この付録では、標準のリソースタイプ、リソース、リソースグループ、リソースグループの各プロパティーについて説明します。また、システム定義プロパティーの変更および拡張プロパティーの作成に使用するリソースプロパティー属性についても説明します。
リソースタイプ、リソース、リソースグループのプロパティー名は、大文字と小文字が区別されません。プロパティー名を指定する際には、大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。
この付録の内容は次のとおりです。
以下に、Sun Cluster ソフトウェアによって定義されるリソースタイププロパティーを示します。
プロパティー値は以下のように分類されます。
必須。プロパティーはリソースタイプ登録 (RTR) ファイルに明示的な値を必要とします。そうでない場合、プロパティーが属するオブジェクトは作成できません。空白文字または空の文字列を値として指定することはできません。
条件付。RTR ファイル内に宣言を必要とするプロパティーです。宣言がない場合、RGM はこのプロパティーを作成しません。したがって、このプロパティーを管理ユーティリティーから利用することはできません。空白文字または空の文字列を値として指定できます。プロパティーが RTR ファイル内で宣言されており、値が指定されていない場合には、RGM はデフォルト値を使用します。
条件付/明示。RTR ファイル内に宣言と明示的な値を必要とするプロパティーです。宣言がない場合、RGM はこのプロパティーを作成しません。したがって、このプロパティーを管理ユーティリティーから利用することはできません。空白文字または空の文字列を値として指定することはできません。
任意。RTR ファイル内に宣言できるプロパティーです。プロパティーが RTR ファイル内で宣言されていない場合は、RGM がこれを作成し、デフォルト値を与えます。プロパティーが RTR ファイル内で宣言されており、値が指定されていない場合は、RGM は、プロパティーが RTR ファイル内で宣言されないときのデフォルト値と同じ値を使用します。
照会のみ– 管理ツールから直接設定できません。
Installed_nodes と RT_system 以外のリソースタイププロパティーは、管理ユーティリティーで更新を行うことはできません。また、Installed_nodes は RTR ファイル内に宣言できないため、クラスタ管理者のみが設定できます。RT_system には RTR ファイル内で初期値を割り当てることができ、またクラスタ管理者が設定することもできます。
以下にプロパティー名とその説明を示します。
API_version や Boot などのリソースタイププロパティー名では、大文字と小文字が区別されません。プロパティー名を指定する際には、大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。
このリソースタイプの実装のサポートに必要なリソース管理 API の最小バージョン。
次に、Sun Cluster の各リリースがサポートする API_version の最大値を要約します。
2
3
4
5
6
7
8
RTR ファイルにおいて API_version に 2 より大きな値を宣言した場合、そのリソースタイプは、宣言した値より小さな最大バージョンしかサポートしないバージョンの Sun Cluster にはインストールされません。たとえば、あるリソースタイプに API_version=7 を宣言すると、このリソースタイプは、3.2 より前にリリースされた Sun Cluster のバージョンにはインストールされません。
このプロパティーを宣言しないか、このプロパティーをデフォルト値 (2) に設定すると、データサービスは Sun Cluster 3.0 以降の Sun Cluster の任意のバージョンにインストールできます。
任意
2
NONE
任意のコールバックメソッド。RGM がノードまたはゾーン上で実行するプログラムのパスを指定します。このプログラムは、このリソースタイプが管理対象になっているとき、クラスタの結合または再結合を行います。このメソッドは、Init メソッドと同様に、このタイプのリソースを初期化します。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
このプロパティーを TRUE に設定した場合、このタイプのリソースは、複数のノードまたはゾーンで同時にオンラインになる可能性があるどのグループ内でも構成できません。
このリソースタイプのプロパティーは、次のように Scalable リソースのプロパティーと一緒に使用します。
Failover リソースタイプの値 |
Scalable リソースの値 |
説明 |
---|---|---|
TRUE |
TRUE |
この非論理的な組み合わせは指定しないでください。 |
TRUE |
FALSE |
この組み合わせは、フェイルオーバーサービスに対して指定します。 |
FALSE |
TRUE |
この組み合わせは、ネットワーク負荷分散に SharedAddress リソースを使用するスケーラブルサービスに指定します。 SharedAddress については、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版) 』を参照してください。 スケーラブルリソースグループは、非大域ゾーンで動作するように構成できます。ただし、同一ノードの複数の非大域ゾーンで動作するようには構成しないでください。 |
FALSE |
FALSE |
この組み合わせは、ネットワーク負荷分散を使用しない複数マスターサービスを選択 する場合に使用します。 このタイプのスケーラブルサービスはゾーン内で使用可能です。 |
Scalable ついては、r_properties(5) のマニュアルページと、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』の第 3 章「重要な概念 - システム管理者とアプリケーション開発者」を参照してください。
任意
FALSE
NONE
任意のコールバックメソッド。この型のリソースを RGM 管理の対象外にするときに、RGM によって実行されるプログラムのパスです。
Fini メソッドは、通常、Init メソッドにより実行された初期化を元に戻します。
次のような状態が生じた場合にリソースが管理対象外となる各ノードまたはゾーンで、RGM は Fini を実行します。
リソースを含むリソースグループが管理対象外状態に切り替わる。この場合、ノードリストのすべてのノードおよびゾーン上で、RGM は Fini メソッドを実行します。
管理されているリソースグループからリソースが削除される。この場合、ノードリストのすべてのノードおよびゾーン上で、RGM は Fini メソッドを実行します。
リソースを含むリソースグループのノードリストからノードまたはゾーンが削除される。この場合、削除されたノードまたはゾーン上でのみ、RGM は Fini メソッドを実行します。
「ノードリスト」はリソースグループの Nodelist またはリソースタイプの Installed_nodes リストのいずれかです。「ノードリスト」がリソースグループの Nodelist とリソースタイプの Installed_nodes リストのどちらを指すかは、リソースタイプの Init_nodes プロパティーの設定に依存します。Init_nodes プロパティーは RG_nodelist または RT_installed_nodes に設定できます。大部分のリソースタイプでは、Init_nodes はデフォルトである RG_nodelist に設定されます。この場合、Init メソッドと Fini メソッドは両方とも、リソースグループの Nodelist で指定されているノードおよびゾーン上で実行されます。
Init メソッドが実行する初期化の種類は、次のように、ユーザーが実装した Fini メソッドが実行する必要があるクリーンアップの種類を定義します。
ノード固有の構成のクリーンアップ。
クラスタ全体の構成のクリーンアップ。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
RTR ファイルで宣言されている場合、このリソースタイプのメソッドが大域ゾーンで実行されるかどうかを示すブール値。このプロパティーに TRUE が設定されている場合、リソースを含むリソースグループが非大域ゾーンで動作しているときでも、メソッドは大域ゾーンで実行されます。このプロパティーに TRUE を設定するのは、ネットワークアドレスやファイルシステムなど、大域ゾーンから管理できるサービスに対してだけです。
信頼できる既知のソースであるリソースタイプを除いて、Global_zone プロパティーに TRUE が設定されているリソースタイプは登録しないでください。このプロパティーに TRUE を設定したリソースタイプは、ゾーン分離をすり抜け、危険があります。
任意
FALSE
ANYTIME
任意のコールバックメソッド。この型のリソースを RGM 管理対象にするときに、RGM によって実行されるプログラムのパスです。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
RGM が Init、Fini、 Boot、Validate メソッドをコールするノードまたはゾーンを示します。指定できる値は、リソースをマスターできるノードまたはゾーンのみを指定する RG_PRIMARIES、またはこのリソース型がインストールされるすべてのノードまたはゾーンを指定する RT_INSTALLED_NODES のいずれかです。
任意
RG_PRIMARIES
NONE
リソースタイプを実行できるクラスタノードまたはゾーンの名前のリスト。このプロパティーは RGM によって自動的に作成されます。クラスタ管理者は値を設定できます。RTR ファイル内には宣言できません。
このプロパティはクラスタ管理者が構成できます。
すべてのクラスタノードおよびゾーン
ANYTIME
TRUEは、このリソースタイプが、フェイルオーバーインターネットプロトコル (IP) アドレスを管理するLogicalHostname リソースタイプのいずれかのバージョンであることを示します。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
TRUE は、このリソースタイプが、 共有インターネットプロトコル (IP) アドレスを管理する共有アドレスリソースタイプのいずれかのバージョンであることを示します。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
任意のコールバックメソッド。障害モニターの要求によってこのリソースタイプのフェイルオーバーを実行する前に、RGM によって実行されるプログラムのパスです。ノードまたはゾーン上でモニターチェックプログラムがゼロ以外の値とともに終了した場合、GIVEOVER タグ付きで scha_control を呼び出した結果としてのそのノードまたはゾーンへのフェイルオーバーの試みは阻止されます。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
任意のコールバックメソッド。この型のリソースの障害モニターを起動するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
Monitor_start が設定されている場合、必須のコールバックメソッドになります。この型のリソースの障害モニターを停止するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
リソースタイプのインストールに含まれている任意のパッケージリストです。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
任意のコールバックメソッド。この型のリソースがネットワークアドレスリソースに依存している場合、このネットワークアドレスリソースのStopメソッドの呼び出し後に RGM によって実行されるプログラムのパスです。ネットワークインタフェースが停止するように構成されたあと、このメソッドは Stop アクションを実行する必要があります。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
任意のコールバックメソッド。この型のリソースがネットワークアドレスリソースに依存している場合、このネットワークアドレスリソースの Start メソッドの呼び出し前に RGM によって実行されるプログラムのパスです。このメソッドは、ネットワークインタフェースが構成される前に必要な Start アクションを行います。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
このタイプのリソースがプロキシリソースかどうかを示すブール値です。
「プロキシリソース」は、リソースの状態を Oracle Cluster Ready Services (CRS) などの別のクラスタフレームワークからインポートする Sun Cluster リソースです。Oracle クラスタウェア CRS として現在知られている Oracle CRS は、クラスタ環境向けのプラットフォームに依存しないシステムサービスセットです。
