この節では、Message Queue version 4.1 のインストールに関連した問題について説明します。
Message Queue の Version 4.1 は、新しいインストーラでインストールされます。このインストーラは、JDK、NSS ライブラリ、JavaHelp など、Message Queue が必要とする共有コンポーネントもインストールおよびアップグレードします。このインストーラと Java Enterprise System (JES) インストーラは、同じ製品レジストリを共有しません。JES でインストールされたあるバージョンの Message Queue が削除され、Message Queue インストーラで Message Queue 4.1 にアップグレードされた場合、JES 製品レジストリは矛盾する状態になることがあります。その結果、JES アンインストーラを実行すると、JES でインストールしなかった Message Queue 4.1 とそれが依存する共有コンポーネントが意図せずに削除されることがあります。
JES インストーラでインストールしたソフトウェアをアップグレードする最善の方法は、次のとおりです。
JES アンインストーラを使用して、Message Queue とその共有コンポーネントを削除します。
Message Queue インストーラを使用して、Message Queue 4.1 をインストールします。
Message Queue 4. 1 Installer JDK Selection Screen を使用すると、Message Queue で使用するシステムで既存の JDK/JRE を選択できます。残念ながら、示されているリストには、インストーラアプリケーションの実行に使用する JRE も含まれています。この JRE は、インストーラバンドルの一部であり、実際にシステムにインストールされることはありません。(バグ 6585911)
インストーラが使用する JRE はそのパスによって判別可能です。このパスは、解凍されたインストーラディレクトリ内に存在し、サブディレクトリ mq4_1–installer が含まれているはずです。次に例を示します。
some_directory/mq4_1–installer/usr/jdk/instances/jdk1.5.0/jre
この JRE は Message Queue での使用には選択しないでください。代わりに、システム上の別の JDK を選択してください。別の JDK が存在しない場合は、プラットフォームに適した処置を講じてください。
Solaris または Linux の場合: 「Java(TM) SDK のデフォルトバージョンをインストールして使用します。」を選択します。
Windows の場合: Message Queue 4.1 インストーラを実行する前に、JDK をダウンロードしてインストールします。
Message Queue を Windows にインストールするときは、次の制限事項に注意してください。
インストーラは、Message Queue 用のエントリを「スタート」>「すべてのプログラム」メニューに追加しません (バグ 6567258)。管理コンソールを起動するには、『Sun Java System Message Queue 4.1 Administration Guide』の「Starting the Administration Console」に示されているように、コマンド行を使用します。
インストーラは、IMQ_HOME\mq\bin ディレクトリを PATH 環境変数に追加しません。(バグ 6567197)。ユーザーは、Message Queue ユーティリティー (IMQ_HOME\mq\bin\command) を起動するときに、このエントリを PATH 環境変数に追加するか、フルパス名を指定する必要があります。
インストーラは、Message Queue がインストールされたことを示すために Windows レジストリにエントリを追加しません。
サイレントモードで実行すると、インストーラはすぐに返されます。インストールは行われますが、ユーザーにはサイレントインストールがいつ実際に実行されたかを知る方法がありません。 (バグ 6586560)
テキストモード (installer –t) は Windows ではサポートされていません。Windows でテキストモードでインストーラを実行すると、エラーメッセージが表示されます。このメッセージは、インストーラが英語以外のロケールで実行されていても、英語で表示されます。(バグ 6594142)
インストーラの「Install Home」画面に表示される文字列「Install Home」は、インストーラが英語以外のロケールで実行されていても、英語で表示されます。(バグ 6592491)
エラーメッセージおよび「未完了」の概要状態は、installer-n コマンドを使用してインストールしようとしているユーザーの誤解を招きます。コマンドは実際には正常に動作しています。(バグ 6594351)
次に示す問題は、Linux プラットフォームでのインストールに影響します。
「JDK 選択」パネルで、スクロールリストに項目が 1 つしか表示されません。このため、リスト内のほかの JDK を選択することが難しくなります。(バグ 6584735)
JDK が現在のもので、ユーザーが「JDK 選択」画面で「Java(TM) SDK のデフォルトバージョンをインストールして使用します。」を選択した場合、インストーラはその JDK をインストールしようとし、パッケージをインストールできないというレポートを返します。この問題があっても、インストールは正常に完了します。(バグ 6581310)
インストーラを予行モード (installer –n ) で実行すると、「概要」画面にいくつかのエラーメッセージが表示され、「未完了」のインストール状態も表示されます。これは誤りで、誤解を招きます。予行モードでは、何もシステムにインストールされません。後でインストールに使用できる回答ファイルが作成されるだけです。(バグ 6594351)
古いバージョンの Message Queue のローカライズ版 RPM がシステムに存在する場合、Message Queue 4.1 のローカライズ版 RPM のインストール (「多言語パッケージ」の画面で「Message Queue 多言語パッケージをインストールする」を選択した場合) は失敗します。インストールは、前の 3.7 UR1 インストールの Il8 パッケージとの衝突のために失敗します。 (バグ 6594381)
回避策: 4.1 Installer を実行する前に、rpm –e コマンドを使用して手動でローカライズ版 RPM を削除します。ここで関係のある RPM を判別するには、『Sun Java System Message Queue 4.1 Installation Guide』の「Message Queue Packages (RPMs)」を参照してください。
