Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

}ソフトウェアのアンインストール

この節では、特定のソフトウェア製品をクラスタからアンインストールまたは削除する手順について説明します。

Procedureインストールの問題を修正するために Sun Cluster ソフトウェアを構成解除する

インストールしたノードがクラスタに参加できなかったり、構成情報を修正する場合、次の手順を実行します。たとえば、トランスポートアダプタやプライベートネットワークアドレスを再構成する場合にすべてのノードで実行してください。


注 –

ノードがすでにクラスタに参加しており、インストールモードでない場合 (「定足数構成とインストールモードを確認する」手順 2 を参照) は、この手順を実行しないでください。代わりに、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」に進みます。


始める前に

ノードのクラスタ構成を再実行することを試みます。ノード上で Sun Cluster ソフトウェアの構成を繰り返すことにより、クラスタノードの構成エラーを修正できる場合があります。

  1. 構成解除する予定のノードをクラスタのノードの認証リストに追加します。

    単一ノードクラスタを構成解除する場合は、手順 2 に進みます。

    1. 構成解除するノード以外のアクティブなクラスタメンバー上で、スーパーユーザーになります。

    2. 認証リストに追加するノードの名前を指定します。


      phys-schost# /usr/cluster/bin/claccess allow -h nodename
      
      -h nodename

      認証リストに追加するノードの名前を指定します。

      clsetup ユーティリティーを使用してこの作業を実行することもできます。手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  2. 構成解除するノードで、スーパーユーザーになります。

  3. ノードを停止します。


    phys-schost# shutdown -g0 -y -i0
    
  4. ノードを再起動して、非クラスタモードになります。

    • SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。


      ok boot -x
      
    • x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。

      1. GRUB メニューで矢印キーを使用して該当する Solaris エントリを選択し、e と入力してコマンドを編集します。

        GRUB メニューは次のようになっています。


        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                               |
        | Solaris failsafe                                                     |
        |                                                                      |
        +----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.

        GRUB ベースのブートの詳細は、『System Administration Guide: Basic Administration』の第 11 章「GRUB Based Booting (Tasks)」を参照してください。

      2. ブートパラメータ画面で矢印キーを使用して kernel エントリを選択し、e と入力してエントリを編集します。

        GRUB ブートパラメータの画面は、次のような画面です。


        GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | root (hd0,0,a)                                                       |
        | kernel /platform/i86pc/multiboot                                     |
        | module /platform/i86pc/boot_archive                                  |
        +----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
        boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
        after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
        selected line, or escape to go back to the main menu.
      3. コマンドに -x を追加して、システムが非クラスタモードで起動するように指定します。


        [ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB
        lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible
        completions of a device/filename. ESC at any time exits. ]
        
        grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot -x
        
      4. Enter キーを押して変更を承諾し、ブートパラメータ画面に戻ります。

        画面には編集されたコマンドが表示されます。


        GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory)
        +----------------------------------------------------------------------+
        | root (hd0,0,a)                                                       |
        | kernel /platform/i86pc/multiboot -x                                  |
        | module /platform/i86pc/boot_archive                                  |
        +----------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
        boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
        after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
        selected line, or escape to go back to the main menu.-
      5. b と入力して、ノードを非クラスタモードで起動します。


        注 –

        カーネル起動パラメータコマンドへのこの変更は、システムを起動すると無効になります。次にノードを再起動する際には、ノードはクラスタモードで起動します。非クラスタモードで起動するには、上記の手順を実行してもう一度カーネルのブートパラメータに -x オプションを追加してください。


  5. Sun Clusterパッケージのファイルが何も含まれていない、root (/) ディレクトリなどのディレクトリへ移動します。


    phys-schost# cd /
    
  6. クラスタ構成からノードを削除します。


    phys-schost# /usr/cluster/bin/clnode remove
    

    ノードはクラスタ構成から削除されていますが、Sun Cluster ソフトウェアはノードから削除されていません。

    詳細については、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  7. その他の構成解除するノードごとに、手順 2 から手順 6 を繰り返します。

  8. (省略可能) Sun Cluster フレームワークおよびデータサービスソフトウェアパッケージをアンインストールします。


    注 –

    Sun Cluster ソフトウェアを削除または再インストールする必要がない場合は、この手順を省略できます。


    この手順により、Sun Cluster エントリも Sun Java Enterprise System (Java ES) 製品レジストリから削除されます。Java ES 製品レジストリに Sun Cluster ソフトウェアがインストールされている記録がある場合、Java ES インストーラで Sun Cluster コンポーネントがグレイアウト表示になり、再インストールできません。

    1. uninstall プログラムを起動します。

      次のコマンドを実行します。ver は Sun Cluster ソフトウェアのインストール元である Java ES ディストリビューションのバージョンです。


      phys-schost# /var/sadm/prod/SUNWentsysver/uninstall
      
    2. 画面の指示に従って、アンインストールする Sun Cluster コンポーネントを選択します。


      注 –

      Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアがインストールされている場合は、これもアンインストールする必要があります。


      uninstall プログラムの使い方の詳細は、『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)』の第 8 章「アンインストール」を参照してください。