プロキシリソースタイプは、Prenet_start メソッドを使用して、外部のプロキシリソースの状態を監視するデーモンを起動します。Postnet_stop メソッドは、この監視デーモンを停止します。この監視デーモンは、CHANGE_STATE_ONLINE または CHANGE_STATE_OFFLINE タグとともに scha_control コマンドを実行し、プロキシリソースの状態をそれぞれ Online または Offline に設定します。scha_control() 関数も同じように SCHA_CHANGE_STATE_ONLINE および SCHA_CHANGE_STATE_OFFLINE タグを使用します。詳細は、scha_control(1HA) と scha_control(3HA) のマニュアルページを参照してください。
TRUE に設定されている場合、リソースはプロキシリソースです。
任意
FALSE
NEVER
リソースタイプの全リソースのリストです。クラスタ管理者はこのプロパティーを直接設定しません。ただし、クラスタ管理者がこの型のリソースをリソースグループに追加したり、リソースグループから削除した場合、RGM はこのプロパティーを更新します。
照会のみ
空のリスト
NONE
リソースタイプの名前。現在登録されているリソースタイプ名を表示するには、次のコマンドを使用します。
resourcetype show +
Sun Cluster 3.1 および Sun Cluster 3.2 では、リソースタイプ名にバージョンが含まれます (必須)。
vendor-id.resource-type:rt-version
リソースタイプ名は RTR ファイル内に指定された 3 つのプロパティー vendor-id、resource-type 、rt-version で構成されます。resourcetype コマンドは、ピリオド (.) とコロン (:) のプロパティーの間に挿入します。リソースタイプの名前の最後の部分、rt-version には、RT_version プロパティーと同じ値が入ります。vendor_id が一意であることを保証するためには、リソース型を作成した会社の株式の略号を使用します。Sun Cluster 3.1 以前に登録されたリソースタイプ名では、引き続き次の構文を使用します。
vendor-id.resource-type
必要
空の文字列
NONE
コールバックメソッドの相対パスのを補完するディレクトリパスです。このパスは、リソースタイプパッケージのインストールディレクトリに設定する必要があります。このパスには、スラッシュ (/) で開始する完全なパスを指定する必要があります。
必須 (絶対パスでないメソッドパスがある場合)
デフォルトなし
NONE
リソース型の簡単な説明です。
条件付き
空の文字列
NONE
リソースタイプの RT_system プロパティーが TRUE の場合、そのリソースタイプは削除できません (resourcetype unregister resource-type-name)。このプロパティーは、LogicalHostname など、クラスタのインフラをサポートするリソースタイプを間違って削除してしまうことを防ぎます。しかし、RT_system プロパティーはどのリソース型にも適用できます。
RT_system プロパティーが TRUE に設定されたリソース型を削除するには、まず、このプロパティーを FALSE に設定する必要があります。クラスタサービスをサポートするリソースを持つリソース型を削除するときには注意してください。
任意
FALSE
ANYTIME
Sun Cluster 3.1 リリース以降では、このリソースタイプの実装を特定する必須バージョン文字列。Sun Cluster 3.0 ではこのプロパティーは任意でした。RT_version は完全なリソースタイプ名のサフィックスコンポーネントです。
条件付き/明示または必須
デフォルトなし
NONE
TRUE は、この型のリソースがクラスタ内に 1 つだけ存在できることを示します。
任意
FALSE
NONE
コールバックメソッド。この型のリソースを起動するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。
RTR ファイルで Prenet_start メソッドが宣言されていないかぎり必須
デフォルトなし
NONE
コールバックメソッド。この型のリソースを停止するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。
RTR ファイルで Postnet_stop メソッドが宣言されていないかぎり必須
デフォルトなし
NONE
任意のコールバックメソッド。この型の実行中のリソースのプロパティーが変更されたときに、RGM によって実行されるプログラムのパスです。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
任意のコールバックメソッド。この型のリソースのプロパティー値を検査するために RGM により実行されるプログラムのパスです。
条件付/明示
デフォルトなし
NONE
Resource_type を参照してください。
条件付き
デフォルトなし
NONE
この節では、Sun Cluster ソフトウェアで定義されているリソースプロパティーについて説明します。
プロパティー値は以下のように分類されます。
必須。クラスタ管理者は、管理ユーティリティーを使ってリソースを作成するとき、必ず値を指定しなければなりません。
任意。クラスタ管理者がリソースグループの作成時に値を指定しないと、システムのデフォルト値が使用されます。
条件付。RGM は、RTR ファイル内にプロパティーが宣言されている場合にかぎりプロパティーを作成します。宣言されていない場合プロパティーは存在せず、クラスタ管理者はこれを利用できません。RTR ファイルで宣言されている条件付きのプロパティーは、デフォルト値が RTR ファイル内で指定されているかどうかによって、必須または任意になります。詳細については、各条件付きプロパティーの説明を参照してください。
照会のみ。管理ツールで直接設定することはできません。
「リソースプロパティーの属性」で説明されている Tunable 属性は、次のように、リソースプロパティーを更新できるかどうか、および、いつ更新できるかを示します。
しない
すべての時刻
リソースをクラスタに追加するとき
リソースが無効なとき
以下にプロパティー名とその説明を示します。
リソース内のサービスのクライアント IP アドレスからの接続は、この時間 (秒数) 内に同じサーバーノードまたはゾーンに送信されます。
このプロパティーは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinity が FALSE に設定されている必要があります。
このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。
任意
デフォルトなし
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
リソースの即時障害検証の呼び出しの間隔 (秒数)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。
RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。
条件付き
デフォルトなし
WHEN_DISABLED
そのリソースのタイプの RTR ファイルで宣言される拡張プロパティー。リソースタイプの実装によって、これらのプロパティーを定義します。拡張プロパティーに設定可能な各属性については、「リソースプロパティーの属性」を参照してください。
条件付き
デフォルトなし
特定のプロパティーに依存
リソースが正常に開始または停止できなかった場合、またはリソースモニターが正常ではないリソースを検出し、その結果再起動またはフェイルオーバーを要求する場合に RGM が取る回復アクションを変更します。
NONE、SOFT、または HARD (メソッドの失敗)
これらの設定が影響するのは、起動または停止メソッド (Prenet_start、Start、Monitor_stop、Stop、Postnet_stop) が失敗した場合のフェイルオーバー動作のみです。RESTART_ONLY 設定と LOG_ONLY 設定は、リソースモニターが scha_control コマンドまたは scha_control() 関数の実行を開始できるかどうかにも影響します。scha_control(1HA) および scha_control(3HA) のマニュアルページを参照してください。NONE は、前述の起動メソッドまたは停止メソッドが失敗する場合に RGM が何の復旧処理も行わないことを示します。SOFT または HARD は、Start または Prenet_start メソッドが失敗した場合、RGM はリソースのグループを別のノードまたはゾーンに再配置することを示します。Start または Prenet_start の失敗に関しては、SOFT と HARD は同じになります。
停止メソッド (Monitor_stop、Stop、または Postnet_stop) の失敗に関しては、SOFT は NONE と同じになります。これらの停止メソッドのいずれかが失敗したときに Failover_mode が HARD に設定されている場合、RGM はノードまたはゾーンをリブートして、強制的にリソースグループをオフライン状態にします。これにより RGM は別のノードまたはゾーンでグループの起動を試みることが可能になります。
RESTART_ONLY または LOG_ONLY
起動メソッドまたは停止メソッドが失敗する場合にフェイルオーバー動作に影響を与える NONE、SOFT、HARD とは異なり、RESTART_ONLY と LOG_ONLY はすべてのフェイルオーバー動作に影響を与えます。フェイルオーバー動作には、モニター起動 (scha_control) によるリソースやリソースグループの再起動や、リソースモニター (scha_control) によって開始されるギブオーバーなどがあります。RESTART_ONLY は、モニターが scha_control を実行してリソースまたはリソースグループを再起動できることを意味します。RGM では、Retry_interval の間に Retry_count 回数だけ再起動を試行できます。Retry_count の回数を超えると、それ以上の再起動は許可されません。
Retry_count の負の値は、リソースタイプによっては適用できませんが、リソースを無制限に再起動できることを指定します。より確実に無制限の再起動を指定するには、次の手順を実行します。
Retry_interval に 1 や 0 などの小さい値を指定します。
Retry_count に 1000 などの大きい値を指定します。
リソースタイプが Retry_count および Retry_interval プロパティーを宣言しない場合は、リソースは回数の制限なく再起動できます。
Failover_mode が LOG_ONLY に設定されている場合、リソースの再起動またはギブオーバーは許可されません。Failover_mode に LOG_ONLY を設定するのは、 Failover_mode に RESTART_ONLY を設定し、Retry_count にゼロを設定するのと同じことです。
RESTART_ONLY または LOG_ONLY (メソッドの失敗)
Prenet_start、Start、Monitor_stop、Stop、または Postnet_stop メソッドが失敗した場合、 RESTART_ONLY と LOG_ONLY は NONE と同じことです。つまり、ノードまたはゾーンのフェイルオーバーやリブートはどちらも行われません。
データサービスに対する Failover_mode 設定の影響
Failover_mode の各設定がデータサービスに及ぼす影響は、データサービスが監視されているかどうか、およびデータサービスが Data Services Development Library (DSDL) に基づいているかどうかによって決まります。
データサービスが監視の対象となるのは、そのサービスが Monitor_start メソッドを実装しており、かつリソースの監視が有効になっている場合です。RGM は、リソースそれ自体を起動したあとで Monitor_start メソッドを実行することにより、リソースモニターを起動します。リソースモニターはリソースが正常であるかどうかを検証します。検証が失敗した場合、リソースモニターは scha_control() 関数を呼び出すことにより、再起動またはフェイルオーバーを要求できます。DSDL ベースのリソースの場合、検証によりデータサービスの部分的な障害 (機能低下) または完全な障害が明らかになる場合があります。部分的な障害が繰り返し蓄積されると、完全な障害になります。
データサービスが監視されないのは、データサービスが Monitor_start メソッドを提供しないか、リソースの監視が無効になっている場合です。
DSDL ベースのデータサービスには、Agent Builder や GDS により開発されたデータサービス、または DSDL を直接使用して開発されたデータサービスが含まれます。HA Oracle など一部のデータサービスは、DSDL を使用せずに開発されています。
NONE、SOFT、または HARD (検証の失敗)
