris CDE 1.3 のメールプログラムで、再度登録してください。