GNOME 2.0 インストールガイド (Solaris 版)

第 1 章 GNOME 2.0 デスクトップインストールの準備

この章では、GNOME 2.0 デスクトップをインストールする前に行う必要のある作業について説明します。

始める前に

GNOME 2.0 デスクトップのダウンロードとインストールを開始する前にこの節を読んでください。

各プラットフォームのインストーラ

使用しているプラットフォームに合わせ、以下の GNOME 2.0 デスクトップのインストーラをダウンロードできます。

インストーラを展開したあとで、インストールウィザード (GUI インストーラ) を使用してデスクトップ環境ソフトウェアをインストールします。

インストーラの内容

表 1–1に、デスクトップ環境インストーラの内容を示します。

表 1–1 デスクトップ環境インストーラの内容

ソフトウェア 

サイズ 

インストール先 

プラットフォームに依存しないデータファイル 

66M バイト 

/usr/share

プラットフォーム固有の構成ファイル 

4M バイト 

/etc

プラットフォーム依存のデスクトップ環境ファイル 

45M バイト 

/usr

システム固有のデータファイル 

1M バイト未満 

/var

オプションの 64 ビットライブラリ 

11M バイト 

/usr/lib/sparcv9

オプションの開発パッケージ 

14M バイト  

/usr

プラットフォームに依存しないオプションの開発パッケージ 

18M バイト 

/usr/share


注 –

上記は GNOME 2.0 デスクトップの英語バージョンの内容です。あとから、GNOME 言語パッケージをインストールできます。


システム要件

次の表 1–2に、GNOME 2.0 デスクトップ環境をインストールする上でのシステム要件を示します。

表 1–2 GNOME 2.0 デスクトップのシステム要件

システムのパラメータ 

要件 

オペレーティングシステム 

  • Solaris 8 オペレーティング環境 (以降は「OE」とします): SPARC 版または x86 版

  • Solaris 9 OE: SPARC 版

  • Solaris 9 Update 2 OE: x86 版

ハードウェア 

GNOME 2.0 デスクトップは、Solaris 8 OE または Solaris 9 OE がサポートするすべてのハードウェア上で実行できます。  

ディスク容量 

ルートパーティションまたは /usr スライスに GNOME 2.0 デスクトップ環境をインストールできるだけの十分なディスク容量がなければなりません。インストール時には、ダウンロードディレクトリに展開される、以下のファイルのサイズとインストールイメージのファイルサイズを合わせた容量が必要となります。

  • デスクトップ環境ファイル

  • 使用しているシステムアーキテクチャに必要なパッチ

  • インストールするオプションパッケージ

各パッケージのサイズについては、表 1–1 を参照してください。

以下に例を示します。  

Solaris 8 SPARC 版とすべてのオプションパッケージをあわせてインストールする場合に必要となる最大の空きディスク容量は次のとおりです。  

  • ダウンロードディレクトリに置かれる展開されたファイル:300M バイト

  • インストールイメージ : 300M バイト

この例では、必要となる最大の空きディスク容量は 600M バイトです。 


注 –

ダウンロードディレクトリのファイルは、インストールイメージのディレクトリに GNOME 2.0 デスクトップ環境が正常にインストールされた後は削除できます。


カーネルの構成 

Solaris 8 OE の場合、共有メモリーセグメントの数は 256 (16 進では 100) 以上でなければなりません。このパラメータが設定されていない場合や、256 未満に設定されている場合は、このパラメータを設定する必要があるというメッセージがインストール時に表示されます。このパラメータを設定するには、次の手順に従ってください。

