以下の手順を実行して、クラスタが Sun Cluster 3.2 ソフトウェアに正しくアップグレードされたことを確認します。Solaris 10 OS では、すべての手順は大域ゾーンからのみ実行してください。
この手順では、長い形式の Sun Cluster コマンドを紹介します。ほとんどのコマンドには、短い形式もあります。これらのコマンドは、コマンド名の形式以外は同一です。コマンドの一覧および短い形式については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の付録 A「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。
アップグレードするすべてのクラスタノードで、すべてのアップグレード手順が完了していることを確認します。
各ノードで、スーパーユーザーになります。
アップグレードした各ノードで、Sun Cluster ソフトウェアのインストールレベルを表示します。
phys-schost# clnode show-rev -v |
出力の最初の行は、どのバージョンの Sun Cluster ソフトウェアでノードが動作しているかを示します。このバージョンはアップグレードするバージョンと一致していなければなりません。
任意のノードから、アップグレードしたクラスタノードがすべてクラスタモード (Online) で動作していることを確認します。
phys-schost# clnode status |
SPARC: Solaris 8 から Solaris 9 ソフトウェアにアップグレードした場合は、ストレージ構成の整合性を確認してください。
各ノード上で、次のコマンドを実行して、ストレージ構成の整合性を確認します。
phys-schost# cldevice check |
構成がこの整合性検査を通過するまで、手順 bに進まないでください。この検査を通らないと、デバイスの識別でエラーが生じ、データの破損を引き起こす可能性があります。
次の表は、cldevice check コマンドからの出力と、必要な対処がある場合は、その対処を示しています。
メッセージの例 |
アクション |
---|---|
device id for 'phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t3d0' does not match physical device's id, device may have been replaced |
「不完全なアップグレードからの回復」に進んで、適切な修復手順を実行してください。 |
device id for 'phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0' needs to be updated, run cldevice repair to update |
なしこのデバイス ID は手順 b で更新します。 |
出力メッセージなし |
なし |
詳細については、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。
各ノードで、Sun Cluster ストレージデータベースを Solaris 9 デバイス ID に移行します。
phys-schost# cldevice repair |
各ノード上で、次のコマンドを実行して、ストレージデータベースの Solaris 9 への移行が成功したことを確認します。
phys-schost# cldevice check |
cldevice コマンドでメッセージが表示された場合は、手順 a に戻って、ストレージ構成またはストレージデータベースにさらに修正を加えます。
cldevice コマンドでメッセージが表示されなければ、デバイス ID への移行に成功しています。すべてのクラスタノードでデバイス ID の移行が確認されたら、「Sun Cluster 3.2 ソフトウェアへのアップグレードを終了する」に進みます。
次の例は、2 ノードクラスタの Sun Cluster 3.2 ソフトウェアへのアップグレードを確認するために使用するコマンドを示しています。クラスタノード名は、phys-schost-1 と phys-schost-2 です。
phys-schost# clnode show-rev -v 3.2 … phys-schost# clnode status === Cluster Nodes === --- Node Status --- Node Name Status --------- ------ phys-schost-1 Online phys-schost-2 Online |