Failover_mode が NONE、SOFT、または HARD に設定され、データサービスが監視対象の DSDL ベースのサービスであり、また検証が完全に失敗した場合、モニターは scha_control () 関数を呼び出してリソースの再起動を要求します。検証が失敗し続ける場合、リソースは Retry_interval 期間内の Retry_count の最大回数まで再起動されます。Retry_count の再起動数に到達したあとも検証が再び失敗した場合、モニターは別のノードまたはゾーンに対してリソースのグループのフェイルオーバーを要求します。
Failover_mode が NONE、SOFT、または HARD に設定されていて、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスである場合、検出される障害はリソースのプロセスツリーの終了のみです。リソースのプロセスツリーが故障すると、リソースが再起動されます。
データサービスが DSDL ベースのサービスではない場合、再起動またはフェイルオーバー動作は、リソースモニターがどのようにコード化されているかによって決まります。たとえば Oracle リソースモニターは、リソースまたはリソースグループを再起動するか、リソースグループのフェイルオーバーを行うことで回復します。
RESTART_ONLY (検証の失敗)
Failover_mode が RESTART_ONLY に設定され、データサービスが監視対象の DSDL ベースのサービスである場合、検証が完全に失敗すると、リソースは Retry_interval の期間内に Retry_count の回数再起動されます。ただし、Retry_count の回数を超えると、リソースモニターは終了し、リソースの状態を FAULTED に設定して、状態メッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点で監視はまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上監視対象外になります。
Failover_mode が RESTART_ONLY に設定され、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスである場合、プロセスツリーが故障すると、リソースは再起動されません。
監視対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_mode が RESTART_ONLY に設定されている場合、リソースまたはリソースグループは、Retry_interval 内で Retry_count の回数 scha_control() 関数を呼び出すことで再起動できます。リソースグループが Retry_count を超過すると、再起動の試行が失敗します。モニターが scha_control() 関数を呼び出してフェイルオーバーを要求する場合、その要求も同様に失敗します。
LOG_ONLY (検証の失敗)
Failover_mode がデータサービスに対して LOG_ONLY に設定されている場合、すべての scha_control() はリソースまたはリソースグループの再起動を要求するか、除外されているグループのフェイルオーバーを要求します。データサービスが DSDL ベースである場合、検証が完全に失敗した場合メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。プローブが Retry_interval 内で Retry_count の回数よりも多く完全に失敗した場合、リソースモニターは終了し、リソースのステータスを FAULTED に設定し、ステータスメッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点で監視はまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上監視対象外になります。
Failover_mode が LOG_ONLY に設定されていて、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスであり、プロセスツリーが故障した場合、メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。
監視対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_mode が LOG_ONLY に設定されている場合、すべての scha_control() 要求はリソースまたはリソースグループを再起動するか、グループの障害をフェイルオーバーします。
任意
NONE
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
使用する負荷均衡ポリシーを定義する文字列。このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Load_balancing_policy には次の値を設定できます。
Lb_weighted (デフォルト)。Load_balancing_weights プロパティーに設定されている重みにより、さまざまなノードに負荷が分散されます。
Lb_sticky。スケーラブルサービスの指定のクライアント (クライアントの IP アドレスで識別される) は、常に同じクラスタノードに送信されます。
Lb_sticky_wild。ワイルドスティッキーサービスの IP アドレスに接続する Lb_sticky_wild で指定されたクライアントの IP アドレスは、IP アドレスが到着するポート番号とは無関係に、常に同じクラスタノードに送られます。
条件付き/任意
Lb_weighted
AT_CREATION
このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。形式は、「weight@node, weight@node」になります。weight は指定のノード (node) に対する負荷分散の相対的な割り当てを示す整数になります。ノードに分散される負荷の割合は、すべてのウエイトの合計でこのノードのウエイトを割った値になります。たとえば 1@1,3@2 は、ノード 1 が負荷の 1/4 を受け取り、ノード 2 が負荷の 3/4 を受け取ることを指定します。デフォルトの空の文字列 ("") は、一定の分散を指定します。明示的にウエイトを割り当てられていないノードのウエイトは、デフォルトで 1 になります。
RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は ANYTIME になります。このプロパティーを変更すると、新しい接続時にのみ分散が変更されます。
条件付き/任意
空の文字列 (“”)
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
クラスタ管理者が管理ユーティリィティーを使ってモニターを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。Disabled に設定されている場合、リソースの監視は停止されますが、リソースそれ自体はオンラインのままになります。監視が再度有効になるまで、Monitor_start メソッドは呼び出されません。リソースが、モニターのコールバックメソッドを持っていない場合は、このプロパティーは存在しません。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
このリソースが依存関係を持っている論理ホスト名または共有アドレスネットワークリソースのリスト。このリストには、プロパティー Resource_dependencies、Resource_dependencies_weak、Resource_dependencies_restart、または Resource_dependencies_offline_restart に現れるすべてのネットワークアドレスリソースが含まれます。
RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Scalable が RTR ファイルで宣言されていない場合、Network_resources_used は RTR ファイルで明示的に宣言されていない限り使用できません。
このプロパティーは、リソース依存関係プロパティーの設定に基づいて、RGM により自動的に更新されます。このプロパティーを直接設定する必要はありません。しかし、このプロパティーにリソース名を追加する場合、そのリソース名は自動的に Resource_dependencies プロパティーに追加されます。また、このプロパティーからリソース名を削除する場合、そのリソース名は自動的に、そのリソースが現れるすべてのリソース依存関係プロパティーから削除されます。
条件付き任意
空のリスト
ANYTIME
過去 n 秒以内にこのリソースで発生した再起動要求の数。n は、Retry_interval プロパティーの値です。
再起動要求は、次に示す呼び出しのいずれかです。
RESOURCE_RESTART 引数を持つ scha_control(1HA) コマンド。
SCHA_RESOURCE_RESTART 引数を持つ scha_control(3HA) 関数。
RESOURCE_IS_RESTARTED 引数を持つ scha_control コマンド。
SCHA_RESOURCE_IS_RESTARTED 引数を持つ scha_control 関数。
リソースが次に示す処理のいずれかを実行した場合、RGM は、ある特定のノードまたはゾーン上にある特定のリソースに対して再起動カウンタを必ず 0 にリセットします。
GIVEOVER 引数を持つ scha_control コマンド。
SCHA_GIVEOVER 引数を持つ scha_control 関数。
カウンタは、ギブオーバーの試行が成功した場合でも失敗した場合でもリセットされます。
リソース型が Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、この型のリソースに Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。
照会のみ
デフォルトなし
説明を参照
過去 n 秒以内にこのリソースに対して発生したリソースグループ再起動要求の数。n は、Retry_interval プロパティーの値です。
リソースグループ再起動要求は、次に示す呼び出しのいずれかです。
RESTART 引数を持つ scha_control(1HA) コマンド。
SCHA_RESTART 引数を持つ scha_control(3HA) 関数。
リソース型が Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、この型のリソースに Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。
照会のみ
デフォルトなし
説明を参照
クラスタ管理者が管理ユーティリィティーを使ってリソースを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。無効に設定されている場合、リソースはオフラインにされ、再度有効にされるまでコールバックは実行されません。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
サーバーが待機するポートの番号リストです。ポート番号には、スラッシュ (/) と、そのポートで使用されるプロトコルが付加されます (たとえば、Port_list=80/tcp や Port_list=80/tcp6,40/udp6 など)。
プロトコルには、次のものを指定できます。
tcp (TCP IPv4)
tcp6 (TCP IPv6)
udp (UDP IPv4)
udp6 (UDP IPv6)
Scalable プロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合、RGM は自動的に Port_list を作成します。それ以外の場合、このプロパティーは RTR ファイルで明示的に宣言されていないかぎり使用できません。
Apache 用にこのプロパティーを設定する方法は、『Sun Cluster Data Service for Apache Guide for Solaris OS』を参照してください。
条件付き/必須
デフォルトなし
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
リソースによってプロキシされる SMF サービスに関する情報を含みます。値はプロキシされるすべての SMF サービスを含むファイルのパスです。ファイル内の各行は 1 つのSMF サービス専用で、svc fmri および対応するサービスマニフェストファイルのパスを指定します。
たとえば、リソースが 2 つのサービス、 restarter_svc_test_1:default と restarter_svc_test_2:default を管理する必要がある場合、ファイルには次に示す 2 行が含まれているはずです。
<svc:/system/cluster/restarter_svc_test_1:default>,svc:/system/cluster/\ restarter_svc_test_1:default>,</var/svc/manifest/system/cluster/\ restarter_svc_test_1.xml> <svc:/system/cluster/restarter_svc_test_2:default>,</var/svc/manifest/\ system/cluster/restarter_svc_test_2.xml>
