この節では、Sun Cluster コマンドインタフェースに加えられた変更のうち、ユーザースクリプトの停止を引き起こす可能性があるものについて説明します。
Sun Cluster 3.2 リリースから、Sun Cluster ソフトウェアにはオブジェクト指向コマンドセットが含まれます。Sun Cluster ソフトウェアでは引き続き元のコマンドセットをサポートしていますが、Sun Cluster の手順マニュアルではオブジェクト指向コマンドセットだけを使用します。オブジェクト指向コマンドセットについての詳細は、Intro(1CL) のマニュアルページを参照してください。一般的な Sun Cluster 手順のためのオブジェクト指向コマンドのリストについては、『Sun Cluster クイックリファレンス』を参照してください。
scinstall コマンドの次のオプションは、Sun Cluster 3.2 リリースで変更されています。
-d オプションは、-i オプションと一緒には使用されなくなりました。scinstall コマンドで、Sun Cluster ソフトウェアパッケージのインストールが実行されなくなりました。その代わりに、installer コマンドを使用します。詳細は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「Sun Cluster フレームワークとデータサービスソフトウェアパッケージをインストールする」を参照してください。
- d オプションは、-a、-c、および -u オプションとの組み合わせでは引き続き使用できます。
-k オプションは不要になりました。このオプションは、このオプションを使用するユーザースクリプトとの下位互換性のためだけに引き続き提供されています。
-M オプションは使用されなくなりました。その代わりに、クラスタが動作する Solaris OS のバージョンに該当するパッチ管理ツールを使用します。詳細については「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。
scconf の -q オプションは、共有ローカル定足数デバイス (SCSI) とほかのタイプの定足数デバイス (NetAppNAS など) を区別するように変更されました。クラスタに共有定足数デバイスを追加する場合、またはクラスタから共有定足数デバイスを削除する場合は、接続されている共有ストレージデバイスの名前を name サブオプションを使用して指定してください。このサブオプションは、定足数デバイスの状態を変更する際に変更形式のコマンドで使用することもできます。このリリースでも SCSI 共有ストレージデバイスに globaldev サブオプションを使用できますが、ほかのすべてのタイプの共有ストレージデバイスには name サブオプションを使用する必要があります。scconf に対するこの変更と、定足数デバイスに関連した処理の詳細は、scconf(1M)、scconf_quorum_dev_netapp_nas(1M)、scconf_quorum_dev_netapp_nas(1M)、および scconf_quorum_dev_scsi(1M) を参照してください。
Network_resources_used リソースプロパティーを直接変更する必要がなくなりました。その代わりに、Resource_dependencies プロパティーを使用します。RGM は、Resource_dependencies プロパティーの設定に基づいて、Network_resources_used プロパティーを自動的に更新します。これら 2 つのリソースプロパティーの最新の使い方については、「r_properties(5)」 のマニュアルページを参照してください。