この章では、クラスタノードに Open HA Cluster 2009.06 ソフトウェアをインストールする手順について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
この節では、クラスタノードにソフトウェアをインストールするための情報と手順を紹介します。
この手順を実行して、各クラスタノードに OpenSolaris 2009.06 ソフトウェア をインストールします。
クラスタノードとしてインストールするマシンに接続します。
スーパーユーザーになります。
OpenSolaris 2009.06 ソフトウェア をインストールします。
『OpenSolaris Automated Installer Guide』の指示に従います。x86 ベースのプラットフォームの場合は、代わりに「Installing OpenSolaris From the Live CD」の指示に従うこともできます。
COMSTAR を使用する場合は、iSCSI パッケージをインストールします。
phys-schost# pkg install SUNWstmf SUNWiscsi SUNWiscsit |
「Open HA Cluster ソフトウェアのダウンロードを準備する」に進みます。
クラスタノードとしてインストールする各マシン上で、この手順を実行します。さらに、定足数デバイスとして定足数サーバーを使用する場合は、定足数サーバーとしてインストールするマシン上で、この手順を実行します。
OpenSolaris 2009.06 ソフトウェア がインストールされていることを確認します。「クラスタノードに OpenSolaris ソフトウェアをインストールする」を参照してください。
ソフトウェアをダウンロードするマシン上で、スーパーユーザーになります。
または、ユーザーアカウントに「主管理者」プロファイルが割り当てられている場合は、ルートユーザー以外でプロファイルシェルからコマンドを実行するか、またはコマンドの前に pfexec コマンドを付けます。
Web ブラウザを開きます。
pkg.sun.com に登録して、Open HA Cluster リポジトリ (pkg.sun.com/opensolaris/ha-cluster/) で必要なキーおよび証明書を取得します。
次のコマンドは、Open HA Cluster リポジトリ用のダウンロードされたキーファイルおよび証明書ファイルを含む /var/pkg/ssl ディレクトリの作成を示します。
phys-schost# mkdir -m 0755 -p /var/pkg/ssl phys-schost# cp -i ~/Download/Open_HA_Cluster_2009.06.key.pem /var/pkg/ssl phys-schost# cp -i ~/Download/Open_HA_Cluster_2009.06.certificate.pem /var/pkg/ssl |
詳細は、「Using Keys and Certificates for Repositories」を参照してください。
Open HA Cluster 2009.06 パッケージリポジトリの場所を設定します。
前の手順で取得したキーファイルおよび証明書ファイルの場所を指定します。
phys-schost# /usr/bin/pkg set-publisher \ -k /var/pkg/ssl/Open_HA_Cluster_2009.06.key.pem \ -c /var/pkg/ssl/Open_HA_Cluster_2009.06.certificate.pem \ -O https://pkg.sun.com/opensolaris/ha-cluster/ ha-cluster |
ha-cluster の発行元およびリポジトリの場所を確認します。
phys-schost# /usr/bin/pkg publisher PUBLISHER URL opensolaris.org http://pkg.opensolaris.org/release ha-cluster https://pkg.sun.com/opensolaris/ha-cluster/ |
クラスタで定足数デバイスとして使用するために定足数サーバーとしてマシンをインストールする場合は、「定足数サーバーソフトウェアをインストールして構成する」に進みます。
クラスタプライベートインターコネクトで仮想ネットワークインタフェース (Virtual Network Interface、VNIC) を使用し、VNIC を事前に構成する場合は、「仮想ネットワークインタフェース (Virtual Network Interface、VNIC) を作成する」に進みます。代わりに、「カスタム」モードで scinstall ユーティリティーを実行すると、クラスタの構成中に VNIC を作成できます。
その他の場合は、「Open HA Cluster 2009.06 ソフトウェアをインストールする」に進みます。
この手順を実行して、ホストサーバーを定足数サーバーとして構成します。
次の作業を実行します。
pkg.sun.com に登録され、インストールするマシンでパッケージのダウンロードに必要な設定が行われていることを確認します。「Open HA Cluster ソフトウェアのダウンロードを準備する」を参照します。
定足数サーバーに選択するマシンに、定足数サーバーソフトウェアのインストールに使用できるディスク容量が 1 M バイト以上あることを確認します。
定足数サーバーマシンがクラスタノードにアクセスできるパブリックネットワークに接続されていることを確認します。
定足数サーバーが動作するクラスタのパブリックネットワークに接続されたポートの Ethernet スイッチのスパニングツリーアルゴリズムを無効にします。
定足数サーバーソフトウェアをインストールするマシンでスーパーユーザーになります。
または、ユーザーアカウントに「主管理者」プロファイルが割り当てられている場合は、ルートユーザー以外でプロファイルシェルからコマンドを実行するか、またはコマンドの前に pfexec コマンドを付けます。
定足数サーバーパッケージをインストールします。
quorumserver# /usr/bin/pkg install ha-cluster-quorum-server-full |
(省略可能) 定足数サーバーのバイナリの場所を PATH 環境変数に追加します。
quorumserver# PATH=$PATH:/usr/cluster/bin |
(省略可能) 定足数サーバーのマニュアルページの場所を PATH 環境変数に追加します。
quorumserver# MANPATH=$MANPATH:/usr/cluster/man |
