この節では、Sun Cluster のマニュアルページの誤り、記載漏れ、および追加について説明します
ccp(1M) マニュアルページの次の更新された概要の節と追加されたオプションの節は、Cluster Control Panel (CCP) ユーティリティーでセキュアシェルがサポートされるようになったことについて説明しています。
形式
$CLUSTER_HOME/bin/ccp [-s] [-l username] [-p ssh-port] {clustername | nodename} |
オプション
次のオプションを指定できます。
ssh 接続のためのユーザー名を指定します。このオプションは、ユーティリティーが CCP から起動される際、cconsole、crlogin、または cssh ユーティリティーに渡されます。ctelnet ユーティリティーは、このオプションを無視します。
-l オプションが指定されていない場合、CCP を起動したユーザー名が有効になります。
使用するセキュアシェルポート番号を指定します。このオプションは、 ユーティリティーが CCP から起動される際、cssh ユーティリティーに渡されます。cconsole、crlogin、および ctelnet ユーティリティーは、このオプションを無視します。
-p オプションが指定されていない場合、安全な接続のためデフォルトのポート番号 22 が使用されます。
telnet 接続の代わりに、ノードコンソールへのセキュアシェル接続を使うことを指定します。このオプションは、ユーティリティーが CCP から起動される際、cconsole ユーティリティーに渡されます。crlogin、cssh、および ctelnet ユーティリティーは、このオプションを無視します。
-s オプションが指定されていない場合、cconsole ユーティリティーは、コンソールに telnet で接続します。
-s オプションを上書きするには、cconsole グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) で「オプション」メニューの「SSH の使用」チェックボックスを選択解除します。
cconsole、crlogin、cssh、および ctelnet を組み合わせたマニュアルページの、次の更新された「形式」の節と追加された「オプション」の節は、Cluster Control Panel ユーティリティーでセキュアシェルがサポートされるようになったことについて記述しています。
形式
$CLUSTER_HOME/bin/cconsole [-s] [-l username] [clustername… | nodename…] $CLUSTER_HOME/bin/crlogin [-l username] [clustername… | nodename…] $CLUSTER_HOME/bin/cssh [-l username] [-p ssh-port] [clustername… | nodename…] $CLUSTER_HOME/bin/ctelnet [clustername… | nodename…] |
説明
このユーティリティーは、セキュアシェルによりクラスタノードに直接接続を確立します。
オプション
リモート接続のための ssh ユーザー名を指定します。このオプションは、cconsole、crlogin、および cssh コマンドで有効です。
あとで指定されるクラスタとノードが、接続時に同じユーザー名を使用するように、この引数の値は記憶されます。
-l オプションが指定されていない場合、コマンドを起動したユーザー名が有効になります。
使用するセキュアシェルポート番号を指定します。このオプションは、cssh コマンドで有効です。
-p オプションが指定されていない場合、安全な接続のためデフォルトのポート番号 22 が使用されます。
ノードコンソールに接続するために、 telnet の代わりにセキュアシェルを使用することを指定します。このオプションは、cconsole コマンドで有効です。
-s オプションが指定されていない場合、ユーティリティーはコンソールに telnet で接続します。
cconsole グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) から -s オプションを上書きするには、「オプション」メニューの「SSH の使用」チェックボックスを選択解除します。
removeサブコマンドの説明は、特定の条件がある場合、コマンドが機能しないことを意味します。コマンドはこれらの条件で実行されますが、その結果、クラスタに悪影響を及ぼす可能性があります。remove サブコマンドの必要条件と動作のより正確な説明は次のとおりです。
クラスタからノードを削除するには、次のガイドラインに従います。これらのガイドラインを守らないと、ノードの削除により、クラスタ内の定足数が損なわれる可能性があります。
-f オプションを指定していない限り、定足数デバイスから削除するノードを構成解除します。
削除するノードが有効なクラスタメンバーでないことを確認します。
3 ノードクラスタに関しては、少なくとも 1 つの共有定足数デバイスが構成されていない限り、ノードを削除しないでください。
clnode remove コマンドは、クラスタ構成データベースからノードへの参照のサブセットを削除しようとします。-f オプションも指定されている場合、このサブコマンドはノードへのすべての参照を削除しようとします。
clnode remove コマンドを使用してクラスタからノードを削除する前に、ノードがクラスタ認証リストにない場合は、まず claccess add コマンドを使用して、ノードをクラスタ認証リストに追加してください。claccess list または claccess show コマンドを使用して、現在のクラスタ認証リストを表示します。そのあとで、セキュリティーのために、claccess deny-all コマンドを使用して、クラスタノードによるクラスタ構成のアクセスを防ぎます。詳細は、claccess(1CL) のマニュアルページを参照してください。
clresource(1CL) のマニュアルページに次のオプションが抜けています。
+ オペランドを指定する場合に、コマンドがリソースグループが一時停止しているリソースで動作するように指定します。+ オペランドを指定するときに u オプションを指定しない場合、コマンドはリソースグループが停止しているすべてのリソースを無視します。
-u オプションが有効なのは、+ オペランドが clear、disable、enable、monitor、set、および unmonitor サブコマンドに指定されている場合です。
+ オペランドの説明は、clear、disable、enable、monitor、set、または unmonitor サブコマンドと使用するときに、-u オプションも指定しない限り、リソースグループが停止しているすべてのリソースを無視する記述になるべきです。