  1. /etc/system ファイルに次の行を追加します。

    set shmsys:shminfo_shmseg = 0x100

  2. システムを再起動します。

システムファイルの詳細については、次のコマンドを使用して関連するマニュアルページを参照してください。  

% man -s4 system

メモリー 

  • ユーザーセッション当たり 128M バイト

  • Sun RayTM 構成の場合は、ユーザーセッション当たり 96M バイト

AccessX

Sun Ray の thin クライアント以外のシステムで AccessX 機能を有効にするには、次の作業を行なってください。

  1. root としてログインし、端末ウィンドウを開きます。

  2. ファイル /etc/dt/config/Xservers が存在しないことを確認し、次のコマンドを実行します。

    1. mkdir -p /etc/dt/config

    2. cp /usr/dt/config/Xservers /etc/dt/config/Xservers

  3. ファイル /etc/dt/config/Xservers を開きます。

  4. このファイルに指定されている Xsun コマンドラインの最後に次の文字列を追加します。 +kb

  5. Xservers ファイルを保存して終了します。

  6. 次のコマンドを実行します。 pkill -HUP dtlogin

  7. デスクトップ環境をいったんログアウトしてから、再度ログインします。

  8. AccessX を有効にできたかどうかを確認するには、次のコマンドを実行し、拡張機能リスト内に XKEYBOARD があるか確認してください。 % xdpyinfo

インストーラのダウンロード

使用しているプラットフォームに適したインストーラをダウンロードする必要があります。詳細は、各プラットフォームのインストーラを参照してください。インストーラは 1 つのファイルとしてダウンロードします。

インストーラをダウンロードするには

GNOME 2.0 デスクトップのインストーラをダウンロードするには、次の手順に従ってください。

  1. 始める前にの指示に従って操作を行います。

  2. ダウンロードとインストールに使用できる十分なディスク容量があるか確認します。詳細は、システム要件を参照してください。

  3. インストーラをどのディレクトリにダウンロードするか決定します。GNOME 2.0 デスクトップ環境のインストールは root として行う必要があるため、ダウンロードディレクトリは root 権限でアクセスできるものでなければなりません。

  4. 使用しているブラウザで次の Web ページを表示します。 http://www.sun.com/gnome/get.html

  5. このページの Download セクションで、必要なインストーラの Download Now リンクをクリックします。

  6. ダウンロードユーザーとして登録済みの場合はそのままログインし、新規ユーザーの場合は登録ページに進んでください。

  7. Terms of Use ページを読んで「Accept」を選択し、続いて「Continue」をクリックします。

  8. Download ページで、ダウンロードしたい tarball の説明文をクリックします。

  9. Sun Download Center から root 権限でアクセスできるディレクトリへ、インストーラの tar ファイルをダウンロードします。

インストーラを展開するには

インストーラを展開するには、次の手順に従ってください。

  1. cd コマンドを使用し、インストーラの tar ファイルをダウンロードしたディレクトリへ移動します。

  2. システムプラットフォームに応じて、次に示すコマンドのいずれかを実行し、インストーラを展開します。

    SPARC 版 

    % gunzip -c gnome-2_0-fcs-solaris8-sparc.tar.gz | tar xvpf -

    % gunzip -c gnome-2_0-fcs-solaris9-sparc.tar.gz | tar xvpf -

    x86 版  

    % gunzip -c gnome-2_0-fcs-solaris8-x86.tar.gz | tar xvpf -

    % gunzip -c gnome-2_0-fcs-solaris9-x86.tar.gz | tar xvpf -

  3. インストーラの展開が完全に終了した時点で、ダウンロードしたファ イルを削除してディスク領域を解放できます。次に示すコマンドのどれかを実行します。

    SPARC 版 

    % rm gnome-2_0-fcs-solaris8-sparc.tar.gz

    % rm gnome-2_0-fcs-solaris9-sparc.tar.gz

    x86 版  

    % rm gnome-2_0-fcs-solaris8-x86.tar.gz

    % rm gnome-2_0-fcs-solaris9-x86.tar.gz

GNOME 2.0 デスクトップのベータバージョンの削除

システム上に GNOME 2.0 デスクトップのベータバージョンが存在する場合は、GNOME 2.0 デスクトップをインストールする前にベータバージョンを削除する必要があります。GNOME 2.0 デスクトップのベータバージョンを削除するには、次の作業を行なってください。

  1. root としてログインし、端末ウィンドウを開きます。

  2. コマンドプロンプトで次のコマンドを入力します。

    cd gnome-install-directory/gnome-install

    gnome-install-directory には、インストーラを展開したディレクトリを指定してください。

  3. 次のコマンドを実行します。

    # ./remove