GNOME 2.0 インストールガイド (Solaris 版)

第 2 章 デスクトップのインストール

この章では、GNOME 2.0 デスクトップをインストールする方法について説明します。

GNOME 2.0 デスクトップのユーザーは、旧バージョンの GNOME デスクトップ (GNOME 1.4 デスクトップなど) を使用しているユーザーと同じシステム上に共存できます。しかし、GNOME 2.0 デスクトップを GNOME 2.0 デスクトップの旧リビジョン (GNOME 2.0 ベータ、あるいは GNOME 2.0.2 をインストールする際には GNOME 2.0) と同じシステム上にインストールすることはできません。GNOME 2.0 デスクトップをインストールするには、まず GNOME 2.0 デスクトップの旧リビジョンを削除する必要があります。詳細は、GNOME 2.0 デスクトップのベータバージョンの削除を参照してください。

インストールウィザードを使った GNOME デスクトップインストールの種類

インストールウィザードを使用して、次のようなインストールを実行できます。

インストールの種類 

インストール可能なパッケージ 

標準 

次のパッケージをインストール可能

  • GNOME 2.0 デスクトップ

  • 必要な Solaris パッチ

カスタム 

次のパッケージをインストール可能

  • GNOME 2.0 デスクトップ

  • 必要な Solaris パッチ

  • GNOME 2.0 ライブラリ 64 ビット

  • GNOME 2.0 開発者

パッチ関連の作業

GNOME 2.0 デスクトップをインストールする前に、パッチに関連した次の作業を行なってください。

  1. パッチの一覧を確認する

  2. パッチのディレクトリに含まれている README ファイルを読む

  3. パッチをインストールする

パッチのディレクトリ

GNOME 2.0 デスクトップのパッチは、次のディレクトリにあります。

SPARC 版 

gnome-install/GNOME/sparc/patches

x86 版  

gnome-install/GNOME/i386/patches

パッチを選択的にインストールしたい場合は、インストールウィザードで Custom インストール (パッチの手動インストール) を選択し、「必要な Solaris パッチ」を選択対象から外してください。可能であれば、シングルユーザーモードでパッチをインストールしてください。シングルユーザーモードでのインストールが不可能な場合は、できるだけシステムを静止状態に近づけて作業を行なってください (ユーザーを全員ログアウトさせてユーザープロセスをすべて停止するなど)。

パッチリスト

デスクトップ環境用のパッチリストは次のサイトで入手できます。 http://www.sun.com/gnome/support.html

インストール時間の目安

すべてのパッチをインストールする必要がある場合、非常に長い時間がかかります。インストールにかかる時間の目安は次のとおりです。

プラットフォーム 

パッチをインストールしない場合 

パッチをインストールする場合 

SPARC 版、Solaris 8 OE 

15 分 

90 分 

SPARC 版、Solaris 9 OE 

15 分 

20 分 

x86 版、Solaris 8 OE 

20 分 

90 分 

x86 版、Solaris 9 OE 

15 分 

20 分 

その他のパッケージ

インストールの際、インストールウィザードは以下のパッケージが存在するか確認します。

パッケージ 

SPARC 版 

x86 版 

SUNWbzip 

必須 

必須 

SUNWfreetype2–64 

必須 

不要 

SUNWfreetype2 

必須 

必須 

SUNWgscr 

必須 

必須 

SUNWgsfot 

必須 

必須 

SUNWgsfst 

必須 

必須 

SUNWjpg 

必須 

必須 

SUNWlxml 

必須 

必須 

SUNWlxmlx 

必須 

不要 

SUNWlxsl 

必須 

必須 

SUNWlxslx 

必須 

不要 

SUNWnsgm 

必須 

必須 

SUNWsogm 

必須 

必須 

SUNWpng 

必須 

必須 

SUNWTiff 

必須 

必須 

SUNWzlib 

必須 

必須 

インストールウィザードがパッケージを見つけた場合は、何の処理も行いません。必須パッケージを見つけられない場合は、インストール時にインストールします。

ユーザードキュメントのインストール

ユーザードキュメントは tarball に含まれています。tarball を展開すると、ドキュメントファイルも展開されます。しかし、インストール処理ではドキュメントファイルのインストールは行われません。

多くの場合、インストール完了後には tarball と展開済みのファイルを削除することが考えられます。そこで、ユーザードキュメントを保存したい場合は、展開したファイルディレクトリを削除する前に、それらのファイルをシステムにコピーしてください。

ユーザードキュメントのディレクトリについては、第 4 章「GNOME 2.0 デスクトップを使った作業についての情報」を参照してください。

インストールウィザードを使った GNOME デスクトップのインストール

インストールウィザードを使用してデスクトップ環境をインストールするには、次の手順に従ってください。

  1. root としてログインし、端末ウィンドウを開きます。

  2. cd コマンドで gnome-install ディレクトリへ移動します。

  3. 次のコマンドを実行してインストールウィザードを起動します。# ./install

  4. インストールウィザードの指示に従ってインストールの内容を決定します。

  5. ライセンス条項が表示されたら、「受諾」をクリックします。「受諾」をクリックしないとインストールを継続できません。

  6. 「インストール開始」をクリックします。

  7. インストールが完了したら、インストールウィザードを終了します。

  8. インストールウィザードがシステムの再起動を求める場合はシステムを再起動してください。

Jumpstart スクリプトによる GNOME デスクトップのインストール

GNOME 2.0 デスクトップの基本バージョンは、次の Jumpstart スクリプトを使用してインストールできます。

SPARC 版 

gnome-install/GNOME/sparc/pkgs/install

x86 版  

gnome-install/GNOME/i386/pkgs/install

Jumpstart スクリプトでインストールされる GNOME 2.0 デスクトップ環境の基本バージョンの内容は次のとおりです。

含まれるもの 

オプションの開発パッケージ 

含まれないもの 

  • Zip ライブラリ SUNWbzip および SUNWzlib

  • 64 ビットライブラリ


注 –

その他のパッケージに示されているパッケージは、Jumpstart スクリプトではインストールされません。SUNWxwsvr パッケージもインストールされません。


GNOME デスクトップのアンインストール

デスクトップ環境をアンインストールするには、次の手順に従ってください。

  1. root としてログインし、端末ウィンドウを開きます。

  2. 次のコマンドを実行します。 # /usr/sbin/remove-gnome

Solaris のアップグレードに関する注意事項

GNOME 2.0 デスクトップを Solaris 8 オペレーティング環境にインストールしたあとでシステムを Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードすることは可能です。しかし GNOME 2.0 デスクトップには、Solaris オペレーティング環境ごとに異なる、パッチおよびパッケージへの依存性があります。

Solaris 8 オペレーティング環境から Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードする場合は、以下の作業を行う必要があります。


注 –

Solaris 9 Update 4 には、GNOME デスクトップの更新バージョンが含まれる予定です。将来 Solaris 9 Update 4 にアップグレードすると、新しいバージョンの GNOME デスクトップがインストールされます。