Sun Cluster 3.2 ご使用にあたって (Solaris OS 版)

データサービス開発ガイド

この節では、『Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)』 内の記述の誤りと記載漏れについて説明します。

非大域ゾーンの特定のスケーラブルサービスのサポート

『Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)』「リソースタイププロパティー」 で、Failover リソースプロパティーの説明に非大域ゾーンでのスケーラブルサービスのサポートに関する記述が抜けています。このサポートは、リソースタイプの Failover プロパティーが FALSE に設定され、リソースの Scalable プロパティーが TRUE に設定されているリソースに適用されます。このプロパティー設定の組み合わせは、SharedAddress リソースを使用するスケーラブルサービスがネットワークの負荷分散を実行することを示しています。Sun Cluster 3.2 リリースでは、非大域ゾーンで動作するリソースグループでこのタイプのスケーラブルサービスを構成できます。ただし、スケーラブルサービスを同じノードの複数の非大域ゾーンで実行するように構成することはできません。

メソッドのタイムアウト動作が変更されている

Sun Cluster 3.2 リリースにおけるメソッドのタイムアウト動作の変更についての説明がありません。RGM メソッドのコールバックがタイムアウトすると、プロセスは SIGTERM シグナルではなく、SIGABRT シグナルを使用して停止されます。これにより、プロセスグループのすべてのメンバーがコアファイルを生成します。


注 –

新しいプロセスグループを作成するデータサービスメソッドを書かないでください。データサービスメソッドで新しいプロセスグループを作成する必要がある場合は、SIGTERM および SIGABRT シグナルのシグナルハンドラも書きます。シグナルハンドラが親プロセスを終了する前に、SIGTERM または SIGABRT シグナルを子プロセスグループに転送するシグナルハンドラを書きます。これにより、メソッドにより生じたすべてのプロセスが正しく終了する可能性が高くなります。


CRNP は大域ゾーンでのみ動作する

『Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)』の第 12 章「クラスタ再構成通知プロトコル」 に、Solaris 10 OS では CNRP (Cluster Reconfiguration Notification Protocol) が大域ゾーンでのみ動作するという説明が抜けています。

必要な Solaris ソフトウェアグループの説明が不明確

『Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)』「データサービス作成用開発環境の設定」には、Solaris ソフトウェアグループの Developer または Entire Distribution が必要であるという注釈があります。この説明は、開発マシンに該当します。しかし、説明がクラスタ上でのデータサービスのテストについての説明のあとにあるため、データサービスが実行されているクラスタの必要条件であるかのように誤解される可能性があります。