次のエントリを /etc/scqsd/scqsd.conf ファイルに追加して、定足数サーバーに関する構成情報を指定します。
インスタンス名またはポート番号の少なくとも一方を使用して、定足数サーバーを識別します。ポート番号は指定する必要がありますが、インスタンス名はオプションです。
インスタンス名を指定する場合、その名前は定足数サーバー間で一意にします。
インスタンス名を指定しない場合、常に、定足数サーバーが待機するポートによりこの定足数サーバーを参照します。
/usr/cluster/lib/sc/scqsd [-d quorumdirectory] [-i instancename] -p port |
定足数サーバーが定足数データを格納できるディレクトリへのパスです。
クラスタ固有の定足数情報を格納するために、定足数サーバープロセスはこのディレクトリに 1 クラスタにつき 1 つのファイルを作成します。
デフォルトでは、このオプションの値は /var/scqsd です。このディレクトリは、ユーザーが構成する各定足数サーバーに対して一意にします。
定足数サーバーインスタンスに対してユーザーが選択する一意の名前です。
定足数サーバーがクラスタからの要求を待機するポート番号です。
(省略可能) 複数のクラスタにサービスを提供し、別のポート番号またはインスタンスを使用する場合は、必要な定足数サーバーの追加のインスタンスごとに追加エントリを構成します。
新しく構成した定足数サーバーおよびその SMF サービスを起動します。
quorumserver# svcadm enable svc:/system/cluster/quorumserver:default |
クラスタプライベートインターコネクトで仮想ネットワークインタフェース (Virtual Network Interface、VNIC) を使用し、VNIC を事前に構成する場合は、「仮想ネットワークインタフェース (Virtual Network Interface、VNIC) を作成する」に進みます。代わりに、「カスタム」モードで scinstall ユーティリティーを実行すると、クラスタの構成中に VNIC を作成できます。
その他の場合は、「Open HA Cluster 2009.06 ソフトウェアをインストールする」に進みます。
このオプションの手順を実行して、クラスタインターコネクト上に構成する仮想ネットワークインタフェース (Virtual Network Interface、VNIC) を作成します。
「標準」モードで scinstall ユーティリティーを実行してクラスタを確立する場合は、この手順を使用して、プライベートインターコネクトで使用する VNIC を事前に構成します。
代わりに、「カスタム」モードで scinstall ユーティリティーを使用すると、クラスタの初期構成中に VNIC を構成できます。
クラスタノードに Open HA Cluster 2009.06 ソフトウェアをインストールします。「Open HA Cluster 2009.06 ソフトウェアをインストールする」に進みます。
各クラスタノード上でスーパーユーザーとして、この手順の各ステップを実行します。
または、ユーザーアカウントに「主管理者」プロファイルが割り当てられている場合は、ルートユーザー以外でプロファイルシェルからコマンドを実行するか、またはコマンドの前に pfexec コマンドを付けます。
ha-cluster-minimal フレームワークソフトウェアパッケージの一部の各パッケージは、完全に再インストールまたはアンインストールする場合を除いて、追加または削除することができません。クラスタフレームワークパッケージを削除する手順については、「Open HA Cluster ソフトウェアをアンインストールする」を参照してください。
ただし、その他のオプションパッケージは、ha-cluster-minimal クラスタフレームワークパッケージを削除しなくても追加または削除できます。
各ノード上で、OpenSolaris 2009.06 ソフトウェア がインストールされていて、NWAM が無効化されていることを確認します。手順については、「クラスタノードに OpenSolaris ソフトウェアをインストールする」を参照してください。
クラスタノードとしてインストールするマシンに接続します。
Open HA Cluster 2009.06 ソフトウェアをインストールします。
phys-schost# /usr/bin/pkg install package |
次の表は、Open HA Cluster 2009.06 ソフトウェアの主要なグループパッケージ、および各グループパッケージに含まれる主な機能を一覧表示しています。少なくとも、ha-cluster-minimal グループパッケージはインストールする必要があります。
機能 |
ha-cluster-full |
ha-cluster-framework-full |
ha-cluster-data-services-full |
ha-cluster-minimal |
---|---|---|---|---|
フレームワーク |
X |
X |
X |
X |
エージェント |
X |
X | ||
ロケールの設定 |
X |
X |
X | |
フレームワークのマニュアルページ |
X |
X | ||
データサービスのマニュアルページ |
X |
X | ||
エージェントビルダー |
X |
X |
X |
|
汎用データサービス |
X |
X |
X |
パッケージが正常にインストールされたことを確認します。
出力例は次のとおりです。ha-cluster-full グループパッケージのインストール状態をチェックしています。
$ /usr/bin/pkg info -r ha-cluster-full Name: ha-cluster-full Summary: Sun Cluster full installation group package Category: System/HA Cluster State: Installed Publisher: ha-cluster Version: 2009.6 … |
(省略可能) Open HA Cluster バイナリの場所を PATH 環境変数に追加します。
phys-schost# PATH=$PATH:/usr/cluster/bin |
(省略可能) Open HA Cluster のマニュアルページの場所を PATH 環境変数に追加します。
phys-schos# MANPATH=$MANPATH:/usr/cluster/man |
新しいクラスタを確立します。「すべてのノードで Open HA Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)」に進みます。