次に示す問題は、すべてのプラットフォームでのインストールに影響します。
インストーラが Message Queue 4.1 のインストールを処理中で、「進行状況」画面が表示されているときは、「取消し」ボタンがアクティブになります。ここで「取消し」ボタンを選択すると、インストールが完了しないか、破棄されます。 (バグ 6595578)
インストーラの「概要」画面には、クリックするとログまたは概要ページビューアが開くリンクがいくつか含まれています。「閉じる」というラベルの付いたボタンの代わりに、ウィンドウの閉じるボタン「X」を使用してこのビューアウィンドウを取り消した場合は、このビューアウィンドウを再度表示することはできません。(バグ 6587138)
回避策:「閉じる」というラベルの付いたボタンを使用してウィンドウを閉じます。
システムに古いバージョンの Message Queue および NSS/NSPR があると、インストーラの「アップグレード」で、アップグレードが必要な Message Queue のリストだけが表示され、NSS/NSPR のアップグレードが必要であることは触れられません。これは、すべての関連ソフトウェアがインストールプロセスの一部としてアップグレードされる (正しい情報が表示される「インストール準備完了」画面に示される) ことに関係した、「更新」画面の問題にすぎません。(バグ 6580696)
回避策: NSS/NSPR ファイルが最新版でない場合は最新版がインストールされ、古いバージョンがアンインストールされるため、回避の必要はありません。
インストーラまたはアンインストーラがテキストモード (installer –t ) で実行されているときは、「概要」画面にログファイルまたは概要ファイルを含むディレクトリが表示されますが、これらのファイルの名前のリストは表示されません。(バグ 6581592)
存在しないファイルの名前を指定すると、矛盾した不明瞭なエラーメッセージが生成されます。 (バグ 6587127)
インストーラには、Message Queue のバージョン情報が隠された形式で表示されます。(バグ 6586507)
Solaris プラットフォームの場合は、下の表を参照して、インストールされているバージョンを判別してください。
表 1–11 バージョンの形式
インストーラで表示されるバージョン |
Message Queue のリリース |
---|---|
4.1.0.0 |
4.1 |
3.7.0.1 |
3.7 UR1 |
3.7.0.2 |
3.7 UR2 |
3.7.0.3 |
3.7 UR3 |
3.6.0.0 |
3.6 |
3.6.0.1 |
3.6 SP1 |
3.6.0.2 |
3.6 SP2 |
3.6.0.3 |
3.6 SP3 |
3.6.0.4 |
3.6 SP4 |
3.6 SP4 のパッチリリースの場合 (たとえば、3.6 SP4 Patch 1)、インストーラで表示されるリリース文字列は同じままです。厳密なバージョンを判別するには、コマンド imqbrokerd –version を実行する必要があります。
Linux プラットフォームの場合は、簡単に形式を変換できません。Linux 上のインストーラで表示されるバージョン番号は、次の形式になります。
<majorReleaseNumber>.<minorReleaseNumber>-<someNumber>
たとえば、3.7–22 のようになります。これにより、3.7 リリースの 1 つであることがわかりますが、どの特定のバージョンかはわかりません。それを判別するには、コマンド imqbrokerd —version を実行します。
次に示す問題は、ローカリゼーションの問題に関係しています。
インストーラを英語以外のロケールでテキストモード (installer –t) で実行すると、マルチバイト文字が文字化けします。 (バグ 6586923)
ユーザーは、インストーラの「概要」画面を使用して「概要」レポートを表示できます。残念ながら、マルチバイトのロケールでインストーラを実行すると、このレポート (HTML ページ) は文字化けします。(バグ 6587112)
回避策: HTML ファイルを編集して、その中に指定されている文字セットを訂正します。HTML ファイルには、次のような部分が含まれているはずです。
meta http-equiv=”Content-Type” content=”text/html; charset=UTF-8
「UTF-8」を「locale_name .UTF-8」に置き換えます。たとえば、Solaris の場合は ja_JA.UTF-8 または ko.UTF-8 に、Linux の場合は ja_JA.utf8 または ko_KO.utf8 にします。
インストーラの「進行状況」画面で、進行状況のバーに見慣れない文字が表示されます。ツールヒントは、英語以外のロケールではハードコードされています。(バグ 6591632)
テキストモード (installer –t) は Windows ではサポートされていません。Windows でテキストモードでインストーラを実行すると、エラーメッセージが表示されます。このメッセージは、インストーラが英語以外のロケールで実行されていても、ローカライズされません。(バグ 6594142)
インストーラの「ライセンス」画面には、インストーラが実行されるロケールに関係なく、英語のライセンステキストが表示されます。(バグ 6592399)
回避策: ローカライズされたライセンスファイルにアクセスするには、LICENSE_MULTILANGUAGE.pdf ファイルを検索してください。
インストーラの使用方法に関するヘルプテキストがローカライズされていません。(バグ 6592493)
インストーラの概要 HTML ページに表示される文字列「None」は、英語でハードコードされています。(バグ 6593089)
著作権のページは、フランス語以外のロケールにはローカライズされていません。(バグ 6590992)
インストーラをドイツ語のロケールで実行すると、ほかのロケールでは表示される開始画面のテキストが正しく表示されません。(バグ 6592666)
インストーラの「Install Home」画面に表示される文字列「Install Home」がローカライズされていません。その文字列は、英語以外のロケールでインストーラを実行しても、英語で表示されます。(バグ 6592491)
テキストモード (installer –t) でインストーラを実行すると、どのロケールでインストーラを実行するかに関係なく、英語の応答選択肢「Yes」および「No」が使用されます。(バグ 6593230)
インストーラの「JDK 選択」画面の参照ボタンのツールヒントは、英語でハードコードされています。(バグ 6593085)