この章では、GNOME 2.0 デスクトップをインストールする方法について説明します。
GNOME 2.0 デスクトップのユーザーは、旧バージョンの GNOME デスクトップ (GNOME 1.4 デスクトップなど) を使用しているユーザーと同じシステム上に共存できます。しかし、GNOME 2.0 デスクトップを GNOME 2.0 デスクトップの旧リビジョン (GNOME 2.0 ベータ、あるいは GNOME 2.0.2 をインストールする際には GNOME 2.0) と同じシステム上にインストールすることはできません。GNOME 2.0 デスクトップをインストールするには、まず GNOME 2.0 デスクトップの旧リビジョンを削除する必要があります。詳細は、GNOME 2.0 デスクトップのベータバージョンの削除を参照してください。
インストールウィザードを使用して、次のようなインストールを実行できます。
インストールの種類 |
インストール可能なパッケージ |
---|---|
標準 |
|
カスタム |
|
GNOME 2.0 デスクトップをインストールする前に、パッチに関連した次の作業を行なってください。
パッチの一覧を確認する
パッチのディレクトリに含まれている README ファイルを読む
パッチをインストールする
GNOME 2.0 デスクトップのパッチは、次のディレクトリにあります。
SPARC 版 |
gnome-install/GNOME/sparc/patches |
x86 版 |
gnome-install/GNOME/i386/patches |
パッチを選択的にインストールしたい場合は、インストールウィザードで Custom インストール (パッチの手動インストール) を選択し、「必要な Solaris パッチ」を選択対象から外してください。可能であれば、シングルユーザーモードでパッチをインストールしてください。シングルユーザーモードでのインストールが不可能な場合は、できるだけシステムを静止状態に近づけて作業を行なってください (ユーザーを全員ログアウトさせてユーザープロセスをすべて停止するなど)。
デスクトップ環境用のパッチリストは次のサイトで入手できます。 http://www.sun.com/gnome/support.html
すべてのパッチをインストールする必要がある場合、非常に長い時間がかかります。インストールにかかる時間の目安は次のとおりです。
プラットフォーム |
パッチをインストールしない場合 |
パッチをインストールする場合 |
---|---|---|
SPARC 版、Solaris 8 OE |
15 分 |
90 分 |
SPARC 版、Solaris 9 OE |
15 分 |
20 分 |
x86 版、Solaris 8 OE |
20 分 |
90 分 |
x86 版、Solaris 9 OE |
15 分 |
20 分 |
インストールの際、インストールウィザードは以下のパッケージが存在するか確認します。
パッケージ |
SPARC 版 |
x86 版 |
---|---|---|
SUNWbzip |
必須 |
必須 |
SUNWfreetype2–64 |
必須 |
不要 |
SUNWfreetype2 |
必須 |
必須 |
SUNWgscr |
必須 |
必須 |
SUNWgsfot |
必須 |
必須 |
SUNWgsfst |
必須 |
必須 |
SUNWjpg |
必須 |
必須 |
SUNWlxml |
必須 |
必須 |
SUNWlxmlx |
必須 |
不要 |
SUNWlxsl |
必須 |
必須 |
SUNWlxslx |
必須 |
不要 |
SUNWnsgm |
必須 |
必須 |
SUNWsogm |
必須 |
必須 |
SUNWpng |
必須 |
必須 |
SUNWTiff |
必須 |
必須 |
SUNWzlib |
必須 |
必須 |
インストールウィザードがパッケージを見つけた場合は、何の処理も行いません。必須パッケージを見つけられない場合は、インストール時にインストールします。
ユーザードキュメントは tarball に含まれています。tarball を展開すると、ドキュメントファイルも展開されます。しかし、インストール処理ではドキュメントファイルのインストールは行われません。
多くの場合、インストール完了後には tarball と展開済みのファイルを削除することが考えられます。そこで、ユーザードキュメントを保存したい場合は、展開したファイルディレクトリを削除する前に、それらのファイルをシステムにコピーしてください。
ユーザードキュメントのディレクトリについては、第 4 章「GNOME 2.0 デスクトップを使った作業についての情報」を参照してください。
インストールウィザードを使用してデスクトップ環境をインストールするには、次の手順に従ってください。
root としてログインし、端末ウィンドウを開きます。
cd コマンドで gnome-install ディレクトリへ移動します。
次のコマンドを実行してインストールウィザードを起動します。# ./install
インストールウィザードの指示に従ってインストールの内容を決定します。
ライセンス条項が表示されたら、「受諾」をクリックします。「受諾」をクリックしないとインストールを継続できません。
「インストール開始」をクリックします。
インストールが完了したら、インストールウィザードを終了します。
インストールウィザードがシステムの再起動を求める場合はシステムを再起動してください。
GNOME 2.0 デスクトップの基本バージョンは、次の Jumpstart スクリプトを使用してインストールできます。
SPARC 版 |
gnome-install/GNOME/sparc/pkgs/install |
x86 版 |
gnome-install/GNOME/i386/pkgs/install |
Jumpstart スクリプトでインストールされる GNOME 2.0 デスクトップ環境の基本バージョンの内容は次のとおりです。
含まれるもの |
オプションの開発パッケージ |
含まれないもの |
|
その他のパッケージに示されているパッケージは、Jumpstart スクリプトではインストールされません。SUNWxwsvr パッケージもインストールされません。
デスクトップ環境をアンインストールするには、次の手順に従ってください。
root としてログインし、端末ウィンドウを開きます。
次のコマンドを実行します。 # /usr/sbin/remove-gnome
GNOME 2.0 デスクトップを Solaris 8 オペレーティング環境にインストールしたあとでシステムを Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードすることは可能です。しかし GNOME 2.0 デスクトップには、Solaris オペレーティング環境ごとに異なる、パッチおよびパッケージへの依存性があります。
Solaris 8 オペレーティング環境から Solaris 9 オペレーティング環境にアップグレードする場合は、以下の作業を行う必要があります。
インストールウィザードを使用して必要な Solaris パッチをインストールする
Solaris 8 パッケージとして残っている GNOME 以外のパッケージを手動で更新する。将来提供される Solaris 9 のパッチを確実にインストールするには、これらのパッケージを削除する必要があります。
Solaris 9 Update 4 には、GNOME デスクトップの更新バージョンが含まれる予定です。将来 Solaris 9 Update 4 にアップグレードすると、新しいバージョンの GNOME デスクトップがインストールされます。