-p、-x、および -y オプションの + および - オペランドの定義に挙げられている例は誤りです。この定義は次のようになるはずです。
1 つまたは複数の値を文字列配列値に追加します。この演算子は、set サブコマンドでのみ使用できます。この演算子は、たとえば Resource_dependencies のような、文字列値のリストを受け付けるプロパティーに対してのみ指定できます。
1 つまたは複数の値を文字列配列値から削除します。この演算子は、set サブコマンドでのみ使用できます。この演算子は、たとえば Resource_dependencies のような、文字列値のリストを受け付けるプロパティーに対してのみ指定できます。
evacuate サブコマンドのコマンド構文と説明に同じコマンド呼び出し内で 1 つを超えるノードまたはゾーンを退避できるという誤った説明があります。そうではなく、evacuate コマンドで指定できるのは、1 つのノードまたはゾーンだけです。
clresourcegroup(1CL) のマニュアルページに次のオプションが抜けています。
+ オペランドを指定する場合に、コマンドが停止したリソースグループで動作するように指定します。+ オペランドを指定するときに u オプションも指定しない場合、コマンドは停止したリソースグループをすべて無視します。
-u オプションが有効なのは、+ オペランドが add-node、manage、offline、online、quiesce、remaster、remove-node、 restart、set、switch、および unmanage サブコマンドに指定されている場合だけです。
+ オペランドの説明は、add-node、manage、offline、online、quiesce、remaster、remove-node、restart、set、switch、または unmanage サブコマンドと一緒に使用すると、このコマンドは、-u オプションも指定しない限り、停止したリソースグループをすべて無視する記述になるはずです。
Network_resources_used プロパティーの使い方が Sun Cluster 3.2 リリースで変わりました。このプロパティーに値を割り当てない場合、値はリソース依存性プロパティーの設定に基づいて、RGM によって自動的に更新されます。このプロパティーを直接設定する必要はありません。代わりに、Resource_dependencies、Resource_dependencies_offline_restart、Resource_dependencies_restart、または Resource_dependencies_weak プロパティーを設定します。
旧リリースの Sun Cluster ソフトウェアとの互換性を維持するために、Network_resources_used プロパティーの値を直接設定することもできます。この値を設定すると、Network_resources_used プロパティーはリソース依存性プロパティーから取得されなくなります。
Network_resources_used プロパティーにリソース名を追加すると、このリソース名は Resource_dependencies プロパティーにも自動的に追加されます。この依存性を削除する唯一の方法は、Network_resources_used プロパティーから削除することです。ネットワークリソースの依存性がもともと Resource_dependencies プロパティーに追加されていたか、Network_resources_used プロパティーに追加されていたかがよくわからない場合は、両方のプロパティーから依存性を削除します。たとえば、次のコマンドは依存性が Network_resources_used プロパティーに追加されていたか、Resource_dependencies プロパティーに追加されていたかに関わらず、ネットワークリソース r2 のリソース r1 の依存性を削除します。
# clresource set -p Network_resources_used-=r2 -p Resource_dependencies-=r2 r1 |
r_properties(5) のマニュアルページに Resource_dependencies、Resource_dependencies_offline_restart、Resource_dependencies_restart、および Resource_dependencies_weak プロパティーの誤った説明があります。これらのプロパティーの正しい説明については、代わりに『Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)』の「リソースのプロパティー」を参照してください。
Scalable リソースプロパティーの説明に非大域ゾーンでのスケーラブルサービスのサポートに関する記述がありません。このサポートは、リソースタイプの Failover プロパティーが FALSE に設定され、リソースの Scalable プロパティーが TRUE に設定されているリソースに適用されます。このプロパティー設定の組み合わせは、SharedAddress リソースを使用するスケーラブルサービスがネットワークの負荷分散を実行することを示しています。Sun Cluster 3.2 リリースでは、非大域ゾーンで動作するリソースグループでこのタイプのスケーラブルサービスを構成できます。ただし、スケーラブルサービスを同じノードの複数の非大域ゾーンで実行するように構成することはできません。
Failover リソースタイプのプロパティーに Sun Cluster 3.2 リリースの非大域ゾーンでのスケーラブルサービスのサポートに関する誤った記述が含まれます。これは、リソースタイプの Failover プロパティーが FALSE に設定され、リソースの Scalable プロパティーが TRUE に設定されているリソースに適用されます。
(誤)このタイプのスケーラブルサービスはゾーン内では使用できません。
(正)このタイプのスケーラブルサービスは、非大域ゾーンで動作するリソースグループで構成できます。ただし、スケーラブルサービスを同じノードの複数の非大域ゾーンで実行するように構成することはできません。
次の情報は、serialport(4) のマニュアルページの「説明」の節への追加です。
ノードコンソールへのセキュアシェル接続をサポートするには、/etc/serialports ファイル内に、各ノードのコンソールアクセスデバイス名およびセキュアシェルポート番号を指定します。コンソールアクセスデバイスでデフォルトのセキュアシェル構成を使用する場合は、ポート番号 22 を指定します。
SUNW.Event(5) のマニュアルページに、Solaris 10 OS では、CRNP (Cluster Reconfiguration Notification Protocol) は大域ゾーンでのみ動作するという記述が抜けています。