デフォルト: ""
調整: When_disabled
リソースの簡単な説明。
任意
空の文字列
ANYTIME
リソースが強い依存関係を持っているリソースのリスト。強い依存関係は、メソッド呼び出しの順序を決定します。
リソースの依存関係を有するリソースは依存しているリソースと呼ばれ、依存されているリソースと呼ばれるリスト内のリソースがオンラインでないと依存しているリソースを起動することはできません。依存しているリソースと、リスト内のいずれかの依存されているリソースが同時に起動した場合、RGM は、リスト内の依存されているリソースが起動するまで依存しているリソースの起動を待ちます。依存されているリソースが起動しないと、依存しているリソースはオフラインのままになります。依存されているリソースが起動しない場合があるのは、リスト内の依存されているリソースのリソースグループがオフラインのままであるか、Start_failed 状態であるためです。異なるリソースグループ内の依存されているリソースが起動に失敗したり、無効またはオフラインになったりしていることが原因で、依存しているリソースがオフラインのままになっている場合、依存しているリソースのグループは Pending_online_blocked 状態になります。起動に失敗した、無効である、またはオフラインである同じリソースグループ内の依存されているリソースに、依存しているリソースが依存関係を持っている場合、リソースグループは Pending_online_blocked 状態にはなりません。
同じリソースグループ内では、デフォルトとして、アプリケーションリソースがネットワークアドレスリソースに対して暗黙的に強いリソース依存性を持っています。詳細については、「 リソースグループのプロパティー」の Implicit_network_dependencies を参照してください。
同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。同様に、Postnet_stop メソッドは Stop メソッドよりあとに実行されます。異なるリソースグループ内では、依存されるリソースが Prenet_start と Start を実行してから、依存するリソースが Prenet_start を実行します。依存されているリソースは、依存しているリソースグループが Stop および Postnet_stop を完了するまで待機してから、Stop を実行します。
依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を中括弧 {} を含めてリソース名に付加します。
指定される依存関係をノード単位またはゾーン単位に限定します。依存関係の動作は、同じノードまたはゾーン上でのみ依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、依存先のリソースが同じノードまたはゾーンで起動されるまで待機します。この状況は停止と再起動、および有効化と無効化に似ています。
指定された依存関係を任意のノードまたはゾーンに拡張します。依存関係の動作は、どのノードまたはゾーンでも依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、自分が起動する前に依存されているリソースが少なくとも 1 つの主ノードまたはゾーンで起動するまで待機します。この状況は停止と再起動、および有効化と無効化に似ています。
依存しているリソースのリソースグループが依存されているリソースのリソースグループに対して肯定的なアフィニティーを持っている場合であっても、依存関係は ANY_NODE のままになります。
リソースのリソースグループの RG_affinities 関係に基づいて、依存関係が LOCAL_NODE または ANY_NODE であるかを指定します。
依存しているリソースのグループが依存されているリソースのグループに対して肯定的なアフィニティーを持っていて、リソースグループが同一ノード上で起動または停止する場合、依存関係は LOCAL_NODE であるとみなされます。そのような肯定的なアフィニティーが存在しない場合、または異なるノード上でグループが起動する場合、依存関係は ANY_NODE であるとみなされます。
修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES 修飾子がデフォルトで使用されます。
同じリソースグループ内の 2 つのリソース間のリソース依存関係は、常に LOCAL_NODE です。
任意
空のリスト
ANYTIME
リソースがオフライン再起動の依存関係を持っているリソースのリスト。オフライン再起動の依存関係は、メソッド呼び出しの順序を決定します。
このプロパティーの動作は Resource_dependencies とよく似ていますが、1 点例外があります。依存されているリソースと呼ばれる、オフライン再起動の依存関係リストのリソースがオフラインになると、RGM は、依存しているリソースと呼ばれる、リソースの依存関係を有するリソースの再起動をトリガーします。依存しているリソースはただちに停止し、依存されているリソースが再起動されるまでオフラインのままになります。リスト内の依存されているリソースがオンラインに戻ると、RGM は依存しているリソースを再起動します。このような再起動動作が発生するのは、依存しているリソースと依存されているリソースを含むリソースグループがオンラインのままである場合です。
依存されているリソースがオンラインでない場合、依存しているリソースを起動することはできません。依存しているリソースと、リスト内のいずれかの依存されているリソースが同時に起動した場合、RGM は、リスト内の依存されているリソースが起動するまで依存しているリソースの起動を待ちます。依存されているリソースが起動しないと、依存しているリソースはオフラインのままになります。依存されているリソースが起動しない場合があるのは、リスト内の依存されているリソースのリソースグループがオフラインのままであるか、Start_failed 状態であるためです。異なるリソースグループ内の依存されているリソースが起動に失敗したり、無効またはオフラインになったりしていることが原因で、依存しているリソースがオフラインのままになっている場合、依存しているリソースのグループは Pending_online_blocked 状態になります。同じリソースグループ内の依存されているリソースが起動に失敗した、無効である、またはオフラインである場合、リソースグループは Pending_online_blocked 状態にはなりません。
依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を中括弧 {} を含めてリソース名に付加します。
指定される依存関係をノード単位またはゾーン単位に限定します。依存関係の動作は、同じノードまたはゾーン上でのみ依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、依存先のリソースが同じノードまたはゾーンで起動されるまで待機します。この状況は停止と再起動、および有効化と無効化に似ています。
指定された依存関係を任意のノードまたはゾーンに拡張します。依存関係の動作は、どのノードまたはゾーンでも依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、自分が起動する前に依存されているリソースが少なくとも 1 つの主ノードまたはゾーンで起動するまで待機します。この状況は停止と再起動、および有効化と無効化に似ています。
依存しているリソースのリソースグループが依存されているリソースのリソースグループに対して肯定的なアフィニティーを持っている場合であっても、依存関係は ANY_NODE のままになります。
リソースのリソースグループの RG_affinities 関係に基づいて、依存関係が LOCAL_NODE または ANY_NODE であるかを指定します。
依存しているリソースのグループが依存されているリソースのグループに対して肯定的なアフィニティーを持っていて、リソースグループが同一ノード上で起動または停止する場合、依存関係は LOCAL_NODE であるとみなされます。そのような肯定的なアフィニティーが存在しない場合、または異なるノード上でグループが起動する場合、依存関係は ANY_NODE であるとみなされます。
修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES 修飾子がデフォルトで使用されます。
同じリソースグループ内の 2 つのリソース間のリソース依存関係は、常に LOCAL_NODE です。
任意
空のリスト
ANYTIME
リソースが再起動の依存関係を持っているリソースのリスト。再起動の依存関係は、メソッド呼び出しの順序を決定します。
このプロパティーの動作は Resource_dependencies とよく似ていますが、1 点例外があります。依存されているリソースと呼ばれる、再起動の依存関係リストのリソースが再起動すると、依存しているリソースと呼ばれるリソースの依存関係を有するリソースが再起動します。リスト内の依存されているリソースがオンラインに戻ったあと、RGM は依存しているリソースを停止し、再起動します。このような再起動動作が発生するのは、依存しているリソースと依存されているリソースを含むリソースグループがオンラインのままである場合です。
リソースの依存関係を有するリソースは依存しているリソースと呼ばれ、依存されているリソースと呼ばれるリスト内のリソースがオンラインでないと依存しているリソースを起動することはできません。依存しているリソースと、リスト内のいずれかの依存されているリソースが同時に起動した場合、RGM は、リスト内の依存されているリソースが起動するまで依存しているリソースの起動を待ちます。依存されているリソースが起動しないと、依存しているリソースはオフラインのままになります。依存されているリソースが起動しない場合があるのは、リスト内の依存されているリソースのリソースグループがオフラインのままであるか、Start_failed 状態であるためです。異なるリソースグループ内の依存されているリソースが起動に失敗したり、無効またはオフラインになったりしていることが原因で、依存しているリソースがオフラインのままになっている場合、依存しているリソースのグループは Pending_online_blocked 状態になります。起動に失敗した、無効である、またはオフラインである同じリソースグループ内の依存されているリソースに、依存しているリソースが依存関係を持っている場合、リソースグループは Pending_online_blocked 状態にはなりません。
依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を中括弧 {} を含めてリソース名に付加します。
指定される依存関係をノード単位またはゾーン単位に限定します。依存関係の動作は、同じノードまたはゾーン上でのみ依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、依存先のリソースが同じノードまたはゾーンで起動されるまで待機します。この状況は停止と再起動、および有効化と無効化に似ています。
指定された依存関係を任意のノードまたはゾーンに拡張します。依存関係の動作は、どのノードまたはゾーンでも依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、自分が起動する前に依存されているリソースが少なくとも 1 つの主ノードまたはゾーンで起動するまで待機します。この状況は停止と再起動、および有効化と無効化に似ています。
依存しているリソースのリソースグループが依存されているリソースのリソースグループに対して肯定的なアフィニティーを持っている場合であっても、依存関係は ANY_NODE のままになります。
リソースのリソースグループの RG_affinities 関係に基づいて、依存関係が LOCAL_NODE または ANY_NODE であるかを指定します。
依存しているリソースのグループが依存されているリソースのグループに対して肯定的なアフィニティーを持っていて、リソースグループが同一ノード上で起動または停止する場合、依存関係は LOCAL_NODE であるとみなされます。そのような肯定的なアフィニティーが存在しない場合、または異なるノード上でグループが起動する場合、依存関係は ANY_NODE であるとみなされます。
修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES 修飾子がデフォルトで使用されます。
同じリソースグループ内の 2 つのリソース間のリソース依存関係は、常に LOCAL_NODE です。
任意
空のリスト
ANYTIME
リソースが弱い依存関係を持っているリソースのリスト。弱い依存関係は、メソッド呼び出しの順序を決定します。
依存しているリソースと呼ばれる、リソースの依存関係を有するリソースの Start メソッドの前に、RGM は、依存されているリソースと呼ばれるこのリスト内のリソースの Start メソッドを呼び出します。RGM は、依存されているリソースの Stop メソッドの前に、依存しているリソースの Stop メソッドを呼び出します。依存されているリソースが起動に失敗したり、オフラインのままであっても、依存しているリソースは依然として起動することができます。
