Open HA Cluster インストールガイド

ProcedureCOMSTAR および複数のパスを使用して iSCSI ストレージを構成する

この手順を実行して、ローカルに接続されているストレージ上の OpenSolaris Common Multiprotocol SCSI TARget (COMSTAR) を、複数のクラスタノード間でアクセスを共有するように構成します。この手順では、iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲット間で複数のパスを使用します。また、ミラー化された ZFS ストレージプールの可用性が高くなるように構成します。この手順では、オプションで I/O マルチパス機能 (MPxIO) を構成します。


注 –

iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲット間で単一のパスを使用する場合は、「COMSTAR および単一のパスを使用して iSCSI ストレージを構成する」に進みます。


始める前に

ストレージ構成が Open HA Cluster 2009.06 の要件を満たしていることを確認します。「iSCSI ストレージ」を参照してください。

  1. (省略可能) I/O マルチパス (MPxIO) を使用する場合は、各ノード上で、iSCSI で I/O マルチパス機能が有効化されていることを確認してください。

    この機能は、mpxio-disable プロパティーが no に設定されている場合に有効化されます。


    phys-schost# cat /kernel/drv/iscsi.conf
    …
    mpxio-disable="no";

    I/O マルチパスについては、『Solaris Fibre Channel Storage Configuration and Multipathing Support Guide』を参照してください。

  2. プライベートインターコネクトで使用される各アダプタの IP アドレスを決定します。

    これらのアドレスは、あとで iSCSI ターゲットポートを作成するときに指定します。次に出力例を示します。


    phys-schost# /usr/cluster/bin/clinterconnect status
    === Cluster Transport Paths ===
    
    Endpoint1               Endpoint2               Status
    ---------               ---------               ------
    phys-schost-1:adapter1    phys-schost-2:adapter1    Path online
    phys-schost-1:adapter2    phys-schost-2:adapter2    Path online
    
    phys-schost# ifconfig adapter1
    nge1: flags=201008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4,CoS> mtu
    1500 index 3
            inet 172.16.1.1 netmask ffffff80 broadcast 172.16.1.127
            ether 0:14:4f:8d:9b:3 
    phys-schost# ifconfig adapter2
    e1000g1: flags=201008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4,CoS>
    mtu 1500 index 4
            inet 172.16.0.129 netmask ffffff80 broadcast 172.16.0.255
            ether 0:15:17:35:9b:a1 
  3. 各ノード上で、「Configuring an iSCSI Storage Array With COMSTAR (Task Map)」に記載されている手順を実行します。

    Open HA Cluster 2009.06 構成で COMSTAR iSCSI ターゲットを構成するときは、次の追加指示を参照してください。

    作業 

    マニュアル 

    特別な指示 

    1. 基本設定を実行します。 

    Getting Started with COMSTAR

    SCSI 論理ユニットを作成するには、「How to Create a Disk Partition SCSI Logical Unit」の手順を実行します。

    ディスクスライスではなくディスク全体を sbdadm create-lu コマンドに指定した場合は、あとで cldevice clear コマンドを実行して DID 名前空間を消去します。

    2. iSCSI ターゲットポートを構成します。 

    How to Configure iSCSI Target Ports

    各ノード上のプライベートネットワークアダプタごとに、ターゲットを作成します。 

    3. iSCSI ターゲットを構成します。 

    How to Configure an iSCSI Target for Discovery

    静的検出と SendTargets のいずれかを使用します。動的検出は使用しないでください。 

    4. 論理ユニットを利用可能にします。 

    How to Make Logical Units Available for iSCSI and iSER

     

    5. イニシエータシステムをターゲットストレージにアクセスするように構成します。 

    How to Configure an iSCSI Initiator

    • ノードの clprivnet IP アドレスをターゲットシステムとして指定します。clprivnet インタフェースの IP アドレスを確認するには、次のコマンドを実行します。次に出力例を示します。


      phys-schost# ifconfig clprivnet0
          clprivnet0:
          flags=1009843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,\
          MULTI_BCAST,PRIVATE,IPv4>
          mtu 1500 index 5
          inet 172.16.4.1 netmask fffffe00 broadcast \
          172.16.5.255
          ether 0:0:0:0:0:1 
    • 完了したら、各ノード上でグローバルデバイス名前空間を更新および生成します。


      phys-schost# scdidadm -r
      phys-schost# cldevice populate
      

  4. 新たに作成された各デバイスのフェンシングを無効化します。


    phys-schost# /usr/cluster/bin/cldevice set -p default_fencing=nofencing-noscrub device
    
  5. 1 つのノードから、各ノード上に作成した DID デバイスからミラー化された ZFS ストレージプールを作成します。


    phys-schost# zpool create pool mirror /dev/did/dsk/dNsX /dev/did/dsk/dYsX
    
  6. 1 つのノードから、ミラー化された ZFS ストレージプールを HAStoragePlus リソースとして構成します。


    phys-schost# /usr/cluster/bin/clresourcegroup resourcegroup
    phys-schost# /usr/cluster/bin/clresourcetype register HAStoragePlus
    phys-schost# /usr/cluster/bin/clresource create -g resourcegroup -t HASToragePlus  \
    -p Zpools=pool resource
    phys-schost# /usr/cluster/bin/clresourcegroup manage resourcegroup
    phys-schost# /usr/cluster/bin/clresourcegroup online resourcegroup
    
次の手順

IP セキュリティーアーキテクチャー (IP Security Architecture、IPsec) を使用してクラスタインターコネクト上の TCP/IP 通信を保護する場合は、「クラスタプライベートインターコネクト上で IP セキュリティーアーキテクチャー (IPSec) を構成する」に進みます。

その他の場合は、クラスタで実行するデータサービスを構成します。「データサービスの構成」に進みます。