次の手順

Sun Cluster ソフトウェアをノードで再インストールまたは再構成する場合は、表 2–1を参照してください。この表には、すべてのインストール作業と作業を実行する順序を示しています。

ノードをクラスタから物理的に削除する場合は、『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS』「How to Remove an Interconnect Component」およびストレージアレイ用の Sun Cluster Hardware Administration Collection マニュアルの削除手順を参照してください。

ProcedureSun Cluster 情報を JumpStart インストールサーバーから削除する

クラスタのインストールおよび構成に使用した JumpStart インストールサーバーから Sun Cluster 情報を削除するには、以下の手順に従います。1 つまたは複数の個別のノード、あるいは 1 つまたは複数のクラスタ全体から情報を削除できます。JumpStart 機能の詳細は、『Solaris 10 8/07 Installation Guide: Custom JumpStart and Advanced Installations』を参照してください。

  1. JumpStart インストールサーバー上でスーパーユーザーになります。

  2. Sun Cluster ソフトウェアのインストールに使用した JumpStart ディレクトリに移動します。


    installserver# cd jumpstart-dir
    
  3. rules ファイルから、 scinstall コマンドで作成された、削除するノードの名前を含むエントリを削除します。

    Sun Cluster エントリは、autostinstall.class または autoscinstall.finish、あるいはその両方を参照しています。エントリは次のように表示されます。ここでは release は Sun Cluster ソフトウェアのバージョンです。


    hostname phys-schost-1  -  autoscinstall.d/release/autoscinstall.class  \ 
    autoscinstall.d/release/autoscinstall.finish
  4. rules.ok ファイルを再生成します。

    jumpstart-dir/ ディレクトリにある check コマンドを実行して、rules.ok ファイルを再生成します。


    installserver# ./check
    
  5. 該当する clusters/clustername/ ディレクトリから、削除する各ノードのシンボリックリンクを削除します。

    • クラスタ内の 1 つまたは複数のノードのシンボリックリンクを削除するには、削除する各ノードに対応する名前のリンクを削除します。


      installserver# rm -f autoscinstall.d/clusters/clustername/nodename
      
    • クラスタ全体のシンボリックリンクを削除するには、削除するクラスタに対応する名前のディレクトリを繰り返し削除します。


      installserver# rm -rf autoscinstall.d/clusters/clustername
      
    • すべてのクラスタのシンボリックリンクを削除するには、clusters/ ディレクトリを繰り返し削除します。


      installserver# rm -rf autoscinstall.d/clusters
      
  6. autoscinstall.d/ ディレクトリから、削除する各ノードに対応する名前のノード構成ディレクトリを削除します。

    クラスタ全体を削除する場合、クラスタ内の各ノードのディレクトリを削除します。

    • クラスタ内の 1 つまたは複数のノードを削除する場合、各ノードのディレクトリを繰り返し削除します。


      installserver# rm -rf autoscinstall.d/nodes/nodename
      
    • すべてのクラスタの全エントリを削除するには、autoscinstall.d ディレクトリを繰り返し削除します。


      installserver# rm -rf autoscinstall.d
      
  7. .autoscinstall.log.3 ファイルを削除します。


    installserver# rm .autoscinstall.log.3
    
  8. (省略可能) フラッシュアーカイブを使用してクラスタを JumpStart インストールした場合、このファイルが不要であれば、フラッシュアーカイブを削除します。


    installserver# rm filename.flar
    
次の手順

カスタム JumpStart を使用して、クラスタから削除した 1 つまたは複数のノードの情報を削除したクラスタを再インストールするには、対話型の scinstall を再実行して、クラスタのノードリストを更新する必要があります。「Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)」を参照してください。

ProcedureSunPlex Manager ソフトウェアをアンインストールする

以下の手順に従って、Sun Java Enterprise System 2005Q4 ディストリビューションまたはそれ以前の Java ES installer ユーティリティー、あるいはその他のインストールメソッドを使用してインストールされた SunPlex Manager ソフトウェアをアンインストールします。

Sun Java Enterprise System 5 またはこれと互換の Java ES installer ユーティリティーのディストリビューションでインストールされた Sun Cluster Manager ソフトウェアを削除する場合は、代わりに Java ES uninstall ユーティリティーを使用して、これらのパッケージを削除します。詳細は、『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)』の第 8 章「アンインストール」を参照してください。


注 –

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアまたは GUI によって使用できる Sun Cluster 機能のグラフィカルユーザーインタフェースを使用する場合は、SunPlex Manager 、Sun Cluster Manager またはその共有コンポーネントをアンインストールしないでください。こういった機能には、データサービス構成ウィザードやシステムリソースの監視などが含まれます。

ただし、コマンド行インタフェースを使用してこれらの機能を管理する場合は、SunPlex Manager または Sun Cluster Manager ソフトウェアをアンインストールしても安全です。


クラスタ内の各ノードで以下の手順を実行して、SunPlex Manager ソフトウェアおよび関連 Sun Java Enterprise System (Java ES) 共有コンポーネントをアンインストールします。