Resource_dependencies_weak リストの依存しているリソースと依存されているリソースが同時に起動した場合、RGM は、リスト内の依存されているリソースが起動するまで、依存しているリソースの起動を待機します。リスト内の依存されているリソースが起動しない場合でも (たとえば、リスト内の依存されているリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リスト内の依存されているリソースが Start_failed 状態である場合)、依存しているリソースは起動します。依存しているリソースの Resource_dependencies_weak リストのリソースが起動する際に、依存しているリソースのリソースグループが一時的に Pending_online_blocked 状態に入ることがあります。リストのすべての依存されているリソースが起動した時点、または起動に失敗した時点で、依存しているリソースは起動し、そのグループは再度 Pending_online 状態になります。
同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。同様に、Postnet_stop メソッドは Stop メソッドよりあとに実行されます。異なるリソースグループ内では、依存されるリソースが Prenet_start と Start を実行してから、依存するリソースが Prenet_start を実行します。依存されているリソースは、依存しているリソースグループが Stop および Postnet_stop を完了するまで待機してから、Stop を実行します。
依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を中括弧 {} を含めてリソース名に付加します。
指定される依存関係をノード単位またはゾーン単位に限定します。依存関係の動作は、同じノードまたはゾーン上でのみ依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、依存先のリソースが同じノードまたはゾーンで起動されるまで待機します。この状況は停止と再起動、および有効化と無効化に似ています。
指定された依存関係を任意のノードまたはゾーンに拡張します。依存関係の動作は、どのノードまたはゾーンでも依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、自分が起動する前に依存されているリソースが少なくとも 1 つの主ノードまたはゾーンで起動するまで待機します。この状況は停止と再起動、および有効化と無効化に似ています。
依存しているリソースのリソースグループが依存されているリソースのリソースグループに対して肯定的なアフィニティーを持っている場合であっても、依存関係は ANY_NODE のままになります。
リソースのリソースグループの RG_affinities 関係に基づいて、依存関係が LOCAL_NODE または ANY_NODE であるかを指定します。
依存しているリソースのグループが依存されているリソースのグループに対して肯定的なアフィニティーを持っていて、リソースグループが同一ノード上で起動または停止する場合、依存関係は LOCAL_NODE であるとみなされます。そのような肯定的なアフィニティーが存在しない場合、または異なるノード上でグループが起動する場合、依存関係は ANY_NODE であるとみなされます。
修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES 修飾子がデフォルトで使用されます。
同じリソースグループ内の 2 つのリソース間のリソース依存関係は、常に LOCAL_NODE です。
任意
空のリスト
ANYTIME
リソースインスタンスの名前です。この名前はクラスタ構成内で一意にする必要があります。リソースが作成されたあとで変更はできません。
必要
デフォルトなし
NONE
リソースに関連付けられた Solaris プロジェクト名。このプロパティーは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースをオンラインにすると、このプロジェクト名を持つ関連プロセスを起動します。このプロパティーが指定されていない場合、プロジェクト名は、リソースを含むリソースグループの RG_project_name プロパティーから取得されます (rg_properties(5) のマニュアルページを参照)。どちらのプロパティーも指定されなかった場合、RGM は事前定義済みのプロジェクト名 default を使用します。プロジェクトデータベース内に存在するプロジェクト名を指定する必要があります (projects(1) のマニュアルページと 『System Administration Guide: Solaris Containers-Resource Management and Solaris Zones』 を参照)。
このプロパティーは Solaris 9 OS からサポートされるようになりました。
このプロパティーへの変更は、リソースが次回起動されるときに有効になります。
任意
NULL
ANYTIME
RGM が判断した各クラスタノードまたはゾーン上のリソースの状態。この状態には、Online、 Offline、 Start_failed、Stop_failed、Monitor_failed、Online_not_monitored、 Starting、Stopping があります。
ユーザーはこのプロパティーを構成できません。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
起動に失敗したリソースをモニターが再起動する回数です。
Retry_count を超えると、特定のデータサービス、および Failover_mode プロパティーの設定に応じて、モニターは次のいずれかのアクションを実行します。
リソースが障害状態であったとしても、リソースグループが現在の主ノードまたはゾーン上にとどまることを許可する
別のノードまたはゾーンヘのリソースグループのフェイルオーバーを要求します。
このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合、クラスタ管理者のみ使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。
RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。
このプロパティーにマイナスの値を指定すると、モニターは無限回リソースを再起動を試みます。
ただし、一部のリソースタイプでは、Retry_count に負の値を設定できません。より確実に無制限の再起動を指定するには、次の手順を実行します。
Retry_interval に 1 や 0 などの小さい値を指定します。
Retry_count に 1000 などの大きい値を指定します。
条件付き
上記を参照
WHEN_DISABLED
失敗したリソースを再起動するまでの秒数。リソースモニターは、このプロパティーと Retry_count を組み合わせて使用します。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。
RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。
条件付き
デフォルトなし (上記を参照)
WHEN_DISABLED
リソースがスケーラブルであるかどうか、つまり、リソースが Sun Cluster ソフトウェアのネットワーキング負荷分散機能を使用するかどうかを表します。
スケーラブルなリソースグループ (ネットワーク負荷分散を使用) を、非大域ゾーンで動作するよう構成することができます。ただし、そのようなスケーラブルなリソースグループを実行できるのは、物理ノードごとに 1 つのゾーン内だけです。
このプロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合は、そのタイプのリソースに対して、RGM は、次のスケーラブルサービスプロパティーを自動的に作成します。Affinity_timeout、Load_balancing_policy、Load_balancing_weights、Network_resources_used、Port_list、UDP_affinity、Weak_affinity。これらのプロパティーは、RTR ファイル内で明示的に宣言されない限り、デフォルト値を持ちます。RTR ファイルで宣言されている場合、Scalable のデフォルトは TRUE です。
RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されている場合、AT_CREATION 以外の Tunable 属性の割り当ては許可されません。
RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されていない場合、このリソースはスケーラブルではないため、このプロパティーを調整することはできません。RGM は、スケーラビブルサービスプロパティーをいっさい設定しません。ただし、Network_resources_used および Port_list プロパティーは、RTR ファイルで明示的に宣言できます。これらのプロパティーは、スケーラブルサービスでも非スケーラブルサービスでも有用です。
このリソースプロパティーと Failover リソースタイププロパティーの併用については、r_properties(5) のマニュアルページで詳しく説明されています。
任意
デフォルトなし
AT_CREATION
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
scha_resource_setstatus コマンドまたは scha_resource_setstatus() 関数または scha_resource_setstatus_zone() 関数を使用してリソースモニターにより設定されます。取り得る値は OK、DEGRADED、 FAULTED、UNKNOWN、および OFFLINE です。リソースがオンラインまたはオフラインになったとき、RGM は自動的に Status 値を設定します ( Status 値をリソースのモニターまたはメソッドが設定していない場合)。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
リソースモニターによって、Status プロパティーと同時に設定されます。リソースがオンラインまたはオフラインにされると、RGM は自動的にこのプロパティーを空文字列でリセットします。ただし、このプロパティーがリソースのメソッドによって設定される場合を除きます。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
高オーバーヘッドのリソース障害検証の呼び出し間隔 (秒)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。
RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。
条件付き
デフォルトなし
WHEN_DISABLED
このリソースがインスタントであるリソースタイプ。
必要
デフォルトなし
NONE
現在このリソースに関連付けられているリソースタイプのバージョンを指定します。このプロパティーは RTR ファイル内に宣言できません。したがって、RGM によって自動的に作成されます。このプロパティーの値は、リソースタイプの RT_version プロパティーと等しくなります。リソースの作成時、Type_version プロパティーはリソースタイプ名の接尾辞として表示されるだけで、明示的には指定されません。リソースを編集すると、Type_version プロパティーが新しい値に変更されることがあります。
このプロパティーの調整については、次の情報から判断されます。
現在のリソースタイプのバージョン
RTR ファイル内の #$upgrade_from ディレクティブ
説明を参照
デフォルトなし
説明を参照
このプロパティーが TRUE に設定されている場合、指定のクライアントからの UDP トラフィックはすべて、現在クライアントのすべての TCP トラフィックを処理している同じサーバーノードに送信されます。
このプロパティーは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinity が FALSE に設定されている必要があります。
このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。
任意
デフォルトなし
WHEN_DISABLED
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)
ANYTIME
このプロパティーが TRUE に設定されている場合、このプロパティーにより弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になります。
弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になっている場合、特定のクライアントからの接続は、次の場合を除き、同じサーバーノードに送信されます。
たとえば、障害モニターが再起動したとき、リソースがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーしたとき、あるいは、ノードが障害の後にクラスタに参加し直したときにサーバーのリスナーが起動する場合。
クラスタ管理者により管理アクションが実行されたため、スケーラブルリソースの Load_balancing_weights が変更された場合。
弱いアフィニティーはメモリーの消費とプロセッササイクルの点で、デフォルトの形式よりもオーバーヘッドを低く抑えられます。
このプロパティーは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。
このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。
任意
デフォルトなし
WHEN_DISABLED
以下に、Sun Cluster ソフトウェアにより定義されるリソースグループのプロパティーを示します。
プロパティー値は以下のように分類されます。
必須。クラスタ管理者は、管理ユーティリティーでリソースグループを作成するときに、必ず値を指定する必要があります。
任意。クラスタ管理者がリソースグループの作成時に値を指定しない場合、システムのデフォルト値が使用されます。
照会のみ。管理ツールで直接設定することはできません。
以下にプロパティー名とその説明を示します。
このプロパティーは、新しいクラスタの形成時にリソースグループマネージャ (RGM) が自動的にリソースグループを起動するかどうかを制御します。デフォルトは TRUE です。
TRUE に設定した場合、クラスタの全てのノードが同時に再起動すると、RGM はリソースグループを自動的に起動して Desired_primaries を取得しようとします。
FALSE に設定した場合、クラスタの再起動時にリソースグループが自動的に再起動することはありません。clresourcegroup online コマンドまたは同等の GUI 指令を使用して、最初にリソースグループが手動でオンラインに切り替えられるまで、リソースグループはオフラインのままになります。その後、このリソースグループは通常のフェイルオーバー動作を再開します。
任意
TRUE
ANYTIME
グループが同時に実行できるノードまたはゾーン数として望ましい値。
デフォルトは 1 です。Desired_primaries プロパティーの値は、Maximum_primaries プロパティーの値以下にしてください。
任意
1
ANYTIME
ノードまたはゾーンがクラスタに結合した場合、グループがオンラインとなるノード群またはゾーン群を再計算するかどうかを示すブール値。再計算により、RGM は優先度の低いノードまたはゾーンをオフラインにし、優先度の高いノードまたはゾーンをオンラインにすることができます。
任意
FALSE
ANYTIME
クラスタファイルシステムがこのリソースグループ内のリソースによって使用されるかどうかを指定します。クラスタ管理者は、アスタリスク (*) か空文字列 (“”) を指定できます。すべてのグローバルリソースを指定するときはアスタリスク、グローバルリソースを一切指定しない場合は空文字列を指定します。
任意
すべてのグローバルリソース
ANYTIME
TRUE の場合、 RGM は、グループ内のネットワークアドレスリソースで非ネットワークアドレスリソースに対する強い依存を強制します。このとき、RGM は、すべてのネットワークアドレスリソースを起動してからその他のリソースを起動します。また、グループ内のその他のすべてのリソースを停止してからネットワークアドレスリソースを停止します。ネットワークアドレスリソースには、論理ホスト名と共有アドレスリソース型があります。
スケーラブルリソースグループの場合、ネットワークアドレスリソースを含んでいないため、このプロパティーの影響はありません。
任意
TRUE
ANYTIME
グループを同時にオンラインにできるノードまたはゾーンの最大数です。
RG_mode プロパティーが Failover である場合、このプロパティーの値は 1 以下である必要があります。RG_mode プロパティーが Scalable である場合、1 より大きな値に設定できます。
任意
1
ANYTIME
リソースグループを優先度順にオンラインにできるクラスタノードまたはゾーンのリストです。これらのノードまたはゾーンは、リソースグループの潜在的主ノードまたはマスターになります。
任意
すべてのクラスタノードの順不同のリスト
ANYTIME
リソースグループ内のリソースが重要な管理ファイルを書き込むことができるクラスタファイルシステム内のディレクトリ。一部のリソースの必須プロパティーです。Pathprefix の値はリソースグループごとに固有の値を指定します。
任意
空の文字列
ANYTIME
負数ではない整数値 (秒)。次のような状況において RGM は、この値を使って、リソースグループをどこでオンラインにするかを決めます。
再構成が発生している場合。
GIVEOVER 引数付きで scha_control コマンドを実行した、または SCHA_GIVEOVER 引数付きで scha_control() 関数を実行した結果として。
再構成が発生したときは、Pingpong_interval で指定した秒数内に特定のノードまたはゾーン上で複数回、リソースグループがオンラインになれない場合があります。この障害が発生した原因は、リソースの Start または Prenet_start メソッドがゼロ以外で終了したか、タイムアウトしたかのどちらかです。その結果、そのノードまたはゾーンはリソースグループのホストとしては不適切と判断され、RGM は別のマスターを探します。
scha_control コマンドまたは scha_control -O GIVEOVER コマンドが特定のノードまたはゾーン上でリソースによって実行され、それによりそのリソースグループが別のノードまたはゾーンにフェイルオーバーした場合、Pingpong_interval 秒が経過するまで、(scha_control コマンドが実行された) 最初のノードまたはゾーンは、同じリソースによる別の scha_control -O GIVEOVER の宛先になることはできません。
任意
3600 (1 時間)
ANYTIME
グループ内に含まれるリソースのリストです。クラスタ管理者はこのプロパティーを直接設定しません。このプロパティーは、クラスタ管理者がリソースグループにリソースを追加したりリソースグループからリソースを削除したりすると、RGM によって更新されます。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
RGM は、別の特定のリソースグループの現在のマスターであるノードまたはゾーンにリソースグループを配置するか (肯定的なアフィニティーの場合)、あるいは、特定のリソースグループの現在のマスターでないノードまたはゾーン上にリソースグループを配置 (否定的なアフィニティーの場合) しようとします。
RG_affinities には次の文字列を設定できます。
++ (強い肯定的なアフィニティー)
+ (弱い肯定的なアフィニティー)
- (弱い否定的なアフィニティー)
-- (強い否定的なアフィニティー)
+++ (フェイルオーバー委託付きの強い肯定的なアフィニティー)
たとえば、RG_affinities=+RG2,--RG3 は、このリソースグループが RG2 に対して弱いポジティブアフィニティーを、RG3 に対して強いネガティブアフィニティーをもつことを表しています。
RG_affinities プロパティーの使用法については、第 2 章「データサービスリソースの管理」を参照してください。
任意
空の文字列
ANYTIME
同じノードまたはゾーン上の別のグループをオンライン/オフラインにするときの優先順位を示すリソースグループのリスト (任意)。すべての強い RG_affinities (ポジティブおよびネガティブ) と RG_dependencies の関係図式の中に循環が含まれていてはなりません。
たとえば、リソースグループ RG1 の RG_dependencies リストにリソースグループ RG2 がリストされている、つまり RG1 が RG2 に対してリソースグループの依存関係を持っているとします。
次のリストに、リソースグループ依存関係の影響を要約します。
ノードまたはゾーンがクラスタに結合されると、そのノードまたはゾーンでは、RG2 のすべてのリソースに対する Boot メソッドが終わってから、 RG1 のリソースに対する Boot メソッドが実行されます。
RG1 と RG2 が両方とも同じノードまたはゾーン上で同時に PENDING_ONLINE 状態である場合、RG2 内のすべてのリソースが自分の開始メソッドを完了するまで、RG1 内のどのリソースでも開始メソッド (Prenet_start または Start) は実行されません。
RG1 と RG2 が両方とも同じノードまたはゾーン上で同時に PENDING_OFFLINE 状態である場合、RG1 内のすべてのリソースが自分の停止メソッドを完了するまで、RG2 内のどのリソースでも停止メソッド(Stop または Postnet_stop) は実行されません。
RG1 または RG2 の主ノードまたはゾーンをスイッチする場合、それによって RG1 がいずれかのノードまたはゾーンでオンラインに、RG2 がすべてのノードまたはゾーンでオフラインになる場合は、このスイッチは失敗します。詳細は、clresourcegroup(1CL) およびclsetup(1CL) のマニュアルページを参照してください。
RG2 に対する Desired_primaries がゼロに設定されている場合は、RG1 に対する Desired_primaries プロパティーをゼロより大きい値に設定することはできません。
RG2 に対する Auto_start_on_new_cluster が FALSE に設定されている場合は、RG1 に対する Auto_start_on_new_cluster プロパティーを TRUE に設定することはできません。
任意
空のリスト
ANYTIME
リソースグループの簡単な説明です。
任意
空の文字列
ANYTIME
あるリソースグループが依存しているグローバルデバイスをスイッチオーバーするかどうかを表します。このプロパティーが TRUE に設定されている場合、大域デバイスはスイッチオーバーされます。このプロパティーが FALSE に設定されている場合、グローバルデバイスはスイッチオーバーされません。リソースグループが大域デバイスに依存するかどうかは、Global_resources_used プロパティーの設定によります。
RG_is_frozen プロパティーをユーザーが直接設定することはありません。RG_is_frozen プロパティーは、大域デバイスのステータスが変わったときに、RGM によって更新されます。
任意
デフォルトなし
NONE
リソースグループがフェイルオーバーグループなのか、スケーラブルグループなのかを指定します。この値が Failover であれば、 RGM はグループの Maximum_primaries プロパティーの値を 1 に設定し、リソースグループのマスターを単一のノードまたはゾーンに制限します。
このプロパティーの値が Scalable に設定されていれば、Maximum_primaries プロパティーは 1 より大きな値に設定されることがあります。その結果、このグループのマスターが同時に複数存在することが可能です。Failover プロパティーの値が TRUE のリソースを、RG_mode の値が Scalable のリソースグループに追加することはできません。
Maximum_primaries が 1 の場合、デフォルトは Failover です。Maximum_primaries が 1 より大きい場合、デフォルトは Scalable です。
任意
Maximum_primaries の値によります。
NONE
リソースグループの名前。これは必須プロパティーです。この値は、クラスタ内で一意でなければなりません。
必要
デフォルトなし
NONE
リソースグループに関連付けられた Solaris プロジェクト名 (projects(1) のマニュアルページを参照)。このプロパティーは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGMは、リソースグループをオンラインにすると、Resource_project_name プロパティーセットを持たないリソース用として、このプロジェクト名びもとで関連プロセスを起動します(r_properties(5) のマニュアルページを参照)。プロジェクトデータベース内に存在するプロジェクト名を指定する必要があります (projects(1) のマニュアルページと 『System Administration Guide: Solaris Containers-Resource Management and Solaris Zones』 を参照)。
このプロパティーは Solaris 9 OS からサポートされるようになりました。
このプロパティーへの変更は、リソースの次回起動時に有効になります。
任意
テキスト文字列「default」
