リソースタイプをアップグレードする時点でクラスタ管理者が行わなければならない処理、およびシステムにより行われる処理を次に示します。
既存のリソースプロパティー属性が新しいリソースタイプのバージョンの妥当性検査の条件を満たしていない場合、クラスタ管理者は有効な値を指定する必要があります。
クラスタ管理者は、次の条件のもとで有効な値を提供する必要があります。
リソースタイプの新しいバージョンが、以前のバージョンでは宣言されていなかったプロパティーを使用し、デフォルト値がない場合。
既存のリソースが、新しいバージョンでは値が宣言されていないか無効であるプロパティーを使用している場合。リソースタイプの新しいバージョンでは宣言されていない宣言済みプロパティーは、リソースから削除されます。
サポートされていないバージョンのリソースタイプからアップグレードを試みると失敗します。
アップグレード後、リソースは、新しいバージョンのリソースタイプから、すべてのプロパティーのリソースプロパティー属性を継承します。
RTR ファイルでリソースタイプのデフォルト値を変更すると、既存のリソースにより新しいデフォルト値が継承されます。プロパティーが AT_CREATION または WHEN_DISABLED のみで tunable に宣言されている場合であっても、新しいデフォルト値は継承されます。クラスタ管理者が作成する同じタイプのプロパティーも、このデフォルト値を継承します。ただし、クラスタ管理者がプロパティーに新しいデフォルト値を指定する場合、RTR ファイルで指定されているデフォルト値よりも、新しいデフォルト値が優先されます。
Sun Cluster 3.0 で作成されたリソースは、それ以降のバージョンの Sun Cluster にアップグレードされたときに、リソースタイプから新しいデフォルトリソースプロパティー属性を継承しません。この制限は、Sun Cluster 3.0 クラスタからアップグレードされた Sun Cluster 3.1 クラスタのみに適用されます。クラスタ管理者は、プロパティーに値を指定し、デフォルトよりも優先させることによって、この制限に対処できます。