注 –

SunPlex Manager ソフトウェアは、すべてのクラスタノードにインストールするか、まったくインストールしないかのいずれかにする必要があります。


  1. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  2. SunPlex Manager ソフトウェアパッケージを削除します。


    phys-schost# pkgrm SUNWscspm SUNWscspmu SUNWscspmr
    
  3. (省略可能) ほかに必要がない場合は、Sun Java Web Console ソフトウェアパッケージを削除します。


    phys-schost# pkgrm SUNWmctag SUNWmconr SUNWmcon SUNWmcos SUNWmcosx
    
  4. (省略可能) Sun Java Web Console パッケージを削除した場合、ほかに必要がなければ、Apache Tomcat and Java Studio Enterprise Web Application Framework (Java ATO) ソフトウェアパッケージを削除します。

    その他のアンインストールする製品ごとに、下のリストに挙げたパッケージを、リストされている順に削除します。


    phys-schost# pkgrm packages
    

    製品 

    パッケージ名 

    Apache Tomcat 

    SUNWtcatu

    Java ATO 

    SUNWjato SUNWjatodmo SUNWjatodoc

ProcedureSUNWscrdt パッケージを削除する

クラスタ内の各ノードでこの手順を実行します。

始める前に

この手順を実行する前に、RSMRDT ドライバを使用しているアプリケーションがないことを確認します。

  1. SUNWscrdt パッケージを削除するノードでスーパーユーザーになります。

  2. SUNWscrdt パッケージを削除します。


    phys-schost# pkgrm SUNWscrdt
    

ProcedureRSMRDT ドライバを手動でアンロードする

SUNWscrdt パッケージを削除する」の完了後もドライバがメモリーにロードされたままの場合は、以下の手順を実行して、手作業でドライバをアンロードします。

  1. adb ユーティリティーを起動します。


    phys-schost# adb -kw
    
  2. カーネル変数 clifrsmrdt_modunload_ok1 に設定します。


    physmem NNNN
    clifrsmrdt_modunload_ok/W 1
    
  3. Control+D キーを押して、adb ユーティリティーを終了します。

  4. clif_rsmrdt およびモジュール ID を見つけます。


    phys-schost# modinfo | grep rdt
    
  5. clif_rsmrdt モジュールをアンロードします。

    モジュールをアンロードする前に、clif_rsmrdt モジュールをアンロードする必要があります。


    phys-schost# modunload -i clif_rsmrdt_id
    
    clif_rsmrdt_id

    アンロードする数値 ID を指定します。

  6. rsmrdt モジュールをアンロードします。


    phys-schost# modunload -i rsmrdt_id
    
    rsmrdt_id

    アンロードする数値 ID を指定します。

  7. モジュールがアンロードされたことを確認します。


    phys-schost# modinfo | grep rdt
    

例 8–1 RSMRDT ドライバのアンロード

次の例は、RSMRDT ドライバを手動で削除した後のコンソール出力を示しています。


phys-schost# adb -kw
physmem fc54
clifrsmrdt_modunload_ok/W 1
clifrsmrdt_modunload_ok: 0x0 = 0x1
^D
phys-schost# modinfo | grep rsm
 88 f064a5cb 974 - 1 rsmops (RSMOPS module 1.1)
 93 f08e07d4 b95 - 1 clif_rsmrdt (CLUSTER-RSMRDT Interface module)
 94 f0d3d000 13db0 194 1 rsmrdt (Reliable Datagram Transport dri)
phys-schost# modunload -i 93
phys-schost# modunload -i 94
phys-schost# modinfo | grep rsm
 88 f064a5cb 974 - 1 rsmops (RSMOPS module 1.1)

注意事項

modunload コマンドが失敗した場合、アプリケーションはおそらくまだドライバを使用しています。modunload コマンドをもう一度実行する前にアプリケーションを終了してください。

Procedure定足数サーバーソフトウェアを削除する

始める前に

定足数サーバーソフトウェアを削除する前に、次の作業が完了していることを確認します。

  1. (省略可能) 対話型のグラフィカルインタフェースを使用して Java Enterprise System のコンポーネントをアンインストールするには、アンインストールするホストサーバーの表示環境を GUI を表示するように設定します。


    % xhost +
    % setenv DISPLAY nodename:0.0
    
  2. アンインストールする定足数サーバーホストコンピュータ上でスーパーユーザーになります。

  3. アンインストーラが格納されているディレクトリに移動します。


    phys-schost# cd /var/sadm/prod/SUNWentsysver
    
    ver

    システムにインストールされている Java Enterprise System のバージョンです。

  4. インストールウィザードを起動します。


    phys-schost# ./uninstall
    
  5. 画面の指示に従って、定足数サーバーホストコンピュータから定足数サーバーソフトウェアをアンインストールします。

    削除が完了したあとは、使用可能なすべてのログを表示できます。Java Enterprise System installer プログラムの使い方の詳細は、『Sun Java Enterprise System 2006Q4 Installation Guide for UNIX』を参照してください。

  6. (省略可能) 各定足数サーバーホストコンピュータ上で、定足数サーバーのディレクトリをクリーンアップまたは削除します。

    デフォルトでは、このディレクトリは /var/scqsd です。