ANYTIME
RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されている場合、この数は CPU シェアの数およびプロセッサセットのサイズの計算の基準になります。
RG_slm_cpu プロパティーを使用できるのは、 RG_slm_type が AUTOMATED に設定されている場合のみです。詳細は、「RG_slm_type プロパティー」を参照してください。
RG_slm_cpu プロパティーの最大値は 655 です。小数点のあとには 2 桁を含めることができます。RG_slm_cpu プロパティーには 0 を指定しないでください。シェアの値を 0 に設定すると、CPU 負荷が高い場合に、公平配分スケジューラ (FFS) によりリソースをスケジュールできない場合があります。
リソースグループがオンラインである間に RG_slm_cpu プロパティーに対して行う変更は、動的に考慮されます。
RG_slm_type プロパティーは AUTOMATED に設定されているため、Sun Cluster は SCSLM_resourcegroupname という名前のプロジェクトを作成します。resourcegroupname は、ユーザーがリソースグループに割り当てる実際の名前を表します。リソースグループに属するリソースの各メソッドは、このプロジェクトで実行されます。Solaris 10 から、これらのプロジェクトは、リソースグループのゾーンが大域ゾーンであれ非大域ゾーンであれ、リソースグループのゾーン内に作成されます。project(4) のマニュアルページを参照してください。
プロジェクト SCSLM_resourcegroupname の project.cpu-shares 値は、RG_slm_cpu のプロパティー値の 100 倍です。RG_slm_cpu プロパティーが設定されていない場合、このプロジェクトは値 1 の project.cpu-shares を使用して作成されます。RG_slm_cpu プロパティーのデフォルト値は 0.01 です。
Solaris 10 OS から、RG_slm_pset_type プロパティーが DEDICATED_STRONG または DEDICATED_WEAK に設定されている場合、プロセッサセットのサイズの計算には RG_slm_cpu プロパティーが使用されます。また、RG_slm_cpu プロパティーは zone.cpu-shares の値の計算にも使用されます。
プロセッサセットについては、『System Administration Guide: Solaris Containers-Resource Management and Solaris Zones 』を参照してください。
任意
0.01
ANYTIME
アプリケーションが動作できるプロセッサの最小数を決定します。
このプロパティーは、次に示す要因がすべて真の場合だけ使用できます。
RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されている
RG_slm_pset_type プロパティーが DEDICATED_STRONG または DEDICATED_WEAK に設定されている
RG_slm_cpu プロパティーが、RG_slm_cpu_min プロパティーに対して設定されている値以上の値に設定されている
Solaris 10 OS を使用している
RG_slm_cpu_min プロパティーの最大値は 655 です。小数点のあとには 2 桁を含めることができます。RG_slm_cpu_min プロパティーには 0 を指定しないでください。RG_slm_cpu_min および RG_slm_cpu プロパティーは、それぞれ、Sun Cluster が生成するプロセッサセットに対して pset.min および pset.max の値を決定します。
リソースグループがオンラインである間にユーザーが RG_slm_cpu および RG_slm_cpu_min プロパティーに対して行う変更は、動的に考慮されます。RG_slm_pset_type プロパティーが DEDICATED_STRONG に設定され、使用できる CPU が十分でない場合、RG_slm_cpu_min プロパティーに対してユーザーが要求した変更は無視されます。この場合は、警告メッセージが表示されます。次回のスイッチオーバー時に、RG_slm_cpu_min プロパティーが使用できる CPU が十分でない場合、CPU の不足によるエラーが発生する可能性があります。
プロセッサセットについては、『System Administration Guide: Solaris Containers-Resource Management and Solaris Zones 』を参照してください。
任意
0.01
ANYTIME
システムリソースの使用状況を管理できるようにし、システムリソース管理用に Solaris オペレーティングシステムを設定する手順の一部を自動化します。RG_SLM_type が取り得る値は AUTOMATED と MANUAL です。
RG_slm_type プロパティーを AUTOMATED に設定した場合、リソースグループは CPU 使用率の制御とともに起動します。
その結果、Sun Cluster は次の処理を行います。
SCSLM_resourcegroupname という名前のプロジェクトを作成します。このリソースグループ内のリソースのすべてのメソッドは、このプロジェクト内で実行されます。このプロジェクトは、このリソースグループ内のリソースのメソッドがノードまたはゾーンで初めて実行されるときに作成されます。
プロジェクトと関連付けられている project.cpu_shares の値を、RG_slm_cpu プロパティーの 100 倍の値に設定します。デフォルトでは、project.cpu_shares の値は 1 です。
Solaris 10 OS からは、zone.cpu_shares を、すべてのオンラインリソースグループの RG_slm_cpu プロパティーの合計の 100 倍に設定します。またこのプロパティーは、当該ゾーン内で RG_slm_type を AUTOMATED に設定します。ゾーンは大域または非大域の場合があります。非大域ゾーンは、Sun Cluster が生成するプールにバインドされます。オプションで、 RG_slm_pset_type プロパティーが DEDICATED_WEAK または DEDICATED_STRONG に設定されている場合、Sun Cluster の生成されたプールは、 Sun Cluster の生成されたプロセッサセットと関連付けられます。専用のプロセッサセットについては、RG_slm_pset_type プロパティーの説明を参照してください。RG_slm_type プロパティーを AUTOMATED に設定した場合、実行されるすべての処理はログに記録されます。
RG_slm_type プロパティーを MANUAL に設定した場合、RG_project_name プロパティーにより指定されているプロジェクト内でリソースグループが実行されます。
リソースプールとプロセッサセットについては、『System Administration Guide: Solaris Containers-Resource Management and Solaris Zones 』を参照してください。
58 文字を超えるリソースグループ名は指定しないでください。リソースグループ名が 58 文字を超える場合、CPU 制御を構成できなくなる、つまり、RG_slm_type プロパティーに AUTOMATED を設定できなくなります。
リソースグループ名にはダッシュ (-) を含めないでください。Sun Cluster ソフトウェアは、プロジェクトの作成時に、リソースグループ名にあるすべてのダッシュを下線 (_) に置き換えます。たとえば、Sun Cluster が rg-dev というリソースグループに対して SCSLM_rg_dev というプロジェクトを作成する場合です。Sun Cluster がリソースグループ rg-dev に対してプロジェクトを作成しようとするとき、rg_dev という名前のリソースグループがすでに存在する場合、衝突が発生します。
任意
manual
ANYTIME
専用のプロセッサセットの作成を可能にします。
このプロパティーは、次に示す要因がすべて真の場合だけ使用できます。
RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されている
Solaris 10 OS を使用している
リソースグループが非大域ゾーンで実行される
RG_slm_pset_type の取り得る値は DEFAULT、DEDICATED_STRONG、および DEDICATED_WEAK です。
リソースグループが DEDICATED_STRONG または DEDICATED_WEAK として実行される場合は、そのリソースグループのノードリストには非大域ゾーンだけが存在するようにリソースグループを設定してください。
非大域ゾーンは、デフォルトプールである POOL_DEFAULT 以外のプールに対して設定しないでください。ゾーン構成の詳細は、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。非大域ゾーンは、デフォルトプール以外のプールに動的にバインドしないでください。プールバインディングの詳細は、poolbind(1M) のマニュアルページを参照してください。バインドされた 2 つのプールの状態は、リソースグループ内のリソースのメソッドが起動されている場合だけ、確認されます。
DEDICATED_STRONG と DEDICATED_WEAK の値は、ノードリストに同じゾーンを持つリソースグループと相互に排他的です。同じゾーン内では、一部のリソースグループの RG_slm_pset_type が DEDICATED_STRONG に設定され、ほかのリソースグループの RG_slm_pset_type が DEDICATED_WEAK に設定されるように、リソースグループを構成することはできません。
RG_slm_pset_type プロパティーを DEDICATED_STRONG に設定した場合、Sun Cluster は、RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されている場合に RG_slm_type プロパティーにより実行されるアクション以外にも、次の処理を行います。
プールを作成し、リソースグループが PRENET_START メソッドと START メソッドの一方または両方に対して起動する非大域ゾーンにそのプールを動的にバインドする。
次の合計の間のサイズを持つプロセッサセットを作成する。
当該リソースグループが起動するゾーンでオンラインであるすべてのリソースグループ内の RG_slm_cpu_min プロパティーの合計。
当該ゾーンで実行中であるリソースグループ内の RG_slm_cpu プロパティーの合計。
STOP メソッドまたは POSTNET_STOP メソッドのいずれかが実行中である場合、Sun Cluster の生成されたプロセッサセットは破棄されます。リソースグループがゾーン内でオンラインでなくなった場合、そのプールは破棄され、非大域ゾーンはデフォルトのプール (POOL_DEFAULT) にバインドされます。
プロセッサセットをプールに関連付けます。
ゾーンを実行しているすべてのリソースグループの RG_slm_cpu プロパティーの合計の 100 倍に zone.cpu_shares を設定します。
ユーザーが RG_slm_pset_type プロパティーを DEDICATED_WEAK に設定した場合、リソースグループの動作は、RG_slm_pset_type が DEDICATED_STRONG に設定されている場合と同じようになります。しかし、プロセッサセットの作成に十分なプロセッサを使用できない場合、プールはデフォルトのプロセッサセットに関連付けられます。
ユーザーが RG_slm_pset_type プロパティーを DEDICATED_STRONG に設定し、またプロセッサセットの作成に十分なプロセッサを使用できない場合、エラーが発生します。その結果、リソースグループは当該ノードまたはゾーン上では起動しません。
CPU が割り当てられている場合、DEFAULTPSETMIN 最小サイズは DEDICATED_STRONG よりも優先されます。DEDICATED_STRONG は DEDICATED_WEAK よりも優先されます。ただし、clnode コマンドを使用してデフォルトのプロセッサのサイズを大きくし、また十分なプロセッサが使用できない場合、この優先順位は無視されます。DEFAULTPSETMIN プロパティーの詳細は、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。
clnode コマンドは、デフォルトのプロセッサセットに最小限の CPU を動的に割り当てます。ユーザーが指定した CPU の数が使用できない場合、Sun Cluster は定期的にこの数の CPU を割り当てようとします。それに失敗すると、CPU の最小数が割り当てられるまで、Sun Cluster はデフォルトのプロセッサセットにより少ない数の CPU を割り当てようとします。このアクションは一部の DEDICATED_WEAK プロセッサセットを破棄する場合がありますが、DEDICATED_STRONG プロセッサセットを破棄することはありません。
ユーザーが RG_slm_pset_type プロパティーを DEDICATED_STRONG に設定したリソースグループを起動する場合、DEDICATED_WEAK プロセッサセットと関連付けられたプロセッサセットが破棄される場合があります。このリソースグループがこのような動作を行う場合があるのは、両方のプロセッサセットのノードまたはゾーン上で十分な CPU が使用できない場合です。この場合、DEDICATED_WEAK プロセッサセットで動作しているリソースグループのプロセスは、デフォルトのプロセッサセットに関連付けられます。
DEDICATED_STRONG または DEDICATED_WEAK の間で RG_slm_pset_type プロパティーの値を交換するには、まずその値をデフォルトに設定します。
CPU 制御に対して構成されたリソースグループが非大域ゾーンでオンラインではない場合、CPU シェアの値はそのゾーンの zone.cpu-shares に設定されます。デフォルトでは、zone.cpu-shares は 1 に設定されています。ゾーン構成の詳細は、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。
ユーザーが RG_slm_pset_type プロパティーを DEFAULT に設定すると、Sun Cluster は SCSLM_pool_zonename という名前のプールを作成しますが、プロセッサセットは作成しません。この場合、SCSLM_pool_zonename はデフォルトのプロセッサセットに関連付けられます。ゾーンに割り当てられるシェアは、そのゾーン内のすべてのリソースグループの RG_slm_cpu の値の合計と等しくなります。
リソースプールとプロセッサセットについては、『System Administration Guide: Solaris Containers-Resource Management and Solaris Zones 』を参照してください。
任意
default
ANYTIME
RGM により UNMANAGED、ONLINE、OFFLINE、PENDING_ONLINE、PENDING_OFFLINE、ERROR_STOP_FAILED、ONLINE_FAULTED、または PENDING_ONLINE_BLOCKED に設定され、各クラスタノードまたはゾーン上のグループの状態を表します。
ユーザーはこのプロパティーを構成できません。しかし、clresourcegroup コマンドを実行することによって、あるいは同等の clsetup や Sun Cluster Manager コマンドを使用して、このプロパティーを間接的に設定することは可能です。RGM の制御下にないときは、グループは管理されていない状態で存在可能です。
各状態の説明は次のとおりです。
すべてのノードまたはゾーンに適用される UNMANAGED 状態を除き、状態は個別のノードまたはゾーンにのみ適用されます。たとえば、リソースグループがノード A のゾーン 1 では OFFLINE であり、ノード B のゾーン 2 では PENDING_ONLINE である場合があります。
新しく作成されたリソースグループの最初の状態や、過去には管理されていたリソースグループの状態。そのグループのリソースに対して Init メソッドがまだ実行されていないか、そのグループのリソースに対して Fini メソッドがすでに実行されています。
このグループは RGM によって管理されていません。
リソースグループはノードまたはゾーン上ですでに起動されています。つまり、各リソースに適用可能な起動メソッド Prenet_start、Start、および Monitor_start は、グループ内のすべての有効なリソースに対して正常に実行されました。
リソースグループはノードまたはゾーンですでに停止されています。つまり、グループ内の有効なリソースすべてに対して、停止メソッド Monitor_stop、Stop、および Postnet_stop が (各リソースに合わせて) 正常に実行されました。さらに、リソースグループがノードまたはゾーンで最初に起動されるまでは、グループにこの状態が適用されます。
リソースグループはノードまたはゾーン上で起動中です。グループ内の有効なリソースに対して、起動メソッド Prenet_start、Start、および Monitor_start が (各リソースに合わせて) 実行されようとしています。
リソースグループはノードまたはゾーン上で停止中です。グループ内の有効なリソースに対して、停止メソッド Monitor_stop、Stop、および Postnet_stop が (各リソースに合わせて) 実行されようとしています。
リソースグループ内の 1 つ以上のリソースが正常に停止できず、Stop_failed 状態にあります。グループ内のほかのリソースがオンラインまたはオフラインである可能性があります。ERROR_STOP_FAILED 状態がクリアされるまで、このリソースグループはノードまたはゾーン上での起動が許可されません。
clresource clear などの管理コマンドを使用して Stop_failed リソースを手動で終了させ、その状態を OFFLINE に再設定します。
リソースグループは PENDING_ONLINE で、このノードまたはゾーン上での起動が完了しています。ただし、1 つまたは複数のリソースが START_FAILED 状態または FAULTED 状態で終了しています。
リソースグループは、完全な起動を行うことに失敗しました。これは、リソースグループの 1 つまたは複数のリソースが、ほかのリソースグループのリソースに対して強いリソース依存性があり、それが満たされていないためです。このようなリソースは OFFLINE のままになります。リソースの依存性が満たされると、リソースグループは自動的に PENDING_ONLINE 状態に戻ります。
照会のみ
デフォルトなし
NONE
リソースグループの自動復旧が中断されるかどうかを指定するブール値です。クラスタ管理者が自動復旧を再開するコマンドを明示的に実行するまで、中断されたリソースグループが自動的に再開またはフェイルオーバーされることはありません。中断されたデータサービスは、オンラインかオフラインかにかかわらず、現在の状態のままとなります。指定したノードまたはゾーン上でリソースグループの状態を手作業で切り替えることもできます。また、リソースグループ内の個々のリソースも有効または無効にできます。
Suspend_automatic_recovery プロパティーに TRUE が設定されると、リソースグループの自動復旧は中断されます。このプロパティーが FALSE に設定されると、リソースグループの自動復旧が再開され、アクティブになります。
このプロパティーを直接設定することはありません。RGM は、クラスタ管理者がリソースグループの自動復旧を中断または再開したときに Suspend_automatic_recovery プロパティーの値を変更します。クラスタ管理者は、clresourcegroup suspend コマンドで自動復旧を中断します。クラスタ管理者は、clresourcegroup resume コマンドで自動復旧を再開します。RG_system プロパティーの設定にかかわらず、リソースグループは中断または再開できます。
照会のみ
FALSE
NONE
リソースグループの RG_system プロパティーの値が TRUE の場合、そのリソースグループとそのリソースグループ内のリソースに関する特定の操作が制限されます。この制限は、重要なリソースグループやリソースを間違って変更または削除してしまうことを防ぐためにあります。このプロパティーにより影響を受けるのは clresourcegroup コマンドのみです。scha_control(1HA) と scha_control(3HA) の操作には影響を与えません。
リソースグループ (またはリソースグループ内のリソース) の制限操作を実行する前には、まず、リソースグループの RG_system プロパティーをFALSE に設定する必要があります。クラスタサービスをサポートするリソースグループ (または、リソースグループ内のリソース) を変更または削除するときには注意してください。
操作 |
例 |
---|---|
リソースグループを削除する |
clresourcegroup delete RG1 |
リソースグループプロパティーを編集する (RG_system を除く) |
clresourcegroup set -p RG_desription=... + |
リソースグループへソースを追加する |
clresource create -g RG1 -t SUNW.nfs R1 リソースは作成後に有効な状態になり、リソース監視も有効になります。 |
リソースグループからリソースを削除する |
clresource delete R1 |
リソースグループに属するリソースのプロパティーを編集する |
clresource set -g RG1 -t SUNW.nfs -p r_description="HA-NFS res" R1 |
リソースグループをオフラインに切り替える |
clresourcegroup offline RG1 |
リソースグループを管理する |
clresourcegroup manage RG1 |
リソースグループを管理しない |
clresourcegroup unmanage RG1 |
リソースグループのリソースを有効にする |
clresource enable R1 |
リソースグループのリソースに対する監視を有効にする |
clresource monitor R1 |
リソースグループのリソースを無効にする |
clresource disable R1 |
リソースの監視を無効にする |
clresource unmonitor R1 |
リソースグループの RG_system プロパティーの値が TRUE の場合、そのリソースグループで編集できるプロパティーは RG_system プロパティー自体だけです。つまり、RG_system プロパティーの編集は無制限です。
任意
FALSE
ANYTIME
この節では、システム定義プロパティーの変更または拡張プロパティーの作成に使用できるリソースプロパティーの属性について説明します。
boolean、enum、int タイプのデフォルト値に、Null または空の文字列 ("") は指定できません。
以下にプロパティー名とその説明を示します。
stringarray タイプの場合、設定できる配列要素の最大数。
stringarray タイプの場合、設定できる配列要素の最小数。
プロパティーのデフォルト値を示します。
プロパティーを簡潔に記述した注記 (文字列)。RTR ファイル内でシステム定義プロパティーに対する Description 属性を設定することはできません。
enum タイプの場合、プロパティーに設定できる文字列値のセット。
リソースタイプの実装によって定義された拡張プロパティーが RTR ファイルのエントリで宣言されていることを示します。拡張プロパティーが使用されていない場合、そのエントリはシステム定義プロパティーです。
int タイプの場合、プロパティーに設定できる最大値。
string および stringarray タイプの場合、設定できる文字列の長さの最大値。
int タイプの場合、プロパティーに設定できる最小値。
string および stringarray タイプの場合、設定できる文字列の長さの最小値。
使用された場合、拡張プロパティーがノード単位またはゾーン単位で設定できることを示します。
Per_node プロパティー属性をタイプ定義で指定する場合は、Default プロパティー属性でデフォルト値も指定してください。デフォルト値を指定すると、明示的な値が割り当てられていないノードまたはゾーン上でノード単位またはゾーン単位のプロパティーをユーザーが要求した場合に、値が返されることが保証されます。
タイプ stringarray のプロパティーには Per_node プロパティー属性を指定できません。
リソースプロパティーの名前。
クラスタ管理者がリソースのプロパティー値をいつ設定できるかを示します。クラスタ管理者にプロパティーの設定を許可しない場合は、NONE または FALSE に設定します。クラスタ管理者にプロパティーの調整を許可する値には、TRUE または ANYTIME (任意の時点)、AT_CREATION (リソースの作成時のみ)、または WHEN_DISABLED (リソースが無効のとき) があります。ほかの条件 (「監視をいつ無効にするか」や「いつオフラインにするか」など) を設定する場合は、この値を ANYTIME に設定し、Validate メソッドを使ってリソースの状態を検証します。
デフォルトは、次のエントリに示すように、標準リソースプロパティーごとに異なります。RTR ファイルで特に指定していない限り、拡張プロパティーを調整する設定のデフォルトは TRUE (ANYTIME) です。
指定可能な型は、string、boolean、integer、enum、stringarray です。RTR ファイル内で、システム定義プロパティーの型の属性を設定することはできません。タイプは、RTR ファイルのエントリに登録できる、指定可能なプロパティー値とタイプ固有の属性を決定します。enum タイプは、文字列値のセットです。